毎日使うお弁当箱やタッパーなどのプラスチック容器。
「食洗機でまとめて洗えたら、後片付けがもっと楽になるのに…」と感じている方は多いのではないでしょうか。
私も家電量販店で働いていると、お客様から食洗機でプラスチック製品を洗えるのか、というご質問をよくいただきます。確かに、手洗いだと油汚れがぬるぬるしてしまったり、何度も洗い直したりと、ちょっとしたストレスになりますよね。
でも、いざ食洗機に入れてみようと思うと、「プラスチックが溶けたり変形したりしないかな?」といった不安がよぎりませんか?
また、実際に洗ってみたものの、容器が白くなる、水滴が残ってなかなか乾かない、軽いタッパーが庫内でひっくり返る、といったトラブルに遭遇した経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
食洗機対応の見分け方が分からなかったり、どのくらいの耐熱温度があれば大丈夫なのかなど、知りたいことはたくさんありますよね。
この記事では、そんな食洗機とプラスチックに関するあらゆる疑問やお悩みを解決していきます。
食洗機でプラスチック製品を上手に洗うための正しい知識と、ちょっとしたコツを身につけて、毎日の家事をさらに快適にするお手伝いができれば嬉しいです。
食洗機でプラスチックを洗う際の基本と注意点

- 食洗機でプラスチックは洗える?
- タッパー、お皿、コップ、まな板の注意点
- 食洗機対応の見分け方
- まずは耐熱温度を確認
- 対応してない食器はどうなるか
- プラスチック製品の変形について
ここでは、食洗機でプラスチック製品を洗う前に、まず知っておきたい基本的な知識や注意点について解説していきます。
「そもそも洗っても大丈夫なの?」という基本的な疑問から、製品ごとの注意点、洗えるものと洗えないものの見分け方まで、失敗しないためのポイントを一緒に確認していきましょう。
食洗機でプラスチックは洗える?
「食洗機でプラスチックって洗ってもいいの?」これは、本当に多くの方が疑問に思うことですよね。
結論からお伝えすると、「条件付きで洗えます」というのが答えになります。
なぜ「条件付き」なのかというと、食洗機の庫内は私たちが手洗いする時とは比べ物にならないくらい過酷な環境だからなんです。
食洗機は、約60℃から80℃もの高温のお湯を使い、強い水圧で食器に吹き付けて汚れを落とします。手洗いだと40℃くらいのお湯でも熱く感じますから、かなりの高温ですよね。
さらに、食洗機用の洗剤は、手洗い用の中性洗剤とは成分が大きく異なります。油汚れやご飯粒のでんぷんを効率よく分解するために、アルカリ性の成分や酵素が配合されていることがほとんど。
この洗浄力の高い洗剤と高温のお湯、そして強い水圧の組み合わせが、プラスチックにとっては大敵になることがあるんです。
熱に弱いプラスチックは変形してしまったり、洗剤の成分によっては表面が傷ついたり、変色してしまったりする可能性があります。
だからこそ、どんなプラスチック製品でもOKというわけではなく、「食洗機に入れても大丈夫な条件」をクリアしているかどうかを、洗う前にしっかり確認することがとても大切になるんですね。
この3つの相乗効果で、手洗いでは難しい高温での洗浄と除菌が同時に行えるのが、食洗機の大きなメリットなんです。
次の項目からは、具体的にどんな点に注意すればいいのか、詳しく見ていきましょう。
タッパー、お皿、コップ、まな板の注意点
プラスチック製品とひと口に言っても、タッパーやお皿、コップ、まな板など、いろいろな種類がありますよね。それぞれ素材や形状が違うので、食洗機で洗う際には少しずつ注意点が異なります。
ここではアイテム別に、特に気をつけてほしいポイントを解説しますね。
タッパーやお弁当箱
一番洗いたいアイテムかもしれませんが、実は注意点がいくつかあります。
特に多いのが、本体は耐熱性が高くても、フタは耐熱温度が低いというケースです。本体は140℃までOKなのに、フタは60℃まで…なんてことも珍しくありません。
フタだけ変形して閉まらなくなってしまった、という失敗談はよく聞きますので、必ず本体とフタ、両方の耐熱温度を確認してくださいね。
また、パッキンも熱で劣化しやすいので、外せるものは外して小物カゴなどで洗うのがおすすめです。
プラスチックのお皿やコップ
お子様用の食器によく使われていますよね。これらは比較的丈夫なものが多いですが、注意したいのが表面のプリントやコーティングです。
食洗機の高温と強力な洗剤によって、お気に入りのキャラクターの絵柄が剥げてしまったり、表面のツヤがなくなって傷だらけになってしまったりすることがあります。
「食洗機対応」と書かれていないものは、大切なものであれば手洗いする方が安心かもしれません。
プラスチックのまな板
まな板も食洗機で洗って除菌までしっかりしたいアイテムの一つですよね。
ただ、まな板は薄くて大きいものが多いため、熱による「反り」に注意が必要です。食洗機のヒーターの近くに立てかけて洗うと、熱でぐにゃっと曲がってしまい、元に戻らなくなることがあります。
なるべくヒーターから遠い場所に置いたり、機種によってはまな板専用の置き場所があるので、取扱説明書を確認してみると良いでしょう。
このように、アイテムごとに少しずつ気をつけるポイントが違います。
次の項目で、洗えるかどうかを判断するための「見分け方」を詳しく見ていきましょう。
食洗機対応の見分け方
「このプラスチック容器、食洗機で洗えるのかな?」と迷ったとき、どこを見ればいいのか、その見分け方をご紹介します。
いくつかポイントがあるので、これさえ押さえておけば、大きな失敗は防げるはずです。
一番確実なのは「食洗機対応マーク」の確認
一番簡単で確実な方法は、製品についている「食洗機対応マーク」を探すことです。
食器洗い機の形や、お皿にシャワーが当たっているような絵柄のマークが一般的ですね。このマークがあれば、メーカーが食洗機での使用を保証しているので、安心して洗うことができます。
製品の裏側や底、パッケージなどに記載されていることが多いので、まずは探してみてください。
ただ、製品によってはマークがなくて「家庭用食器洗い乾燥機使用可」のように文字だけで書かれている場合もあります。海外製品だと英語で「Dishwasher Safe」と表記されていることも多いですよ。
品質表示で素材と耐熱温度をチェック
マークや明確な表示がない場合は、製品の品質表示ラベルを確認しましょう。ここには大切な情報が詰まっています。
この2つの情報、特に耐熱温度が、食洗機で使えるかどうかの大きな判断基準になります。
見た目や手触りだけで判断するのは危険!
ここでひとつ、注意点があります。
それは「硬くて丈夫そうだから大丈夫だろう」といった、見た目や手触りだけで判断しないことです。
一見、熱に強そうな厚手のプラスチックでも、耐熱温度が低い素材でできていることもあります。逆に、薄くて柔らかそうに見えても、シリコーン製で高温に耐えられるものもあります。
自己判断はせず、必ず表示を確認する習慣をつけることが、大切な食器を守るコツですね。
もし、いただきものなどで表示が一切なく、どうしても判断がつかない場合は、念のため手洗いするのが一番安全だと思います。
まずは耐熱温度を確認
食洗機対応の見分け方で最も重要なポイントとして「耐熱温度」を挙げましたが、ここではその耐熱温度について、もう少し詳しく解説していきますね。なぜこれがそれほど大切なのか、具体的な温度の目安を知っておきましょう。
食洗機は、洗浄からすすぎ、乾燥までの工程で高温になります。特にヒーターが作動する乾燥時は、庫内が高温の蒸気で満たされるんです。そのため、プラスチック製品がこの温度に耐えられないと、変形や変質を引き起こしてしまうんですね。
では、具体的に何度くらいの耐熱温度があれば安心なのでしょうか?
耐熱温度 | 食洗機での使用可否の目安 | 注意点 |
---|---|---|
90℃未満 | 基本的には使用不可 | 変形のリスクが非常に高いです。特に60℃未満のものは絶対に入れないでください。 |
90℃~120℃未満 | 低温モードならOKな場合も | 多くの食洗機には「低温コース」や「スピーディコース」といった、通常より低い温度で洗うモードがあります。このモードなら使える可能性がありますが、製品の取扱説明書を確認しましょう。ヒーターの近くは避けるべきです。 |
120℃以上(特に140℃以上が理想) | 基本的に使用OK | このくらいの耐熱温度があれば、標準コースでも安心して使用できるものがほとんどです。特に「ポリプロピレン(PP)」製の容器は、耐熱温度が140℃のものが多く、食洗機向きの素材と言えますね。 |
お客様からも「耐熱温度が90℃って書いてあるけど、大丈夫?」と聞かれることがありますが、これは少し判断が難しいラインなんです。
食洗機の機種や設定温度によってはギリギリ大丈夫なこともあれば、変形してしまうこともあります。
個人的には、長く安心して使いたいなら最低でも120℃以上、できれば140℃以上のものを選ぶことをおすすめします。
このように、耐熱温度は食洗機でプラスチックを洗うための「安全基準」のようなものです。購入する時にも、この数値を意識して選ぶと失敗が少なくなりますよ。
対応してない食器はどうなるか

「もし、食洗機に対応していないプラスチック食器を間違って洗ってしまったら、一体どうなってしまうの?」と、気になりますよね。私も、食洗機を使い始めたばかりの頃、うっかりやってしまった経験があります…。
ここでは、実際に起こりがちなトラブルを具体的にご紹介します。
1. 変形・ぐにゃり
最も多い失敗が、熱による「変形」です。耐熱温度の低いプラスチックは、食洗機の高温に耐えきれず、まるで粘土のように柔らかくなってしまいます。
結果として、コップの飲み口が歪んでしまったり、お弁当箱のフタが閉まらなくなったり、まな板が波打ってしまったり…。一度変形してしまうと、元に戻すのはかなり難しいです。
2. 傷だらけ・ツヤがなくなる
高温や強い水流、そして洗剤に含まれる研磨成分などの影響で、プラスチックの表面がダメージを受けてしまうこともあります。ピカピカだったコップが、全体的に白っぽくくすんで、細かい傷だらけになってしまうんです。
特にお子様用の食器の可愛らしいプリントが、一度の洗浄で無残に剥がれてしまった…なんて悲しい結果になることも。
3. ひび割れ・破損
メラミン樹脂製の食器や、古くなって劣化したプラスチック製品などは、食洗機の急激な温度変化に耐えきれず、「ひび割れ(貫入)」が入ったり、最悪の場合は割れてしまうこともあります。
庫内で食器が割れてしまうと、破片がポンプやフィルターに詰まってしまい、食洗機自体の故障の原因にもなりかねないので非常に危険です。
私の失敗談ですが、耐熱温度が低いとは知らずに100円ショップで買ったキャラクターのコップを洗ってしまい、見事に飲み口が歪んでしまったことがあります…。
幸い、大事なものではなかったのですが、やはりショックでした。この経験から、表示の確認は本当に大切だと実感しましたね。
このように、非対応の食器を洗ってしまうと、食器がダメになるだけでなく、食洗機の故障や思わぬ事故につながる可能性もあります。少し面倒でも、洗う前に「これは大丈夫かな?」と一呼吸おいて確認する癖をつけることをおすすめします。
プラスチック製品の変形について
対応していない食器を洗った場合のリスクとして「変形」を挙げましたが、これはプラスチック製品を食洗機で洗う際の最大の悩みのひとつかもしれません。
なぜプラスチックは変形しやすいのか、そのメカニズムと変形を防ぐためのポイントを詳しく見ていきましょう。
変形の原因は「熱可塑性」という性質
多くのプラスチックには、「熱可塑性(ねつかそせい)」という性質があります。これは、熱を加えると柔らかくなり、冷えると再び固まるという性質のことです。
チョコレートが温かいと溶けて、冷蔵庫で冷やすと固まるのをイメージすると分かりやすいかもしれません。
食洗機の庫内は、洗浄から乾燥の工程で高温になります。この時、耐熱温度の低いプラスチックは柔らかくなってしまいます。
そして、食器カゴに斜めに立てかけられていたり、他の食器の重みがかかっていたりすると、その柔らかくなった状態で自らの重さや圧力に負けて形が歪んでしまうのです。
そして、そのままの形で冷やされて固まってしまうため、「変形」が起こります。
変形を防ぐための置き方のコツ
この変形を防ぐためには、熱の影響を最小限に抑える置き方が重要になります。特に意識したいのは「ヒーターからの距離」です。
Panasonicの一部の食洗機には「ちょこっとホルダー」という小物を固定できる機能があったり、リンナイの食洗機には食器に優しい「重曹コース」が搭載されていたりするなど、メーカーによってもプラスチック製品への配慮がされている場合があります。
お使いの食洗機の取扱説明書を一度確認してみると、上手な置き方のヒントが見つかるかもしれませんよ。
このように、プラスチックの性質を理解し、置き方を少し工夫するだけで、変形のリスクはかなり減らすことができます。ぜひ試してみてくださいね。
食洗機でプラスチックを洗うお悩み解決法

- 嫌な溶けた匂いを防ぐには?
- 容器が白くなる原因と対策
- 油汚れのぬるぬるをスッキリ落とす方法
- 容器がひっくり返る、飛ぶのを防ぐコツ
- プラスチック容器が乾かない時の工夫
- もしかして元に戻せる?変形の直し方
ここからは、実際にプラスチック製品を食洗機で洗う中で出てくる、より具体的なお悩みとその解決法について掘り下げていきます。
「匂いが気になる」「汚れがスッキリ落ちない」「うまく乾かない」など、ありがちなトラブルを解消して、もっと上手に食洗機を使いこなすための実践的なテクニックをご紹介します。
嫌な溶けた匂いを防ぐには?
食洗機を使い終わってドアを開けた瞬間、ツンとしたプラスチックが溶けたような嫌な匂いがして、がっかりした経験はありませんか?
この匂いの原因は、主に2つ考えられます。
一つは、耐熱温度の低いプラスチック製品が、高温によってわずかに溶けたり、表面が変質してしまったりすることです。目に見えるほどの変形はなくても、素材が熱でダメージを受けて匂いを発生させているんですね。
これは、先ほどもお伝えしたように、耐熱温度を確認し、ヒーターから遠い場所に置く、といった基本的な対策で防ぐことができます。
そしてもう一つの意外な原因が、プラスチック容器に残った油汚れなんです。プラスチックは油と馴染みやすい性質(親油性)があるため、目に見えないレベルの油汚れが表面に残りやすいのです。
その残った油が食洗機の高温乾燥で加熱されることで、酸化して嫌な匂いを発生させることがあります。まるで、使い古した揚げ物油のような匂いに近いかもしれません。
特に油汚れが原因の匂いは、庫内全体にこもってしまい、他の食器にまで匂いが移ってしまうことも…。せっかく楽をするための食洗機で、洗い上がりの食器が臭うのは本当に残念ですよね。
ひと手間にはなりますが、油っぽい汚れは軽く拭うか流すかしてから入れるだけで、洗い上がりのスッキリ感が全く違ってきますよ。
もし、すでにお使いの食洗機に匂いがついてしまった場合は、食洗機専用の庫内クリーナーを使ったり、クエン酸や重曹を使ったお手入れを試してみるのもおすすめです。


容器が白くなる原因と対策
食洗機でプラスチック容器を洗ったら、なんだか表面に白いザラザラしたものがついていた…なんて経験はありませんか?
爪でこすれば取れるけれど、せっかく洗ったのにきれいになっていない感じがして、少し気になりますよね。この白い汚れの正体は、主に「水道水に含まれるミネラル成分」です。
水道水には、カルシウムやマグネシウムといったミネラル分が含まれています。食洗機で洗浄後、容器の表面に残った水分が高温で蒸発する際に、このミネラル分だけが結晶となって白く残ってしまうのです。
これは「水垢(みずあか)」や「スケール」とも呼ばれるもので、特にプラスチックのように表面に細かな凹凸がある素材は、水分が残りやすく、この白い汚れが付着しやすい傾向にあります。
また、もう一つの原因として、食洗機用洗剤のアルカリ成分が溶け残ってしまったという可能性も考えられます。洗剤の量が多すぎたり、すすぎが不十分だったりすると、洗剤の成分が白く残ることがあるんです。
白い汚れは「カルキ汚れ」とも呼ばれます
この白い汚れは、電気ポットの内側につくものと同じ種類の汚れです。人体に有害なものではありませんが、見た目があまり良くないですし、蓄積するとザラザラしてしまいますよね。
では、この白い汚れを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
白い汚れは、ちょっとした工夫で防ぐことができますので、ぜひ試してみてくださいね。
油汚れのぬるぬるをスッキリ落とす方法
プラスチック容器、特にタッパーやお弁当箱の油汚れって、手洗いをしてもなかなかスッキリ落ちずに、いつまでもぬるぬる感が残ることがありますよね。これは食洗機で洗っても、時々同じことが起こります。
なぜプラスチック容器の油汚れはこんなにも手ごわいのでしょうか?
その理由は、プラスチックと油の性質がとても似ているからなんです。
多くのプラスチックは石油から作られていますが、料理に使う油も「油脂」ですよね。いわば「油仲間」なので、お互いにとてもくっつきやすい(親和性が高い)性質を持っています。
そのため、油汚れがプラスチックの表面にただ付着するだけでなく、素材のミクロの隙間に入り込んでしまうのです。これが、ぬるぬるの正体です。
食洗機の高温洗浄でも落としきれなかった油汚れが残ってしまうと、洗い上がりにがっかりしてしまいますよね。でも、いくつかのコツを押さえれば、このぬるぬる感を解消できますよ。
私の場合、ミートソースやカレーを入れたタッパーは、まずキッチンペーパーでしっかり拭き取ってから、他の食器とは少し離して食洗機の下段にセットするようにしています。
これだけでも、ぬるぬる残りはほとんどなくなるので、ひと手間かける価値は十分あると思います。
プラスチックの性質を理解して、少しだけ洗い方を工夫してあげることで、あの厄介な油汚れともさよならできるはずです。
容器がひっくり返る、飛ぶのを防ぐコツ

食洗機の運転が終わり、さあ食器を取り出そうとカゴを引いたら、軽いプラスチックのコップやタッパーがひっくり返っていて、中に汚れた水がたまっていた…。
「あーあ…」と、洗い直しになって二度手間、なんて経験、ありませんか?
軽いプラスチック製品は、食洗機の強力な水流でいとも簡単に動いてしまい、庫内を「飛ぶ」ことがあるんです。これは、食洗機あるあるの一つですよね。
でも、ちょっとした置き方の工夫で、このプチストレスはかなり解消できます。
なぜひっくり返る?原因は「軽さ」と「水圧」
原因はとてもシンプルです。陶器やガラスの食器と比べてプラスチックは圧倒的に軽いため、下から噴き上げる強力な洗浄水の水圧に負けて、浮き上がったり、飛ばされたりしてしまうのです。
特に、上段に置いた軽いコップなどは、水圧の影響をダイレクトに受けやすいですね。
私も子どもが小さい頃は、キャラクターの軽いコップやボウルを毎日洗うので、この「ひっくり返り問題」にはよく悩まされました。
結局、いつも使う重めのお茶碗の隣を「プラスチック製品の指定席」にして、そこに挟み込む方法で落ち着きました(笑)
置き場所のルールを決めてしまうと、毎回のセットも楽になりますよ。
少しの工夫で洗い直しの手間が省けるので、ぜひご家庭の食器のラインナップに合わせて、最適な固定方法を見つけてみてください。
プラスチック容器が乾かない時の工夫
食洗機の乾燥機能が終わって、陶器のお皿はカラッと乾いているのに、なぜかプラスチックのタッパーだけびっしょり水滴が残っている…。これも、食洗機ユーザーがよく遭遇するお悩みの一つですよね。
これは食洗機の故障ではなく、プラスチックと陶器の「素材の特性」の違いによって起こる現象なんです。
なぜプラスチックは乾きにくい?
主な理由は2つあります。
- 熱伝導率が低い:陶器やガラスは、洗浄時の熱を蓄えやすい性質があります。そのため、乾燥工程に入っても食器自体が温かく、その熱で水分が蒸発しやすいのです。一方、プラスチックは熱を蓄えにくくすぐに冷めてしまうため、食器自身の熱による乾燥効果があまり期待できません。
- 撥水性が高い:プラスチックの表面は水を弾きやすい性質(撥水性)があります。そのため、水分が表面に薄く広がるのではなく、水滴となって残りやすいのです。特に、容器のフチや溝の部分には水がたまりやすく、なかなか乾きません。
この乾きにくさを少しでも解消するための、いくつかの工夫をご紹介します。
完璧にカラッと乾かすのは難しいかもしれませんが、これらの工夫でかなり改善されるはずです。
どうしても残った水滴は、清潔なふきんでさっと拭き取ってあげればOK。手洗いに比べれば、ずっと楽ちんですよね。
もしもの時の変形の直し方
「うっかり食洗機で変形させてしまったプラスチック容器、もう捨てるしかないのかな…」と諦めてしまう前に、一度試してみる価値のある方法があります。
ただし、これはあくまで自己責任で行う応急処置であり、素材や変形の度合いによってはうまくいかないこともある、ということを先にお伝えしておきますね。
この方法は、プラスチックが持つ「熱可塑性(熱で柔らかくなり、冷えると固まる性質)」を逆手に取ったものです。
試す前の注意点
- この方法で必ず元通りになるという保証はありません。むしろ、さらに状態が悪化する可能性もあります。「ダメ元で試してみる」くらいの気持ちで行ってください。
- 作業中は、火傷に十分注意してください。
- 一度熱で変形したプラスチックは、強度が落ちている可能性があります。再度、食洗機で洗ったり、電子レンジで加熱したりするのは避けた方が安全です。
- 大切な容器や高価なもので試すのはおすすめできません。
正直なところ、この方法で完全に元通りになるケースは稀かもしれません。でも、「フタがほんの少しだけ歪んで閉まりにくい」といった軽度の変形であれば、改善する可能性はあります。
私も昔、少しだけ反ってしまったまな板で試してみたことがありますが、平らな場所に置いて重しを乗せながら冷やすことで、なんとか使えるレベルまで戻せた経験があります。
捨てる前に、最後の手段として覚えておくと良いかもしれませんね。
総括:食洗機でプラスチック製品を上手に洗うコツ
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。