スチームクリーナーで敷き込みカーペットをキレイにしたいけれど効果はあるの?
熱に弱い素材には使えないのでは?
と不安に思っている方は多いでしょう。
カーペットの掃除といえば掃除機が定番ですが、頑固な汚れや気になる臭いには限界があります。
そこで注目したいのがスチームクリーナーです。高温の蒸気で汚れを浮かせて落とす仕組みは、日常のメンテナンスから頑固な汚れまで幅広く対応できる可能性を秘めています。
しかし、敷き込みカーペットには使ってはいけない場所や素材もあり、正しい知識がなければかえって逆効果になることも。
この記事では、自分で行うか業者に依頼するかの判断も含め、あなたのカーペットに最適な掃除方法を見つけるヒントをご紹介します。
敷き込みカーペットにスチームクリーナーは効果的?

ここでは、スチームクリーナーが敷き込みカーペットに使えるのか、その基本的な使い方や効果について解説します。
おすすめの機種や他の掃除方法も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
スチームクリーナーで掃除はできる?
結論から言うと、多くの敷き込みカーペットでスチームクリーナーを使用することは可能です。
スチームクリーナーは、約100℃の高温スチーム(蒸気)を噴射して汚れを浮かせて落とす仕組みです。洗剤を使わずに水だけで掃除できるため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも比較的安心して使えます。
特に、皮脂汚れや食べこぼしなどの油性の汚れに対して効果を発揮しやすいのが特徴です。高温のスチームが油汚れを緩め、浮き上がらせるので、軽い汚れであれば拭き取るだけでキレイになることがあります。
ただし、カーペットの素材によっては注意が必要です。熱に弱い素材や水に濡れることで縮んだり色落ちしたりする可能性がある素材には使用できません。
使用前には必ず、カーペットの洗濯表示や取扱説明書を確認し、「スチームクリーナー使用不可」の表示がないか、また耐熱温度などをチェックしましょう。
不明な場合は、目立たない場所で試してから全体に使用するのがおすすめです。適切な使い方をすれば、スチームクリーナーはカーペット掃除の強い味方になってくれますよ。
臭いは取れる?

スチームクリーナーの高温スチームには、除菌や消臭の効果も期待できます。
カーペットの臭いの原因は、食べこぼしや飲みこぼし、皮脂汚れ、ペットの排泄物などが雑菌の繁殖によって発生することが多いです。
高温のスチームは、これらの雑菌を除去する効果があるため、臭いの根本原因にアプローチできます。ケルヒャージャパンのテストでは、特定条件下でバクテリアやカビ、ウイルスを99.99%除去できたという結果も報告されています。
ただし、臭いの種類や染み込み具合によっては、完全に除去するのが難しい場合もあります。
例えば、長期間放置された頑固な汚れや、カーペットの奥深くまで染み込んだ臭いは、スチームクリーナーだけでは取りきれない可能性があります。
また、スチームを当てることで一時的に臭いが強く感じられることもありますが、これは汚れや臭いの元が蒸気によって浮き上がっているためで、しっかり拭き取り乾燥させることで軽減されることが多いです。
より効果的に消臭したい場合は、スチームクリーナーを使用する前に、重曹などを活用して前処理を行うのも良いでしょう。重曹には消臭効果があるため、スチームクリーナーとの併用でよりスッキリするかもしれません。
おすすめのスチームクリーナー
敷き込みカーペットに使うスチームクリーナーを選ぶ際は、いくつかのポイントがあります。
まず、タイプです。スチームクリーナーには主に「キャニスタータイプ」「スティックタイプ」「ハンディタイプ」があります。
広い範囲の敷き込みカーペットを掃除したい場合は、タンク容量が大きく連続使用時間が長い「キャニスタータイプ」が便利です。床を滑らせるように掃除できるので、比較的楽に作業できます。
手軽さを重視するなら「スティックタイプ」が良いでしょう。掃除機のような感覚で使え、収納スペースも比較的取りません。ただし、タンク容量が小さいモデルが多い傾向にあります。
部分的な汚れや狭い範囲に使いたい場合は、「ハンディタイプ」が小回りが利いて便利です。
次に、カーペットへの対応です。
スチームクリーナーの中には、カーペット専用のアタッチメント(カーペットグライダーなど)が付属している、または別売りで用意されているモデルがあります。このアタッチメントを使うと、カーペットの上でもスムーズにヘッドを動かすことができ、スチームを均一に当てやすくなります。
敷き込みカーペットへの使用を考えているなら、このアタッチメントの有無は重要なチェックポイントです。
また、スチームの温度や噴射圧も確認しましょう。
高温・高圧のスチームが出るモデルほど、洗浄力は高まる傾向にありますが、その分カーペットへの影響も考慮する必要があります。温度調整機能が付いていると、素材に合わせて使い分けられるので安心です。
代表的なメーカーとしては、ケルヒャー、アイリスオーヤマ、シャークなどが挙げられます。
それぞれのメーカーから様々な特徴を持つモデルが販売されているので、ご自宅のカーペットの種類や広さ、使いたい頻度などを考慮して、最適な一台を選んでみてください。
具体的なモデルとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 高い清掃力
- 短時間で準備可能
- 広い範囲の掃除に最適
- カーペットグライダーは別売り
- 比較的価格が高め
- コンパクトで使いやすい
- リーズナブルな価格
- 2WAY仕様で多用途
- 広範囲には不向き
- パワーは比較的控えめ
これらのモデルは一例であり、他にも多くの優れたスチームクリーナーがあります。ご自身の目的やカーペットの状態に合わせて、最適な製品を選んでみてくださいね。
敷き込みカーペットに適した掃除機

スチームクリーナーは汚れを浮かせるのに効果的ですが、日常的なホコリや髪の毛、ゴミを取り除くには、やはり掃除機が欠かせません。敷き込みカーペットに適した掃除機を選ぶポイントをご紹介します。
最も重要なのは「吸引力」です。
カーペットは毛足の奥にゴミが入り込みやすいため、しっかり吸い込めるパワーのある掃除機を選びましょう。特に、ペットを飼っているご家庭では、毛が絡みつきやすいので、吸引力の強いモデルがおすすめです。
最近では「吸込仕事率」という指標だけでなく、実際のゴミ除去率を示す「ダストピックアップ率」なども参考にすると良いでしょう。
次に「ヘッドの種類」です。
カーペット掃除に適したヘッドは、「パワーブラシ(自走式ブラシ)」や「タービンブラシ(モーターなしの回転ブラシ)」です。これらのブラシが回転することで、カーペットの毛足の奥に入り込んだゴミをかき出して吸い取ることができます。
特にパワーブラシはモーターでブラシを回転させるため、カーペット上でも軽い力で掃除でき、ゴミを強力にかき出す効果が高いです。フローリング用のヘッドでは、カーペットのゴミを十分に取りきれない場合があります。
また、「重さ」や「取り回しやすさ」も考慮したい点です。
敷き込みカーペットは部屋全体に敷かれていることが多いため、掃除機が重すぎると移動が大変です。コードレスタイプならコンセントの位置を気にせずスムーズに掃除できますが、連続使用時間や吸引力がコード式に比べて劣る場合があるので、ご自身の使い方に合わせて選びましょう。
最近では、カーペットの毛足の長さに合わせてブラシの高さを自動調整する機能や、ゴミの量に応じて吸引力を自動調整する機能が付いたモデルもあります。これらの機能があると、より効率的に掃除ができます。
具体的なモデルとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 強力な吸引力
- コードレスで動きやすい
- ペットの毛も効果的に除去
- 価格が比較的高い
- バッテリー持続時間に制限あり
- 運転時間を気にせず使用可能
- 軽量で操作が楽
- 自走機能で負担軽減
- コード式のため移動範囲に制限あり
- 収納時にコード処理が必要
これらのモデルは一例であり、他にも多くの優れた掃除機があります。
ご自身のライフスタイルや重視するポイント(コードレスの手軽さか、コード式のパワフルさかなど)に合わせて、最適な一台を見つけてくださいね。
他のさまざまな掃除方法
スチームクリーナーや掃除機以外にも、敷き込みカーペットをキレイに保つための方法はいくつかあります。状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。
これらの方法を日頃のお手入れに取り入れ、汚れの種類や程度に応じてスチームクリーナーや専門業者の利用を検討することで、敷き込みカーペットを長く快適に使うことができます。
敷き込みカーペットへスチームクリーナーを使う注意点

スチームクリーナーは便利なアイテムですが、使い方を間違えるとカーペットを傷めてしまう可能性も。
ここでは、スチームクリーナーを使う際の注意点や、スチームクリーナー以外の選択肢について詳しく見ていきましょう。大切なカーペットを守るために、ぜひ知っておいてくださいね。
使ってはいけない場所
スチームクリーナーは高温の蒸気を利用するため、すべての素材や場所に適しているわけではありません。特に注意が必要な場所や素材について説明します。
まず、カーペットの素材です。
ウール(羊毛)、シルク(絹)、麻などの天然繊維は、高温の蒸気や水分によって縮んだり、風合いが変わってしまったりする可能性があります。また、染色方法によっては色落ちや色移りの原因になることもあります。
これらの素材でできたカーペットへの使用は避けるか、目立たない場所で十分に試してから、自己責任で行う必要があります。
耐熱性の低い化学繊維(例:一部のレーヨンやキュプラなど)も同様に、熱による変質のリスクがあるため注意が必要です。
カーペット以外でも、スチームクリーナーを使ってはいけない場所はあります。
例えば、ワックスが塗られているフローリングです。
高温のスチームによってワックスが溶けたり剥がれたりして、ムラになってしまうことがあります。無垢材のフローリングも、水分や熱によって変形やシミの原因となる可能性があるため、使用は推奨されません。
革製品(ソファなど)や、高温に弱いプラスチック、ニスやラッカー塗装が施された家具なども、変形や変質の恐れがあるため避けましょう。
電化製品の内部やコンセント周りなども、感電や故障の原因となるため絶対に使用しないでください。
スチームクリーナーを使用する前には、対象物の取扱説明書や洗濯表示を必ず確認し、「スチーム使用不可」の表示がないかチェックすることが大切です。
不明な場合はメーカーに問い合わせるか、使用を控えるのが賢明です。
使用後の注意点
スチームクリーナーを使った後のケアも非常に重要です。
一番の注意点は「カーペットを濡れたまま放置しない」ことです。
スチームクリーナーは高温の蒸気で汚れを浮かせますが、同時にカーペットに水分を与えることになります。使用後はカーペットが湿った状態になるため、そのままにしておくと様々な問題を引き起こす可能性があります。
まず、カビや雑菌の繁殖です。
湿気はカビや雑菌の大好物。濡れたまま放置すると、せっかく除菌したはずなのに、かえって不衛生な状態になりかねません。特に梅雨時や湿度の高い季節は注意が必要です。カビが発生すると、アレルギーの原因になったり、カーペット自体を傷めてしまったりします。
次に、臭いの発生です。
湿った状態が続くと、生乾きのような嫌な臭いが発生することがあります。これも雑菌の繁殖が関係しています。
さらに、カーペットの劣化や変形につながる可能性もあります。
素材によっては、長時間湿った状態に置かれることで、繊維が傷んだり、縮んだり、色が変わったりすることが考えられます。
これらの問題を防ぐために、スチームクリーナー使用後は、必ずカーペットをしっかりと乾燥させることが大切です。
具体的な乾燥方法としては、まず乾いたタオルや雑巾でカーペット表面の水分をできるだけ吸い取ります。
その後、窓を開けて換気を良くしたり、扇風機やサーキュレーターで風を送ったり、除湿器を使用したりして、強制的に乾燥を促しましょう。
天気が良ければ、可能であればカーペットを外に干すのが最も効果的ですが、敷き込みカーペットの場合は難しいことが多いです。その場合は、部屋の湿度を下げ、空気の流れを作ることが重要になります。
完全に乾くまでには時間がかかる場合もあるので、しばらくはその部屋の使用を控えるなどの配慮も必要かもしれません。
専門業者への依頼も検討

自分で掃除をしてもなかなか落ちない頑固な汚れや、広範囲の汚れ、あるいはデリケートな素材のカーペットの場合は、無理をせず専門のクリーニング業者に依頼するのも賢い選択です。
専門業者は、カーペットの素材や汚れの種類に応じた専用の機材や洗剤、そして豊富な知識と経験を持っています。
例えば、業務用の強力なスチームクリーナーや、汚れを吸い取る専用のリンサー、素材に合わせた安全な洗剤などを使用し、家庭では難しいレベルのクリーニングが可能です。
シミ抜きに関してもプロの技術は確かです。
ワイン、コーヒー、インクなど、家庭では落としきれない難しいシミも、原因を見極めて適切な方法で除去してくれることが期待できます。
また、敷き込みカーペットの場合、家具の移動が必要になることもありますが、業者によっては家具の移動からクリーニング、乾燥、そして元の位置への設置まで、一貫して行ってくれるサービスもあります。
業者に依頼するメリットは、仕上がりの良さだけでなく、手間がかからない点、そしてカーペットを傷めてしまうリスクを避けられる点にあります。
特に、高価なカーペットや、ウール、シルクなどのデリケートな素材の場合は、プロに任せるのが安心です。
料金は、カーペットのサイズ、素材、汚れ具合、作業内容(シミ抜きの有無など)、業者によって異なります。
一般的には、広さに応じた料金設定(例:1平方メートルあたり〇〇円、〇畳あたり〇〇円など)が多いようです。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することをおすすめします。
見積もり時には、カーペットの素材や気になっている汚れの種類、ペットの有無などを正確に伝えると、よりスムーズです。
話題のリンサークリーナーとの違い
最近、カーペットやソファの布製品の掃除アイテムとして「リンサークリーナー(リンサー洗浄機)」も注目されています。スチームクリーナーと混同されることもありますが、仕組みと得意なことが少し異なります。
スチームクリーナーは、先述の通り「高温のスチーム(蒸気)」で汚れを浮かせて、それを拭き取る(またはブラシでこする)ことで掃除します。高温による除菌・消臭効果が期待できるのが大きな特徴です。
一方、リンサークリーナーは、「水を噴射して汚れを浮かせ、その汚れた水を強力に吸引する」という仕組みです。
スチーム(蒸気)ではなく、液体としての水を直接吹き付けます。そのため、ジュースやコーヒーをこぼしたような液体のシミや、水溶性の汚れを回収するのに非常に効果的です。
汚れた水をそのまま吸い取るため、汚れ戻りが少ないのがメリットと言えます。
多くのリンサークリーナーは常温の水を噴射しますが、一部の機種ではヒーターを搭載し、温水(約40℃~60℃程度)を噴射できるものもあります。
温水を使うことで、より汚れが落ちやすくなります。
どちらが良いかは、目的によって異なります。
皮脂汚れや軽い油汚れを落としたい時
水洗い感覚で汚れを吸い取りたい時
・高温スチームで除菌・消臭もしたい、皮脂汚れや軽い油汚れを落としたい → スチームクリーナー
・飲みこぼしなどの液体汚れをしっかり回収したい、水洗い感覚で汚れを吸い取りたい → リンサークリーナー
両方の機能を併せ持ったような「スチーム機能付きリンサークリーナー」も登場しています。
これは、水を噴射・吸引するリンサー機能に加えて、高温スチーム(約100℃)も噴射できるタイプです。汚れの種類や目的に合わせて使い分けられるため、より幅広い対応が可能です。
どちらのクリーナーも、カーペットの素材によっては使用できない場合があるので、使用前には必ず取扱説明書や洗濯表示を確認してくださいね。
総括:敷き込みカーペットにスチームクリーナー
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。