最近、ビルトイン食洗機の稼働率が下がっていませんか?
子どもが独立して家族の人数が減ったり、故障してしまったりと、食洗機が不要になるタイミングは意外と多いものです。
しかし、いざ撤去を考えると「どこに頼めばいいのか分からない」「費用はどれくらいかかるのか」「撤去後のスペースはどうしよう」といった疑問が次々と浮かんできます。
実は、ビルトイン食洗機の撤去は思っているより複雑な作業で、給排水管の処理や電気工事が必要になるため、DIYでは対応が困難です。
一方で、適切な業者に依頼すれば、撤去したスペースを便利な収納に変えることができ、キッチンの使い勝手が格段に向上します。
この記事では、撤去を検討している方が知っておくべき基本的な知識から、実際の作業手順、そして賢い業者選びのポイントまでを詳しく解説します。
撤去後のスペース活用アイデアも豊富にご紹介しているので、きっとあなたのキッチンにぴったりの解決策が見つかるはずですよ!
ビルトイン食洗機を撤去したい人のためのガイド

ビルトイン食洗機の撤去を考え始めたとき、まず知っておきたい基本的な情報をまとめました。
撤去を考えた理由から、気になる費用、DIYでできるのか、そして撤去後の活用法まで、幅広く解説します。
食洗機がいらなくなる理由
ビルトイン食洗機が「いらない」と感じる理由は、ご家庭の状況によって様々です。
一番多いのは、お子様が独立するなど家族構成が変わり、洗い物の量が減ったというケースです。
食器が少量の場合、予洗いして食洗機にセットし、運転が終わるのを待つよりも、手でさっと洗った方が早いと感じるようになると、次第に使わなくなります。
次に、食洗機が故障してしまったケースです。
修理費用が高額だったり、設置から10年以上経過していて寿命が近かったりするため、修理せずに撤去を選ぶ方も少なくありません。
高額な修理費用を払って古い家電を使い続けるより、その費用を新しい収納庫の設置に充てて、キッチンの利便性を高めたいと考えるのは自然なことでしょう。
他にも、手洗いのほうが気分的にスッキリする、あるいは単純にキッチンの収納スペースを増やしたいという理由で撤去を検討する方もいらっしゃいます。
調理器具やストック食品が増えて手狭になったキッチンでは、食洗機分のスペースが貴重な収納場所に変わります。それぞれのライフスタイルの変化が、食洗機不要論に繋がっているようです。
撤去費用はいくらかかる?

ビルトイン食洗機の撤去にかかる費用は、工事の内容や依頼する業者によって大きく変動します。
まず、食洗機本体を取り外すだけの最もシンプルな作業の場合、費用相場はおおよそ1万5千円から3万円程度です。
この基本的な料金には、通常、食洗機本体の取り外し作業費、水漏れが起きないように給水管と排水管を確実に塞ぐ「閉栓処理」の技術料、そして意外と手間のかかる撤去後の本体の「廃材処分費」などが含まれています。
もし、撤去してできたスペースに新しく収納庫(フィラーキャビネット)を設置するとなると、その分の費用が追加で必要になります。
収納庫の価格は、扉の素材やサイズ、機能性によって大きく異なり、既製品であれば3万円から7万円程度が一般的な目安です。
例えば、既存のキッチンと全く同じ面材(扉の表面材)で合わせるオーダー品になると、費用はさらに上がり、10万円を超えることもあります。
つまり、撤去作業と既製品の収納庫設置を合わせて依頼すると、総額で5万円から10万円程度がひとつの目安になります。選ぶ収納庫のグレードや、設置に必要な微調整などによって最終的な金額が変わるため、この価格帯には幅があります。
もちろん、これはあくまで一般的な相場です。
業者によって料金設定やサービス内容は異なりますので、後悔しないためにも、必ず2〜3社から詳細な内訳が書かれた見積もりを取って比較検討することをお勧めします。
DIYで撤去できる?
結論から言うと、ビルトイン食洗機の撤去をDIYで行うことは、専門的な知識と技術が求められるためお勧めできません。作業には給水管・排水管の処理と、電気配線の処理という、二つの大きな関門があるからです。
特に水道管の処理は、単純に見えて非常にデリケートです。
止水栓を閉めても、配管の切り離しや末端の閉鎖処理を正しく行わないと、後からじわじわと水が漏れ出すことがあります。
このわずかな水漏れが、床下を腐らせたり、カビを発生させたり、最悪の場合、マンションなどでは階下の部屋まで水浸しにしてしまうという、賠償問題にも発展しかねない大惨事を引き起こす可能性があるのです。
さらに、電気配線の取り扱いには「第二種電気工事士」以上の国家資格が必要です。
コンセントを抜くだけのタイプは稀で、多くは壁の裏で直接配線されています。無資格での作業は法律で固く禁止されているだけでなく、感電による人身事故や、不完全な絶縁処理による漏電火災といった、命に関わる重大なリスクを伴います。
加えて、食洗機本体は非常に重く、システムキッチンにぴったりと収められているため、周囲のキャビネットを傷つけずに取り出すこと自体も簡単ではありません。
費用を節約したい気持ちは理解できますが、万が一のトラブルで発生する修理費用やリスクを考えると、初めから専門の業者に依頼するのが、結果的に最も安全で賢明な判断と言えるでしょう。
撤去後の処分方法
撤去したビルトイン食洗機は、家電リサイクル法の対象品目ではありません。そのため、多くの場合は自治体のルールに従って「粗大ごみ」として処分することになります。
具体的な処分方法は自治体によって異なりますので、まずはお住まいの市区町村のホームページを確認するか、担当窓口に問い合わせてみましょう。手数料や申し込み方法、収集日などを確認する必要があります。
撤去を業者に依頼した場合は、ほとんどの場合、追加料金でそのまま引き取って処分してもらえます。自分で処分する手間を考えれば、業者に一括で任せてしまうのが最も簡単な方法です。
撤去後のスペース活用アイデア

撤去後のスペースを収納庫に変えるのが一般的ですが、それ以外にも様々な活用方法があり、アイデア次第でキッチンの利便性をさらに高めることができます。
例えば、幅がぴったり合うキャスター付きのワゴンを設置すれば、よく使う調味料、スパイス類、あるいは背の高い油や醤油のボトルなどをまとめて収納し、調理中にさっと引き出して使えます。
作業が終われば押し込むだけで、キッチンがすっきりと片付くのが魅力です。
また、オープンスペースのままにして、これまで置き場所に困っていた分別用のゴミ箱を収めるのも非常に良いアイデアです。
キッチンはゴミが出やすい場所ですが、ゴミ箱がキャビネット内に収まることで、見た目がすっきりするだけでなく、臭いが広がるのを抑える効果も期待できます。
お客様が来た時など、生活感を隠せるのも大きなメリットです。
その他にも、5kgや10kg単位で購入するお米のストッカーを置くのもいいでしょう。
また、普段はあまり使わないけれど場所を取るホームベーカリーやミキサーといった調理家電の定位置にしたりと、ご家庭のニーズに合わせて自由にアレンジできます。
まずは現状のキッチンで「どこに何があればもっと使いやすいか」「何が散らかって見える原因か」をじっくり考えてみると、そのスペースの最適な活用法が見つかるはずです。
ビルトイン食洗機撤去したい時の具体的な手順

ここからは、実際にビルトイン食洗機を撤去したいと考えた際の、具体的なアクションについて解説していきます。
どこに依頼すれば良いのか、工事はどのような流れで進むのか、そして費用を抑えるためのポイントまで、詳しく見ていきましょう。
どこに頼めばいい?
- 純正品で完璧な一致
- 製品構造を熟知
- 仕上がりが美しい
- 費用が高い傾向
- 多様な提案力
- コストパフォーマンス重視
- 機能性を重視した提案
- 純正品との完全一致は困難
- 水回り工事の専門性
- 撤去作業が安価
- 配管処理が確実
- 収納設置は専門外
- トータル対応は困難
ビルトイン食洗機の撤去をどこに頼むかは、仕上がりや費用を左右する重要なポイントです。主な依頼先にはそれぞれ特徴がありますので、ご自身の希望に合った業者を選びましょう。
まず考えられるのは、そのシステムキッチンを設置したキッチンメーカーや、家を建てたハウスメーカー、工務店です。
最大のメリットは、キッチンの製品情報や構造を正確に把握しているため、撤去後の収納庫を設置する際に、色やデザインが完璧に一致した純正品を用意できる点です。仕上がりの美しさを最優先するなら、最も確実な選択肢と言えます。
ただしその分、費用は他の業者に比べて高くなる傾向があります。
次に、リフォーム会社や家電量販店のリフォーム部門も有力な選択肢です。
リフォーム会社は、撤去後のスペース活用について、収納庫の設置だけでなく、様々な選択肢を提案してくれるのが強みです。純正品にこだわらず、より機能的でコストパフォーマンスの高い収納を提案してくれることもあります。
地域の水道工事店やガス会社も、撤去作業自体は依頼できます。
配管のプロフェッショナルなので、水回りの処理は安心して任せられます。ただし、彼らの専門はあくまで設備工事なので、撤去後の収納設置までトータルでお願いするのは難しい場合があります。
「撤去だけを安く確実に行いたい」という場合には適しています。
どの業者に依頼するにしても、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。料金はもちろんですが、担当者の対応の丁寧さや、提案内容の具体性を比較検討し、納得できる業者を選ぶことが重要です。
インターネットで「ビルトイン食洗機 撤去 (お住まいの地域名)」などと検索し、口コミや施工事例を参考にしながら探すのも良い方法です。
撤去工事の流れと所要時間
実際に業者に依頼してから工事が完了するまでの流れは、一般的に以下のようになります。各ステップで何が行われるのかを具体的に見ていきましょう。
当日の工事にかかる時間は、撤去のみであれば1〜2時間程度で完了することがほとんどです。
撤去後に新しい収納庫を設置する場合でも、作業はスムーズに進めば半日もかからずに終わることが多いでしょう。
ただし、配管が特殊な位置にあったり、食洗機が古く固着していたりするなど、現場の状況によっては作業時間が長引く可能性もあるため、工事日には時間に余裕を持っておくと安心です。
水栓の処理方法と注意点

ビルトイン食洗機には、給水管と排水管が接続されています。撤去する際には、これらの配管を適切に処理する必要があります。
具体的には、給水管の元栓を閉め、分岐している部分にキャップをして止水します。排水管も同様に、不要になる口を専用の部材で塞ぎます。
先ほどもお伝えしたように、この作業は水漏れのリスクが伴うため、必ず専門の知識と技術を持ったプロに任せるべきです。
万が一、処置が不完全で水漏れが発生した場合、床材や階下への損害など、大規模な修繕が必要になる可能性があります。修理費用は撤去費用とは比べ物にならないほど高額になるため、安易な自己判断は禁物です。
電源の取り外し方と安全対策

ビルトイン食洗機は、多くの場合キッチンのコンセントや、分電盤から直接つながる専用回路から電源を取っています。撤去する際は、この電源を安全に処理しなければなりません。
作業前には必ず分電盤の該当するブレーカーを落とし、通電していないことを確認する必要があります。この作業は「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行うことができません。
無資格者が作業を行うと、感電事故や漏電による火災の原因となる可能性があり非常に危険です。安全のため、電源の処理も水道の処理と合わせて、必ず専門業者に依頼してください。
費用を抑える賢い撤去方法

撤去費用を少しでも抑えたい場合、いくつかの賢い方法があります。
最も効果的なのは、やはり「相見積もり」を取ることです。
複数の業者に見積もりを依頼すると、単に料金の比較ができるだけでなく、価格交渉の有力な材料になります。
「A社はこれくらいの金額だったのですが…」と相談するだけで、より良い条件を提示してくれる可能性があるのです。
最低でも2〜3社から見積もりを取り、合計金額だけでなく、工事費、部材費、処分費といった詳細な内訳までしっかりと確認しましょう。
安く見えても出張費が別途必要だったり、処分費が含まれていなかったりするケースもあるため、注意が必要です。
また、撤去後の収納をどうするかによっても、総費用は大きく変わります。
コストを抑えるなら、メーカー純正の高価なキャビネットにこだわる必要はありません。ホームセンターなどで販売されている汎用品の収納庫を選んだり、プロに撤去作業だけを依頼し、空いたスペースにご自身で可動棚を取り付けたりすることで、コストを大幅に削減できます。
ただし、水漏れや感電のリスクがある水道や電気の工事は必ずプロに任せ、安全が確保された状態からDIYを始めるという前提を忘れないでください。
プロに依頼する際のポイント
信頼できるプロに依頼するためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まず、見積もりの内容が明確であることです。
「工事一式」といった大雑把な記載では、後から追加料金を請求されるトラブルにもなりかねません。作業費、部材費、出張費、廃材処分費といった項目ごとに料金が細かく記載されているか、しっかり確認しましょう。
これにより、何にどれくらいの費用がかかるのかが明確になり、他社の見積もりとも正確に比較できます。
また、万が一の事故に備えて「損害賠償責任保険」に加入している業者を選ぶと、より安心です。
作業中に床やキッチンを傷つけてしまったり、万が一水漏れを起こしてしまったりした場合でも、保険でしっかりと補償してもらえます。事前にホームページで確認するか、見積もりの際に直接質問してみましょう。
業者の技術力を見極めるには、過去の施工事例を見せてもらうのが有効です。
多くの業者が自社のウェブサイトに写真付きで事例を掲載しています。撤去後の仕上がりの美しさや、収納庫を設置した際の収まり具合などを確認することで、その業者の仕事の丁寧さを判断する材料になります。
そして、最終的には担当者の人柄や対応も重要な判断基準です。
こちらの質問や不安に、専門用語ばかり使わずに分かりやすく答えてくれるか。要望をしっかりと聞き、親身に相談に乗ってくれるか。
初めの問い合わせから工事完了まで、気持ちよくコミュニケーションが取れる信頼できるパートナーを見つけましょう。
総括:ビルトイン食洗機を撤去したい
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。