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玄米が美味しく炊ける炊飯器!選び方とおすすめ機種を家電店員が解説

用途・シチュエーション

最近、健康のために「玄米」を始めたいという方がすごく増えましたよね。でも、いざお家で炊いてみると「なんだか硬いしパサパサする」「逆にべちゃべちゃになってしまった」なんて失敗談、結構多いんです。

それ、炊飯器のせいかもしれません。
玄米は白米と違って皮が硬いので、美味しく炊くにはちょっとした「コツ」が必要なんですよね。

この記事では、玄米が美味しく炊ける炊飯器を探しているあなたのために、店頭でお客様からよく聞かれるポイントをまとめました。

圧力IHとマイコンの違いから、主要メーカー各社の最新機能、さらには内釜の素材など、プロの視点で解説しますね。

この記事のポイント
  • 玄米炊飯になぜ圧力IHが最適なのか
  • 象印・タイガー・パナソニックの玄米機能の違い
  • 玄米炊飯の失敗を防ぐコツ
  • 酵素玄米やロウカット玄米など特殊な炊飯の可否
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玄米が美味しく炊ける炊飯器の選び方

クリーン家電ガイド:イメージ

まず、玄米を美味しく炊くために「どんな炊飯器を選べばいいの?」という疑問にお答えします。

玄米は、白米を炊くのとはチェックするポイントがちょっと違うんですよ。ここを押さえるだけで、炊飯器選びの成功率がグッと上がります!

圧力IHとマイコンの違いは?

店頭で一番多く聞かれるのがこの違いですね。
「マイコン式」は1万円以下で買えるモデルもあって価格が安いのが魅力ですが 、玄米を美味しく炊くなら、断然「圧力IH式」をおすすめします。

これはもう、店頭では声を大にして言っているポイントです。

なぜかというと、玄米は表面が硬い「糠(ぬか)」と「ロウ層」という皮に覆われていて、これが水分を弾いてしまうんです 。マイコン式のヒーターは釜の底だけを温める仕組みなので、どうしても火力が弱く、熱が釜全体に均一に伝わりにくいんです。玄米の芯まで熱を届けるのが難しく、結果、「パサパサで硬い」炊きあがりになりがちなんですよね 。

一方、圧力IH式は、釜全体を強力なIH(電磁誘導)で加熱し、さらに1.0気圧以上の圧力をかけます。水の沸点が100℃以上(例えば1.3気圧なら約107℃)になる高圧・高温状態を作り出すことで、あの硬い玄米の皮を物理的に柔らかくし、内部のデンプン(お米の芯)まで水分と熱を強制的に浸透させることができます 。

このプロセスが、お米のデンプンが美味しく消化しやすい状態に変わる「α化(糊化)」を強力に促進します 。だから、圧力IHで炊いた玄米は、マイコン式とは比べ物にならないくらい、もっちりと甘く炊き上がるんです。

玄米炊飯の加熱方式まとめ

  • 圧力IH式:高火力・高圧力。玄米の皮を破って芯まで加熱。もちもち甘く炊ける。玄米には最適解です 。
  • IH式:高火力だが圧力なし。マイコン式よりはふっくら炊けますが、圧力IHの「もっちり感」には一歩及びません。
  • マイコン式:安価だが火力が弱い。玄米の芯が残りやすく、硬くなりがち 。玄米メインの方にはおすすめしにくいです。

「美味しく炊ける」ことを最優先するなら、予算が許す限り圧力IHモデルを選ぶのが、玄米食を続けるための失敗しない一番の近道だと思いますよ。

内釜の素材(土鍋・鉄)で選ぶ

炊飯器の「味」を大きく左右するのが、心臓部とも言える「内釜」の素材です。

特に各メーカーの高級モデルは、この内釜にものすごくこだわっていますね。食感の好みが分かれるところなので、ぜひチェックしてください。

タイガーの「土鍋」

タイガーの最上位モデル「土鍋ご泡火炊き」は、その名の通り本物の土鍋を内釜に使っているのが最大の特徴です。土鍋は金属釜に比べて蓄熱性が非常に高く、一度温まると冷めにくいんです。

この高い蓄熱性と遠赤外線効果で、お米の芯までじっくりと熱を伝え、甘みを引き出します。さらに、沸騰時には土鍋ならではの「きめ細かな泡」が発生します 。この優しい泡が米粒を包み込み、米同士がぶつかって傷つくのを防ぎながら加熱するので、粒立ちが良く、ツヤツヤのご飯に炊き上がるんです。

お客様からも「料亭みたいに粒が立ったご飯が炊ける」「シャッキリした食感が好き」と評判ですよ 。土鍋ならではの「おこげ」が選べるのも人気の秘密です 。

象印の「鉄(豪炎かまど釜)」

一方、象印の「炎舞炊き」は「」にこだわっています。「豪炎かまど釜」と呼ばれる内釜は、鉄・アルミ・ステンレスを組み合わせた複合層釜です。

鉄の高い発熱効率と蓄熱性、アルミの高い熱伝導性を活かし、IHの熱を瞬時に釜全体に伝えます。特に「炎舞炊き」は、底のIHヒーターを複数に分割し、それぞれを独立制御する「3DローテーションIH構造」を採用しています。

これにより、釜の中に局所的な加熱と激しく複雑な熱対流(お米が舞う)を起こすんです。この激しい対流が炊きムラをなくし、一粒ひと粒をふっくら、もっちりと炊き上げます。

粒立ち重視のタイガーか、もっちり対流の象印か。ここは食感の好みで選ぶと良いと思いますよ。

玄米モードで浸水なしで炊ける?

クリーン家電ガイド:イメージ

「玄米モードって、浸水しなくても炊けるんですか?」これも本当によく聞かれる質問です。

答えは、「はい、ボタンひとつで炊けます(ただし時間はかかります)」です。

昔は、玄米を美味しく炊くために最低でも6時間以上も水に浸しておく必要がありました 。これが本当に手間で、玄米食が続かない一番の原因だったんですよね。

でも、最近の炊飯器に搭載されている「玄米モード」は、この面倒な「浸水(吸水)」の工程がプログラムに組み込まれているんです 。

具体的には、炊飯ボタンを押すと、すぐに高温で炊き始めるのではなく、まず「予熱」工程に入ります。ここで玄米が吸水しやすい最適な温度(ぬるま湯のような状態)を一定時間キープして、お米の芯までじっくりと吸水させるんです 。

なので、私たちは研だお米をセットしてスイッチを押すだけ。本当に手軽になりました。

補足:「浸水なし」と言っても、炊飯器が内部で自動で浸水(吸水)時間を取っているので、炊飯時間自体は白米よりかなり長くなります。「すぐ炊きあがる」という意味ではないので、その点だけ注意してくださいね。

※ただし、後で紹介するパナソニックの「金芽ロウカット玄米」専用コースは、特殊なお米を使うことでこの時間を劇的に短縮しています 。

容量注意点(5.5合は玄米3合)

これは、店頭でもお客様に誤解のないように説明が必要な部分なんです。

例えば、一番売れ筋の「5.5合炊き」の炊飯器。これ、カタログスペックはもちろん白米が5.5合炊けるという意味なんですが、玄米になると最大で3合程度までしか炊けないモデルがほとんどなんです 。

なぜかというと、玄米は白米より多くの水を必要とし、さらに高火力・高圧力で炊き上げるため、ふきこぼれやすい特性があるからなんです 。安全に美味しく炊ける上限が、白米より少なく設定されているんですね。

容量の罠に注意!

3~5人家族の方が「5.5合炊き」を買った場合、白米なら十分でも、玄米を炊くと3合しか炊けず、「家族全員分に足りなかった…」「作り置きしたかったのに…」ということが起こり得ます 。

玄米を主食にするご家庭や、一度にたくさん炊いて冷凍したい方は、必ず「玄米の最大炊飯容量」をカタログや公式サイトでチェックしてくださいね。場合によっては、一つ上の1升炊き(玄米なら5合程度炊ける)を検討するのもアリだと思います。

玄米が硬い・べちゃべちゃになる原因

「奮発して高い圧力IH炊飯器を買ったのに、玄米が硬い!」「逆にべちゃべちゃになる!」というご相談もいただきます。

これには大きく分けて2つの原因が考えられます。

1. 水加減(ユーザーエラー)

これが一番多い原因かもしれません。
特に圧力IH炊飯器は性能が高く、密閉性も高いので、内釜の目盛り指定通りの水量だと柔らかすぎたり、べちゃべちゃになると感じる方が結構いらっしゃいます。

お客様からも「レビューでべちゃべちゃになると読んだから、水を線ちょうどより少し減らしたら、翌日すごく美味しく炊けた」というお声をいただきました。

玄米は白米と違って「研ぎ方」や「お米の品種・状態」でも吸水率が変わってきます。まずは内釜の目盛りを基準にしつつ、少し水を減らしたり増やしたりして、ご家庭の「ベストな水加減」を見つけるのが大事ですね。

炊飯の豆知識

伝統的なコツですが、炊飯前にひとつまみの塩を加えるのもおすすめです。浸透圧の働きで玄米の吸水が促進され、芯までふっくら炊き上がりやすくなるんですよ 。

2. 製品の特性(食感のミスマッチ)

水加減をいろいろ調整してもダメな場合、それは炊飯器の「個性」と、あなたの「好みの食感」が合っていないのかもしれません。

例えばパナソニックの「おどり炊き」は、通常の玄米を炊いた場合、「お粥のようだった」 「もちもちでは柔らかすぎた」 というお声を聞くことがあり、比較的柔らかめに炊き上がる傾向があります。

逆にタイガーの土鍋釜は「炊きあがりは、口コミ通りシャキっとした感じです」 というレビューがあるように、粒立ち重視です。

柔らかめが好きな方がタイガーを、シャッキリ硬めが好きな方がパナソニックを選ぶと、水加減をどう調整しても「失敗した」と感じてしまうんです。これが「食感のミスマッチ」ですね。

玄米が美味しく炊ける炊飯器おすすめ比較

クリーン家電ガイド:イメージ

ここからは、実際に店頭で「玄米が美味しい」と評判の主要メーカー3社のフラッグシップモデルの特徴を、食感の好み別に比較していきます。

どれも素晴らしい炊飯器ですが、玄米に対するアプローチが全然違うんですよ。

象印:熟成炊きでもっちり食感

「玄米でも、とにかくもっちり・ふっくら・甘く炊きたい!」という方に一番人気なのが象印です。

この食感を実現しているのが、象印の最上位シリーズ「炎舞炊き」です。特におすすめのモデルは「NW-FC10」 や、新しい「NW-NB10」 ですね。

これらのモデルは最大1.3気圧という高い圧力をかけて炊き上げます 。そして、玄米炊飯の最大の武器が「熟成炊き(玄米)」モードです 。

これは、通常の玄米モードよりもさらに予熱と炊飯時間を長くして、お米の芯までじっくり吸水させる機能。お米のデンプンが甘みに変わる「α化」を最大限に促進させることで、玄米が本来持つ甘みをグッと引き出してくれるんです。

(出典:象印マホービン「お米の栄養を引き出す 熟成炊き」

お客様からも「お試しで玄米を炊いたら、予想以上に美味しくてもっちり。これなら玄米食を続けられる」 、「ふっくら感、甘み、食感、どれをとっても最高でした」 と、炊き上がりの満足度が非常に高いですね。

「わが家炊き」機能と「お手入れ」が決め手!

象印のすごいところは、食べた感想(硬さ・粘り)をタッチパネルで入力すると、炊飯器がAIのように炊き方を微調整して、どんどん自分好みの食感に近づけてくれる「わが家炊き」機能です。「NW-NB10」なら81通り 、「NW-FC10」の上位機種なら121通り も炊き分けられるので、食感に徹底的にこだわりたい方には象印がぴったりです。

あと、主婦目線で嬉しいのがお手入れ。「NW-FC10」は毎回洗うのが「内ぶた」と「内釜」のたった2点だけなので、本当に楽なんですよ。

タイガー:土鍋で粒立ちを重視

「もっちり系より、一粒ひと粒がしっかりした、粒立ちの良いご飯が好き」という方には、タイガーがおすすめです。

この食感を生み出すのが「土鍋ご泡火炊き」シリーズです。2025年の最新フラッグシップモデルは「JRX-S100」になります。

先ほども紹介した「本物の土鍋」を内釜に使っているのが特徴。高火力だけでなく、沸騰時に土鍋ならではの「きめ細かな泡」が発生します。この泡がお米を優しく包み込み、米粒同士がぶつかって崩れるのを防ぐので、玄米でも粒立ちが保たれるんです。

さらに「可変W圧力」という技術で、炊飯工程で圧力を変化させ、お米の旨みを引き出します。

お客様の感想でも「炊きあがりは、口コミ通りシャキっとした感じです」という声があり、べちゃっとするのが苦手な方に本当にピッタリですね。

米・食味鑑定士も高評価

タイガーの炊き上がりはプロからも評価されていて、米・食味鑑定士による評価では、「食べた後の甘みの余韻がずっと残っていてとても良かった」「花咲具合のツヤ感がよく一粒ひと粒が均等に揃っていた」と、甘みと粒立ちの良さが高く評価されています。

お手入れも内なべ・内ぶた・スチームキャップの3点とシンプルです 。

パナソニック:ロウカット玄米で時短

「味も大事だけど、毎日のことだから手軽さ・時短を最優先したい!」という方には、パナソニックが面白い選択肢になります。

パナソニックの「おどり炊き」シリーズ の最大の武器は、「金芽ロウカット玄米」という特定の加工玄米に特化した専用コースがあることです 。

この機能が搭載されている代表的なモデルが、現行モデルの「SR-M10B」 などです。

この「ロウカット玄米」というのは、東洋ライス社が開発したお米で、玄米の栄養を残しつつ、表面の硬くて水を弾く「ロウ層」だけをあらかじめ均等に除去(カット)したものなんです。
白米のように食べやすいのが特徴ですね。

(出典:東洋ライス株式会社 お知らせ

パナソニックの専用コースは、このロウカット玄米に最適化されているので、なんと事前の浸水が不要なうえ、約65分という早さで炊き上がります 。

一般的な玄米モードが吸水(自動)を含めると約100分~108分かかること を考えると、これは劇的な時短です。

「玄米食を続けたいけど、浸水や炊飯時間が長くて挫折しそう…」という方の、一番強い味方になってくれると思います。ただし、この時短機能は専用のお米(金芽ロウカット玄米)を使うことが前提なので、その点だけご注意くださいね。

酵素玄米・寝かせ玄米は炊ける?

最近「酵素玄米(寝かせ玄米)」をやりたい、というご相談も増えました。これは玄米に小豆と塩を加えて炊いた後、70℃前後の特定温度で3日(72時間)ほど保温・熟成させるものですね 。

「象印やタイガーの高機能な保温で代用できますか?」と聞かれますが、これは「炊飯」より「保温(熟成)」がキモなんです。

象印の「うるつや保温」(最大30時間) やタイガーの保温機能は、あくまで「炊きたての美味しさを(70℃以下で)保つ」ためのものです。酵素玄米が要求する「発酵・熟成」のための特定の高温(70℃前後)をキープし続ける設定とは、目的が根本的に異なります。

酵素玄米の注意点

本格的に酵素玄米を作りたい場合は、CUCKOO(なでしこ健康生活)酵素玄米Labo といった、専用の炊飯器(熟成に最適化された保温温度設定や高い密閉性を備えたモデル)を選ぶのが確実だと思いますよ。

一般的な炊飯器での代用は、メーカーが推奨していない方法であり、適切な温度管理が難しく、食味や衛生面でのリスクも考えられます。自己責任での運用はおすすめしにくいですね。

まとめ:玄米が美味しく炊ける炊飯器

ここまで、玄米が美味しく炊ける炊飯器について、選び方の技術的なポイントからメーカー比較まで解説してきました。

結局のところ、「玄米が美味しく炊ける炊飯器」の正解は、あなたがどんな「食感」を「美味しい」と感じるかで変わってきます。

主要3メーカーの玄米に対するアプローチを、おすすめモデルと共にまとめてみますね。

おすすめのタイプメーカー代表モデル玄米へのアプローチ食感の傾向
もっちり・甘み重視派象印炎舞炊き NW-FC10 / NW-NB10高圧力(1.3気圧) + 熟成炊き(長時間吸水・α化促進)もっちり・ふっくら・甘い
粒立ち・シャッキリ派タイガー土鍋ご泡火炊き JRX-S100 / JPI-X100本土鍋の蓄熱性 + きめ細かな泡(粒立ち保護)シャッキリ・粒立ちが良い
時短・手軽さ重視派パナソニックおどり炊き SR-VSX1 / SR-M10B「金芽ロウカット玄米」専用コース(ロウ層除去米に最適化)柔らかめ・(ロウカット玄米で)時短

高機能な炊飯器は決して安いお買い物ではありませんが、玄米食という健康習慣を「手間」や「味の不満」で挫折させないための、価値ある投資だと思います。ぜひ、あなたにピッタリの「玄米パートナー」を見つけてくださいね。

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