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お風呂の追い炊き掃除の全知識!正しいやり方と家電活用術まとめ

風呂掃除

お風呂の追い炊き機能、便利に使っているけれど配管の掃除って本当に必要なの?
とギモンに思っていませんか?

実は追い炊き配管の中は、高温多湿で皮脂や湯垢という栄養が豊富な、雑菌にとって最高の繁殖環境なんです。掃除をサボると、レジオネラ菌をはじめとする危険な雑菌が増殖し、健康被害のリスクだけでなく給湯器の故障にもつながる可能性があります。

でも正直、月に1回の掃除って面倒ですよね?
入浴剤は使っても大丈夫なのか、重曹での掃除は効果があるのか、ジャバなどの洗浄剤は本当に安全なのか、気になることもたくさんあると思います。

この記事では、追い炊き掃除をしないリスクから正しい掃除のやり方、業者に依頼する場合の料金相場まで徹底解説します。

そして最新の自動洗浄機能を搭載した給湯器や、エコキュートによる家電での解決策まで、追い炊き配管を清潔に保つための全ての情報をお届けします。

この記事のポイント
  • 追い炊き配管の汚れが引き起こす健康リスク
  • 1つ穴と2つ穴タイプ別の正しい掃除方法
  • メーカーが推奨する入浴剤の選び方
  • 掃除の手間を家電で解決する最新の方法
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お風呂の追い炊き掃除をしないリスク

クリーン家電ガイド:イメージ

追い炊き機能って、寒い日には本当に助かりますよね。
でもその配管の「掃除」となると、ついつい後回しにしがちじゃないでしょうか?

「見えないところだから大丈夫」と思っていると、実はちょっと怖い落とし穴があるんです。

ここでは、追い炊き掃除をサボってしまうとどんなリスクがあるのか、どのくらいの頻度で掃除すべきなのか、お客様からもよくご質問いただくポイントを一緒に見ていきましょう。

追い炊き掃除をしないと危険?

いきなり「危険」なんて言うと驚かせてしまうかもしれませんが、これは決して大げさな話ではないんです。

追い炊き配管の中は、「お湯(高温)」「湿気(多湿)」そして「栄養」という、雑菌が繁殖するのに最適な条件が揃ってしまっています。この「栄養」というのが、何を隠そう私たちが入浴したときに出る「皮脂」や「湯垢」なんです。

お湯を温め直すたびに、皮脂汚れを含んだお湯が配管の中を行ったり来たり…。
その結果、配管の内部には「バイオフィルム」と呼ばれる、雑菌の膜(ヌメリ)ができてしまいます。

特に注意が必要なのが、「レジオネラ菌」です。

私も家電量販店で働いているので、ご高齢のご家族や小さなお子様がいらっしゃるお客様からは、このレジオネラ菌についてのご質問を稀にいただきます。この菌は、抵抗力が比較的弱い方が湯気を吸い込んでしまうことで、最悪の場合、レジオネラ肺炎という深刻な感染症を引き起こす可能性があります。

(参考:厚生労働省「レジオネラ症」

もちろん、それ以外にも大腸菌群や黄色ブドウ球菌といった雑菌も繁殖しやすくなります。

追い炊きボタンを押したら、浴槽に黒や茶色の汚れがフワッと浮かんできた…なんて経験はありませんか?
あれは、まさに配管内部に溜まった汚れ(バイオフィルム)が剥がれ落ちてきたサインなんです。

健康被害だけじゃない!設備トラブルのリスク

汚れを放置するリスクは、健康面だけではありません。給湯器やエコキュートは、実はとても精密な「家電」です。

配管内に汚れが蓄積すると、センサーが誤作動を起こしたり、お湯の循環が悪くなって熱効率が落ちたりする可能性があります。さらに汚れが詰まってしまうと、給湯器本体の故障につながり、高額な修理費用や買い替え費用がかかることも…。

家族の健康と、大切な家の設備(家電)を守るためにも、追い炊き配管の掃除は「見えないところ」だからこそ、定期的に行う必要があるんですね。

「じゃあ、どのくらいの頻度でやればいいの?」という疑問が次に出てくると思います。それについては、次のセクションで詳しくお話ししますね。

掃除の理想的な頻度は?

追い炊き配管の掃除、どのくらいの頻度でやるのが正解なんでしょうか?

メーカーや専門業者さんが推奨している、基本的な掃除の目安は「1ヶ月に1回」です。

…と、簡単にお伝えはするものの、正直なところ「月1回って、結構ハードル高くないですか?」とお客様から言われることも多いです(笑)

私もそう思います。
ついつい忘れがちですし、ちょっと面倒ですよね。

ただ、この「1ヶ月に1回」というのには、ちゃんと理由があるんです。

先ほどお話ししたように、追い炊き配管の中は雑菌がとても繁殖しやすい環境です。特に、入浴後の「残り湯」をそのままにしておくのは絶対にNGです。

残り湯には、家族全員分の皮脂や汚れが溶け込んでいて、雑菌にとってはまさに「栄養たっぷり」の状態。そのお湯を一晩放置すると、雑菌の数は爆発的に増えてしまうと言われています。

一番の予防策は、入浴後すぐに残り湯を抜いてしまうこと
これが配管内の雑菌繁殖を抑える上で、一番簡単で効果的な方法なんです。

ご家庭の状況別:推奨される掃除頻度

「月1回」はあくまで基本の目安です。ご家庭の状況によっては、もう少し頻度を調整しても良いかもしれません。

  • 免疫力が気になるご家庭:ご高齢の方や小さなお子様、持病をお持ちの方などがいらっしゃる場合は、リスクを避けるためにも、やはり1〜2ヶ月に1回の洗浄をおすすめします。
  • 追い炊きをよく使う冬場:追い炊き機能の使用頻度が高くなる時期は、その分汚れも溜まりやすくなります。こういう時期は、2〜3ヶ月に1回は掃除したいところですね。
  • 残り湯を洗濯に使っているご家庭:残り湯を洗濯に使う場合、どうしても一晩お湯を溜めておくことになります。これは配管にとっては汚れが溜まりやすい状況なので、やはり1〜2ヶ月に1回の洗浄が理想的です。

とはいえ、「月1回」の掃除が面倒だという事実は変わりませんよね…。
この「面倒くささ」をどうにかしたい!というニーズに応えてくれるのが、実は「家電」なんです。

最近の浴室乾燥機は、入浴後にスイッチひとつで浴室全体をカラッと乾燥させて、カビや雑菌の繁殖原因である「湿気」そのものを断ち切ってくれるものも多いです。パナソニックの「カビシャット暖房換気乾燥機」などは、その代表例ですね。

また、給湯器(エコキュート)自体に、この面倒な配管掃除を自動でやってくれる機能が付いたモデルも増えています。それについては、この記事の後半で詳しくご紹介しますね!

まずは、「基本は月1回。でも残り湯をすぐ抜くのが一番大事!」と覚えておいてください。

入浴剤は使っても大丈夫?

「お風呂の追い炊き掃除」とセットで、お客様から必ずと言っていいほど聞かれるのが、この「入浴剤」問題です。

「追い炊き機能を使いたいけど、入浴剤も楽しみたい!」
当然ですよね。

結論から言うと、「使える入浴剤と、使えない入浴剤(非推奨)があります」というのが答えになります。

ここでもポイントになるのが、給湯器やエコキュートは「精密な家電」だということです。入浴剤の成分によっては、配管や給湯器本体のセンサー、ポンプといったデリケートな部品を傷めてしまう可能性があるんです。

特にエコキュートは、メーカーごとに結構厳しく指定が決まっています。

これはNG!追い炊きでは避けるべき入浴剤

以下の成分が含まれている入浴剤は、故障のリスクが非常に高いため、追い炊き機能を使う場合は使用を避けてください。

  • 硫黄成分を含むもの:「湯の花」や温泉系の入浴剤に多いですね。金属を腐食させる性質があります。
  • 固形物を含むもの:ハーブや生薬(葉、茎など)がそのまま入っているタイプ。フィルター詰まりの直接的な原因になります。
  • にごりタイプ(酸化チタン、炭酸カルシウムなど):これが一番の落とし穴です!にごり成分の微細な粒子が配管内に沈殿・付着して、センサーの誤作動やポンプの摩耗を引き起こすことがあります。
  • ミルク成分、とろみ系のもの:保湿成分などが配管に残りやすく、皮脂汚れと同じように雑菌のエサになってしまいます。

「あの有名なメーカーの入浴剤だから大丈夫」と思っていても、「にごりタイプは除く」と小さく書かれていることが本当に多いので、パッケージの裏側をよーく確認してくださいね!

では、主要なエコキュートメーカーがどう言っているか、少し見てみましょう。

メーカー 使用可能なブランド(代表例) 特に注意が必要な点(使用不可)
パナソニック 花王「バブ」など(※注意書き確認) 生薬、ミルク、とろみ系、硫黄、酸、アルカリ。
「自動配管洗浄」を「入」で使うことが必須条件。
コロナ バブ、バスクリン、きき湯、バスロマン、温泡 上記ブランドでも「にごりタイプ」は全て不可。
※マイクロバブルユニット搭載機は一切の入浴剤が使用不可。
ノーリツ バブ、きき湯、温泡 にごりタイプ、硫黄、酸、アルカリ。
バスソルト系(塩分)も非推奨(△)とされています。

※上記はあくまで代表例です。必ずご自宅の給湯器・エコキュートの取扱説明書をご確認ください。

こうして見ると、メーカーによっても対応が結構違いますよね。

特にパナソニックは「自動配管洗浄」機能(後ほど詳しく説明しますね!)を使うことが前提になっていたりと、「入浴剤OK=家電の機能(自動洗浄)とセット」という考え方になっているのが面白いポイントです。

できれば入浴剤を使った日は、万が一を考えて追い炊き機能は使わずに、入浴後すぐに排水して、浴槽や循環口フィルターの周りをシャワーでさっと洗い流す習慣をつけると、より安心だと思いますよ。

重曹での掃除は効果ある?

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最近は「ナチュラルクリーニング」が人気で、店頭でも「お風呂掃除に重曹やクエン酸を使いたい」というお話をよく聞きます。

では、追い炊き配管の掃除にも「重曹+クエン酸」は使えるのでしょうか?

うーん、これについては、「あまりおすすめできません」というのが正直なところです。

確かに、重曹やクエン酸はキッチンの排水口の表面的なヌメリ取りなどにはとっても優秀ですよね。シュワシュワと泡が出るのも、なんだかキレイになっている感じがします。

でも、私たちが今立ち向かおうとしているのは、追い炊き配管の「内部」にこびりついた、頑固な「皮脂汚れ」と「バイオフィルム(雑菌の膜)」です。

残念ながら、重曹やクエン酸の力だけでは、これらの強固な汚れを強力に分解して、しっかり除菌するまでのパワーは弱いとされています。

「汚れの性質」で使い分ける

お掃除の基本は「汚れの性質」に合わせた洗剤を選ぶことです。

  • 酸性の汚れ(水アカ、湯垢):アルカリ性の「重曹」や「過炭酸ナトリウム」が有効です。
  • アルカリ性の汚れ(皮脂汚れ):酸性の「クエン酸」が有効です。

追い炊き配管の中は、皮脂汚れ(酸性)も湯垢(アルカリ性)も混在している複雑な状態。だからこそ、両方にアプローチできる専用の洗浄剤が必要になる、というわけなんですね。

「じゃあ、何を使えばいいの?」というと、やはり「ジャバ」に代表される、市販の「風呂釜用」と書かれた専用洗浄剤を使うのが一番確実です。

これらの専用洗浄剤は、「過炭酸塩(酸素の力で汚れを剥がす)」や「キレート剤(水アカを溶かす)」「界面活性剤(皮脂を分解する)」といった成分がバランスよく配合されていて、まさに追い炊き配管の複雑な汚れを落とすために作られています。

特に、給湯器・エコキュートは精密な「家電」です。
もしナチュラルクリーニングを試して配管の奥に汚れが詰まってしまったり、逆に成分が強すぎて配管を傷めてしまったりすると、メーカーの保証対象外になってしまう可能性もゼロではありません。

日常の浴槽掃除(浴槽の皮脂汚れ落とし)には重曹やクエン酸も活躍すると思いますが、月1回の「配管内部」の本格的な掃除には、安全と効果が確認されている専用の洗浄剤を使うことを、私は強くおすすめします。

その専用洗浄剤の代表格「ジャバ」の正しい使い方については、この後「正しいお風呂の追い炊き掃除のやり方」のセクションで詳しく解説しますね!

パナソニックの自動洗浄機能とは

月1回の追い炊き掃除が面倒…、入浴剤を使いたいけど配管の汚れが気になる…。

そんなジレンマを「家電の力」で解決してくれるのが、パナソニックのエコキュートなどに搭載されている「自動配管洗浄」機能です。

家電量販店で働いていると、「最近の家電は本当に賢くなったなぁ」と日々実感するのですが、この機能もまさにその一つですね。

これは、浴槽のお湯を排水するときに、その排水を検知して、自動で「約10Lのお湯(または水)」を配管に流して、配管内に残った汚れを洗い流してくれるという優れものなんです。

ポイントは、「お湯を抜くたびに、毎回自動で」やってくれるところ。月1回の特別な掃除として「よし、やるぞ!」と気合を入れる必要がなく、毎日のルーティンの中で自動的に配管をクリーンに保ってくれる、というのが最大のメリットだと思います。

先ほどの「入浴剤」のセクションでも触れましたが、パナソニックが「自動配管洗浄」機能を「入」に設定することを条件に、一部の入浴剤の使用を許可しているのは、この機能があるからなんですね。

入浴剤の成分が配管内に残ってしまう前に、その日のうちに洗い流してしまおう、という考え方です。すごく合理的ですよね。

「ひとセンサー」との連携も!

パナソニックの先進的なモデル(JPシリーズなど)になると、さらに賢い機能が付いています。

浴室の「ひとセンサー」が入浴の終了(退室)を検知すると、「自動配管洗浄」の準備を始め、浴槽の栓が抜かれたタイミングで洗浄をスタートする…といった連携も可能なんです。

これなら、洗浄機能の作動忘れもありませんし、まさに「全自動」でお風呂の清潔を保てるというわけです。こうした「先回りしてくれる賢さ」は、パナソニックの得意分野だなぁと感じますね。

もちろん、この「自動配管洗浄」機能は、あくまでも「日常の汚れを溜めないようにする」ための予防的な機能です。メーカーも、この機能があるからといって、ジャバなどを使った定期的な配管洗浄(例:半年に1回など)が全く不要になるわけではない、と説明しています。

とはいえ、月1回だった掃除が半年に1回で良くなるだけでも、家事の負担はかなり軽くなるじゃないでしょうか?

「追い炊き掃除は面倒だけど、サボるのは怖い」…そんな方にこそ、パナソニックの「自動配管洗浄」のような、「面倒なことを家電が代わりにやってくれる」という発想の家電は、とても良い選択肢になると思いますよ。

正しいお風呂の追い炊き掃除のやり方

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さて、ここまでは追い炊き掃除の「必要性」や「リスク」についてお話ししてきました。

ここからは、いよいよ実践編です!
「じゃあ、具体的にどうやって掃除すればいいの?」というところを、詳しく解説していきますね。

追い炊き配管の掃除は、ご自宅のお風呂の「穴の数」によって、やり方が全く違ってくるんです。
まずは、ご自宅の浴槽の穴が「1つ穴」なのか「2つ穴」なのかをチェックしてみてください。

1つ穴タイプの掃除のやり方

最近の住宅やマンションのお風呂は、ほとんどがこの「1つ穴(強制循環型)」タイプだと思います。

1つ穴タイプは、1つの穴からお湯を吸い込んで、ポンプの力で強制的に循環させて温め、同じ穴から吐き出す仕組みになっています。

お湯の流れが速いので、次に説明する2つ穴タイプに比べて汚れは溜まりにくいと言われていますが、それでも掃除は必要です。

掃除に使うのは、先ほどから名前が出ているジョンソンの「ジャバ(1つ穴用)」や、お使いの給湯器メーカーが出している「純正洗浄剤」が一般的です。

基本的な手順は以下のようになります。
(※製品によって異なるので、必ず洗浄剤の説明書も確認してくださいね!)

  1. 湯量の確認:浴槽の穴(循環口)の中心から、10cm以上お湯(または水)がある状態にします。残り湯でも大丈夫ですが、あまりに汚れていたり、入浴剤が入っていたりする場合は、新しく張り直した方が効果的ですね。
  2. 洗浄剤の投入:浴槽のお湯に、ジャバ1袋などをサラサラと入れて溶かします。
  3. 洗浄運転:給湯器のリモコンの「配管洗浄」や「クリーニング」といったスイッチを押します。(機種によって操作が違います)。自動的に追い炊き運転が始まり、洗浄剤を含んだお湯が配管内をグルグルと循環して洗浄してくれます。時間は大体15分~30分くらいでしょうか。
  4. 排水:洗浄運転が終わったら、浴槽のお湯をすべて排水します。この時、配管から剥がれた汚れが出てくるのが見えるかもしれません。
  5. フィルター掃除(超重要!):排水したら、循環口のカバーを外します。(大体は回せば外れます)。中にあるフィルターに、髪の毛や湯垢がびっしり…なんてことも。これを古い歯ブラシなどでしっかりこすり落とします。
  6. すすぎ運転:フィルターを元に戻したら、もう一度、穴から10cm程度上まで水を張り、「さし水」や「ぬるめ」スイッチなどで、配管内部に残った洗浄剤と汚れを洗い流します。これを怠ると、次にお湯張りした時に洗浄剤の混じったお湯が出てきてしまうので、水が透明になるまですすぎましょう。

フィルター掃除を効率化する「関連家電」

この手順の中で、私が「超重要!」と書いたのが「フィルター掃除」です。配管をいくらキレイにしても、お湯の通り道であるフィルターが汚れていては意味がないですよね。

この細かい部分の掃除、歯ブラシでゴシゴシするのも良いんですが、もしご自宅に「スチームクリーナー」があったら、ぜひ使ってみてください!

ケルヒャーやアイリスオーヤマなどから出ているハンディタイプのスチームクリーナーで、高温のスチームをフィルターに「シューッ」と吹きかけるだけで、洗剤を使わなくても除菌しながら汚れを浮かせて落とせます。循環口の複雑な隙間掃除にもぴったりですよ。家電量販店でも、年末の大掃除シーズンになると、このスチームクリーナーを指名買いされるお客様がとても多いです。

1つ穴タイプの掃除は、「洗浄剤を入れてボタンを押すだけ」と簡単そうに見えますが、実は最後の「フィルターの物理掃除」と「すすぎ運転」がキレイに仕上げるための鍵、ということですね。

2つ穴タイプの掃除のやり方

続いて、比較的古いタイプの住宅に見られる「2つ穴(自然循環型)」の掃除方法です。浴槽に穴が上下に2つ並んでいるのが特徴ですね。

このタイプは、下の穴から冷めたお湯を吸い込み、風呂釜で温め、温かくなったお湯が上の穴から自然に出てくる…という、温度差を利用したゆっくりとした循環をしています。そのためお湯の流れが遅く、構造的に汚れが配管内部に溜まりやすいという弱点があります。

1つ穴タイプとは掃除のやり方が全く違うので、注意してくださいね。

使う洗浄剤は、「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」や、「2つ穴専用」と書かれた洗浄剤を使います。

  1. 下の穴を塞ぐ:まず、浴槽にお湯は張りません。循環口の下の穴に、タオルや雑巾を隙間なく詰め込んで、お湯や洗浄剤が漏れないように完全に塞ぎます。これが一番のポイントです。
  2. 洗浄剤の投入:上の穴から、過炭酸ナトリウム(目安として50g程度)や専用洗浄剤を、配管内部に直接投入します。
  3. お湯の投入:上の穴から、配管内部が満たされるように、40〜50℃くらいのお湯を(やかんやシャワーなどで)ゆっくりと注ぎ入れます。
  4. 放置:そのまま1〜2時間程度放置して、洗浄剤が汚れをじっくり分解するのを待ちます。
  5. 排水:時間が来たら、下の穴に詰めたタオルを一気に引き抜きます!これで、配管内部の汚れたお湯が浴槽内にドバっと排出されます。
  6. すすぎ:シャワーホースなどを使い、上と下の両方の穴から勢いよく水を流し込んで、内部に残った汚れや洗浄剤をしっかりと洗い流します。
  7. フィルター掃除:最後に、循環口のカバーやフィルター(もし外せるタイプなら)を外し、ブラシで清掃して元に戻します。

過炭酸ナトリウム使用時の注意点

過炭酸ナトリウムは強力な洗浄力がありますが、少し注意も必要です。特にお湯への溶かし方が不十分だと、浴槽の材質(特に古い樹脂製の浴槽など)によっては変色を引き起こすリスクも指摘されています。

ご自宅の浴槽の材質が不安な場合は、やはり「2つ穴専用」として市販されている洗浄剤を使った方が安全かもしれませんね。

正直なところ、1つ穴タイプの掃除と比べると、2つ穴タイプの掃除は物理的に穴を塞いだり、お湯を運んだりと、作業の手間が格段に大きいです。

もし、今2つ穴タイプのお風呂をお使いで、掃除の大変さや汚れの溜まりやすさに悩んでいる…という場合は、根本的な解決策として、1つ穴タイプの最新の給湯器(エコキュートなど)への買い替えを検討してみるのも、一つの「家電による解決策」だと思いますよ。

洗浄剤ジャバの使い方と効果

追い炊き配管の掃除といえば、やっぱりジョンソンの「スクラビングバブル ジャバ(1つ穴用)」を思い浮かべる方が多いんじゃないでしょうか?

まさに風呂釜洗浄剤の「デファクトスタンダード(事実上の標準)」ですよね。
店頭でもお客様から「給湯器を新しくしたんだけど、掃除はジャバでいいの?」と聞かれることがよくあります。

結論から言うと、「ジャバ」は非常に優秀で、多くの給湯器メーカーも使用を公認している安全な洗浄剤です。

例えば、エコキュートなどを製造している「コロナ」も、自社の取扱説明書の中で、市販品として「ジャバ(1つ穴用)」を名指しで推奨しているくらいなんです。

なぜ「ジャバ」がそんなに信頼されているかというと、その成分に秘密があります。

ジャバの主な成分は、「過炭酸塩(酸化剤)」「漂白活性化剤」「キレート剤(クエン酸ナトリウム)」「界面活性剤」などです。

ちょっと難しい言葉が並びましたが、簡単に言うと…

  • 過炭酸塩:酸素の泡の力で、配管にこびりついた汚れを物理的に剥がし取ります。
  • キレート剤:水道水に含まれるミネラル分が固まった水アカを、化学的に溶かして分解します。
  • 界面活性剤:雑菌のエサとなる「皮脂汚れ」を分解します。

このように、追い炊き配管特有の「水アカ」と「皮脂汚れ」の両方に、1つでアプローチできるように、成分が絶妙にバランス配合されているんですね。

これが重曹やクエン酸だけでは難しい「専用洗浄剤」の強みです。

メーカー純正洗浄剤との違いは?

コロナの「クリーンエース」(税込3,080円)や、パナソニックの「ふろ循環回路洗浄剤」(AD-03755-2AH、約2,000〜3,000円)など、各メーカーは「純正洗浄剤」も用意しています。

「ジャバ(実売300〜500円程度)」と比べると、純正品はかなり高価ですよね。

この価格差は、もちろん「安心料」という側面が一番大きいです。純正品は、自社のエコキュートのデリケートなセンサーや配管素材(金属や樹脂)との適合性を、何重にもテストして「絶対に安全」と保証されたものです。

ですから、「エコキュートを設置したばかりで、保証期間がたっぷり残っている」という方や、「少しでも機器を傷めるリスクを避けたい」という方には、純正洗浄剤のご使用を強くおすすめします。

一方で、「ジャバ」も、先ほどお話ししたようにメーカーが使用を公認している実績があります。「まずは手軽に、でも確実に掃除したい」という大半のニーズには、ジャバが最もコストパフォーマンスの高い選択肢だと言えると思いますよ。

使い方は、「1つ穴タイプの掃除のやり方」でご説明した通り、お湯に溶かして「配管洗浄」ボタンを押すだけ。

とても簡単ですが、洗浄後の「フィルター掃除」と「すすぎ運転」だけは、絶対に忘れないようにしてくださいね!

業者に依頼する場合の料金

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「ジャバとかで自分で掃除してみたけど、まだ黒い汚れが出てくる…」
「もう何年も掃除をサボってしまって、市販の洗浄剤じゃ歯が立たないかも…」

そんな時は、専門のハウスクリーニング業者さんに「徹底洗浄」をお願いするのも一つの手です。

プロの皆さんは、私たちが市販で手に入れられないような強力な専用洗剤と、マイクロバブル(微細な泡)を発生させる洗浄機など、特別な機材を使って、配管内部に固着したバイオフィルムを根本からゴッソリと剥ぎ取ってくれます。

じゃあ、実際に業者さんに依頼すると、いくらくらいかかるんでしょうか?

これはお店によって本当にピンキリなんですが、いくつか代表的な業者さんの料金(目安)を見てみましょう。

業者名(例) サービス名(例) 料金(税込・目安) 主なサービス範囲
おそうじ本舗 浴室(風呂釜)の追い焚き配管除菌クリーニング 25,300円 / 式 追い炊き配管の内部洗浄・除菌
ダスキン 浴室クリーニング 22,000円 / 浴室1室 浴槽、天井、壁、床、ドアなど(※配管内部は要確認)
くらしのマーケット 風呂釜(追い炊き配管)洗浄 (業者により異なる) (業者により異なる)

※料金やサービス内容は、本記事作成時点での一例です。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

業者さん選びで注意すべき「2つのポイント」

プロにお願いする時には、いくつか注意点があります。店頭でも、お客様から「クリーニング頼んだのに!」というお話を聞くことがあるので、ぜひ覚えておいてください。

  1. 「浴室クリーニング」と「配管洗浄」は別メニュー?
    上の表でもわかる通り、ダスキンの例のように、「浴室クリーニング」というメニューには「追い炊き配管の内部洗浄」が含まれていないケースが非常に多いです!「お風呂掃除」を頼んだつもりが、浴槽や壁がピカピカになっただけで、一番気になっていた配管は手付かず…なんて悲劇も。必ず見積もりの段階で、「追い炊き配管の内部を専用機材で洗浄する」作業が含まれているか、指差し確認してください。
  2. 「10年以上経過した機器」は保証対象外!
    これはとても重要です。「くらしのマーケット」などで多くの業者が明記していますが、設置から10年以上経過した給湯器やエコキュートは、クリーニング作業が原因で万が一故障しても「保証できません」という規定になっていることがほとんどです。古い機器は、洗浄の圧力や強い洗剤に耐えられない可能性があるからですね。

もし、ご自宅の給湯器が10年近く経っているのであれば、私はちょっと考えてしまいます。

2〜3万円という高額なクリーニング費用(対処療法)を払っても、古い機器の故障リスクは残ったまま…。それなら、その費用を頭金の一部にして、毎月の掃除の手間からも解放される「自動洗浄機能付き」の最新エコキュート(家電)に買い替える(投資)方が、長期的には合理的で、何より快適なんじゃないかな、と思います。

家電量販店で働いていると、ついそういう「買い替え」の視点でものを考えてしまうんですよね(笑)

とはいえ、そこまで古い年式でない場合は、もちろん業者によるクリーニングは最適解のひとつです。個人的な意見で言えば、作業のクオリティを重視なら「おそうじ本舗」か「おそうじ革命」、低料金とコスパ重視なら「くらしのマーケット」がおススメですね。

おそうじ革命

くらしのマーケット

家電で解決?自動洗浄機能

「追い炊き掃除が面倒」というお悩みは、本当にたくさんのお客様から伺います。この「面倒くさい」を根本的に解決してくれるのが、やっぱり「家電の力」だと思うんです。

先ほどはパナソニックの「自動配管洗浄」機能をご紹介しましたが、もちろん他のメーカーも負けてはいません!「掃除の手間をなくす」ための、すごい機能がたくさんあるんですよ。

家電のプロの視点から、特に注目している「自動洗浄機能」をいくつかご紹介しますね。

三菱電機:「バブルおそうじ」

これは三菱電機のエコキュートに搭載されている、独自の機能ですね。名前の通り「泡」で掃除するのが特徴です。

浴槽の排水を検知すると、「マイクロバブル(とっても微細な泡)」を配管内に発生させて、その泡の力で配管内の皮脂汚れを吸着して、こすらずに除去してくれるんです。洗剤を使わずに、泡の物理的な力でキレイにする、という発想がすごいですよね。

さらに「キラリユキープPLUS」という機能が搭載された最上位モデル(SRT-S467など)だと、深紫外線で浴槽のお湯を除菌する機能まで付いています。もう、お風呂掃除という概念が変わってしまいそうです。

コロナ:「配管自動洗浄」

コロナのエコキュートにも、もちろん「配管自動洗浄」機能(CHP-46AX4K-2など)が搭載されています。パナソニックと同様に、排水時に自動で配管をクリーンにしてくれる機能です。

コロナの場合、先ほどの「入浴剤」のセクションで見たように、「にごり湯は絶対NG」「マイクロバブルユニット(オプション)を付けたら入浴剤は一切NG」と、機器の保護(故障防止)に対するルールが他メーカーより厳しい印象があります。

裏を返せば、それだけ精密でデリケートな部品を使っているということでもありますね。純正洗浄剤「クリーンエース」が用意されているのも、そうした背景があるんだと思います。

【予防家電】リンナイ:「ウルトラファインバブル給湯器」

これは「掃除」ではなく、一歩進んで「汚れを予防する」という発想の家電です。

リンナイの「ウルトラファインバブル給湯器」は、給湯器本体で目に見えないほどの超微細な泡(UFB)を作り出し、家中に送るお湯(お風呂だけでなく、キッチンや洗面所も!)をウルトラファインバブル水に変えてしまうんです。

このUFBが、皮脂汚れや水アカ(バイオフィルム)が浴槽や配管に付着するのをそもそも抑制してくれるんだとか。つまり、「追い炊き配管が汚れにくくなる」だけでなく、「浴室の床や排水口のヌメリ・水アカも付きにくくなる」という、まさに夢のような技術です。

こうした「自動洗浄」や「予防」機能が搭載された最新の給湯器・エコキュートは、もちろん初期費用はかかります。でも、「月1回の面倒な掃除」という家事労働から解放される「時間」と「安心」を、家電の力で手に入れる…というのは、とても賢い選択肢の一つだと、私は思いますよ。

お風呂の追い炊き掃除総まとめ

さて、ここまで「お風呂の追い炊き掃除」について、汚れの原因から、掃除をしないリスク、具体的な掃除方法、そして最新の「家電による解決策」まで、かなり詳しく見てきました。いかがでしたでしょうか?

「追い炊き掃除」という、ちょっと面倒な一つの家事に対しても、実は色々なレベルの解決策があるんだな、ということがお分かりいただけたかと思います。

最後に、家電ブログの視点から、「浴室を清潔に保つ」ための解決策を、3つのステップ(Good / Better / Best)でまとめてみたいと思います。

【Good】まずは基本のDIY掃除を徹底する

これが基本のスタートラインですね。まずは、「月1回」の定期的な掃除を頑張る、というステップです。

  • ジョンソンの「ジャバ」や、メーカー純正の「クリーンエース」などの専用洗浄剤を正しく使う。
  • 1つ穴タイプなら、洗浄後の「フィルター掃除」と「すすぎ運転」を徹底する。
  • そして何より、「残り湯」を放置せず、入浴後はすぐに排水する習慣をつける。

これだけでも、配管の汚れ方は全く違ってくるはずです。

【Better】「関連家電」で掃除の質と効率を上げる

「追い炊き配管が汚れる原因は、浴槽のお湯に流れ込む皮脂や湯垢」ということを思い出してください。つまり、配管だけでなく「浴室全体」をキレイに保つことが、結果的に配管掃除の手間を減らす「Better(より良い)」な解決策になります。

この「浴室全体の清掃」を効率化してくれるのが、まさに「関連家電」です。

  • 電動バスポリッシャー:アイリスオーヤマ(IS-BP4)やXiaomiなどから出ている電動ブラシで、浴槽や床に付着した皮脂汚れを、力を入れずに効率的に除去します。
  • スチームクリーナー:ケルヒャー(SC1 EasyFix)などで、高温スチームを使って循環口のフィルターやタイルの目地のカビ・湯垢を根本から除去・除菌します。
  • 浴室換気乾燥機:パナソニックやTOTOなどの最新機種で、入浴後に浴室全体を強制的に乾燥させ、カビや雑菌の繁殖原因である「湿気」を断ち切ります。

DIY掃除(Good)は続けながら、これらの家電で「汚れの元」を断つことで、掃除の質と効率を格段にアップさせるステップですね。

【Best】「自動化家電」で掃除の手間から解放される

そして、これが家電のプロとして最もおすすめしたい「Best(最善)」な解決策です。それは、「面倒な掃除は、家電にやってもらう」という考え方です。

  • 三菱電機の「バブルおそうじ」
  • パナソニックの「自動配管洗浄」
  • リンナイの「ウルトラファインバブル給湯器」

こうした「自動洗浄機能」や「汚れ予防機能」が搭載された最新の給湯器・エコキュートに買い替える(投資する)ことで、月1回のDIY掃除(Good)や、浴室全体の清掃(Better)といった面倒な手間そのものから、未来永劫解放されるというステップです。

ご自身のライフスタイルや、今お使いの機器の年数に合わせて、どのステップから始めるのが一番合っているか、ぜひ一度考えてみてくださいね。

見えない場所だからこそ、清潔に保って、毎日気持ちよくお風呂の時間を楽しみたいものですね!

風呂掃除
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