エアコンのクリーニングが終わったのに、送風機能がないことに気づいて困っていませんか?
プロの業者にクリーニングを依頼した後や、自分で掃除をした後に、エアコン内部をしっかり乾燥させたいと思うのは当然のことです。しかし、いざ送風ボタンを探してみると見つからない、リモコンに送風の表示がないという状況に直面される方は意外と多いんです。
実は、送風機能がないエアコンでも、内部を効果的に乾燥させる方法はいくつもあります。暖房運転を活用した代替手段や、最新エアコンの内部クリーン機能、さらには自然乾燥を促進するテクニックまで、様々なアプローチが可能なのです。
適切な乾燥処理を行わないと、せっかくきれいになったエアコンにカビや雑菌が再び繁殖してしまう恐れがあります。また、内部に湿気が残ったままでは、エアコンの寿命にも悪影響を与えかねません。
この記事では、エアコン掃除後に送風がない場合の具体的な対処法から、メーカー別の乾燥機能の活用方法まで、実践的な情報をお伝えします。
エアコン掃除後に送風がない|必要な理由

エアコンクリーニング後の送風運転は、実は多くの方が見落としがちな重要な作業です。
ここではなぜ送風が必要なのか、そしてどのような効果があるのかを詳しく見ていきましょう。また、適切な運転時間やタイミングについても解説します。
送風運転が必要な理由
エアコンのクリーニングが終わった後、送風運転を行うことは実はとても大切なんです。多くの方が見落としがちなポイントですが、この作業を怠ると、せっかくきれいになったエアコンが再び汚れやすくなってしまいます。
エアコンクリーニング後の送風運転が必要な主な理由は、内部に残った水分を完全に除去することです。クリーニング中に使用した水分や、作業によって生じた湿気が機器内部に残っていると、カビや雑菌の温床となってしまうからなんですね。
実際に、三菱電機の調査によると送風運転を使っている人はわずか12.5%しかいないそうです。つまり、多くの方がこの重要な機能を知らずに過ごしているということです。私も家電量販店で働いていて、お客様から「掃除の後はどうすればいいの?」という質問をよく受けますが、この送風運転の説明をすると皆さん驚かれます。
送風運転は、エアコン内部の送風ファンだけを動かして空気を循環させる機能です。熱交換器や室外機は動作しないため、電気代も1時間あたり約0.5円程度と非常に経済的なんです。冷暖房運転と比べると、その差は歴然としています。
ただし、送風運転を行う際は、室内の湿度が高い日は避けた方が良いでしょう。湿気の多い空気がエアコン内部に入り込んでしまう可能性があるからです。
内部の湿気を除去する重要性
エアコン内部の湿気除去は、機器の健康状態を保つ上で欠かせない要素です。特にクリーニング後は、洗浄に使用した水分が機器内部の細かな部分に残りやすく、これが後々のトラブルの原因となることがあります。
湿気が残ったままの状態を放置すると、エアコン内部の金属部分に錆が発生したり、電子部品の劣化を早めたりする可能性があります。また、湿度の高い環境はカビにとって最適な繁殖条件となるため、せっかくきれいにしたエアコンが短期間で再び汚れてしまうことになりかねません。
送風運転による湿気除去は、エアコン内部を乾燥した状態に保つ最も効果的な方法です。ファンが回転することで空気が循環し、隅々まで滞留していた湿気を外に押し出してくれます。この作業により、機器内部の環境を健全な状態に戻すことができるのです。
特に梅雨時期や夏場など、外気の湿度が高い季節にクリーニングを行った場合は、より丁寧な乾燥作業が必要になります。一方で、乾燥した冬場であっても、洗浄後の水分除去は必須の作業と考えておいた方が良いでしょう。
ただし、湿気除去の際に室温が2〜3度上昇することがあるため、夏場の暑い日中に行う場合は、他の部屋に移動するか換気を心がけることをおすすめします。
カビや雑菌の繁殖を防ぐメリット
送風運転の最も大きなメリットは、カビや雑菌の繁殖を効果的に防げることです。これらの微生物は、温度・湿度・栄養分の3つの条件が揃うと急速に増殖してしまいます。エアコン内部は、まさにこれらの条件が揃いやすい環境なんです。
カビや雑菌が繁殖すると、エアコンから出る風に嫌な臭いが混じったり、アレルギー症状を引き起こしたりする原因となります。特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、健康面への影響が心配ですよね。送風運転を習慣化することで、こうしたリスクを大幅に減らすことができます。
実際に、パナソニックの2025年モデルエオリアでは、内部クリーン運転によってカビ菌を99%除去できるという試験結果が出ています。これは、適切な乾燥作業がいかに効果的かを示している証拠と言えるでしょう。
また、カビや雑菌の繁殖を防ぐことで、エアコンの性能維持にもつながります。汚れが蓄積すると冷暖房効率が低下し、結果的に電気代の増加を招いてしまいます。定期的な送風運転は、こうした無駄なコストを抑える効果もあるのです。
ただし、既に発生してしまったカビや雑菌を送風運転だけで除去することはできません。あくまでも予防策として考え、定期的なクリーニングと併用することが大切です。
エアコンの寿命を延ばす効果
適切な送風運転は、エアコンの寿命を大幅に延ばす効果があります。機器内部を乾燥した状態に保つことで、金属部品の腐食や電子部品の劣化を防ぐことができるからです。
エアコンの平均的な寿命は10〜15年と言われていますが、メンテナンス次第でこの期間を延ばすことは十分可能です。特に、湿気による内部の劣化は寿命を縮める大きな要因の一つなので、送風運転による予防策は非常に効果的なんです。
機器内部に湿気が残っていると、熱交換器のアルミフィンに錆が発生したり、ファンモーターの軸受け部分に悪影響を与えたりします。また、制御基板などの電子部品も湿気に弱く、故障の原因となることがあります。こうしたトラブルを避けることで、長期間にわたって安定した性能を維持できるのです。
さらに、内部が清潔に保たれることで冷暖房効率も向上し、機器への負担が軽減されます。効率的な運転ができれば、各部品の摩耗も少なくなり、結果的に長寿命につながるという好循環が生まれます。
ただし、送風運転だけで全ての問題が解決するわけではありません。定期的なフィルター掃除や、年に1〜2回の専門業者によるクリーニングも併せて行うことで、より確実な効果を得ることができるでしょう。
送風運転の適切な時間とタイミング
送風運転を行う最適な時間は、3〜4時間程度とされています。この時間により、エアコン内部の隅々まで乾燥させることができ、カビや雑菌の繁殖を効果的に防ぐことができるのです。
タイミングとしては、エアコンクリーニング直後はもちろんですが、冷房や除湿運転を使用した後にも実施することをおすすめします。これらの運転モードでは内部に結露が発生しやすく、湿気が残りやすいためです。特に夏場の使用頻度が高い時期は、毎回の使用後に短時間でも送風運転を行うと良いでしょう。
また、長期間エアコンを使用しない場合(例えば、夏の終わりから秋にかけて)も、送風運転によって内部を乾燥させてからシーズンオフに入ることが大切です。湿気が残ったまま長期保管すると、次に使用する際に嫌な臭いが発生する可能性があります。
時間帯については、日中の暑い時間帯を避けて、朝や夕方以降に行うのが理想的です。送風運転中は室温が若干上昇することがあるため、快適性を考慮すると涼しい時間帯の方が良いでしょう。
ただし、あまり長時間の連続運転は電気代がかさむだけでなく、機器への負担にもなります。3〜4時間を目安に、必要に応じて調整することが大切です。
エアコン掃除後に送風がない|代替手段

送風機能がない場合でも、エアコン内部を効果的に乾燥させる方法があります。
ここからは、暖房運転の活用から最新の内部クリーン機能まで、様々な代替手段をご紹介していきますね。メーカーごとの特色も含めて、あなたのエアコンに最適な方法を見つけてください。
暖房を使う方法
送風機能がないエアコンでも、暖房運転を上手に活用することで内部乾燥を実現できます。この方法は、プロのクリーニング業者も推奨している効果的な代替手段なんです。
暖房を使用する際のポイントは、設定温度を低めにすることです。具体的には、室温よりも少し高い程度の温度設定にすると、室外機が停止して送風状態に近い運転となります。これにより、温風によってエアコン内部を効率よく乾燥させることができるのです。
実際に、清掃業者の方から教えてもらった方法ですが、夏の終わりに暖房モードで2時間程度運転させると、内部の湿気を効果的に除去できるそうです。湿度が高い日でも、暖房運転なら室内の湿気がエアコン内部に入り込むリスクを減らすことができます。
また、送風運転と比較すると乾燥にかかる時間も短縮できるのが嬉しいポイントです。温風の効果により、より短時間で同等の乾燥効果を得ることができるため、忙しい方にもおすすめの方法と言えるでしょう。
ただし、夏場に暖房を使用すると室温が上昇してしまうため、外出時や就寝時に実施するか、他の部屋に移動して行うことをおすすめします。また、電気代は送風運転よりも高くなるため、その点も考慮しておく必要があります。
内部クリーン機能活用
最新のエアコンには、内部クリーン機能が搭載されているモデルが多くあります。この機能を活用することで、送風機能がなくても効率的に内部乾燥を行うことができるんです。
内部クリーン機能は、メーカーによって名称が異なり、「内部乾燥」「エアコンクリーン」「カビバスター」などと呼ばれています。基本的な仕組みは、送風運転と微弱暖房運転を組み合わせて、エアコン内部を乾燥させるというものです。
パナソニックの2025年モデルエオリアでは、内部クリーン運転によってカビ菌を99%除去できるという試験結果が出ています。また、日立の白くまくんシリーズでは、「凍結洗浄」という独自技術と組み合わせることで、より高い清潔効果を実現しています。
内部クリーン機能には、自動運転と手動運転の2つのタイプがあります。自動運転では、冷房や除湿運転の終了後に自動的に作動し、約60〜120分間の乾燥運転を行います。手動運転では、リモコンの専用ボタンを押すことで任意のタイミングで実行できます。
ただし、内部クリーン運転中は室温が2〜3度上昇することがあるため、就寝時や外出時に設定することをおすすめします。また、運転中に多少の臭いが発生することもありますが、これは一時的なものなので心配する必要はありません。
自然乾燥による内部乾燥のコツ
送風機能も内部クリーン機能もない古いタイプのエアコンでは、自然乾燥を上手に活用する方法があります。手間はかかりますが、工夫次第で十分な効果を得ることができるんです。
最も基本的な方法は、エアコンのフロントパネルを開けて、内部に空気が流れやすい状態を作ることです。扇風機やサーキュレーターを併用して、エアコンに向けて風を送ることで乾燥を促進できます。この際、直接風を当てるのではなく、室内の空気を循環させるイメージで配置するのがポイントです。
また、除湿器を併用することで室内全体の湿度を下げ、エアコン内部の乾燥を促すことも効果的です。特に梅雨時期など湿度の高い季節には、この方法が威力を発揮します。
換気も重要な要素の一つです。窓を開けて外気を取り入れることで、室内の湿った空気を外に逃がし、乾燥した空気を循環させることができます。ただし、外気の湿度が高い場合は逆効果になるため、天気の良い乾燥した日に実施することが大切です。
ただし、自然乾燥には時間がかかるのがデメリットです。完全に乾燥させるには半日から1日程度を要することもあるため、計画的に実施する必要があります。また、確実性の面でも機械的な乾燥方法には劣るため、可能であれば他の方法と併用することをおすすめします。
メーカー別の乾燥機能の違いと使い方
エアコンメーカーごとに、内部乾燥機能には特色があります。それぞれの特徴を理解して適切に使用することで、より効果的な乾燥を実現できるんです。
パナソニックのエオリアシリーズでは、「内部クリーン」機能に加えて「ナノイーX」技術を組み合わせることで、カビ菌の抑制効果を高めています。2025年モデルでは、99%のカビ菌除去効果が実証されており、健康面でも安心できる性能を実現しています。運転時間は約100分で、冷房・除湿運転を10分以上使用した後に自動作動します。
日立の白くまくんシリーズは、「凍結洗浄」という独自技術が特徴的です。熱交換器を意図的に凍結させることで汚れを浮き上がらせ、その後に温めて洗い流すという画期的な仕組みです。2025年モデルでは「カビバスター」機能も搭載され、24時間365日エアコン内部を監視して湿度約30%以下をキープしています。
三菱電機の霧ヶ峰シリーズでは、「ムーブアイ」センサーと連動した内部クリーン機能が搭載されています。人の在不在を検知して、最適なタイミングで乾燥運転を実行する賢い機能です。また、冷房使用後には必ず3〜4時間の送風運転を推奨しており、徹底した湿気対策を行っています。
ダイキンのうるさらXシリーズは、換気機能と内部クリーンを組み合わせた独自のシステムが特徴です。内部クリーン中に発生する湿気を屋外に排出できるため、室内環境への影響を最小限に抑えることができます。
各メーカーとも運転時間は60〜120分程度ですが、設定方法や作動条件が異なるため、取扱説明書をよく確認して適切に使用することが大切です。
総括:エアコンの掃除後に送風がない時の対処法
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。