エアコンを購入してから一度もクリーニングをしていない、または前回のクリーニングからかなり時間が経っているという方は多いのではないでしょうか?
エアコンクリーニングの頻度について悩んでいる方にとって、適切なタイミングを見極めることは意外と難しいものです。
毎年必要なのか、それとも何年おきで十分なのか。お掃除機能付きエアコンなら本当にメンテナンスフリーなのか。賃貸物件では誰が費用を負担するべきなのか。このような疑問を抱えている方も多いでしょう。
私も家電量販店で働いていて、お客様から「どのくらいの頻度でクリーニングすればいいの?」という相談を頻繁に受けます。実際のところ、使用環境や家族構成によって最適な頻度は変わってくるんです。
また、業者選びで失敗や後悔をしたくないという声もよく聞きます。せっかくお金をかけてクリーニングを依頼するなら、満足のいく結果を得たいですよね。
この記事では、エアコンクリーニングの適切な頻度から費用相場、最適な時期、そして信頼できる業者の選び方まで、あなたが知りたい情報を分かりやすく解説していきます。
エアコンをクリーニングする頻度|基本情報

エアコンクリーニングの基本的な知識について、まずは押さえておきたいポイントをご紹介しますね。
そもそもプロのクリーニングは本当に必要なのか、どのくらいの頻度で依頼すればよいのか、費用はいくらかかるのかなど、初めての方が気になる疑問にお答えしていきます。
エアコンクリーニングは本当に必要か
エアコンクリーニングが本当に必要なのか疑問に思う方も多いでしょう。私も家電量販店で働いていて、お客様から「自分でフィルター掃除をしているから大丈夫」という声をよく聞きます。
しかし、フィルター掃除だけでは除去できない汚れがエアコン内部には蓄積されていくんです。冷房運転時にエアコン内部で発生する結露により、カビの繁殖に必要な酸素・養分・温度・水分という4つの条件が揃ってしまいます。
エアコンから出る風がカビ臭い場合、内部で繁殖したカビの胞子が風と一緒に飛散している状態です。カビを継続的に吸い込むと、感染症やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。特に小さなお子さんや高齢者、呼吸器が弱い方がいるご家庭では注意が必要ですね。
また、汚れの蓄積により冷暖房効率が低下し、電気代の増加にもつながります。ダイキンの調査によると、フィルター掃除を怠ると冷房時の消費電力が25%も高くなるという結果が出ています。
これらの理由から、定期的なエアコンクリーニングは健康と経済の両面で必要不可欠と考えられます。
業者に頼む頻度の目安

プロの業者に依頼するエアコンクリーニングの適切な頻度について説明しますね。
基本的には年1回のクリーニングが推奨されています。エアコンクリーニング事業者へのアンケート調査では、88%の業者が理想の頻度を1〜2年に1回と回答しており、これが業界標準となっています。
ただし、使用環境により頻度は調整する必要があります。リビングのように人の出入りが多く、使用時間が長いエアコンは年1回が安心です。一方、寝室や客間など使用頻度が低い部屋のエアコンは2年に1回程度で問題ありません。
特に以下の条件に当てはまる場合は年1回のクリーニングをおすすめします。赤ちゃんや高齢者がいるご家庭、アレルギー体質の方がいる場合、ペットを飼っている環境、喫煙習慣がある場合などです。
逆に、年に数回程度しかエアコンを使わない場合は、汚れが目立つまでセルフメンテナンスで十分でしょう。使用頻度が低ければエアコンも汚れにくくなります。
毎年必要?それとも何年おき?
使用環境 | 推奨頻度 | 理由・特徴 |
---|---|---|
リビング・長時間使用 | 年1回 | 人の出入りが多く、使用時間が長いため汚れやすい。ホコリやカビが蓄積しやすい環境。 |
寝室・客間 | 2年に1回 | 使用時間が短く、空気中の汚れも少ない。汚れの蓄積速度が緩やか。 |
キッチン周辺 | 年1回 | 調理による油煙の影響で汚れやすい。通常より頻繁なメンテナンスが必要。 |
お掃除機能付き | 2〜3年に1回 | フィルター自動清掃により汚れにくいが、内部は別途クリーニングが必要。 |
毎年クリーニングが必要なのか、何年おきで良いのかは使用状況によって変わります。
毎年クリーニングが推奨されるケースをご紹介しましょう。まず、エアコンを一日中使用する環境です。テレワークの普及により自宅で長時間エアコンを使う方が増えていますよね。また、キッチン近くに設置されているエアコンは油煙の影響で汚れやすくなります。
2年に1回で良いケースもあります。使用時間が限定的な寝室や子供部屋、年に数ヶ月程度しか使わない場合です。これらの環境では汚れの蓄積速度が遅くなるため、クリーニング頻度を下げても問題ありません。
最近の夏の暑さは厳しく、エアコンの使用時間も長くなっています。そのため、以前は2年に1回で良いとされていた環境でも、現在は毎年のクリーニングが適切な場合が多くなっています。
判断に迷う場合は、エアコンの吹き出し口やフィルター周辺を確認してみてください。黒い点状の汚れが見える、カビ臭いニオイがする、風量が弱くなったと感じる場合は、クリーニングのタイミングです。
クリーニングしないとどうなる?
エアコンクリーニングを怠ると、さまざまな問題が発生します。健康面と経済面の両方でリスクが高まるんです。
まず健康への影響について説明しますね。エアコン内部でカビが繁殖すると、カビの胞子が風と一緒に室内に飛散します。これを継続的に吸い込むことで、アレルギー性鼻炎、咳、結膜炎、皮膚のかゆみなどの症状が現れる可能性があります。
特に免疫力の弱い小さなお子さんや高齢者は注意が必要です。重篤な場合は呼吸器系の感染症を引き起こすリスクもあります。エアコンから酸っぱいニオイや生乾きのようなニオイがする場合は、すでにカビが繁殖している状態と考えられます。
経済面では、まず電気代の増加があります。フィルターや熱交換器に汚れが蓄積すると、エアコンの効率が大幅に低下します。同じ温度設定でも以前より多くの電力を消費するようになり、月々の電気代が増加してしまいます。
さらに、エアコンの寿命短縮も懸念されます。汚れによる負荷増加で内部の部品が劣化しやすくなり、故障頻度が高まります。修理費用や早期の買い替えが必要になる可能性があります。
費用はいくらかかる?
エアコンの種類 | 料金相場 | 特徴・備考 |
---|---|---|
通常の壁掛けエアコン | 8,000〜15,000円 | 最も一般的なタイプ。地域によっては6,000円程度の業者もあり。 |
お掃除機能付きエアコン | 15,000〜26,000円 | 分解に時間がかかるため高額。通常エアコンの1.5〜2倍程度。 |
天井埋込型(1・2方向) | 16,000〜34,000円 | 家庭用の天井埋込型。設置場所により作業難易度が変わる。 |
天井埋込型(4方向) | 20,000〜45,000円 | 業務用に多い。最も高額で専門技術が必要。 |
壁掛け型業務用 | 15,000〜20,000円 | サイズが大きく汚れも多いため通常より高額。 |
エアコンクリーニングの費用相場について詳しく説明しますね。2025年現在の相場をお伝えします。
通常の壁掛けエアコンが最も安く、お住まいの地域によっては6,000円程度で提供している業者もあります。しかし、あまりに安価な業者はトラブルも多いという声も聞きますので、相場なりの業者に依頼するのがおすすめです。
また、お掃除機能付きエアコンは構造が複雑で分解に時間がかかるため、通常のエアコンより1.5〜2倍程度の料金設定になっています。
料金に影響する要因として、依頼する時期があります。春と秋の閑散期は料金が安くなりやすく、真夏の繁忙期は割高になる傾向があります。複数台同時に依頼すると割引が適用される業者も多いです。
オプション料金も確認しておきましょう。防カビコート(2,000〜5,000円)、室外機クリーニング(3,000〜5,000円)、駐車料金などが追加される場合があります。
大手業者と個人業者では料金設定が異なります。個人業者の方が安価な傾向がありますが、技術力や保証内容も考慮して選択することが大切です。
エアコンをクリーニングする頻度|状況ごとのタイミング

ここからは、より具体的な状況に応じたクリーニング頻度について解説していきます。
お掃除機能付きエアコンや賃貸物件、一人暮らしなど、それぞれの環境に合わせた最適なタイミングを見ていきましょう。また、古いエアコンの対応や業者選びのポイントについても詳しくお伝えします。
掃除機能付きエアコンの頻度は?
お掃除機能付きエアコンのクリーニング頻度について、多くの方が誤解されているポイントがあります。
お掃除機能付きエアコンの自動清掃範囲は、主にフィルター部分に限定されます。正式名称は「フィルター自動お掃除機能付きエアコン」で、エアコン内部全体を清掃するわけではありません。熱交換器や送風ファン、ドレンパンなどは自動清掃の対象外なんです。
そのため、内部クリーニングの頻度は2〜3年に1回程度が目安となります。通常のエアコンより頻度は低めですが、完全にメンテナンスフリーではありません。
注意すべき点として、お掃除機能付きエアコンの方がカビが生えやすい場合があります。気密性が高い構造のため、冷房や除湿運転後に内部の湿度が高まりやすく、カビの繁殖条件が整いやすくなります。
店頭でお客様から「お掃除機能付きなのにカビ臭い」というご相談をよく受けます。ダストボックスに溜まったホコリを定期的に処理しないと、フィルターの目詰まりが起こり、お掃除機能自体が正常に働かなくなることもあります。
クリーニング費用は通常のエアコンより高額になりますが、頻度が低いため年間コストで考えると大きな差はありません。ただし、業者によってはお掃除機能付きエアコンに対応していない場合があるため、事前確認が必要です。
賃貸物件では?
状況・タイミング | 費用負担 | 詳細・条件 |
---|---|---|
退去時の通常清掃 | 大家負担 | 国土交通省ガイドラインに基づく原則。通常使用の範囲内での汚れ。 |
入居半年以内の異臭 | 大家負担 | 入居前クリーニングが不十分な場合。入居後すぐの問題は大家責任。 |
喫煙によるヤニ汚れ | 借主負担 | 明らかに借主の生活習慣が原因の汚れ。通常使用を超える範囲。 |
油汚れ・著しい汚れ | 借主負担 | 清掃を怠った結果の汚れや、通常を超える使用による汚れ。 |
契約書に特約記載 | 借主負担 | 賃貸契約書にクリーニング費用負担の記載がある場合。 |
居住中のクリーニング | 要相談 | 備え付け・自設置を問わず事前相談が必須。 |
賃貸物件でのエアコンクリーニングについて、責任の所在や費用負担について説明しますね。
まず、エアコンが備え付けか自分で設置したかで対応が変わります。どちらの場合でも、クリーニングを依頼する前に大家さんや管理会社への相談が必要です。これを怠ると後々トラブルの原因になる可能性があります。
費用負担について、国土交通省のガイドラインでは、退去時のエアコンクリーニング費用は原則として大家さん・管理会社負担とされています。通常の生活での汚れは賃借人の管理範囲を超えているという考え方です。
ただし、例外もあります。喫煙によるヤニ汚れ、油汚れが著しい場合、明らかに清掃を怠った結果の汚れなどは借主負担になる可能性があります。
入居してすぐにエアコンから異臭がする場合は、入居前のクリーニング不備として大家さん負担になります。入居後半年程度までは、この判断基準が適用されることが多いです。
賃貸契約書に「エアコンクリーニング費用は借主負担」と明記されている場合は、その条項に従う必要があります。契約時にしっかりと確認しておきましょう。
作業中にエアコンや住居に損傷が生じるリスクもあるため、必ず事前相談を行い、可能であれば書面で了承を得ておくと安心です。
一人暮らしでは?

一人暮らしでのエアコンクリーニング頻度は、ライフスタイルによって大きく変わります。
基本的な考え方として、使用時間が短い場合は2年に1回程度で十分です。仕事で日中は外出しており、夜間と休日のみの使用であれば汚れの蓄積速度は緩やかになります。
しかし、最近はテレワークの普及により自宅にいる時間が長くなった方も多いですよね。一日中エアコンを使用する場合は、年1回のクリーニングが適切です。特に1Kや1Rの間取りでは、キッチンとエアコンが近い位置にあることが多く、調理による油煙の影響も考慮する必要があります。
一人暮らしでも以下の場合は年1回のクリーニングをおすすめします。ペットを飼っている、喫煙習慣がある、アレルギー体質である、洗濯物を室内干しすることが多い場合です。
費用面を考慮すると、閑散期である春や秋に依頼することで料金を抑えられます。学生さんなど予算が限られている場合は、複数の業者で見積もりを取り、最も条件の良い業者を選ぶことが大切です。
自分でできるメンテナンス、例えばフィルター掃除や吹き出し口の清拭を定期的に行うことで、クリーニング頻度を下げることも可能です。
10年以上経過したエアコンでも引き受けてくれる?

10年以上経過した古いエアコンのクリーニングについて、多くの方が心配されるポイントですね。
基本的には、多くの業者で10年以上経過したエアコンでも対応してもらえます。ただし、いくつか注意点があります。
まず、保証の問題です。エアコンの設計耐用年数は10年程度とされており、メーカーの部品保有期間も製造終了から約10年となっています。そのため、クリーニング作業が原因でエアコンが故障しても、修理用部品の調達が困難で、保証対象外となる場合がほとんどです。
古いエアコンの場合、電流値が低下していることがあります。クリーニングにより汚れが除去されると電流値が回復し、急激な変化でエアコンがショック状態になることも稀にあります。これは経年劣化による自然現象で、業者の責任ではありません。
業者選びも重要なポイントです。経験豊富で技術力の高い業者を選ぶことで、故障リスクを最小限に抑えられます。事前に製造年を伝え、対応可能かどうか確認しておきましょう。
料金面では、古いエアコンでも通常と同額の場合が多いです。ただし、分解に時間がかかる機種では追加料金が発生する可能性もあります。
クリーニングをした後悔としなかった後悔

店頭でお客様から伺うエアコンクリーニングに関する後悔談をご紹介しますね。
まず、クリーニングをした後悔として多いのが業者選びの失敗です。あるお客様は「格安業者に依頼したら、作業が雑で汚れが残っていた」とおっしゃっていました。また、「見積もりでは安かったのに、当日になって追加料金を請求された」という事例もあります。
お掃除機能付きエアコンを購入したお客様からは「結局カビが生えるし、クリーニング費用も高いので後悔している」という声も聞きます。自動清掃機能への過度な期待が原因ですね。
一方、クリーニングをしなかった後悔の方が深刻です。「家族がアレルギーを発症してから、エアコンの汚れが原因だと気づいた」「電気代が急に高くなり、エアコンの効率低下が原因だった」といったケースです。
特に印象的だったのは、赤ちゃんが生まれてからエアコンクリーニングを依頼されたお客様の話です。「こんなに汚い空気を家族に吸わせていたかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった」とおっしゃっていました。
予防的なクリーニングの重要性を感じる事例として、「定期的にクリーニングしていたおかげで、10年以上問題なく使えている」というお客様もいらっしゃいます。
最適な時期と業者選びのポイント
時期 | おすすめ度 | 特徴・メリット・デメリット |
---|---|---|
春(3〜5月) | 最適 | 閑散期で料金安い・予約取りやすい・夏前の準備に最適 |
秋(9〜11月) | 最適 | 夏の汚れを一掃・閑散期料金・冬前の準備 |
梅雨前(5月末〜6月初) | 良い | カビ対策に効果的・夏本番前の最後のチャンス |
真夏(6〜8月) | 避ける | 繁忙期で高額・予約困難・クリーニング中エアコン使用不可 |
真冬(12〜2月) | 避ける | 需要集中・料金高め・寒さに耐える必要 |
エアコンクリーニングに最適な時期と信頼できる業者の選び方について説明しますね。
最適な時期は春(3〜5月)と秋(9〜11月)です。この時期は閑散期のため、料金が安く設定されていることが多く、希望の日程で予約も取りやすくなります。特に春は夏に向けた準備として、秋は夏の汚れを一掃するタイミングとして理想的です。
避けるべき時期は真夏(6〜8月)と真冬(12〜2月)です。需要が集中するため料金が高くなり、予約が取りにくくなります。また、クリーニング中はエアコンが使えないため、厳しい暑さや寒さに耐える必要があります。
信頼できる業者の選び方として、まず料金の透明性を確認しましょう。基本料金だけでなく、追加料金の有無やオプション内容が明確に記載されている業者を選ぶことが大切です。
技術力の確認方法として、実際の作業写真やビフォーアフター画像を掲載している業者は信頼性が高いと考えられます。また、日本エアコンクリーニング協会の認定証を持つ業者も安心です。
口コミや評判の確認も重要です。複数のプラットフォームで一貫して良い評価を得ている業者を選びましょう。損害賠償保険への加入も必須条件として確認してください。
総括:エアコンクリーニングを業者に依頼する頻度
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。