「空気清浄機のユニット交換」という言葉を聞いて、具体的に何をすればいいのか、そもそも本当に必要なのか、疑問に思っていませんか?
家電量販店で働いていると、フィルター交換は知っていても、ユニット交換についてはよく知らないというお客様が意外と多いんです。
ランプが点滅して初めて「これって何?」と気づくケースも少なくありません。
ユニット交換は、お使いの空気清浄機の性能を最大限に引き出し、お部屋の空気を快適に保つためにとても大切なメンテナンスです。交換しないままだと、本来の効果が得られなくなってしまうこともあるんですよ。
この記事では、多くの方が疑問に思う空気清浄機のユニット交換とは何か、その基本から具体的な交換方法、ランプが点滅したときの対処法まで、分かりやすく解説していきますね。
空気清浄機のユニット交換とは|基本を解説

ここでは、空気清浄機のユニット交換に関する基本的な知識を一緒に見ていきましょう。
「ユニット」と聞いても、あまりピンとこない方もいるかもしれませんね。フィルターとはまた違う、空気清浄機の大事な心臓部とも言える部品なんですよ。
まずは、その役割や交換の必要性について分かりやすくお伝えします。
空気清浄機のユニットが持つ役割
空気清浄機の「ユニット」とは、多くのモデル、特にシャープのプラズマクラスターやパナソニックのナノイーXのように、微粒子イオンなどを発生させる機能を持つ機種に搭載されている部品のことです。
このユニットが、お部屋の空気をきれいにするための特別なイオンなどを放出する役割を担っています。フィルターがホコリや花粉を物理的にキャッチするのに対して、ユニットは目に見えない浮遊物質に働きかけるイメージですね。
例えば、シャープのプラズマクラスターイオン発生ユニットは、プラズマ放電によってプラスとマイナスのイオンを作り出し、それを空気中に放出します。公式サイトによると、これらのイオンが浮遊するカビ菌やウイルスの表面に付着し、その働きを抑制するとされています。
このように、ユニットは空気清浄機の付加価値とも言える重要な機能を受け持っているんです。単に空気を吸い込んでフィルターを通すだけでなく、より積極的に空気を浄化するための中心的なパーツと言えるでしょう。
ですから、このユニットが正常に機能しているかどうかが、空気清浄機全体の性能を左右するんですね。
ユニット交換は本当に必要なの?
「ユニット交換って、本当にやらないといけないの?」
お店でも本当によく聞かれる質問です。
結論から言うと、メーカーが推奨している場合は交換が必要になります。
なぜなら、イオンなどを発生させるユニットには寿命があるからです。
多くのユニットは、内部にある電極から放電してイオンを生成しています。この放電を繰り返すことで、電極部分が少しずつ摩耗し、劣化していくんですね。
ユニットが劣化すると、放出されるイオンの量が減ってしまいます。そうなると、期待していたような空気の浄化効果が得られなくなってしまうんです。
せっかく高機能な空気清浄機を使っていても、その能力を十分に発揮できない状態になるのは、少しもったいないですよね。
一部の機種では、ユニットの寿命が来るとランプでお知らせしてくれる機能が付いています。これは「性能が落ちてきましたよ」というメーカーからのサインです。
快適な空気環境を維持するためにも、このサインを見逃さずに対応することが大切だと考えられます。
ユニット交換の目安はいつごろ?
ユニット交換の目安は、お使いの空気清浄機の使い方や機種によって変わってきます。
多くのメーカーでは「総運転時間が約17,500時間」を経過したら交換、と定めていることが多いですね。これは、1日に24時間ずっと運転した場合、約2年で交換時期が来る計算になります。
メーカー | 機能 | 交換目安(1日24時間連続の場合) |
---|---|---|
シャープ | プラズマクラスターイオン発生ユニット | 約2年 |
パナソニック | ナノイーX発生ユニット | 基本的に交換不要のモデルが多い |
ダイキン | ストリーマユニット | 約10年 |
シャープのプラズマクラスター搭載機は、約2年が目安とされているモデルが主流です。本体のランプが点滅して、交換時期を教えてくれるので分かりやすいですよ。
一方で、パナソニックのナノイーX搭載機は、ユニットの交換が基本的に不要な設計になっているモデルが多いのが特徴です。これは嬉しいポイントですよね。ただし、一部の旧モデルや特定機種では交換が必要な場合もあるので、取扱説明書の確認をおすすめします。
ダイキンのストリーマユニットは、約10年交換不要とされているモデルが多いです。かなり長持ちなので、ランニングコストを抑えたい方には魅力的に映るかもしれません。
このように、メーカーや機種によって交換時期は大きく異なります。ご自身の空気清浄機の取扱説明書を確認するのが一番確実な方法ですね。
交換しないとどうなる?
もしユニット交換の時期が過ぎてもそのまま使い続けると、どうなるのでしょうか?
最も大きな影響は、空気清浄能力の低下です。先ほどもお伝えしたように、ユニットが劣化するとイオンなどの発生量が減ってしまいます。これにより、脱臭効果や浮遊物質への抑制効果が弱まってしまう可能性があります。
例えば、「最近、お部屋のニオイが前より取れにくくなったかも」と感じたら、それはユニットの寿命が原因かもしれません。
また、シャープの機種に多いのですが、ユニットの交換時期が来ると、プラズマクラスターイオンの放出が停止するモデルもあります。この場合、ユニット交換をしない限り、送風機能とフィルターによる集じん機能しか働かない、通常の空気清浄機になってしまうんです。
さらに、交換時期を知らせるランプが点滅し続けるため、見た目にも気になりますし、精神的にもあまり気持ちの良いものではないですよね。
故障に直結するわけではありませんが、空気清浄機が持つ本来の性能を発揮できなくなる、というのが交換しない場合の一番のデメリットです。
せっかくの機能を活かすためにも、適切な時期の交換をおすすめします。
フィルター交換との違い
「ユニット交換」と「フィルター交換」、この2つの違いが少し分かりにくい、という声も聞きます。
簡単に言うと、役割と交換するものが全く違います。
- フィルター交換:ホコリ、花粉、ペットの毛、ニオイなどを「物理的に捕まえる」ための網を交換することです。
- ユニット交換:イオンなどを「能動的に発生させる」ための部品を交換することです。
フィルターは、空気中の目に見える、あるいは比較的大きな汚れを吸着する役割ですね。掃除機で言うところの紙パックやダストカップのフィルターのようなイメージです。
そのため、使っているうちにホコリなどで目詰まりを起こします。ニオイが取れなくなったり、風量が落ちてきたりしたらフィルター交換のサインです。
一方、ユニットはイオン発生装置そのものです。こちらは目に見える汚れが付くというよりは、装置自体が経年劣化で寿命を迎える、という考え方になります。
お手入れの方法も違いますね。
フィルターは定期的に掃除機でホコリを吸ったり、機種によっては水洗いしたりしますが、ユニットは基本的に掃除ができない部品です。寿命が来たら、部品ごと新しいものに取り替える必要があります。
ユニットの値段はどれくらい?
ユニット交換が必要となると、気になるのはその費用ですよね。
ユニットの価格は、機種やメーカーによって幅がありますが、シャープのプラズマクラスターイオン発生ユニットの場合、おおよそ3,000円から6,000円前後が相場だと思います。
例えば、多くのシャープ製加湿空気清浄機で採用されている「IZ-C90M」という交換用ユニットは、通販サイトなどで4,000円前後で販売されていることが多いです。(2025年8月時点)
年に一度ではなく、約2年に一度の交換なので、月々に換算すると170円程度のコストになりますね。これを高いと見るか、快適な空気環境を維持するための投資と見るかは人それぞれだと思います。
パナソニックやダイキンのように、そもそもユニット交換が不要だったり、10年と長寿命だったりするモデルは、この交換コストがかからないのが大きなメリットです。
空気清浄機本体を購入する際は、こうしたランニングコストも考慮に入れて選ぶと、後々の満足度も変わってくるかもしれませんね。
お店でも、本体価格だけでなくフィルターやユニットの交換費用について質問されるお客様は多いですよ。
空気清浄機のユニット交換とは|ランプとリセット

ここでは、実際にユニット交換の時期が来たときの具体的な手順や注意点について解説していきますね。
ランプが点滅し始めたら、「どうすればいいの?」と少し焦ってしまうかもしれませんが、大丈夫です。交換からリセットまでの流れは、実はとっても簡単なんですよ。
交換時期を知らせるランプの点滅
多くの空気清浄機には、ユニットの交換時期が近づくと、本体のランプが点滅または点灯して知らせてくれる機能が搭載されています。
シャープの空気清浄機では、「ユニット交換」ランプが赤く点滅するのが一般的です。これは、総運転時間が約17,500時間(1日24時間運転で約2年)に達したことを示すサインです。
このランプが点滅し始めると、先述のようにプラズマクラスターイオンの発生が停止します。空気清浄機能自体は動き続けますが、イオンによる空間浄化の効果は得られなくなります。
この点滅は、ユニットを交換してリセット操作を行うまで消えません。ランプが光り始めたら、新しい交換用ユニットを準備するタイミングだと考えてください。
「まだ使えるのにもったいない」と感じるかもしれませんが、これは性能が低下したことを示すメーカーからの大切なお知らせです。お部屋の空気を最適な状態に保つためにも、ランプのサインに従って交換を進めるのが良いでしょう。
ユニットの交換方法を解説
ユニットの交換作業は、工具なども不要で、誰でも簡単にできるように設計されています。
ここでは、代表的なシャープの加湿空気清浄機を例に、手順を説明しますね。
これでユニットの交換自体は完了です。とても簡単ですよね。
作業時間は5分もかからないと思います。
ユニット交換後のリセット方法
新しいユニットに交換しただけでは、「ユニット交換」ランプの点滅は消えません。本体に「新しいユニットに交換しましたよ」と教えてあげるためのリセット操作が必要になります。
このリセット方法も非常に簡単です。
機種によってボタンの名称は異なりますが、一般的には本体にある「フィルターリセットボタン」や「プラズマクラスター入/切ボタン」などを3秒以上長押しします。
リセット操作が完了すると、「ピッ」という音が鳴り、点滅していたユニット交換ランプが消灯します。これで、運転時間のカウントがリセットされ、再びプラ-ズマクラスターイオンが放出されるようになります。
このリセット操作を忘れてしまうと、せっかくユニットを新しくしてもイオンが出ないままになってしまうので、交換後は必ず行うようにしてくださいね。
リセットボタンの詳しい場所や操作方法は、お使いの機種の取扱説明書に記載されていますので、一度確認してみるのが確実です。
交換ランプが消えないときの対処法
「ちゃんとユニットを交換して、リセットボタンも押したのにランプが消えない!」
ごく稀にですが、こういったケースもあります。
もしランプが消えない場合は、以下の点を確認してみてください。
対処法 | 詳細手順 |
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もう一度リセット操作を試す
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まずは、もう一度リセット操作をやり直してみましょう。ボタンを押す時間が短かったり、うまく押せていなかったりする可能性があります。
電源プラグを一度抜いてから、再度差し込み、改めてボタンを3秒以上しっかりと長押ししてみてください。 |
ユニットが正しくセットされているか確認する
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ユニットがホルダーに、またホルダーが本体に、カチッと音がするまで確実にはめ込まれているかを確認しましょう。
少しでも浮いていたりすると、本体がユニットを認識できずにエラー表示が続くことがあります。 |
電源プラグを入れ直す
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一度電源プラグをコンセントから抜き、1分ほど待ってから再び差し込んでみてください。本体内部のマイコンがリセットされて、正常に動作することがあります。
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電源プラグを一度抜いてから、再度差し込み、改めてボタンを3秒以上しっかりと長押ししてみてください。
少しでも浮いていたりすると、本体がユニットを認識できずにエラー表示が続くことがあります。
これらの対処法を試してもランプが消えない場合は、ユニット自体の初期不良や、本体側のセンサーなどに何らかの問題が発生している可能性も考えられます。
その際は、無理せずメーカーのサポートセンターや購入した販売店に相談することをおすすめします。
互換性のあるユニットを使っても平気?
交換用ユニットを探していると、メーカー純正品以外に、価格の安い「互換品」が見つかることがあります。
「少しでも安く済ませたい」という気持ちはよく分かりますが、互換品の使用については、個人的には慎重になるべきだと考えています。
互換品は、純正品と同等の性能があると謳っているものが多いですが、その品質にはばらつきがあるのが実情です。イオンの発生量が少なかったり、耐久性が低くてすぐに寿命が来てしまったりする可能性もゼロではありません。
また、最も注意したいのは、互換品を使用したことが原因で空気清浄機本体に不具合が生じた場合、メーカーの保証対象外になってしまう可能性がある点です。
純正品は少し値段が張るかもしれませんが、メーカーによる品質保証があり、安心して使用できるという大きなメリットがあります。
空気清浄機の性能をしっかりと維持し、長く使い続けるためにも、交換用ユニットは純正品を選ぶのが賢明な選択だと思いますよ。
総括:空気清浄機のユニット交換とは
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。