空気清浄機、とりあえず床に置いていませんか?
実は、それが一番効果的な置き方なんです。
でも、お部屋の事情によっては「床に置きたくても置けない…」ということもありますよね。小さなお子様やペットがいたり、お掃除ロボットの邪魔になったり。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、まず「なぜ床置きがベストなのか」という基本から解説し、それが難しい場合の最適な代替案を場所別にご紹介します。
あなたの家の空気清浄機がもっと活躍できるヒントがきっと見つかりますよ。
床に置かない空気清浄機の基本!でも置けない場合は?

空気清浄機の効果を最大限に引き出すには、まず基本を知ることが大切です。
ここでは、「なぜ床置きが良いのか」という大前提の理由と、それが難しい場合の注意点や考え方について詳しく見ていきましょう。
できれば床置きがベスト
いろいろな置き方が議論されることがありますが、大前提として、空気清浄機は「床置き」が最も効果的だとされています。
これは多くのメーカーが推奨している基本的な設置方法なんです。
なぜなら、アレルギーの原因にもなると言われるハウスダストや花粉といったお部屋の汚れの多くは、空気中を漂ったあとに床へと落ちて、溜まっていくからです。
人が歩いたりドアを開け閉めしたりすると、その床のホコリが舞い上がります。
空気清浄機は、その床付近に溜まったホコリや舞い上がった直後のホコリを効率よく吸い込むために、本体の下部や側面から空気を吸い込む設計になっているモデルがほとんどです。
そのため、汚れが集まる床に置くことが、一番効率的にお部屋の空気をきれいにできる、というわけなんですね。
特に小さなお子様がいるご家庭では、床から30cmほどの高さが一番ホコリっぽいと言われていますから、床置きはとても理にかなっています。
まずは「基本は床置き」という点を覚えておいてくださいね。
床に置けない理由
基本は床置きがベスト、とお伝えしましたが、実際には「それができれば苦労しないのに…」というご家庭が多いのも事実です。
私が家電量販店でお客様とお話ししていても、様々な理由で床に置けないというお悩みを聞きます。
最も多いのは、やはり小さなお子様やペットがいるご家庭からのご相談です。
赤ちゃんが興味を持って倒してしまったり、ペットがコードを噛んでしまったりする危険を避けたい、というのは当然ですよね。
次に多いのが、お掃除のしやすさです。
床に直接置くと、掃除機をかけるたびに持ち上げて移動させるのが面倒だったり、お掃除ロボットの走行ルートの邪魔になったりします。せっかくのお掃除ロボットが隅々まで掃除できなくなってしまうのは、もったいないですもんね。
また、家具の配置上、壁際にしか置くスペースがないという場合もあります。
空気清浄機は、効率よく空気を循環させるために、壁から少し離して設置するのが理想です。
吸込口が側面や背面にあるタイプだと、壁にぴったりつけると性能が落ちてしまうため、床置きを断念せざるを得ないケースもあります。
こうした理由から、床以外の置き場所を探す必要が出てくるわけです。
空気清浄機を置く場所は高さが重要
床に置けない場合、次に考えたいのが「高さ」です。
実は、ただ高い場所に置くのではなく、適切な高さに設置することで、床置きに近い効果を狙えることがあるんです。床に直接置けないからといって、諦める必要はありませんよ。
もし棚や台の上に置くなら、床から30cm程度の高さがおすすめです。
先ほどもお伝えしたように、この高さは人が動いたときにハウスダストが舞い上がりやすい「ハウスダストゾーン」にあたります。
床に落ちてしまったホコリは吸いにくくなりますが、空気中に浮遊しているホコリを効率的にキャッチするには、この高さが有効なんです。
また、少し高さを出すことで、センサーの感度が良くなるというメリットもあります。
空気清浄機に内蔵されているホコリやニオイのセンサーは、床ギリギリよりも少し高い位置にある方が、お部屋全体の空気の状態を検知しやすくなります。これにより、自動運転の効率が上がることも期待できますね。
ただし、注意点もあります。
あまりにも高い位置、例えば背の高い棚の上や天井近くに置いてしまうと、重さのある花粉などはそこまで舞い上がらずに下に落ちてしまうため、うまく吸い込むことができません。
床に置けない場合の次善策として、高すぎず低すぎない「床から30cm」を目安にしてみてください。
顔の近くに置いても大丈夫?
寝室で床に置けず、サイドテーブルなどの上に置く場合、「顔の近くに置いても大丈夫?」というご質問をよくいただきます。
きれいな空気を吸いながら眠りたい、という気持ちはよく分かります。
顔の近くに置く一番のメリットは、やはり浄化された空気をダイレクトに感じられる点でしょう。
吹出口から出たきれいな空気が自分の周りを満たしてくれるので、特に花粉の季節などは安心感があると思います。
一方で、いくつかの注意が必要です。
まず、吹出口からの風が直接顔や体に当たらないようにしてください。長時間風に当たっていると、体が冷えたりお肌や喉が乾燥したりする原因になりかねません。
また、どんなに静かなモデルでも運転音はゼロではありません。眠りが浅い方だと耳元で聞こえる音が気になってしまう可能性もあります。
もし顔の近くに置くのであれば風向きを調整し、「静音モード」や「おやすみモード」を活用することをおすすめします。
基本的には、顔から少し離れた足元などに置く方が、睡眠への影響は少ないと考えられます。メリットとデメリットを理解した上で、ご自身にとって快適な場所を探すのが一番ですね。
換気扇と空気清浄機は併用して良い?
置き場所の話とは少し変わりますが、「換気扇を使っている時、空気清浄機は止めた方がいいの?」というのもよく聞かれる質問です。
結論から言うと、ぜひ併用してください。
この二つは役割が違うので、一緒に使うことでお部屋の空気をより効果的にきれいにすることができるんです。
換気扇の役割は、お部屋の中の空気と外の新鮮な空気を「入れ替える」ことです。一方、空気清浄機の役割は、お部屋の中にある空気をフィルターで「ろ過してきれいにすること」です。
つまり、換気によって外から入ってきてしまった花粉や排気ガスなどを、室内に設置した空気清浄機がすかさずキャッチしてくれる、という素晴らしい連携プレーが期待できるわけです。
特に料理中などは、換気扇でニオイを排出しつつ、空気清浄機で油煙などを除去するといった使い方もできます。
併用する際は、空気の流れを意識するとさらに効果的です。
例えば、窓を開けて換気するなら、その窓から一番遠い場所に空気清浄機を置くと、部屋全体の空気が大きく循環します。
「換気中は意味がないかも」と思わずに、ぜひ積極的に併用してみてくださいね。
床に置かない空気清浄機のおすすめ設置場所

基本は床置きと分かっていても、どうしても難しい場合はありますよね。
ここからは、お部屋のタイプごとに床以外の場所で効果を最大限に引き出すための具体的な設置場所をご紹介します。ちょっとした工夫で効果的な使い方ができますよ。
リビングの場合
ご家族が集まるリビングは、人の動きが多くてホコリが舞いやすい空間です。もし床に置けない場合は、エアコンの風を活用できる場所を探してみましょう。
おすすめは、エアコンの対角線上にある、少し高さのあるローボードや棚の上です。
エアコンの風はお部屋の中に大きな空気の流れを作り出してくれます。その風が当たる反対側に空気清浄機を置くことで、部屋中の空気が効率よく循環し、空気清浄機に集められていきます。
そして浄化されたきれいな空気が、またエアコンの風に乗って部屋の隅々まで行き渡る、という理想的なサイクルが生まれるんです。
これは冷房でも暖房でも使えるテクニックですよ。
ソファの近くに置くのも良いですが、その場合も風が直接人に当たらないように、少し高さのあるサイドテーブルなどの上に置くのが良いでしょう。
リビングの家具の配置に合わせて、空気の流れを意識した場所を選んでみてください。
寝室の場合
一日の疲れを癒す寝室では、静かで快適な空気環境が大切です。寝室で床置きが難しい場合、ベッドの高さやエアコンとの位置関係がポイントになります。
おすすめしたいのは、ベッドの「足元」側の、少し高さのあるチェストや棚の上です。
先ほどもお伝えしたように、枕元は風や音が気になりやすいので、顔からなるべく遠い足元の方が睡眠の妨げになりにくいです。
足元であれば、万が一直風が当たっても体への影響が少なく、それでいて寝室全体の空気をしっかり循環させてくれます。
エアコンがある場合は、その吸込口の近くや、風が作り出す空気循環のルート上に置くのも効果的です。
ただし、エアコンの風が直接当たりすぎるとセンサーが誤作動することもあるので、少し離れた場所に設置するのがコツですね。
寝室は衣類や寝具からホコリが出やすいので、クローゼットの近くの棚などに置くのも、ホコリが広がる前にキャッチできておすすめです。
ワンルームの場合
ワンルームは生活空間が一つにまとまっているので、空気清浄機一台で効率よく空気をきれいにしたいですよね。床に置けない場合は、空気の通り道を意識することが重要になります。
おすすめの場所は、玄関から部屋の奥へと空気が流れる通り道や、窓の近くにある棚の上などです。
外から入ってきた花粉やホコリが部屋全体に広がる前に、入り口近くでキャッチしてしまおうという考え方です。
また、料理のニオイが気になるならキッチンカウンターの上、ベッド周りで過ごすことが多いならサイドテーブルの上など、ニオイの発生源や自分が長くいる場所の近くに置くのも効果があります。
エアコンがあるなら、やはりその対角線上がセオリーです。
ワンルームでも空気の対流をしっかり作ることで、隅々まできれいな空気を届けることができます。
限られたスペースですが、空気の流れを少し意識するだけで、空気清浄機の働きがぐっと良くなりますよ。
オフィスの場合
最近は、オフィスでも個人用の空気清浄機を使う方が増えていますね。
デスクの上や足元に置けるコンパクトなモデルであれば、自分の周りの空気をピンポイントできれいにできます。
例えば、シャープのプラズマクラスターイオン発生機「IG-NM1S」や、パナソニックのナノイーX搭載ファン「F-GMU01」などは、USB電源で使えるモデルもあって、オフィスでの利用にぴったりです。
「IG-NM1S」はモバイルバッテリーでも使えるので、会議室への持ち運びも簡単ですよ。
ただし、自分のためとはいえ周囲の人への配慮も大切です。 吹出口からの風が隣の席の人に向かないようにしたり、音が気になる場合は静音モードで運転したりといった工夫をすると良いでしょう。
もしフロア全体のために設置するなら、人の出入りが多い出入り口付近や、人が集まりやすい会議室・休憩スペースの棚の上などに置くと効果的です。
一台で広範囲をカバーするのは難しいので、複数台を空気の通り道にバランスよく配置するのが理想ですね。
総括:床に置かない空気清浄機
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。