空気清浄機の効果を最大化するため、部屋のどこに置くのがベストかお悩みではありませんか?
実は、置き場所一つでその性能は大きく変わるんです。
リビングや寝室、ワンルームなど、部屋のタイプによって最適な設置場所は異なりますし、エアコンとの関係や置く高さも重要なポイントになります。
また、つけっぱなしにした時の電気代や、窓を開けた時の効果についても気になるところですよね。
この記事では、家電量販店で働く私が、お客様からよく聞かれる質問も交えながら、空気清浄機を部屋のどこに置くべきか、その効果的な使い方を徹底解説します。
ほこりやペット、タバコの臭い対策など、目的別に最適な置き場所もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
空気清浄機は部屋のどこに置く?効果を高める基本

空気清浄機の性能をしっかり引き出すには、まず基本的な置き方のポイントを知っておくことが大切です。お部屋のどこに置くかによって、空気の清浄効率は意外と変わってくるんですよ。
ここでは、エアコンとの位置関係や適切な高さなど、最初に押さえておきたい基本的な設置のコツを一緒に見ていきましょう。
エアコンの下は最適な置き場所?
「空気清浄機って、エアコンの真下に置くのが良いって本当?」というご質問は、お店でも本当によくいただきます。
これは多くの場合、正解なんです。
エアコンは室内の空気を吸い込んで、冷やしたり暖めたりした空気を吹き出すことで、部屋の中に空気の流れ、つまり気流を作り出します。その気流を利用することで、空気清浄機は効率的にお部屋全体の空気をきれいにすることができるんですね。
具体的には、エアコンが作り出した空気の流れに乗って、ホコリや花粉といった汚れが部屋中を循環します。その通り道であるエアコンの対面や真下に空気清浄機を設置することで、効率よく汚れをキャッチできるというわけです。
ただし、注意点もいくつかあります。
エアコンの風が空気清浄機に直接、強く当たりすぎる場所は避けた方が良いかもしれません。
なぜなら、センサーが誤作動を起こしてしまい、不必要にパワフルな運転を続けてしまう可能性があるからです。
また、吹き出し口のすぐ近くだと、清浄されたきれいな空気をすぐにまた吸い込んでしまい、お部屋全体の空気がきれいになるまでに時間がかかってしまうことも考えられます。
ですので、基本的にはエアコンの風が作る気流の循環を意識して、少し離れた場所や対面に置くのがおすすめと言えますね。
置く場所は高さも重要
空気清浄機を置く「高さ」も、実はとても重要なポイントなんですよ。
それは、お部屋の空気の汚れには色々な種類があって、それぞれ漂う高さが違うからなんです。
例えば、ホコリや花粉、ペットの毛などは比較的重たいので、床付近に溜まりやすい傾向があります。特に、人が歩いたりドアを開け閉めしたりすると、床に落ちていたホコリが舞い上がりますよね。
そのため、これらの汚れを効率よく吸い込むには、空気清浄機は床に直接置くのが最も効果的です。ほとんどの空気清浄機が床置きタイプなのは、こういった理由があるんですね。
一方で、タバコの煙やウイルス、料理の匂いといった粒子が細かいものは、空気中に長く漂い、天井の方へ上がっていく性質があります。
もし、これらの対策を特に重視したい場合は、少し高さのある棚の上などに置くのも一つの方法です。
ただ、多くの空気清浄機は本体の下部や側面から空気を吸い込む構造になっているため、基本的には床置きが推奨されています。
機種によっては、低い位置のホコリを強力に吸い込む「ハウスダスト気流」のような機能を搭載しているモデルもあります。
例えば、パナソニックのF-VXW90などは、床上のハウスダストを効率的に吸引する機能が優れているとお客様からも評判ですよ。
ご自宅でどんな汚れが一番気になるかを考えて、高さを調整してみるのが良いと思います。
窓を開けたら意味ない?
「換気のために窓を開けている時って、空気清浄機は止めた方がいいの?」これも、よくある疑問の一つですね。
結論から言うと、窓を開けていても空気清浄機を運転させる意味は十分にあります。
窓を開けて換気をすると、室内の汚れた空気と外の新鮮な空気が入れ替わります。ただ、その際に花粉や黄砂、PM2.5といった外の汚れも一緒にお部屋の中に入ってきてしまうんです。
せっかく換気をしても、新たな汚れが入ってきては困りますよね。
そこで空気清浄機の出番です。
窓を開けて換気をしながら空気清浄機を運転させることで、外から入ってきたばかりの新鮮な汚れを、部屋に広がる前にすばやくキャッチしてくれます。
特に花粉の季節などは、窓を開けている短時間でも大量の花粉が侵入してくるので、換気中も空気清浄機を稼働させておくのがおすすめです。
もちろん、窓を全開にして長時間換気すると、空気清浄機の効果は薄れてしまいます。換気をする際は、窓を少し開けて空気の通り道を作り、短時間で済ませるのが効率的です。
そして、空気清浄機は窓から少し離れた場所に置いて、外からの空気が部屋全体に循環する流れの中で汚れを捉えられるようにすると、より効果を実感しやすいんじゃないでしょうか。
つけっぱなしが効果的
空気清浄機は、基本的につけっぱなしで使うのが最も効果的なんです。
「電気代がもったいないから、空気が汚れている時だけ使いたい」というお気持ちもよく分かります。
でも、お部屋の空気は人が動いたり、ドアを開け閉めしたりするだけで、目に見えないホコリやハウスダストが常に舞っている状態なんですね。
汚れが気になった時にスイッチを入れても、その時にはすでに汚れが部屋中に広がってしまっています。
そこから空気をきれいにするには、空気清浄機もパワフルに運転する必要があり、かえって電気代がかさんでしまう可能性もあるんです。
常に運転させておくことで、汚れが発生した瞬間にすばやくキャッチし、お部屋のきれいな状態をキープし続けることができます。
最近の空気清浄機はとても優秀で、ホコリやニオイを検知するセンサーが付いているモデルがほとんどです。
普段は省エネの静音モードで静かに運転し、空気が汚れた時だけ自動で風量を上げてくれる「自動運転モード」に設定しておくのが賢い使い方ですね。
例えば、ダイキンの「MCZ70Z」のような高機能モデルは、非常に精度の高いセンサーを搭載しているので、料理の匂いや人が動いた時のホコリなどを素早く検知してくれます。つけっぱなしにしておくことで、こうしたセンサーの能力を最大限に活かすことができるんです。
24時間365日、お部屋の空気を快適に保つためにも、ぜひ「つけっぱなし運転」を試してみてください。
電気代はつけっぱなしだと高い?
「つけっぱなしが良いのは分かったけど、やっぱり電気代が心配…」と思いますよね。
でも、安心してください。最近の空気清浄機は省エネ性能が非常に高いため、つけっぱなしにしても電気代はそれほど高くならないんです。
多くの空気清浄機には、風量を自動で調整してくれる「自動運転」モードや、静かに運転する「静音」モードが搭載されています。
空気がきれいな時は、これらの省エネモードで運転するため、消費電力はごくわずかです。
例えば、シャープの人気モデル「KI-SX70」を「静音」モードで24時間つけっぱなしにした場合を考えてみましょう。
5.3W ÷ 1000 × 24時間 × 31円/kWh = 約3.9円
約3.9円 × 30日 = 約117円
もちろん、空気が汚れてパワフルに運転する時間が増えれば電気代はもう少し上がりますが、それでも1ヶ月あたり数百円程度に収まることがほとんどです。
これは、毎日ペットボトル飲料を1本買うよりもずっと安い金額ですよね。
このように、つけっぱなしによる電気代の心配はほとんどないと言えます。
むしろ、こまめに電源を入れたり切ったりするよりも、自動運転でつけっぱなしにしておく方が、お部屋の空気を常にきれいに保てるという大きなメリットがあるんです。
空気清浄機の近くで寝るのは大丈夫?
寝室に空気清浄機を置く方はとても多いですが、「ベッドのすぐ近くで使っても大丈夫?」という点も気になりますよね。
基本的には、空気清浄機の近くで寝ても健康上の問題はありませんので安心してください。
ただし、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
一つ目は、空気清浄機からの風が直接体に当たらないようにすることです。
特に冬場は、冷たい風が当たり続けると体が冷えてしまったり、夏場でも肌の乾燥の原因になったりすることがあります。
寝ている間は無意識なので、風向きを調整するか、体に直接風が当たらない位置に設置するのが良いですね。
二つ目は、運転音です。
眠りが浅い方や音に敏感な方は、空気清浄機の運転音が気になってしまうかもしれません。
ほとんどの機種には「静音モード」や「おやすみモード」が搭載されていて、表示ランプが暗くなったり、運転音がとても静かになったりします。
寝る時には、こういったモードに切り替えることをおすすめします。
それでも音が気になる場合は、ベッドから少し離れた足元などに置くと、気になりにくくなると思います。
空気清浄機を寝室で使うことは、睡眠中に舞いやすいハウスダストや、寝具から出るホコリを効率的に除去してくれるので、とてもおすすめです。
適切な距離と設定で、快適な睡眠環境づくりに役立ててくださいね。
【部屋別】空気清浄機は部屋のどこに置くのが最適?

ここまでは、空気清浄機の基本的な置き方についてお話ししてきました。でも、実際にはお部屋の広さや使い方によって、最適な置き場所は変わってきます。
ここからは、リビングや寝室、一人暮らしのワンルームなど、それぞれのシチュエーションに合わせた、より効果的な設置場所を具体的に解説していきますね。
リビングでの置き場所
家族みんなが集まるリビングは、家の中でも特に空気の汚れが気になる場所じゃないでしょうか。
人の出入りが多いので、外から花粉やウイルスが持ち込まれやすいですし、食事をすればニオイも発生します。
そんなリビングで空気清浄機の効果を最大限に引き出すには、「お部屋の中心」や「人がよく通る場所の近く」に置くのがおすすめです。
例えば、部屋の真ん中に置くことができれば、360度全方向から効率よく空気を吸い込むことができ、部屋全体の空気をスムーズに循環させてきれいにすることができます。
ただ、実際にお部屋のど真ん中に置くのは邪魔になってしまいますよね。その場合は、リビングのドアの近くや、廊下との境目あたりに置くのが良いと思います。
人が出入りするたびに舞い上がるホコリや、外から入ってくる花粉などを、部屋の奥に広がる前にキャッチしてくれるからです。
先ほどもお伝えしたように、エアコンがある場合は、その気流を利用できる対面の壁際に置くのも非常に効果的です。
リビングは広いことが多いので、お部屋全体の空気がしっかり循環する場所を意識して設置してみてくださいね。
寝室はどこに置く?
一日の疲れを癒す寝室は、できるだけきれいな空気環境を保ちたい場所ですよね。
睡眠中は、人が動くことでホコリが舞いやすいですし、布団からは見えないハウスダストもたくさん出ています。
寝室で空気清浄機を置くのにおすすめの場所は、「足元」です。
ベッドや布団の周りは、寝返りをうったり起き上がったりする際に、床に溜まったホコリが舞い上がりやすいエリアだからです。足元に置くことで、舞い上がったホコリやハウスダストを効率的に吸引してくれます。
逆に、あまりおすすめできないのが「枕元」です。
近すぎると、先述のように運転音や風が気になって、安眠の妨げになってしまう可能性があります。
また、空気清浄機が吸い込んだホコリやウイルスが、きれいな空気と一緒に顔の周りに吹き付けられるような形になるのも、あまり気持ちの良いものではないですよね。
ですから、顔からはなるべく離れた足元方向の床に設置するのがベストだと思います。
また、寝室は閉め切っている時間が長いので、湿気もこもりやすいです。
加湿機能付きの空気清浄機をお使いの場合は、壁際に置きすぎると結露やカビの原因になることもあるので、壁から少し離して設置するよう心がけてくださいね。
ワンルームでの効率的な場所
一人暮らしのワンルームは、リビング、寝室、ダイニングといった生活空間が一つにまとまっています。そのため、空気清浄機をどこに置くか悩む方も多いかもしれませんね。
ワンルームの場合は、空気清浄機を一台で効率よく稼働させることが重要になります。
おすすめの置き場所は、「部屋の広範囲に風を届けられる中心付近」です。
部屋の隅に置いてしまうと、反対側の隅まできれいな空気が行き渡るのに時間がかかってしまいます。生活動線の邪魔にならない範囲で、できるだけ部屋の中央寄りに設置するのが理想的ですね。
もし、ベッドの近くに置くのであれば、これも寝室の場合と同じで、枕元ではなく足元がおすすめです。
また、玄関の近くに置くのも効果的です。
外から帰ってきたときに衣服に付着している花粉やホコリを、部屋の奥に持ち込む前にキャッチすることができます。
ワンルームは料理のニオイもこもりやすいので、キッチンスペースとの中間あたりに置くのも良いでしょう。
ご自身の生活の中で、一番空気の汚れが発生しやすい場所はどこかを考えて、設置場所を決めるのが効率的だと思います。
コンパクトながらパワフルなモデルを選ぶと、一台でもお部屋全体を快適に保ちやすいですよ。
ほこり対策に特化した置き方のコツ
「とにかく部屋のほこりを何とかしたい!」という方は、置き方に少し工夫をするだけで、集じん効果をぐっと高めることができますよ。
ほこり対策で最も重要なポイントは、ずばり「床に置く」ことです。
先ほどもお伝えしたように、ほこりやハウスダスト、花粉といったアレル物質の多くは、重さがあるため床付近に溜まります。
そして、人が歩いたり、ドアを開け閉めしたりするわずかな空気の動きで、簡単に舞い上がってしまうんです。
この舞い上がったほこりを効率的にキャッチするために、空気清浄機は必ず床に直接設置してください。棚の上などに置いてしまうと、肝心の床付近のほこりをなかなか吸い込むことができません。
さらに効果を高めるコツは、部屋の隅や家具のすぐそばではなく、壁から少し離して置くことです。
多くの空気清浄機は、本体の側面や背面にも吸込口があります。壁や家具にぴったりつけてしまうと、空気の通り道が塞がれてしまい、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。
メーカーは通常、壁から30cm程度離すことを推奨していますので、設置する際は少しスペースを空けてあげてください。
また、ほこりは空気の動きが少ない場所に溜まりやすいです。
部屋の隅や家具の裏などを掃除する際に、空気清浄機をその近くで稼働させると、掃除で舞い上がったほこりを効率よく吸い取ってくれるので、ぜひ試してみてくださいね。
ペットがいる家の効果的な場所
ワンちゃんや猫ちゃんなど、ペットと一緒に暮らしているお家では、抜け毛やフケ、そしてニオイが気になりますよね。これらはアレルギーの原因になることもあるので、空気清浄機でしっかり対策したいところです。
ペットがいるご家庭での最適な置き場所は、「ペットが普段過ごしている場所の近く」です。
例えば、ペット用のベッドやケージ、猫ちゃんならトイレの近くなどが効果的ですね。
ニオイや抜け毛の発生源のすぐそばに置くことで、それらが部屋全体に広がる前に効率よく吸引することができます。
ただし、設置する際にはいくつか注意が必要です。
まず、ペットが空気清浄機にいたずらしないように気をつけてください。コードをかじってしまったり、本体を倒してしまったりすると危険です。
倒れにくい安定したモデルを選んだり、コードにカバーを付けたりするなどの対策をすると安心ですね。
また、空気の吸込口や吹出口をペットが塞いでしまわないような場所に置くことも大切です。
特に、床に座ることが多いペットの場合、床付近の空気を強力に吸い込むタイプの空気清浄機がおすすめです。
シャープの空気清浄機に搭載されている「プラズマクラスター」技術は、ペットのニオイの消臭効果が高いとお客様からもよく伺います。
ペットのためにも、お部屋の空気をきれいに保ってあげたいですよね。
タバコの消臭目的ならここ!
お部屋でタバコを吸う方がいる場合、そのニオイや煙は壁紙やカーテンに染み付いてしまう前に、素早く除去したいですよね。
タバコの煙対策で空気清浄機を置くなら、最も効果的なのは「喫煙する場所のできるだけ近く」です。
タバコの煙は、発生源から直接吸い込むのが一番効率的です。
煙が部屋中に拡散してしまうと、空気清浄機だけでは完全に消臭するのが難しくなってしまいます。いつもタバコを吸う椅子や灰皿のすぐそばに空気清浄機を設置してください。
もう一つのポイントは、少し「高い位置」に置くことです。
タバコの煙は暖かいため、発生すると天井方向へとのぼっていく性質があります。そのため、空気清浄機を床に置くよりも、少し高さのあるサイドテーブルや棚の上に置いた方が、上昇する煙を効率よくキャッチできる場合があります。
ただし、安定して置ける場所であること、そして小さなお子さんやペットが倒してしまう危険がないことを必ず確認してくださいね。
また、タバコ対策を重視するなら、脱臭能力に優れたフィルターを搭載したモデルを選ぶことが非常に重要です。活性炭フィルターなどがしっかりしている機種は、ニオイの吸着力が高いですよ。
例えば、ブルーエアの「Blue Max 3250i」のようなモデルは、ニオイや有害物質に対する除去能力が高いことで知られています。
置き場所と機種選びの両方からアプローチするのが、タバコ対策の鍵となります。
総括:空気清浄機を部屋のどこに置くか
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。