「IHと圧力IHって、何がそんなに違うの?」
「値段が全然違うけど、それだけの価値があるの?」
家電量販店で働いていると、そんな疑問の声が毎日のように聞こえてきます。
実は私も、この仕事を始めるまでは炊飯器なんて「ごはんが炊ければどれも同じ」だと思っていました。でも知れば知るほど奥が深くて、今では家族や友人に炊飯器の話をするとき、つい熱く語りすぎてしまうほどなんです。
IHと圧力IH、この二つは名前こそ似ていますが、実は全く違う個性を持っています。あなたが「美味しい」と感じるごはんは、シャッキリ派ですか?それともふんわりもちもち派ですか?
この記事では、お客様からよく聞かれる疑問や不安に、家電のプロとしての知識と経験を活かしてお答えしていきます。難しい専門用語は使わず、まるで店頭でお話ししているような感覚で読んでいただけたら嬉しいです!
炊飯器のIHと圧力IHの違いを徹底比較

- 圧力IHとIHの違いは加熱方法
- 圧力IHとIHのメリット・デメリット
- 圧力炊飯器はまずい?
- 圧力IHは壊れやすい?
- 炊飯器に圧力は必要か
- 電気代はどっちがお得?
まずは、IH炊飯器と圧力IH炊飯器の「根本的な違い」から詳しく見ていきましょう。
この2つ、名前は似ていますが、ごはんを炊き上げるプロセスが結構違うんです。それぞれの特徴を知ることが、美味しいごはんへの第一歩ですよ。
圧力IHとIHの違いは加熱方法
炊飯器の「IH」と「圧力IH」、この二つの最大の違いは、炊飯の工程で「圧力をかけるかどうか」という点にあります。
まず、基本となる「IH炊飯器」についてお話ししますね。
「IH」というのは「Induction Heating(電磁誘導加熱)」の略で、内釜自体を直接発熱させる仕組みなんです。
昔ながらのマイコン炊飯器が、釜の底にあるヒーターで「下から温める」のに対して、IHは釜全体が発熱します。これにより、非常に強い火力で、釜全体をムラなく加熱できるのが大きな特徴ですね。
お米を一気に高温で炊き上げることで、一粒一粒がシャッキリと立ち、食べ応えのある美味しいごはんに仕上がります。
一方、「圧力IH炊飯器」は、このIHの強力な加熱に加えて、炊飯中に内釜に圧力をかける機能が搭載されています。
理科の授業を思い出してほしいのですが、圧力が高くなると水の沸点が上がりますよね。
標高の高い山の上だと沸点が低くなって、うまくごはんが炊けない…なんて話、聞いたことありませんか?
圧力IH炊飯器は、これとまったく逆の原理を使っています。
内釜を密閉して圧力をかけることで、水の沸点を100℃以上に引き上げるんです。機種によりますが、だいたい1.05気圧から1.3気圧くらい(約101℃~107℃)の高温で炊き上げます。
この「100℃以上の高温」が、お米に大きな変化をもたらします。
高温で炊き上げると、お米の芯にあるデンプンがしっかりと「アルファ化(糊化)」します。
これは、お米がふっくらと柔らかく、強い甘みと粘り(もちもち感)を引き出すことにつながるんです。
ですから、炊き上がりの食感で言うと、
- IH炊飯器:粒立ちが良く、シャッキリとした食感
- 圧力IH炊飯器:芯までふっくら、もちもちとした食感と強い甘み
という違いが出てくるんですね。
お米の銘柄や好みにもよりますが、「甘くて柔らかいごはんが好き!」という方には、圧力IHがとてもおすすめです。
逆に、「お寿司屋さんみたいな、粒がしっかりしたごはんがいい」という方は、IHの食感が合うかもしれません。
圧力IHとIHのメリット・デメリット
加熱方法や炊き上がりの違いがわかったところで、それぞれのメリットとデメリットを整理してみましょう。
炊飯器は毎日使うものですから、価格や機能面での違いもしっかりチェックしておきたいですよね。
| 圧力IH炊飯器 | IH炊飯器 | |
|---|---|---|
| メリット | ・甘みと粘りを最大限に引き出す ・高温で芯までふっくら炊き上げる ・冷めても美味しさが続きやすい(お弁当向き) ・玄米なども柔らかく炊きやすい ・比較的高機能なモデルが多い | ・粒立ちが良くシャッキリ炊き上がる ・圧力IHに比べて価格が手頃 ・構造がシンプルなためお手入れが比較的ラク ・圧力機構がない分、本体がコンパクトな傾向 |
| デメリット | ・価格が高額になりがち ・部品が多く、お手入れが少し複雑 ・圧力をかけるため、炊飯中の音が気になる場合がある ・本体サイズが大きめな傾向 | ・圧力IHと比べると、甘みやもちもち感は控えめ ・お米の銘柄や状態によっては芯が残りやすいと感じることも ・搭載機能は中級モデルが多い |
圧力IHは「美味しさ」と「機能」を追求
圧力IHの最大のメリットは、やはり「美味しさ」だと思います。
お米のポテンシャルを最大限に引き出してくれるので、普段のお米がワンランクアップしたように感じられるはずです。
また、高温で炊くため、冷めてもパサパサしにくく、「お弁当のごはんが美味しくなった」というお声もよくいただきますね。
ただし、その分お値段は高くなる傾向があります。
また、圧力をかけるための部品(圧力調整ボールやパッキンなど)が増えるので、お手入れの際に洗うパーツがIHより1~2点多いのが一般的です。この点は少し手間に感じるかもしれません。
IHは「コスパ」と「シンプルさ」
IH炊飯器の魅力は、「価格と美味しさのバランス」にあります。
圧力機能がない分、価格が抑えられているモデルが多く、3合炊きや5.5合炊きの人気モデルでも選びやすい価格帯から揃っています。
もちろん、IHでも火力は十分強いので、美味しく炊き上がりますよ。
お手入れもシンプルなので、「機能はそこそこでいいから、手軽に美味しいごはんが食べたい」という方にはピッタリだと思います。
圧力炊飯器はまずい?
これは、私もお店でお客様からたまに聞かれるご質問なんです。
「前に使っていた圧力IH、なんだかごはんがベチャッとしてて…まずいってほどじゃないけど、好みじゃなかったの」と。
これは「まずい」というよりは、「好みの食感と違った」というケースがほとんどだと思いますね。
前述の通り、圧力IHは「もちもち感」と「粘り」を強く引き出すのが得意です。
そのため、普段からシャッキリとした硬めのごはんがお好きな方にとっては、圧力IHで炊いたごはんが「柔らかすぎる」「ベチャッとしている」と感じられてしまうことがあるんです。
特に、ミルキークイーンやゆめぴりかのような、もともと粘りが強いお米を圧力IHで炊くと、想像以上に「もちもち」に仕上がることがあります。
逆に、コシヒカリやヒノヒカリのようなバランス型のお米や、新之助やつや姫のような粒感がしっかりしたお米は、圧力IHで炊くことで旨みが際立って美味しく感じられることも多いですよ。
また、最近の圧力IH炊飯器はとても賢くなっていて、「炊き分け機能」が充実しているモデルが主流です。「シャッキリ」「ふつう」「もちもち」といったように、同じお米でも炊き上がりの食感を細かく設定できるんです。
もし、以前の圧力IHで好みの味にならなかった経験がある方でも、今のモデルなら「シャッキリ」モードを選ぶことで、粒立ちの良い美味しいごはんに炊き上げられる可能性が十分にあります。
もう一つの可能性として、水の量が合っていなかったケースもあります。
圧力IHは密閉性が高いため、IHと同じ水加減でも柔らかめに炊き上がることがあります。
もし「柔らかすぎるな」と感じたら、お釜の目盛りよりも少しだけお水を減らして炊いてみると、お好みの硬さになるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。
「圧力IH=まずい」ということは決してなくて、お米の特性や炊飯器の機能、そして何よりご自身の「好み」によって、向き不向きがある、ということなんだと思います。
圧力IHは壊れやすい?

「圧力IHは構造が複雑だから、シンプルなIHより壊れやすいですか?」
これも、高価なお買い物ですから心配になりますよね。
結論から言うと、「圧力IHだから特別に壊れやすい」ということはありません。
どちらのタイプも、炊飯器の寿命は内釜のコーティング剥がれや電子部品の寿命で決まることが多く、だいたい6年~10年くらいと言われています。(メーカーの補修用部品の保有期間は製造打ち切り後6年が目安です)
ただし、圧力IHには特有の注意点があります。
それは、「お手入れを怠ると不具合が出やすい」ということです。
圧力IHは、炊飯中に圧力を調整するために「圧力調整弁(ボールが入っている部分)」や「安全弁」といった重要な部品が内ぶたに付いています。
この部分に、ごはん粒やおねば(炊飯中に出るデンプンの泡)が詰まってしまうと、
- 圧力がうまくかからなくなる
- 蒸気が変なところから漏れる
- エラー表示が出て止まってしまう
といった不具合の原因になることがあるんです。
「壊れた!」と思って修理に持ち込まれるケースの中には、このお手入れ不足が原因であることも少なくないんですね。
もう一点、圧力IHは密閉性を高めるために、内ぶたや本体のフチについている「パッキン」がとても重要です。このパッキンはゴム製なので、毎日使っていると必ず劣化します。(だいたい3年~5年が交換の目安です)
パッキンが劣化してくると、隙間から蒸気が漏れて圧力がかからなくなり、「ごはんがパサパサする」「うまく炊けない」といった症状が出てきます。これは故障ではなく消耗品の交換時期なので、パッキンだけを有料で取り寄せて交換すれば、また美味しく炊けるようになりますよ。
圧力IHが壊れやすいというよりは、「美味しく炊き続けるために、日々のお手入れや定期的な消耗品の交換が必要」な炊飯器、と考えるのが正しいと思います。
もちろん、これはIH炊飯器でも同じですが、圧力IHは特にデリケートな部品がある、と覚えておいてくださいね。
炊飯器に圧力は必要か
ここまで読んでくださった方は、「じゃあ、結局うちには圧力って必要なの?」と迷われているかもしれません。
これはもう、「どんなごはんがお好きか」、そして「炊飯器に何を求めるか」で決まります。
私がお店でお客様とお話ししていて、「圧力IHがおすすめですよ」とお伝えするのは、こんなご要望がある方ですね。
- とにかく甘くて、もちもちしたごはんが好きな方
- ごはんが冷めても美味しい状態をキープしたい(お弁当を毎日作る)方
- 玄米や雑穀米を、パサパサせず柔らかく炊き上げたい方
- 最新の「炊き分け機能」などで、お米の銘柄や料理に合わせた炊き方を楽しみたい方
- ご予算に余裕があり、「美味しさ」を最優先で選びたい方
圧力IHは、ごはんの「甘み」と「粘り」を引き出すのが本当に得意です。
特に、冷めても硬くなりにくいのは、お弁当派の方にはすごく嬉しいポイントだと思います。
逆に、「圧力まではいらないかな」とお話しするのは、こんな方です。
- お寿司屋さんや定食屋さんのような、粒立ちの良いシャッキリしたごはんが好きな方
- できるだけ価格を抑えて、美味しい炊飯器が欲しい方
- 毎日のお手入れは、できるだけシンプルで簡単な方がいい方
- 保温機能や炊き分け機能は、基本的なものがあれば十分な方
圧力IHは高機能ですが、その分お値段も上がりますし、お手入れも少し複雑になります。
「そこまでの機能はいらないかな」「お手入れが面倒なのはちょっと…」という方にとっては、高性能なIH炊飯器を選ぶほうが、満足度が高いかもしれません。
最近は、IH炊飯器でも「スチーム機能」を搭載して、圧力とは違うアプローチで美味しさを追求しているモデルもあります。
「圧力が必要か?」と二択で考えるよりも、「自分好みの食感はどっちかな?」という視点で選ぶと、きっとピッタリの一台が見つかると思います。
電気代はどっちがお得?
毎日使う家電だから、電気代も気になるところですよね。
「圧力をかける分、圧力IHのほうが電気代が高いんじゃないの?」と思われがちですが、実は、炊飯1回あたりの電気代は、IHも圧力IHもほとんど変わりません。
むしろ、製品のスペック(例:象印マホービンの2024年モデル比較)を見ると、IH炊飯器(NW-HA10)が1回あたり約5.3円なのに対し、圧力IH炊飯器(NW-FB10)は約4.7円と、わずかに圧力IHのほうが安いというデータもあるくらいなんです。
これは、圧力IHのほうが密閉性が高く、短時間で高温に達するため、トータルでの消費電力量が抑えられることがあるからなんですね。
ただ、これはあくまで一例で、メーカーや機種、炊飯モード(エコ炊飯など)によっても変わってきます。
大切なのは「保温」の電気代です。
先ほどの同じモデルで、1時間あたりの保温にかかる電気代を比較すると、
- IH炊飯器(NW-HA10):約0.47円
- 圧力IH炊飯器(NW-FB10):約0.51円
となり、今度はわずかにIH炊飯器のほうが保温の電気代は安い結果になりました。
とはいえ、どちらも1時間あたり約0.05円程度の違いです。
仮に8時間保温したとしても、その差は1円にも満たない計算になります。
ですから結論としては、「IHか圧力IHかで、電気代に大きな差は出ない」と考えていただいて大丈夫です。
電気代を気にするのであれば、機種ごとの「省エネ基準達成率」のパーセンテージを見たり、「エコ炊飯モード」を活用したりするほうが、よほど節約につながりますよ。
また、一番の節約は「長時間保温しないこと」です。
保温時間が4~5時間を超えるようなら、炊き立てをラップに包んで冷凍し、電子レンジで温め直すほうが、電気代も安く、ごはんも美味しく食べられるのでおすすめです。
IHと圧力IHの違いで選ぶおすすめ炊飯器

- お手入れのしやすさで選ぶ
- 保温機能で選ぶなら?
- 調理機能もチェックしよう
- 圧力IH炊飯器に入れてはいけないもの
- おすすめIH炊飯器ランキングTOP3
- おすすめ圧力IH炊飯器ランキングTOP3
さて、ここまでの違いを踏まえて、後半は「選び方」の具体的なポイントを見ていきましょう。
美味しさ以外にも、毎日使う上で大切な「お手入れ」や「保温機能」など、見落としがちなポイントを解説していきますね。
お手入れのしやすさで選ぶ
炊飯器は、美味しく清潔に使い続けるために、毎回のお手入れが欠かせません。
この「お手入れのしやすさ」は、毎日のことなので本当に重要ですよ!
基本的なお手入れ部品は、
- 内釜
- 内ぶた
の2点です。
これは、IHでも圧力IHでも共通ですね。
違いが出てくるのは、先ほども少し触れましたが、圧力IHの「内ぶた」の構造です。
圧力IHは、圧力を制御するための「圧力調整弁」や「安全弁」などが付いているため、内ぶたが複雑な構造になっていることが多いんです。パーツを取り外して細かく洗う必要があるモデルも多く、これが「面倒…」と感じる方もいらっしゃいます。
一方、IH炊飯器(圧力なし)は、内ぶたの構造が比較的シンプルです。
凹凸が少なく、サッと洗いやすいモデルが多いのは、IH炊飯器のメリットと言えますね。
ただ、最近はメーカーさんもお手入れのしやすさにすごく力を入れています。
圧力IHでも、「洗うのは内釜と内ぶたの2点だけ」という、お手入れが簡単なモデルが増えているんです。
お手入れ簡単モデルの例
例えば、パナソニックの「おどり炊き」シリーズ(圧力IH)は、内ぶたが食洗機に対応していたりします。
象印の「炎舞炊き」シリーズ(圧力IH)も、以前はあった「蒸気口セット」がなくなり、洗うのは内ぶたと内釜だけ、というシンプルな構造になりました。
タイガーの炊飯器も、内ぶたが食洗機対応のモデルがあり、お手入れの負担を減らす工夫がされています。
また、炊飯器本体の「お手入れ機能(クリーニング機能)」も便利ですよ。
内釜に水を入れてこのモードを作動させると、高温の蒸気で庫内の匂いや汚れを浮かせてくれるんです。炊き込みごはんの後など、匂い残りが気になるときに使うと効果的です。
- IH(圧力なし):構造がシンプルで、洗いやすい傾向がある。
- 圧力IH:部品が複雑なモデルもあるが、最近は「洗う点数」を減らしたモデルが主流。
- 内ぶたが「食洗機対応」かどうかもチェック。
- 本体の「お手入れ(クリーニング)機能」があると便利。
「お手入れが面倒だからIH」と決めてしまう前に、最新の圧力IHモデルがどれくらいお手入れが簡単になっているか、ぜひ店頭などで見比べてみてほしいと思います。
保温機能で選ぶなら?
ご家族で食事の時間がずれるご家庭や、朝炊いたごはんを夜も食べるという方にとって、「保温機能」はとても大切ですよね。
炊飯器の保温機能は、ここ数年で劇的に進化しています。
昔の炊飯器のように「保温するとごはんがカピカピに…」「黄ばんで匂いが…」なんてことは、今のモデルではほとんどありません。
特に、保温機能に力を入れているのは「圧力IH」の上位モデルに多い傾向があります。
例えば、象印マホービンの「極め保温」という機能。
これは、炊飯器のフタについているセンサーが、釜内のごはんの量を見張って、最適な温度でコントロールしてくれる機能なんです。
水分が蒸発するのを抑えてくれるので、最大40時間も美味しく保温できるとされています。
(もちろん、味の感じ方には個人差がありますよ)
また、東芝の真空圧力IH炊飯器は、「真空保温」という独自機能があります。
保温中も定期的に釜の中を真空に近づけることで、ごはんの酸化や水分の蒸発を防ぎ、黄ばみや匂いを抑えてくれるんです。
パナソニックのモデルでは、保温中に「スチーム」を自動で送って、ごはんのパサつきを抑えてくれる機能もあります。
IH炊飯器の保温は?
では、IH炊飯器(圧力なし)の保温が劣るかというと、そんなことはありません。
最近のIH炊飯器も、フタのセンサーで温度を管理する機能は標準搭載されていますし、「うるつや保温」といった名前で、美味しく保温できる機能を搭載しています。
ただ、やはり最長40時間保温のような「長時間保温」や、「スチーム」「真空」といった付加価値のある保温機能は、圧力IHの上位モデルに搭載されていることが多いですね。
- 家族の食事時間がバラバラで、長時間保温することが多い方 → 象印の「極め保温」や東芝の「真空保温」など、長時間保温が得意な圧力IHモデルがおすすめ。
- 保温はするけど、半日程度(朝炊いて夜食べるくらい)の方 → 標準的なIH炊飯器でも十分美味しく保温できます。
保温機能は、ごはんの美味しさを保つだけでなく、電気代にも関わってきます。
ご自身のライフスタイルに合わせて、必要な保温性能を見極めるのが大切ですね。
調理機能もチェックしよう

最近の炊飯器は、ごはんを炊くだけじゃなくて、「調理機能」が充実しているモデルも多いんです!
材料を入れてスイッチを押すだけで、火加減を自動で調節してくれて、煮込み料理やケーキ、サラダチキンまで作れるのは、とても便利ですよね。特に共働きで忙しいご家庭などでは、ほったらかしで一品作れるのは大きな魅力じゃないでしょうか。
この調理機能、IHと圧力IHで少し違いがあります。
IH炊飯器(圧力なし)は、温度コントロールが得意なので、「低温調理」(サラダチキンやローストビーフなど)や、「ケーキ」を焼く機能が搭載されていることが多いです。
一方、圧力IH炊飯器は、その名の通り「圧力」をかけられるのが強み。
これを利用して、「圧力調理」ができるモデルがあります。
例えば、カレーや肉じゃが、角煮など、時間のかかる煮込み料理を短時間で柔らかく仕上げることができます。
パナソニックの圧力IHジャー炊飯器(SR-CR10Bなど)は、「自動調理」としてカレーやサラダチキンなど7つのレシピが登録されていて、番号を選ぶだけで作れるようになっています。
電気圧力鍋に近い使い方ができるのは、圧力IHならではのメリットですね。
ただし、注意点もあります。
調理機能が充実している炊飯器で料理をした後、どうしても「匂い残り」が気になることがあります。カレーを作った後すぐに白米を炊くと、ちょっとカレーの風味が…なんてことも。
先ほどお話しした「お手入れ(クリーニング)機能」を使えばかなり匂いは取れますが、気になる方は「ごはん用」と「調理用」で、小型の炊飯器や電気圧力鍋を別に用意するのも一つの手だと思います。
- サラダチキンやパン、ケーキなど、じっくり火を通す調理がしたい → IH炊飯器の調理機能が向いているかも。
- 角煮やカレーなど、時間のかかる煮込み料理を時短でしたい → 圧力IH炊飯器の「圧力調理」機能が便利です。
炊飯器を「調理器具」としても活用したい方は、どんな料理が作りたいかに合わせて、IHか圧力IHかを選んでみるのも面白いと思いますよ。
圧力IH炊飯器に入れてはいけないもの
これは、圧力IH炊飯器を選ぶ上で、非常に重要な注意点です。
圧力IH炊飯器は、調理機能が便利だからといって、何でも入れていいわけではありません。
特に、圧力をかける特性上、「入れてはいけない食材」があります。
これを守らないと、蒸気口や圧力弁が詰まってしまい、故障や、最悪の場合、内容物が噴き出してヤケドをする危険性があります。
必ずご使用の炊飯器の取扱説明書を確認していただきたいのですが、一般的に危険とされるのは以下のようなものです。
- カレーやシチューのルー、ジャムなど →粘性が高いため、蒸気口をふさいでしまう危険性が非常に高いです。
- 重曹(ふくらし粉)など、急激に泡が出るもの →予期せぬ圧力がかかり危険です。
- 豆類(煮豆など)や麺類、練り物(はんぺんなど) →調理中に膨張したり、豆の皮が剥がれて圧力弁に詰まる恐れがあります。
- 葉物野菜(七草がゆの青菜など) →葉が内ぶたに張り付き、蒸気口をふさぐ恐れがあります。
- 多量の油 →異常加熱の原因になります。
- クッキングシートやアルミホイル、ポリ袋(湯煎調理) →内ぶたに張り付く危険があります。
「え、カレーもダメなの?」と驚かれたかもしれません。
先ほど「カレーが作れる」とご紹介したパナソニックのモデル(SR-CR10B)は、調理機能として「カレー」コースが搭載されているため安全に作れますが、そうした専用コースがない圧力IH炊飯器で、自己流でカレールーを入れて調理するのは絶対にやめてください。
特に危険なのが、七草がゆですね。
青菜は必ず、炊き上がったおかゆに「後から」混ぜるようにしてください。
「炊飯器レシピ」としてネットで紹介されている中には、こうした危険な調理法が混ざっていることもあります。必ず、ご自身の炊飯器の取扱説明書で「調理可能」とされている食材・レシピを守って、安全に使ってくださいね。
おすすめIH炊飯器ランキングTOP3
それでは、ここからは具体的なおすすめモデルをご紹介しますね。
まずは「IH炊飯器(圧力なし)」から、バランスが良く人気のあるモデルを3つピックアップしました。
第1位:三菱電機 IHジャー炊飯器 本炭釜 NJ-BW10H-B
純度99.9%の「本炭釜」で炊く粒立ち
IH炊飯器の中でも、三菱電機の「本炭釜」シリーズは根強い人気があります。このモデルは、釜全体が発熱する「本炭釜」と、独自の「段付き内釜」構造で、ふきこぼれを抑えながら大火力を実現しています。
圧力IHとは違うアプローチで、お米一粒一粒の粒感を際立たせ、みずみずしくシャッキリとした炊き上がりを求める方には、まさにおすすめのモデルですね。「まとめ炊き(冷凍用)」モードも搭載されているので、冷凍ストック派の方にも便利です。
第2位:バーミキュラ ライスポット RP23ASV
「世界一、おいしいご飯」を目指した炊飯器
バーミキュラの「ライスポット」は、鋳物ホーロー鍋とその性能を最大限に引き出すポットヒーターを組み合わせた、独自の炊飯器です。密閉性の高いホーロー鍋で炊き上げるごはんは、お米の甘みと香りが際立つ、まさに絶品と評判です。
炊飯だけでなく、無水調理や低温調理、炒め調理までこなせる多機能性も大きな魅力。「炊飯器」という枠を超えて、キッチンでの料理そのものを楽しみたい方から絶大な支持を集めています。
第3位:三菱電機 IHジャー炊飯器 炭炊釜 NJ-VW10H
「本炭釜」の技術を受け継ぐスタンダードモデル
第1位の「本炭釜」と同じく三菱からですが、こちらは「炭炊釜」モデルです。純度99.9%の「炭」を削り出して作られた釜で、IHの熱を効率よくお米に伝えます。
「少量名人」モード(0.5合から2合)を搭載しており、一人暮らしや二人暮らしの方でも、少量から美味しく炊き上げられるのが嬉しいポイントです。「うま早」モードや「お急ぎ」モードといった時短機能も充実しており、価格と機能のバランスが取れた人気モデルですね。
おすすめ圧力IH炊飯器ランキングTOP3
続いて、美味しさを追求する「圧力IH炊飯器」のおすすめモデルです。
こちらは性能と美味しさを追求した、まさに「フラッグシップモデル」が揃っていますよ。
第1位:象印マホービン 圧力IH炊飯ジャー 炎舞炊き NW-FC10
かまどの炎を再現した「炎舞炊き」
お店でも、やはり一番人気は象印の「炎舞炊き」シリーズです。
最大の特徴は、底にあるIHヒーターが6ブロックに分かれていて、ローテーションしながら部分的に集中加熱をすること。これにより、かまどで炊くような激しい炎の「ゆらぎ」を再現し、お米を釜の中で舞い上がらせながら炊き上げます。
お米の甘みと弾力を最大限に引き出す、まさに「ごはん好き」のための最高峰モデルの一つです。
121通りの「わが家炊き」メニューで、好みの食感に細かく調整できるのもすごいですよね。
第2位:タイガー魔法瓶 土鍋圧力IHジャー炊飯器 土鍋ご泡火炊き JRX-G100
本物の「土鍋」で炊く贅沢
タイガーの最上位モデルは、コーティングではなく「本土鍋」を内釜に使用しています。
土鍋ならではの非常に高い蓄熱性と遠赤効果、そして「ご泡火(ごほうび)炊き」と呼ばれるきめ細やかな泡立ちで、お米を優しく包み込むように炊き上げます。最高温度約300℃という圧倒的な火力で、お米の甘みを引き出します。
炊き上がりは、まさにお店の料亭のような、粒立ちと甘みが両立したごはんです。土鍋なので割れないか心配、というお声もありますが、内なべには5年保証が付いているなど、メーカーも自信を持っているモデルです。
第3位:パナソニック 可変圧力IHジャー炊飯器 ビストロ SR-V18BB
ビストロ匠技AIと急減圧
パナソニックの「ビストロ」シリーズは、AI(人工知能)を搭載しているのが特徴です。「ビストロ匠技AI」が、お米の状態や量を見極めて、火加減や圧力を自動で最適化してくれます。
また、パナソニック独自の「急減圧バルブ」により、炊飯の最後に圧力を一気に抜くことで、お米を一粒一粒ハリのある状態に仕上げます。「具材たっぷり炊き込み」機能(従来比2倍の具材)など、ごはん以外の調理機能が充実しているのも魅力ですね。
圧力IHは高価格帯ですが、どれもメーカーのこだわりが詰まった素晴らしいモデルばかりです。
炊き上がりの食感(もちもち感が強い、粒感が強いなど)にそれぞれ個性があるので、ぜひご自身の好みで選んでみてくださいね。
総括:炊飯器のIHと圧力IHの違いを比較
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。


