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炊飯器の内釜コーティングの剥がれ対策|原因から修理交換まで解説!

炊飯器の豆知識

炊飯器の内釜にコーティングの剥がれを発見したとき、「このまま使い続けても大丈夫?」と不安になりますよね。毎日食べるご飯だからこそ心配になるのは当然です。

内釜の剥がれには必ず原因があり、サビが体に与える影響についても正しい知識が必要です。
また、炊飯器が何年くらい使い続けられるのか、内釜が長持ちするメーカーはどこなのか、剥がれない方法や買い替えのタイミングについても気になるポイントでしょう。

この記事では、コーティングが剥がれた内釜の安全性から、修理や交換、買い替えの判断基準まで、皆さんが知りたい情報を詳しくお伝えしていきます。

この記事のポイント
  • 内釜の剥がれをそのまま使って良いのか
  • 剥がれたコーティングの安全性
  • 剥がれの原因と長持ちさせるためのお手入れ方法
  • 修理、交換、買い替えの最適なタイミングと注意点
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炊飯器の内釜が剥がれたら

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 使い続けて大丈夫?
  • ご飯と一緒に食べても平気?
  • 有害なPFASは含まれている?
  • コーティングが剥がれる原因
  • サビは問題ない?

まず一番心配なのが、「剥がれた内釜を使い続けても健康に影響はないの?」という点だと思います。

ここでは、コーティングの安全性や、なぜ剥がれてしまうのか、といった疑問について一緒に見ていきましょう。

使い続けて大丈夫?

内釜のコーティングが少し剥がれてきた時、多くの方が「もう使えないのかな?」と心配されます。

まず知っておいていただきたいのは、多くの大手家電メーカーでは「コーティングが剥がれても、そのまま使用して問題ない」という見解を出していることが多い、ということです。

炊飯器の内釜に使われているフッ素樹脂コーティングは、食品衛生法などの基準に基づいて安全性が確認されている素材が使われています。

ただし、これはあくまで「健康への害はない」という意味合いが強いんです。
実用面で考えると、コーティングが剥がれたまま使い続けることには、いくつか不便な点が出てきます。

一番の問題は、ご飯がこびりつきやすくなることです。

フッ素コーティングの本来の役割は、ご飯がくっつかないようにすることですよね。その機能が失われるため、剥がれた部分にご飯がこびりついて、よそいにくくなったり、洗うのがとても大変になったりします。

また、剥がれた部分が焦げ付きやすくなり、そこだけご飯の色が変わってしまうこともありますね。毎日のお手入れがストレスになってしまうのは、結構つらいポイントじゃないでしょうか。

ですから、「健康に害はないとされているけれど、美味しく炊けて、お手入れが楽な状態を保つためには、何らかの対策を考えた方が良い」というのが、私からのアドバイスになります。

特に、剥がれが広範囲にわたってきた場合は、ご飯の炊きムラの原因になる可能性もゼロではありません。熱の伝わり方が均一でなくなることも考えられますからね。

見た目もあまり気持ちの良いものではありませんし、こびりつきが気になり始めたら、交換や買い替えのサインと捉えるのが良いと思います。

ご飯と一緒に食べても平気?

「もし剥がれたコーティングのかけらを、ご飯と一緒に食べてしまったら…」と考えると、とても不安になりますよね。

この点についても、各メーカーの公式サイトなどで見解が示されています。

例えば、象印マホービンやパナソニック、タイガー魔法瓶などの公式サイトのQ&Aでは、「フッ素樹脂は万が一口の中に入っても吸収されず排出されますので、体には害はありません」といった内容が記載されています。

参照:象印マホービン よくあるご質問
参照:タイガー こんなとき故障かな
参照:パナソニック よくあるご質問

フッ素樹脂(PTFEなど)は化学的に非常に安定した物質で、体内で消化・吸収されることがないため、そのまま体外に排出される、と説明されています。

つまり、誤って小さな破片を食べてしまっても、健康に害を及ぼす可能性は極めて低いとされています。

調理器具として一般的な素材です

炊飯器の内釜だけでなく、フライパンやホットプレートなど、多くの調理器具でフッ素樹脂コーティングは一般的に使われています。それだけ、食品に触れる素材としての安全性が確認されている、ということなんですね。

とはいえ、前述の通り、これはあくまで「有害ではない」というお話です。
剥がれたものがご飯に混入している状態は、決して好ましいものではありませんよね。異物であることには変わりありません。

ご飯の食感や見た目にも影響しますし、何より「大丈夫かな?」と心配しながら食べるのは、あまり気持ちの良いものではありません。

健康へのリスクが低いことと、安心して使い続けられるかどうかは、また別のお話だと思います。
もしご飯に黒い点々が混じるようになってきたら、それはもう内釜の交換を考えるはっきりとしたサインだと考えてくださいね。

有害なPFASは含まれている?

最近、「PFAS(ピーファス)」という化学物質のことがニュースなどで取り上げられるようになり、フッ素加工製品の安全性を心配されるお客様がお店でも増えたように感じます。

参照:環境省 「有機フッ素化合物(PFAS)について」

PFASは非常に多くの種類がある有機フッ素化合物の総称です。この中で、かつてフライパンなどのコーティング剤の製造過程で使われていた「PFOA(ピーフォア)」という物質に、有害性の懸念が指摘されました。

参照:環境省 「PFOS、PFOAとは何か」

このため、「炊飯器のフッ素加工も危ないのでは?」という不安が広がっているようなんです。

この点について、家電メーカー各社はしっかりと情報を公開しています。

主要なメーカー(象印、パナソニック、タイガーなど)の公式サイトでは、「炊飯器の内釜のフッ素コーティングにはPFOAは使用していません」と明確に記載されています。

参照:象印マホービン よくあるご質問

現在、炊飯器やフライパンなどで一般的に使用されているフッ素樹脂コーティングの多くは「PTFE」と呼ばれるもので、これは有害性が指摘されている「PFOA」とは異なる物質です。

PFOAとPTFEの違い
PFOAとPTFEの違い
PFOA
過去にフッ素樹脂の製造を助ける薬剤(助剤)として使われていた物質。
環境への残留性や健康への影響が懸念され、現在は規制されています。
現在は規制
PTFE
フッ素樹脂コーティングそのものの主成分(テフロン™加工などがこれにあたります)。
化学的に安定しており、PFOAとは別の物質です。
化学的に安定

また、フッ素加工のフライパンなどで「空焚きをすると有毒ガスが出る」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、PTFEを約260℃以上に加熱し続けると分解が始まり、360℃を超えるような異常な高温になると、体に影響のあるガスが発生する可能性があるためです。

しかし、炊飯器はマイコンやIHで精密に温度管理されており、通常の炊飯や保温でこのような異常高温になることはまず考えられません。

ですから、現在の炊飯器を通常通り使用する上で、有害なPFAS(PFOA)や有毒ガスについて過度に心配する必要はない、というのがメーカー各社の見解となっています。

コーティングが剥がれる原因

クリーン家電ガイド:イメージ

「大切に使っていたつもりなのに、どうして剥がれちゃったんだろう?」と疑問に思う方も多いですよね。

内釜のコーティングは、日々のちょっとした習慣でダメージが蓄積してしまう、とてもデリケートなものなんです。

主な原因としては、以下のようなことが考えられます。

内釜での洗米

これが一番多い原因かもしれません。
内釜でお米を研ぐと、お米の粒が研磨剤のように働き、コーティングの表面に目に見えないほどの細かい傷をつけてしまいます。

特に、金属製の泡だて器やザルを使って研ぐのは、コーティングにとって一番良くない行為です。一発で深い傷がついてしまうこともあります。

多くのメーカーは「内釜での洗米OK」としているモデルもありますが、長持ちさせたいなら、やはりボウルなどで別途洗米するのが一番のおすすめですね。

洗い方によるダメージ

ご飯がこびりついた時、つい金属製のたわしや、スポンジの硬い面でゴシゴシこすってしまいませんか?

これもコーティングを傷つける大きな原因です。必ず柔らかいスポンジを使って優しく洗うようにしてください。

また、洗い桶がわりに内釜を使い、中に食器(スプーンやフォーク、お皿など)を一緒につけ置きするのもNGです。硬い食器が当たって傷がつく原因になります。

使用時の衝撃や傷

ご飯をよそう時に、金属製のおたまやしゃもじを使ったり、しゃもじについたご飯を取るために内釜のフチをカンカンと叩いたりするのも、衝撃でコーティングが剥がれやすくなる原因です。

また、炊き込みご飯を作った後、調味料がついたまま長時間放置すると、塩分や酸がコーティングを劣化させる原因になることもあります。

意外とやってしまいがちなのが「内釜に食器を入れる」こと。私もお客様から「え、ダメだったの?」と驚かれることがよくあります。

小さな傷から水分が入り込んで、そこから「水ぶくれ」のようにコーティングが浮いて、ペリッと剥がれてしまうケースが多いんですよ。

これらの原因を知っておくだけでも、今後の使い方でかなり長持ちさせることができると思います。

サビは問題ない?

コーティングが剥がれた部分が、茶色や赤茶色に変色してきて、「もしかしてサビ?これは体に悪そう…」と心配になるケースもありますね。

この変色については、2つのパターンが考えられます。

ご飯の「おこげ」や「でんぷん質」の変色

フッ素コーティングが剥がれると、内釜の金属(アルミなど)が露出します。その部分はご飯がこびりつきやすくなるため、炊飯時の熱ででんぷん質が焦げ付いて茶色く変色することがあります。

これは金属のサビではなく、食べ物のおこげと同じようなものです。メーカーの公式サイトでも「金属のサビではないので、ご安心ください」といった説明がされています。

ただ、この焦げ付きがひどくなると、洗うのが本当に大変になりますし、ご飯にも焦げた風味が移ってしまうかもしれません。

内釜の材質による「サビ」

もう一つのパターンは、内釜の素材自体が鉄でできている場合です。

例えば、象印の「南部鉄器 極め羽釜」や、日立の「沸騰鉄釜」など、高級モデルの一部には内釜にが使われています。

この場合、コーティングが剥がれて鉄の部分が露出すると、水分や空気に触れて本当にサビ(鉄サビ)が発生することがあります。

ただ、この鉄サビも、調理器具(鉄鍋や鉄瓶など)から発生するサビと同じで、メーカーのQ&Aなどでは「鉄サビは身体に害を及ぼすことはありません」と説明されていることがほとんどです。

参照:象印マホービン よくあるご質問

いずれの場合も、変色したからといって直ちに健康被害があるわけではない、とされています。

しかし先ほどもお伝えしたように、おこげがひどくなったり、サビの味がご飯に移ったりするのは、美味しくご飯を食べる上では大きな問題ですよね。

変色が目立ってきたら、やはり内釜の交換や本体の買い替えを検討するサインと言えるでしょう。

内釜の剥がれと炊飯器の寿命対策

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  • 寿命は何年くらい持つ?
  • 修理できる?
  • 内釜が長持ちするメーカーは?
  • メーカー保証や交換・買い替えの目安
  • 内釜だけ購入する時の注意点
  • コーティングが剥がれない方法
  • 自分で修理するという選択

内釜の剥がれが気になってきた時、「じゃあ、どうするのが一番いいの?」と思いますよね。

ここでは、内釜や炊飯器本体の寿命、そして修理や交換、買い替えといった具体的な対策について、それぞれのメリットや注意点を解説していきます。

寿命は何年くらい持つ?

「炊飯器って、そもそも何年くらい使えるものなの?」というご質問もよくいただきます。
一般的に、炊飯器本体の寿命と、内釜のコーティングの寿命は別々に考える必要があります。

炊飯器本体の寿命

炊飯器本体(IHコイルやマイコン基板、操作パネルなど)の寿命の目安は、だいたい6年〜10年くらいと言われることが多いです。

これは、メーカーが修理用部品を保有している「補修用性能部品の保有期間」が、多くの家電で製造終了後6年程度と定められていることが大きな理由です。

もちろん、使い方によっては10年以上問題なく使えることもありますが、6年を過ぎると、もし故障しても「部品がないので修理できません」と言われる可能性が出てくる、ということですね。

電源が入らない、操作ボタンが反応しない、といった症状が出たら、本体の寿命が近いサインかもしれません。

内釜のコーティングの寿命

一方、内釜のコーティングの寿命は、だいたい3年〜5年程度が目安と言われています。

これは、先ほど「コーティングが剥がれる原因」でお話ししたような、日々の使用による摩耗が積み重なるためです。

もちろん、お手入れの方法や使用頻度によって大きく変わります。

お客様の中には「1〜2年で剥がれてきちゃった」という方もいらっしゃれば、「7〜8年使ってるけど全然きれいよ」という方もいて、本当に様々です。

内釜で洗米をされているか、硬いスポンジで洗っていないか、といった使い方で、驚くほど差が出る部分なんですよ。

ですから、「炊飯器本体はまだ全然使えるのに、内釜のコーティングだけ先にダメになってしまった」というケースは、非常に多く発生します。

本体の寿命(6年〜10年)と、内釜の寿命(3年〜5年)には差がある、ということを知っておくと、買い替えの計画も立てやすくなると思います。

修理できる?

コーティングが剥がれてしまった内釜を、元通りキレイに「修理」することはできるのでしょうか?

これには、大きく分けて2つの方法があります。

メーカーによる修理(実質は「交換」)

まず、炊飯器を購入したメーカーに修理を依頼する方法です。
ただし、メーカーは基本的に「剥がれたコーティングを塗り直す」という修理は行っていません。

メーカーの対応は、「新しい内釜と交換する」ことになります。
後ほど詳しく説明しますが、保証期間内であれば無償で交換してもらえることもありますし、保証期間が過ぎていれば、部品として新しい内釜を購入(有償)することになります。

フッ素樹脂の「再加工(リペア)」専門業者に依頼する

もう一つの選択肢が、フライパンや鍋、炊飯器の内釜などのフッ素コーティングを専門に塗り直してくれる「再加工業者」に依頼する方法です。

インターネットで「炊飯器 内釜 再コーティング」などで検索すると、いくつかの専門業者が見つかります。

再加工業者のメリット・デメリット
再加工業者のメリット・デメリット
メリット
メーカーから新品の内釜を購入するよりも、費用を安く抑えられる場合があります。
特に、10万円以上するような高級炊飯器の内釜は、部品代だけで数万円することもあるため、再加工の方が経済的なケースが多いです。
デメリット
メーカーの保証対象外になります。再加工したことが原因で炊飯器本体に不具合が出た場合、メーカーの修理は受けられなくなる可能性が高いです。
内釜を業者に送ってから戻ってくるまで、数週間かかることが一般的です。その間、炊飯器が使えなくなってしまいます。
内釜の材質(特に南部鉄器など)によっては、再加工が難しい、あるいは割高になる場合もあります。

メーカーの保証がすでに切れていて、新しい内釜の部品代が非常に高額な場合には、こうした専門業者に依頼するのも一つの有効な手段だと思います。

ただし、リスクも伴うため、炊飯器が使えなくなる期間や費用をよく比較検討してから決める必要がありますね。

内釜が長持ちするメーカーは?

「どうせ買うなら、最初から剥がれにくい、内釜が長持ちするメーカーの炊飯器が欲しい!」というのは、誰もが思うことですよね。

店頭でお客様とお話ししていても、「前に使っていた〇〇の炊飯器はすぐに剥がれたけど、今度の××のは長持ちしてる」といった、メーカーによる耐久性の違いを感じている方は実際にいらっしゃいます。

もちろん先ほどもお伝えしたように、一番大きな要因は「使い方」です。
ただ、各メーカーが内釜のコーティングにどれだけ自信を持っているかは、「内釜の保証期間」に表れている、と私は思います。

炊飯器本体の保証期間は通常1年ですが、内釜のコーティング剥がれについては、より長い保証期間を設定しているメーカーがあるんです。

メーカー保証期間対象モデル(例)
日立6年間
(内釜内面のフッ素加工)
「ふっくら御膳」シリーズなど
(RZ-W100FMなど)
パナソニック5年間 または 3年間
(ダイヤモンドハードコート)
「おどり炊き」シリーズ
(機種により異なる)
東芝5年間 または 3年間
(内釜コーティング)
「炎 匠炊き」シリーズ
(機種により異なる)
象印5年間 または 3年間
(内釜フッ素加工)
「炎舞炊き」などの一部高級モデル
(NW-FA10など)
タイガー5年間 または 3年間
(内なべフッ素加工)
「ご泡火炊き」などの一部高級モデル

※上記はあくまで一例です。保証期間はモデルや購入時期によって異なりますので、必ず各メーカーの公式サイトや製品の保証書をご確認ください。

このように、特に高級モデル(ハイエンドモデル)になればなるほど、メーカーも自信のあるコーティング技術を採用しており、3年、5年、中には日立のように6年という長期保証を付けている場合があります。

注意点:安価なモデルは保証が短い(1年)
注意点:安価なモデルは保証が短い(1年)
一方で、1万円前後で買えるような安価なマイコン炊飯器や、メーカーによっては中級クラスのIH炊飯器でも、内釜の保証は本体と同じ1年間のみ、というケースがほとんどです。
安価なマイコン炊飯器(1万円前後)や中級クラスのIH炊飯器でも内釜保証は1年間のみ

メーカーが長期保証を付けられるということは、それだけ「剥がれにくい」コーティング技術にコストをかけている証拠とも言えます。

「内釜の耐久性」を最優先で選ぶのであれば、「内釜の長期保証」が付いているモデルかどうかを一つの大きな基準にして選ぶのが、最も確実な方法だと私は思います。

メーカー保証や交換・買い替えの目安

内釜の剥がれに気づいた時、具体的に「保証で対応する」「部品として交換する」「本体ごと買い替える」のどれを選べば良いか、迷ってしまいますよね。

判断の目安としては、「炊飯器本体の使用年数」「内釜の保証期間」を軸に考えるのがおすすめです。

パターン1:内釜の保証期間内(例:購入から1〜3年など)

これが一番分かりやすいですね。
取扱説明書通りの正しい使い方(内釜で洗米しない、金属たわしで洗わない等)をしていたにも関わらずコーティングが剥がれてしまった場合は、メーカーの無償交換の対象になる可能性が高いです。

すぐにメーカーのサポートセンターや購入した販売店に相談しましょう。

※ただし、明らかに誤った使い方(金属の泡だて器で研いだ傷など)が原因の場合は、保証期間内でも有償になることがあります。

パターン2:内釜の保証は切れたが、本体はまだ新しい(例:購入から3〜5年)

「本体は快調だけど、内釜の剥がれだけが気になる…」という、一番悩ましい時期かもしれません。

この場合は、「内釜だけを部品として有償で購入(交換)する」のが良い選択肢になります。

本体の寿命(目安6年〜)まではまだ時間がありますし、内釜を新しくするだけで、また快適にご飯が炊けるようになります。

内釜の価格は、メーカーや機種によりますが、数千円〜高いものでは数万円します。まずはご自身の炊飯器の内釜がいくらなのかを調べてみましょう。

パターン3:本体の購入から5年以上経過している

炊飯器本体の購入から5年、6年と経過している場合は、「炊飯器本体ごと買い替える」ことを強くおすすめします。

理由は2つあります。

1つは、先ほどお伝えしたように、炊飯器本体の寿命(部品保有期間)が近づいているためです。
今、高いお金を出して内釜だけを交換しても、来年あたりに本体が故障して修理不能…となっては、非常にもったいないですよね。

2つめは、炊飯器の技術は日々進化しているからです。
5年前のモデルと比べると、最新のモデルは炊きあがりの美味しさや保温性能、お手入れのしやすさなどが格段に向上していることが多いんです。

内釜の剥がれは、本体の寿命も考慮した「買い替えの良いタイミング」と捉えるのが、結果的に満足度が高くなることが多いですよ。

内釜だけ購入する時の注意点

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「まだ本体も新しいし、内釜だけを部品として購入しよう」と決めた場合、いくつか知っておいてほしい注意点があります。

店頭でも、「内釜だけ欲しいんだけど」というご相談は多いのですが、その際に必ず確認させていただくポイントです。

型番(品番)の完全一致が必須

これが最も重要です。炊飯器の内釜は、本体の型番(例:NW-FA10 や RZ-W100FM など)に完璧に対応したものでなければ使えません。

同じメーカーで、見た目がそっくりでも、型番が1文字違うだけで内釜の形状やIHの反応が変わってしまい、正常に炊飯できなかったり、故障の原因になったりします。

内釜を購入する際は、炊飯器本体の側面や背面に貼られているシールに記載の「型番」を必ず正確に控えてください。

内釜の価格は意外と高額

「内釜だけなら安いでしょ?」と思っていると、見積もりを見て驚かれるお客様も少なくありません。

安価なマイコン炊飯器の内釜なら数千円程度ですが、圧力IHや高級モデルの内釜になると、1万円〜3万円以上することも珍しくありません。

特に「南部鉄器」や「土鍋釜」など、素材にこだわった内釜は非常に高価です。

「内釜の部品代に2万円払うなら、あと少し足して新しい炊飯器を買った方が良かったかも…」とならないよう、必ず事前に価格を調べて、本体の買い替えと比較検討してくださいね。

部品の在庫(生産終了)

古いモデルの炊飯器の場合、メーカーの部品保有期間(製造終了後6年など)を過ぎていて、すでに内釜の在庫がなく、購入できないケースもあります。

購入から6年以上経っている場合は、「もう部品はないかもしれない」と考え、買い替えを前提にする方がスムーズです。

コーティングが剥がれない方法

「原因」の部分でも少し触れましたが、ここでは「内釜のコーティングを長持ちさせるためのお手入れ方法」を、おさらいとしてまとめておきますね。

今お使いの炊飯器はもちろん、新しく買い替えた炊飯器を大切に使うためにも、ぜひ実践してみてください。

内釜コーティングを長持ちさせる習慣
内釜コーティングを長持ちさせる習慣
1.
洗米は別のボウルで行う
これが一番効果的です。お米と内釜が擦れるのを防ぐだけで、コーティングの寿命は格段に延びます。
2.
柔らかいスポンジで洗う
金属たわしや、スポンジの研磨剤が入った硬い面は絶対に使わないでください。中性洗剤をつけた柔らかいスポンジで優しく洗いましょう。
3.
洗い桶がわりにしない
内釜の中にスプーンやフォーク、お皿などを入れないこと。食器が当たって傷がつくのを防ぎます。
4.
金属製の調理器具を使わない
金属製のおたまやしゃもじは避け、必ず付属のしゃもじや、樹脂製・木製のものを使いましょう。
5.
内釜を叩かない
しゃもじについたご飯を取るために、内釜のフチを叩かないように気をつけましょう。
6.
炊き込みご飯の後は早めに洗う
調味料(塩分や酸)が付着したまま放置すると、コーティングの劣化を早める原因になります。早めに洗いましょう。
7.
つけ置きは優しく
ご飯がこびりついて取れない時は、無理にこすらず、ぬるま湯にしばらく浸けてふやかしてから、柔らかいスポンジで洗いましょう。

ちょっとした心がけですが、これを守るだけで3年持つか、5年持つかが本当に変わってくるんですよ。

自分で修理するという選択

メーカー修理(交換)でもなく、再加工業者に依頼するのでもなく、「自分で手軽に修理できないの?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、インターネット通販などでは、「フッ素コーティングスプレー」といった商品が販売されています。

フライパンや鍋、炊飯器の内釜などにスプレーして乾燥させることで、フッ素の膜を作り、こびりつきを軽減するというアイテムですね。

こうしたスプレーを使って「自分で修理する」という選択肢は、どうなのでしょうか?
手軽に試せる反面、私は以下の理由から、あまり積極的におすすめはしていません。

自己修理(スプレー等)の注意点
自己修理(スプレー等)の注意点
1.
メーカー保証の完全対象外になる
当然ですが、メーカー指定外の化学薬品を内釜に塗布した場合、完全にメーカー保証の対象外となります。
万が一、炊飯器本体が故障しても、一切のサポートが受けられなくなるリスクがあります。
2.
安全性への懸念
メーカーが炊飯器の内釜に使用しているコーティングは、食品衛生法に基づき、高温・高圧での炊飯プロセスに耐えうる厳格な基準で製造・塗布されています。
市販のスプレーが、炊飯器内部の高温・高圧環境で有害な物質を発生させないか、コーティングが溶け出したりしないか、という安全性の保証はありません。
3.
効果の持続性が低い
スプレーで簡易的に塗布したフッ素の膜は、工場で高温焼成されたメーカー純正のコーティングと比べて、耐久性は非常に低いと考えられます。
数回の炊飯ですぐにまた剥がれてしまう可能性が高いです。

高温・高圧で長時間(保温も含む)食品に触れ続ける炊飯器の内釜に、自己判断でスプレーを塗布するのは、健康面でのリスクもゼロではないと私は思います。

もし試すのであれば、そうしたリスクをすべてご自身で引き受ける覚悟が必要になります。

安全・安心にご飯を食べるためには、やはりメーカー純正の部品に交換するか、炊飯器本体を買い替えるのが一番確実な方法ですね。

総括:炊飯器の内釜が剥がれた時の対処法

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 炊飯器の内釜のコーティング(フッ素樹脂)が剥がれても、メーカーは「健康への害はない」との見解
  • 剥がれたフッ素樹脂(PTFE)は、食べても体内で吸収されず排出されるとされている
  • 有害性が指摘されるPFOA(PFASの一種)は、現在の炊飯器には使用されていない
  • 剥がれを放置する実用的なデメリットは、ご飯がこびりつき、お手入れが大変になること
  • コーティングが剥がれる主な原因は「内釜での洗米」「硬いもので洗う」「食器のつけ置き」
  • 剥がれた部分の茶色い変色は、サビではなく「おこげ」や「でんぷん」の場合が多い
  • 鉄釜の場合は「鉄サビ」の可能性もあるが、これも健康への害はないとされている
  • 炊飯器本体の寿命は6年〜10年、内釜コーティングの寿命は3年〜5年が目安
  • 内釜の修理は、メーカー対応(新品交換)か、専門の再加工業者への依頼が基本
  • 自分でフッ素スプレーなどを使って修理するのは、安全性や保証の面でおすすめできない
  • 内釜が長持ちするメーカーを選ぶ基準は「内釜コーティングの長期保証(3年・5年・6年)」
  • 日立やパナソニック、東芝などの高級モデルは、長期保証が付いていることが多い
  • 内釜の保証期間内(例:1〜3年)なら、無償交換を相談する
  • 本体の使用が5年未満なら「内釜の部品購入(有償)」を検討
  • 本体の使用が5年以上経過しているなら「炊飯器本体の買い替え」がおすすめ
  • 内釜を部品購入する際は「型番の完全一致」が必須で、価格が意外と高額な点に注意
  • コーティングを長持ちさせる一番の方法は「洗米を別のボウルで行う」こと

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