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洗濯機のつけおき洗いマスター術!時間設定から失敗しないコツまで解説

洗濯機のマメ知識

洗濯機でのつけおき洗いに興味があるけれど、正しいやり方がわからずに困っていませんか?

普通に洗っただけでは落ちない襟袖の黄ばみや、タオルの生乾き臭、子供の体操服についた頑固な泥汚れなど、日常的に悩まされる汚れは意外と多いものです。

そんな時に役立つのが、洗濯機を使ったつけおき洗いという方法です。

実は、つけおき洗いには大きなメリットがある一方で、やり方を間違えると逆効果になってしまうデメリットも存在します。一晩つけっぱなしにしたり、何分つけるべきかわからずに適当にやってしまうと、せっかくの努力が水の泡になることもあります。

また、つけおきコースがない古い洗濯機でも効果的にできる方法や、オキシクリーンを使った漂白力アップのテクニック、さらにはカビ汚れへの対処法など、知っておくべきポイントは実にたくさんあります。

この記事では、洗濯機を使ったつけおき洗いの基本から応用まで、失敗しないための注意点とともに詳しく解説していきます。

読み終わる頃には、あなたも頑固な汚れに悩まされることがなくなり、いつものお洗濯がワンランクアップすることでしょう。

この記事のポイント
  • 普段の洗濯で落ちない汚れへの対処法
  • 洗濯機の「つけおきコース」の賢い使い方
  • つけおき洗いで失敗しないための注意点
  • つけおき効果をアップさせるアイテムの活用術
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洗濯機のつけおき洗いの基本と効果的な使い方

クリーン家電ガイド:イメージ
  • つけおき洗いはどんな時に効果的?
  • つけおき洗いの具体的なやり方
  • 知っておきたいメリット・デメリット
  • つけおきコースの効果的な使い方
  • つけおきコースがない場合のやり方
  • オキシクリーンで漂白力アップ
  • つけおきでカビはとれる?

まずは、つけおき洗いの基本から見ていきましょう。
どんな汚れに効果があって、どうやって行うのが正解なのか、具体的な方法からメリット・デメリットまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。

この章を読めば、あなたも今日から「つけおきマスター」になれるはずですよ。

つけおき洗いはどんな時に効果的?

「つけおき洗い」って、そもそもどんな時にするのが一番効果的なんでしょうか?

普段のお洗濯は、洗濯機の標準コースでも十分キレイになりますが、「これ、普通に洗っただけじゃ落ちないかも…」と感じるような、ちょっと手ごわい汚れやニオイにこそ、つけおき洗いの出番です。

例えば、こんなお悩みありませんか?

洗濯の悩みインフォグラフィック
Yシャツの襟や袖についてしまった黄ばみや黒ずみ
お子さんの体操服や靴下の泥汚れ
タオルを使っているうちに出てくる、あの嫌な生乾き臭
うっかり付けてしまった食べこぼしのシミ

これらの汚れの多くは、皮脂や汗、タンパク質などが繊維の奥に入り込んでしまっている状態です。通常の洗濯では、洗剤が汚れの表面にしか作用せず、根本的な原因が残ってしまうことが多いんですね。

そこで活躍するのが、つけおき洗いです。洗剤を溶かしたぬるま湯に衣類を一定時間浸すことで、洗剤の成分、特に「酵素」がじっくりと時間をかけて汚れの芯まで浸透し、分解してくれるんです。

これにより、繊維から汚れが浮き上がりやすい状態になり、その後の洗濯機での洗浄効果をぐっと高めることができるというわけです。

つけおき洗いの効果インフォグラフィック
つけおき洗いが効果的な汚れ
蓄積された皮脂汚れが原因の「黄ばみ・黒ずみ」、雑菌の繁殖による「ニオイ」、そして「泥汚れ」や「食べこぼしのシミ」など、普段の洗濯で落としきれない頑固な汚れに特に有効です。
黄ばみ・黒ずみ
ニオイ
泥汚れ
食べこぼしのシミ

私も、主人のYシャツの襟汚れが気になるときは、週末にまとめてつけおきしています。ひと手間かけるだけで、見違えるようにスッキリするので、嬉しいポイントですよね。

まずは、諦めていたその一枚から試してみてはいかがでしょうか。

つけおき洗いの具体的なやり方

それでは、実際にどうやってつけおき洗いをするのか、具体的な手順を見ていきましょう。

バケツや洗面器を使う方法が基本ですが、洗濯槽をそのまま使うこともできて、とっても簡単ですよ。

準備するものインフォグラフィック
準備するもの
洗い桶
(バケツや洗面器、洗濯槽でもOK)
洗濯用洗剤
(粉末タイプがおすすめ)
ぬるま湯
(40℃前後)
ゴム手袋
(手荒れが気になる方)

基本的な手順インフォグラフィック
基本的な手順
Step1
洗浄液を作る
まず、洗い桶に40℃くらいのぬるま湯を入れます。なぜぬるま湯かというと、皮脂汚れが溶け出しやすく、洗剤に含まれる酵素が最も活発に働く温度だからなんです。ここに、規定量の洗剤を入れて、しっかりと溶かします。粉末洗剤を使う場合は、溶け残りがないように手でよくかき混ぜてくださいね。
Step2
衣類を浸す
洗浄液ができたら、汚れが気になる部分がしっかり浸かるように衣類を入れます。衣類が浮いてきてしまう場合は、全体に洗浄液が行き渡るように、時々軽く押してあげると効果的です。
Step3
時間を置いて放置する
そのまま30分から1時間ほど放置します。この時間が、洗剤が汚れを分解してくれる大切な時間です。詳しい時間については、後の章で汚れ別に解説しますね。
Step4
洗濯機で通常通り洗う
つけおきが終わったら、衣類を軽く絞り、つけおきに使った洗浄液ごと洗濯機に入れます。あとは、他の洗濯物も一緒に入れて、普段通りに洗濯機を回せば完了です。

「つけおきした後の汚れた水は捨てるべき?」とよく聞かれるのですが、基本的には捨てずにそのまま洗濯機で使って大丈夫ですよ。汚れが溶け出していますが、洗剤の洗浄力はまだ残っていますし、何より節水になりますからね。

ただし、色柄物と白物を一緒に長時間つけおきして、水がかなり濁ってしまった場合などは、色移りを防ぐために水を入れ替えた方が安心かもしれません。

たったこれだけの手順で、いつものお洗濯が見違えるほどキレイになります。面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばとても簡単なのでぜひ試してみてください。

知っておきたいメリット・デメリット

とても便利なつけおき洗いですが、もちろん良いことばかりではありません。効果を最大限に活かすためにも、メリットとデメリットの両方をしっかり理解しておくことが大切だと思います。

ここでは、それぞれのポイントを分かりやすくまとめてみました。

メリットデメリット
洗浄力頑固な汚れやニオイを根本から落とせる長時間のつけすぎは汚れが再付着する(逆汚染)
生地への優しさもみ洗いの必要がなく、生地への負担が少ないデリケートな素材は縮みや型崩れの可能性がある
手間・時間放置しておくだけなので、意外と手間はかからない通常の洗濯より時間がかかってしまう
その他除菌・消臭効果が期待できる色移りのリスクがあるため、色柄物は分ける必要がある

つけおき洗いの嬉しいメリット

最大のメリットは、やはり洗浄力の高さです。Yシャツの襟袖の黄ばみや、タオルの嫌なニオイの原因菌まで、繊維の奥からしっかり分解してくれます。

また、ゴシゴシこすったりする必要がないので、衣類へのダメージを最小限に抑えながら汚れを落とせるのも嬉しいポイントですね。

知っておくべきデメリットと注意点

一方で、一番気をつけたいデメリットは「時間の管理」です。長時間つけすぎると、一度落ちた汚れが再び衣類に付着してしまう「逆汚染」という現象が起きたり、雑菌が繁殖して逆に臭くなってしまうことも…。

また、デリケートな素材や色落ちしやすい衣類には向かない場合があるので、必ず洗濯表示を確認することが重要です。

このように、メリットとデメリットを天秤にかけると、正しい方法で行えばメリットの方がずっと大きいことが分かりますよね。
ポイントは、「衣類の種類」と「時間」をしっかり守ること。これさえ押さえれば、つけおき洗いは最強の洗濯術になってくれるはずです。

つけおきコースの効果的な使い方

最近の洗濯機には、「つけおきコース」やそれに似た機能が搭載されているモデルが増えてきました。これ、実はものすごく便利な機能なんです。

「コースがあるのは知ってるけど、どうやって使えばいいの?」という方のために、効果的な使い方をご紹介しますね。

洗濯機の「つけおきコース」は、これまで説明してきた一連の作業を、ボタン一つで全自動で行ってくれる機能です。具体的には、洗濯機が自動で給水し、洗剤を溶かして衣類を一定時間つけおきし、その後そのまま本洗いまですすめてくれます。

わざわざバケツを用意したり、タイマーをセットして洗濯機に戻ってきたり…といった手間が一切かからないのが最大の魅力ですね。

つけおきコースの流れインフォグラフィック
「つけおきコース」の一般的な流れ
1
洗濯物と洗剤をセット
2
「つけおきコース」を選んでスタート
3
洗濯機が自動で給水・撹拌(かくはん)
4
一定時間つけおき(撹拌と静止を繰り返すモデルも)
5
つけおき完了後、そのまま通常の洗濯工程(洗い→すすぎ→脱水)へ

私も家電量販店で働いているので、お客様から「どのコースを使えばいいの?」と聞かれることが多いのですが、特に泥汚れがひどいお子さんのユニフォームや、黄ばみが気になるシャツには、このコースを強くおすすめしています。

メーカーによって「高濃度つけおき」「つけおきプラス」など名称は様々ですが、基本的な機能は同じです。つけおき時間も30分、1時間、2時間など、汚れ具合に合わせて選べる機種が多いので、とても便利だと思います。

もしご自宅の洗濯機にこのコースがあるなら、使わない手はありません。
洗濯表示を確認してつけおき可能な衣類であれば、ぜひ積極的に活用して、手軽にワンランク上のお洗濯を実感してみてください。

つけおきコースがない場合のやり方

クリーン家電ガイド:イメージ

「うちの洗濯機、古くてつけおきコースなんて付いてない…」という方も、どうぞご安心ください。専用のコースがなくても、洗濯機を使って簡単につけおき洗いをする「裏ワザ」があるんです。

その方法とは、「洗いの途中で一時停止ボタンを押して、そのまま放置する」という、とってもシンプルなもの。これだけで、つけおきコースとほぼ同じ効果を得ることができるんですよ。

具体的な手順は以下の通りです。

つけおきコースがない洗濯機での手順
つけおきコースがない洗濯機での手順
1
洗濯槽に洗濯物と規定量の洗剤を入れます。
2
「洗い」の時間を一番短く(5分程度)設定し、「すすぎ」と「脱水」は一旦オフにしてスタートボタンを押します。
3
給水が終わり、洗濯槽が数分間回転して洗剤がしっかり混ざったら、「一時停止」ボタンを押します。
4
そのままの状態で、30分~1時間ほど放置します。(これが「つけおき」になります)
5
時間が経ったら、再び電源を入れ、あとは「標準コース」で最後まで洗濯すれば完了です。

この方法のポイントは、最初に少しだけ「洗い」運転をして、洗剤を水にしっかり溶かして均一にすることです。衣類を入れたままの状態で水を溜め、上から洗剤を振りかけるだけだと、洗剤が一部に固まってしまい、洗浄ムラや生地を傷める原因になる可能性があるので注意してくださいね。

ちょっとした工夫ですが、これを知っているだけでわざわざ洗い桶を用意する必要がなくなりますし、つけおき後の衣類を移し替える手間も省けて、すごく楽ちんですよね。

コースがないからと諦めていた方は、ぜひこの方法を試してみてください!

ただし、一時停止したまま長時間放置すると、安全のために自動で電源が切れて水が抜けてしまう機種もあります。その場合は、お手数ですが再度給水からやり直すか、タイマーをかけて忘れないようにすると良いでしょう。

オキシクリーンで漂白力アップ

通常のつけおき洗いでも十分に効果はありますが、「もっと白くしたい!」「除菌や消臭も徹底的にやりたい!」というときには、酸素系漂白剤の「オキシクリーン」をプラスするのがおすすめです。

オキシクリーンは、今や「オキシ漬け」という言葉が生まれるほど人気のアイテムですよね。私も愛用者の一人です。

主成分である過炭酸ナトリウムが、お湯に溶けることで大量の酸素の泡を発生させます。この泡が汚れにしっかりアタックし、色素を分解することで、通常の洗濯洗剤だけでは落としきれない黄ばみや黒ずみをスッキリと漂白してくれるんです。

さらに、嬉しいのがその除菌・消臭効果。タオルの生乾き臭や部屋干し臭の原因となる菌を取り除いてくれるので、洗い上がりがとても爽やかになりますよ。

オキシクリーンを使ったつけおきのポイント
オキシクリーンを使ったつけおきのポイント
お湯の温度
40℃~60℃のお湯で溶かすのが最も効果的です。
使い方
洗濯洗剤と一緒にお湯に溶かして使います。
メリット
塩素系と違い、色柄物にも使えるのが大きな特徴です。(※必ず洗濯表示を確認し、目立たない場所で試してからご使用ください)

Yシャツの襟袖汚れはもちろん、子供の上履きや、カレーなどの色の濃い食べこぼしのシミにも効果絶大です。

洗浄液に浸けておくと、じわじわとお湯が濁っていくのが見えて、「汚れが落ちてる!」と実感できるのも、なんだか楽しいポイントだったりします。

使用上の注意点インフォグラフィック
使用上の注意点
オキシクリーンはアルカリ性なので、ウールやシルクといった動物性繊維、金属製の付属品(ボタンやファスナー)が付いた衣類には使用できません。また、手荒れを防ぐためにゴム手袋の使用をおすすめします。使用量やつけおき時間は、必ず製品の指示に従ってくださいね。

(参照:オキシクリーン公式サイト)

いつものつけおき洗いにスプーン一杯加えるだけで、仕上がりが格段に変わります。ドラッグストアなどで手軽に購入できますので、頑固な汚れにお悩みの方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

つけおきでカビはとれる?

衣替えで久しぶりに出したお気に入りの服に、点々としたカビが…!なんて経験、ありませんか?
考えただけでもショックですが、そんな時「つけおき洗いで落とせるかも?」と期待しますよね。

まず、軽い白カビや赤カビであれば、つけおき洗いで落とせる可能性は十分にあります。これらのカビは衣類の表面に付着していることが多いため、先ほどご紹介した酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使ったつけおき洗いが効果的です。

白カビ・赤カビの落とし方
白カビ・赤カビの落とし方
1
カビを歯ブラシなどで軽く払い落とします。
2
40~50℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、衣類を30分~1時間ほどつけおきします。
3
その後、通常通り洗濯機で洗濯します。

これで、表面的なカビと、カビ臭さはかなり軽減されるはずです。

しかし、問題は「黒カビ」です。
黒カビは非常に厄介で、繊維の奥深くまで根を張ってしまっているため、家庭でのつけおき洗いで完全に除去するのは正直かなり難しいと言わざるを得ません。

黒カビが落ちにくい理由
黒カビが落ちにくい理由
黒カビは色素が強く、繊維の内部にまで侵食してしまいます。そのため、表面を漂白できても、根が残っていると再び発生する可能性があります。また、強力な薬剤を使おうとすると、衣類の色落ちや生地そのものを傷めてしまうリスクが非常に高いのです。

もし大切な衣類や、デリケートな素材に黒カビが発生してしまった場合は、無理に自分で落とそうとせず、プロのクリーニング店に相談するのが一番確実で安心な方法だと思います。

「カビ取り」に対応しているクリーニング店なら、専門の技術で生地へのダメージを最小限に抑えながら、きれいに除去してくれる可能性があります。

カビは見た目だけでなく、健康への影響も心配ですよね。何より、カビを発生させない環境づくりが一番大切です。洗濯物は溜め込まず、クローゼットは定期的に換気するなど、日頃からの予防を心がけましょう。

洗濯機でつけおきするときの注意点と失敗例

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  • つけおき時間は何分が正解?
  • 長時間のつけおきが逆効果な理由
  • 一晩つけっぱなしは絶対にNG?
  • 洗剤の入れすぎはすすぎ残しの原因に
  • つけおきに向いていない衣類

さて、ここからは少し視点を変えて、つけおき洗いでやりがちな「失敗」とその注意点についてお話ししていきます。

良かれと思ってやったことが、実はお洋服を傷める原因になっていた…なんて悲しい事態を避けるために、ぜひ知っておいてくださいね。

つけおき時間は何分が正解?

つけおき洗いで一番よく聞かれる質問が、これかもしれません。
「一体、どのくらいの時間つけておくのが正解なの?」と。

結論から言うと、「汚れの種類や衣類の素材によって変わりますが、基本は30分~2時間が目安」というのが答えになります。

「え、もっと長くつけた方が汚れが落ちるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はそうでもないんです。洗剤に含まれる酵素が最も活発に働いて汚れを分解するのに十分なのが、この時間なんですね。これ以上長くても、洗浄効果が飛躍的に上がるわけではないんです。

ここでは、汚れや衣類別の最適なつけおき時間の目安を、表にまとめてみました。

汚れや衣類の種類つけおき時間の目安ポイント
軽い皮脂汚れ・汗のニオイ30分~1時間Tシャツや肌着など。長時間つける必要はありません。
Yシャツの襟袖の黒ずみ・黄ばみ1時間~2時間蓄積された頑固な汚れなので、少し長めに。
食べこぼし・調味料のシミ30分~1時間シミが付いたらできるだけ早く対処するのが重要です。
泥汚れ1時間~2時間つける前に、乾かして泥を払い落とすのがコツ。
デリケートな衣類(おしゃれ着)15分~30分生地への負担を考え、短時間で済ませましょう。

このように、軽い汚れやデリケートなものは短めに、しつこい汚れには少し長めにつけおきするのが効果的です。

特に汚れがひどいからといって、闇雲に長時間つけるのはNG。次の章で詳しくお話ししますが、長すぎるつけおきはかえって逆効果になることもあるので、この時間を目安にしてくださいね。

タイマーをセットするなどして、時間をきちんと管理することが、つけおき洗いを成功させる一番の秘訣かもしれません。

長時間のつけおきが逆効果な理由

「つけおき時間は最長でも2時間程度」と聞くと、「どうして?長くつけるほどキレイになりそうなのに…」と不思議に思う方もいらっしゃると思います。その気持ち、すごくよく分かります。

しかし、必要以上の長時間のつけおきは、洗浄力がアップするどころか、大切な衣類を傷めたり、逆に汚してしまったりする原因になる可能性があるんです。

主な理由は3つあります。

理由1:汚れの再付着(逆汚染)

これが最も注意したい現象です。「逆汚染(ぎゃくおせん)」とは、一度衣類から剥がれ落ちて洗浄液に溶け出した汚れが、時間が経つにつれて再び衣類に付着してしまうことを言います。

せっかく落とした汚れが、きれいな部分に戻ってきてしまうなんて、本末転倒ですよね。特に、色の濃いものと白いものを一緒に長時間つけておくと、全体がうっすら黒ずんでしまうことがあるので危険です。

理由2:雑菌が繁殖して臭くなる

つけおきしている洗浄液の中は、衣類から出た皮脂や汗といった汚れが豊富に含まれています。これは、雑菌にとっては最高の栄養源。

つけ始めは洗剤の除菌効果が働いていますが、時間が経つにつれて効果が薄れると、洗浄液の中で雑菌がどんどん繁殖してしまいます。その結果、生乾きのような嫌なニオイが衣類に染み付いてしまうことがあるのです。

理由3:衣類の生地を傷めてしまう

衣類を長時間水に浸すこと自体が、繊維にダメージを与えます。特に、ウールやシルクのようなデリケートな素材は、繊維がふやけて型崩れや縮みの原因になります。

また、漂白剤を長時間作用させすぎると、繊維を脆くしてしまったり、色柄物の色素まで分解して色あせを引き起こしたりする可能性もあります。

「しっかり汚れを落としたい」という気持ちから、つい長くつけてしまいがちですが、それが裏目に出てしまうこともあります。衣類を大切にするためにも、適切な時間を守ることがとても重要なんです。

一晩つけっぱなしは絶対にNG?

クリーン家電ガイド:イメージ

前の章でお話しした「長時間のつけおきが逆効果な理由」を踏まえると、この質問の答えはもうお分かりかもしれませんね。

そうです、基本的に「一晩つけっぱなし」はNGです。

夜寝る前にセットして、朝起きてから洗濯機を回す…というスタイルは、忙しい方にとってはとても効率的に思えるかもしれません。ですがこれは衣類にとって、そして衛生面から見てもおすすめできない方法なんです。

先ほどもお伝えしたように、一晩という長い時間をかけてしまうと、

洗濯の問題点
汚れの再付着(逆汚染)
雑菌の大量繁殖による悪臭
生地へのダメージ(型崩れ・色あせ)

といったデメリットが、すべて最大級に高まってしまいます。

清潔にするための洗濯が、実は「雑菌を培養する」行為になってしまっていた…なんて、考えただけでも嫌ですよね。

例外についての説明
例外はある?
ただし、一部の酸素系漂白剤(例えばオキシクリーンなど)の製品説明には、「最大6時間まで」といった長時間のつけおきが可能な記載がある場合もあります。これは、漂白や除菌を主な目的とした場合の使い方です。しかし、これも推奨時間を超える「一晩中」とは異なりますし、通常の皮脂汚れなどを落とすための「つけ置き洗い」とは少し目的が違います。どんな場合でも、使用する洗剤や漂白剤のパッケージに記載されている時間を必ず守ることが大切です。

「タイマーをかけ忘れて、うっかり朝まで…」なんてこともあるかもしれませんが、習慣にするのは避けましょう。もし頑固な汚れを落としたいなら、一晩つけるよりも、つけおき前にお湯で予洗いしたり、固形石鹸で部分洗いをしたりする方が、ずっと効果的で衣類にも優しいんですよ。

手間を惜しんだつもりが、逆にお気に入りの服をダメにしてしまうことのないよう、つけおきの「放置しすぎ」には十分注意しましょう。

洗剤の入れすぎはすすぎ残しの原因に

「頑固な汚れだから、洗剤を多めに入れればもっと落ちるはず!」
そう考えて、つい計量スプーンに山盛り一杯、洗剤を入れてしまっていませんか?

その気持ちは分からなくもないですが、実はこれも大きな間違いなんです。

洗剤は、たくさん入れれば入れるほど洗浄力が上がるわけではありません。むしろ、様々なトラブルの原因になってしまうことがあるんですよ。

一番の問題は、「すすぎ残し」です。
洗濯機のすすぎ回数は、規定量の洗剤を洗い流すことを前提に設定されています。そのため、必要以上に多くの洗剤を入れてしまうと、すすぎきれずに洗剤成分が繊維の中に残ってしまうんです。

洗剤が衣類に残ってしまうと、どうなるのでしょうか?

すすぎ残しによるトラブル
すすぎ残しによるトラブル
肌への刺激
残留した洗剤が肌に直接触れることで、肌荒れやかゆみの原因になることがあります。特に、肌の弱い方やお子さんの衣類は注意が必要です。
黄ばみや黒ずみ
意外かもしれませんが、残った洗剤成分が空気中の汚れや皮脂と結びついて酸化し、新たな黄ばみや黒ずみの原因になることがあります。
ゴワゴワした仕上がり
繊維に洗剤が残ると、生地が本来の柔らかさを失い、ゴワゴワとした肌触りになってしまいます。
嫌なニオイの発生
残った洗剤をエサにして雑菌が繁殖し、生乾き臭の原因になることもあります。

このように、せっかくキレイにするための洗濯が、新たな汚れやトラブルを引き起こすきっかけになってしまうなんて、とても残念ですよね。

洗剤は、各メーカーが研究を重ねて「この量で最も効果を発揮します」という最適な量を算出しています。パッケージに書かれている使用量をきちんと守ることが、洗浄効果を最大限に引き出し、衣類や肌を守るための最も確実な方法なんです。

もし洗浄力に物足りなさを感じるなら、洗剤を増やすのではなく、お湯の温度を上げたり、酸素系漂白剤をプラスしたり、といった別の方法を試してみてくださいね。

つけおきに向いていない衣類

これまで、つけおき洗いの様々なテクニックについてお話ししてきましたが、最後にとても大切なことをお伝えします。

それは、「すべての衣類がつけおき洗いに向いているわけではない」ということです。

間違った衣類につけおきをしてしまうと、縮んでしまったり、色落ちしてしまったりと、取り返しのつかないことになりかねません。そうならないためにも、つけおき前には必ず「洗濯表示」のタグを確認する習慣をつけましょう。

特に、以下のような特徴を持つ衣類は、つけおき洗いを避けるべき代表例です。

洗濯表示で「水洗い不可」のもの

桶のマークにバツが付いているものは、家庭での水洗い自体がNGです。当然、つけおきもできません。こうした衣類は、迷わずクリーニング店にお任せしましょう。

色落ちしやすい衣類

濃い色のジーンズや、買ったばかりの色の濃いTシャツなどは、染料が落ちやすいことがあります。長時間水に浸すつけおき洗いは、色落ちを助長してしまいます。他の衣類への色移りの原因にもなるため、単独でサッと洗うか、色落ちが落ち着くまではつけおきしない方が無難です。

デリケートな素材の衣類

ウール、シルク、カシミヤ、レーヨン、キュプラといった素材は、水に非常に弱い性質を持っています。長時間水に浸すことで、繊維が絡まったり、縮んだり、風合いが損なわれたりするリスクが非常に高いです。これらの素材には「中性洗剤」を使い、ごく短時間で優しく押し洗いするのが基本です。

特に注意したい素材とその理由
特に注意したい素材とその理由
ウール・カシミヤ
繊維が絡み合い、フェルトのように縮んで硬くなってしまうことがあります。
シルク
光沢が失われたり、生地が傷んだりしやすいです。
レーヨン・キュプラ
水に濡れると強度が著しく低下し、シワになりやすく縮みやすい性質があります。
革製品
水濡れはシミや硬化の原因になるため、絶対にNGです。

「この服、どうかな?」と少しでも迷ったら、無理につけおき洗いをせず、まずは洗濯表示を確認することが、お気に入りの服を長く大切に着るための第一歩ですよ。

総括:洗濯機のつけおきをマスターしよう

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • つけおき洗いは黄ばみや黒ずみ、ニオイなど頑固な汚れに効果的
  • Yシャツの襟袖汚れやタオルの生乾き臭に特におすすめ
  • やり方は40℃のぬるま湯に洗剤を溶かし衣類を浸すだけ
  • つけおき後は洗浄液ごと洗濯機で通常洗濯してOK
  • メリットは高い洗浄力と生地への優しさ
  • デメリットは時間がかかることと色移りのリスク
  • 洗濯機の「つけおきコース」ならボタン一つで全自動
  • コースがなくても「洗い」の途中で一時停止すれば代用可能
  • オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を足すと洗浄力がアップする
  • 軽い白カビは落とせるが、繊維の奥に根を張る黒カビは難しい
  • つけおき時間の基本は30分から2時間が目安
  • 汚れの種類や素材によって最適な時間は異なる
  • 長時間のつけすぎは汚れの再付着や雑菌繁殖の原因になる
  • 一晩つけっぱなしは生地を傷めるため基本的にNG
  • 洗剤の入れすぎは洗浄力を上げず、すすぎ残しによる肌トラブルを招く
  • 水洗い不可、色落ちしやすい、デリケートな素材の衣類はつけおきを避ける

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