洗濯機の手洗いコースと実際に手で洗うのは、どっちが綺麗になるのか気になりますよね?
大切なニットやダウンを自宅で洗いたいけれど、失敗して縮んだり型崩れしたりしないか不安で、結局クリーニングに出してしまう方も多いんじゃないでしょうか。
実は、洗濯機のドライコースと手洗いには明確な違いがあって、それぞれに得意な汚れや衣類があるんです。さらに、使うべき洗剤の種類や脱水方法を間違えると、せっかく優しく洗ったつもりが逆効果になることも。
デメリットもきちんと理解した上で、おすすめ洗濯機の選び方まで押さえておけば、お気に入りの服を自宅で安心してケアできるようになります。
この記事では、洗濯機の手洗いコースを使いこなすための実践的な知識と、失敗しないためのコツを、家電量販店で日々お客様と接している経験も踏まえながら、分かりやすくお伝えしていきますね。
洗濯機の手洗いコースと本当の手洗いの違い

- 手洗いコースとは
- 手洗いと洗濯機どっちが綺麗になる?
- 洗濯機のドライと手洗いの違い
- 手洗いコースのデメリット
- 手洗いコースで使うべき洗剤の選び方
まず最初に、多くの方が疑問に思っている「洗濯機の手洗いコース」と、自分で行う「手洗い」の基本的な違いについて見ていきましょう。
それぞれの特徴をしっかり理解することで、衣類に合わせた最適な洗い方が選べるようになりますよ。
手洗いコースとは
洗濯機の「手洗いコース」とは、その名の通り、手で洗うように優しく衣類を洗浄するための機能なんです。メーカーによっては「ドライコース」「おうちクリーニング」「ソフトコース」など、呼び方が違うこともありますが、基本的な役割は同じですね。
このコースを選ぶと、洗濯槽の動きがとても緩やかになり、水流も弱く設定されます。衣類をゴシゴシこするのではなく、たっぷりの水の中で衣類を揺らすように洗うイメージです。
これにより、衣類同士の摩擦や絡まりを最小限に抑え、型崩れや縮み、毛玉の発生を防いでくれるというわけです。
また、脱水時間も通常コースに比べてかなり短く、遠心力も弱めに設定されています。これもデリケートな衣類への負担を減らすための嬉しい配慮だと思います。クリーニングに出すほどではないけれど、大切に洗いたいおしゃれ着などを自宅で手軽にケアしたいときに、とても便利なコースじゃないでしょうか。
ただし、優しい洗い方だからこそ、泥汚れや食べこぼしのような頑固な汚れを落とす力は、標準コースに比べて少し弱めです。汚れの種類や衣類の素材を見極めて、コースを使い分けることが大切になります。
手洗いと洗濯機どっちが綺麗になる?
「結局、手洗いと洗濯機の手洗いコース、どっちが綺麗になるの?」これは本当によく聞かれる質問です。答えを言うと、「汚れの種類によります」というのが一番しっくりくるかもしれません。
まず、部分的なシミや頑固な汚れを落とすなら、圧倒的に手洗いに軍配が上がります。
例えば、シャツの襟元の皮脂汚れや、うっかりつけてしまった食べ物のシミなどですね。こういう汚れは、汚れた部分を直接見て、洗剤をつけたり、つまみ洗いやたたき洗いをしたりと、ピンポイントでアプローチできる手洗いが一番効果的なんです。
一方で、衣類全体の汗やホコリといった軽い汚れを、生地へのダメージを抑えながら洗いたい場合は、洗濯機の手洗いコースが便利です。
手洗いだと、どうしても自分で衣類をもんだり絞ったりする際に力が入りすぎて、型崩れや伸び縮みの原因になってしまうことがありますからね。その点、洗濯機は決められた優しい水流で均一に洗ってくれるので、失敗が少ないのが嬉しいポイントです。
このように、どちらが優れているということではなく、衣類の状態や汚れの種類によって上手に使い分けるのが、賢い洗濯のコツだと思います。
お気に入りの服を長く綺麗に着るために、ぜひ覚えておいてくださいね。
洗濯機のドライと手洗いの違い

「ドライコース」と聞くと、クリーニング店の「ドライクリーニング」を思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか?
でも、この二つは全くの別物なんです。
一番大きな違いは、「何を使って洗うか」という点ですね。
クリーニング店のドライクリーニングは、水を使わずに石油系の有機溶剤という特殊な液体で汚れを落とします。だから、水で洗うと縮んでしまうウールのコートなどが洗えるわけです。
それに対して、洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」は、あくまで「水」と家庭用の洗剤を使って洗います。洗い方がとても優しいというだけで、水洗いであることに変わりはありません。
ですから、洗濯表示で「水洗い不可(洗濯桶に×印)」となっている衣類は、たとえドライコースであっても家庭の洗濯機では洗えないので注意が必要です。
手洗いとの違いは、先ほどもお伝えしたように、洗浄のアプローチ方法です。
手洗いが「部分」得意なのに対し、洗濯機のドライコースは「全体」を均一に優しく洗うのが得意です。
下のようにまとめると、より分かりやすいかもしれません。
洗濯機のドライコース | 実際の手洗い | クリーニング店のドライクリーニング | |
---|---|---|---|
洗浄に使うもの | 水と中性洗剤 | 水と中性洗剤 | 有機溶剤(水は使わない) |
得意な汚れ | 全体的な汗やホコリ | 部分的なシミ・頑固な汚れ | 油溶性の汚れ(皮脂、油など) |
メリット | 手間がかからない、型崩れしにくい | 汚れ落ちを細かく調整できる | 水で縮む衣類も洗える |
デメリット | 頑固な汚れは落ちにくい | 手間と時間がかかる、型崩れの可能性 | 料金がかかる、水溶性の汚れは落ちにくい |
このように、同じ「ドライ」という言葉がついていても、中身は全く違うんですね。
この違いを理解しておくと、「うっかり大切な服を縮ませてしまった…」なんて失敗も防げると思います。
手洗いコースのデメリット
とても便利な手洗いコースですが、もちろん良いことばかりではありません。デメリットもしっかり理解しておくことで、より上手に活用できると思います。
一番のデメリットは、やはり洗浄力が弱いことでしょう。優しい水流で洗うため、標準コースと比べると汚れを落とす力は劣ります。
汗や軽い汚れ程度なら十分ですが、例えば子供が公園で遊んでつけた泥汚れや、カレーをこぼしたシミなどは、手洗いコースだけでは太刀打ちできないことが多いですね。
そういった汚れがある場合は、先に手洗いで部分洗いをしてから、手洗いコースで全体を洗うというひと手間を加えるのがおすすめです。
また、「手洗い」という名前がついていますが、人の手で洗うのに比べれば、やはり機械的な力は加わります。本当に繊細なレースや取れやすい装飾がついた衣類などは、洗濯機に入れること自体がリスクになることもあります。衣類の痛みや型崩れのリスクがゼロではない、ということは覚えておいてください。
あとは、機種によっては洗濯時間が標準コースより長くなったり、一度に洗える量が少なかったりすることもあります。たくさんの洗濯物を効率よく洗いたい、という時には少し不便に感じるかもしれませんね。
これらの点を踏まえて、状況に応じてコースを選ぶことが大切です。
手洗いコースで使うべき洗剤の選び方
デリケートな衣類を手洗いコースで洗うなら、洗剤選びもとても重要です。いつもの洗濯で使っている洗剤をそのまま使うのは、あまりおすすめできません。
普段着用の洗剤の多くは「弱アルカリ性」で、洗浄力が高いのが特徴です。しかし、ウールやシルクといった動物性の繊維はアルカリ性に弱く、生地が傷んだり、風合いが損なわれたりする原因になってしまうんです。
そこで使いたいのが、「おしゃれ着用洗剤」や「中性洗剤」と表示されているものです。これらの洗剤は、洗浄力は少し穏やかになりますが、繊維へのダメージを最小限に抑えながら汚れを落としてくれます。衣類の色あせを防いだり、型崩りを防止したりする成分が含まれているものも多いですね。
私も家では、ニットやブラウスを洗うときは必ずおしゃれ着用洗剤を使っています。洗い上がりのふんわり感が全然違うんですよ!
代表的なものだと、「エマール」や「アクロン」といった商品が有名じゃないでしょうか。スーパーやドラッグストアの洗濯洗剤コーナーに行けば、必ず置いてあると思います。


せっかく優しいコースで洗うのですから、洗剤も衣類に優しいものを選んであげたいですよね。たったこれだけのことで、お気に入りの服がより長持ちするようになるはずです。
手洗い表示の服を洗濯機で洗う実践テク

- ニットやダウンの洗い方
- 手洗い後の脱水方法
- 手洗い表示を洗濯機で洗ってしまった時の対処法
- 手洗いコースでびしょびしょになる
- 手洗い機能が充実!おすすめ洗濯機3選
ここからは、実際に「手洗い表示」の衣類を洗濯機で洗うための、具体的なテクニックをご紹介します。
ちょっとしたコツを知っているだけで、仕上がりが格段に変わってきますよ。ぜひ試してみてください。
ニットやダウンの洗い方
秋冬に大活躍するニットやダウン。これらも、実は自宅でケアできるものが多いんです。
ただ、素材の特性を理解して、正しく洗うことがとても大切になります。
ニット・セーターの洗い方
ニットを洗うときに一番怖いのが「縮み」ですよね。ウール素材の表面は「スケール」と呼ばれるうろこ状の構造になっていて、水に濡れるとこれが開いて絡み合い、縮みの原因になります。
これを防ぐには、とにかく優しく、摩擦を避けることが重要です。
ダウンジャケットの洗い方
ダウンは汗や皮脂が付着すると、羽毛が固まってしまい保温性が落ちてしまいます。ロフト(かさ高さ)を回復させるためにも、シーズン終わりには洗濯するのがおすすめです。
あくまで自己責任となりますが、どちらの衣類も正しい手順で洗えば自宅でも十分に綺麗になります。クリーニング代の節約にもなりますし、ぜひ挑戦してみてください。
手洗い後の脱水方法
手洗いをした後、「どうやって脱水すればいいの?」と悩むこと、ありますよね。びしょびしょのまま干すと乾きにくいし、かといって強く絞ると型崩れの原因になってしまいます。
実は、脱水にもコツがあるんです。
一番おすすめなのは、洗濯機の脱水機能を短時間だけ使う方法です。手で絞るよりも均一に、そして優しく水気を切ることができます。
ポイントは、絶対に長時間脱水しないこと。
デリケートな衣類にとって、洗濯機の中で一番負担がかかるのが脱水の工程なんです。短時間で済ませることを徹底してくださいね。
もし洗濯機が使えない場合や、もっとデリケートな衣類の場合は、タオルドライがおすすめです。
タオルドライの方法
乾いた大きなバスタオルの上に、洗った衣類を広げます。そして、もう一枚のバスタオルで挟むか、タオルを折り返して衣類を包み込み、上から優しくポンポンと押して水分をタオルに移し取ります。
くるくると巻寿司のように巻いて押さえるのも効果的ですよ。水がポタポタ滴らない程度になればOKです。
旅行先などで手洗いした時なんかは、このタオルドライがとても便利なんです。覚えておくと役立ちますよ。
どちらの方法でも、絶対に衣類を雑巾のように「ねじり絞り」しないでくださいね。これをやってしまうと、繊維が傷んでヨレヨレになってしまう一番の原因です。
「優しく、優しく」が合言葉です!
手洗い表示を洗濯機で洗ってしまった時の対処法
「しまった!手洗いマークの服を、間違えて標準コースで洗っちゃった…」
そんな経験、ある方もいらっしゃるかもしれませんね。
まず、洗濯が終わったらすぐに衣類の状態を確認してください。特にチェックしたいのは、「縮み」「型崩れ」「装飾品の取れ」「毛玉や生地の傷み」です。
もし、衣類が縮んでしまっていた場合、完全に元に戻すのは難しいかもしれませんが、乾かす前にできる対処法があります。
それは、髪の毛用のヘアトリートメントやコンディショナーを使う方法です。これらに含まれる成分が、絡まった繊維を少しほぐしてくれる効果が期待できるんです。
この方法は、あくまで応急処置です。素材によっては効果がなかったり、逆に生地を傷めたりする可能性もゼロではありません。高価な衣類や大切な一着の場合は、試す前にクリーニング店に相談するのが一番安心だと思います。
型崩れの場合は、乾かす前の濡れている段階で、できるだけ元の形に整えることが重要です。優しく引っ張って形を整え、シワを伸ばしてから干しましょう。アイロンがかけられる素材であれば、生乾きの状態で当て布をしながらスチームアイロンをかけると、より綺麗に仕上がります。
一番大切なのは、失敗してしまっても乾燥機には絶対に入れないことです。熱を加えると、縮みや型崩れが完全に固定されてしまい、元に戻すのがほぼ不可能になってしまいます。
失敗に気づいたら、慌てず、まずは自然乾燥で様子を見てくださいね。
手洗いコースでびしょびしょになる

「手洗いコースで洗ったのに、なんだか洗濯物がびしょびしょ…脱水できてないのかな?」と感じたことはありませんか?
実はこれ、故障ではなく正常な動作なんです。
先ほどもお伝えしたように、手洗いコースやドライコースは衣類へのダメージを最小限に抑えるために、脱水時間を極端に短く、回転も弱く設定しています。そのため標準コースと比べるとどうしても水分が多く残ってしまうんですね。
特に水分を含みやすいニットや厚手の衣類だと、びしょびしょに感じやすいかもしれません。でも、これは衣類を傷めないための「優しさ」の証拠なんです。
とはいえ、あまりに水分が多いと乾かすのに時間がかかって生乾きの原因にもなりかねません。そんな時は、追加で対策をしてあげましょう。
私も厚手のセーターを洗った時は、「ちょっと水っぽいな」と感じることがあります。そんな時は、洗濯ネットに入れたまま、もう一度だけ30秒脱水をかけるようにしています。これだけで干すのがだいぶ楽になります。
手洗いコースの特性を理解していれば、洗濯物がびしょびしょでも慌てずに対応できますよね。もし「いつもより明らかに水が切れていない」「エラー表示が出る」といった場合は、洗濯物の偏りや排水口の詰まりなど、別の原因も考えられますので、一度洗濯機を確認してみてください。
手洗い機能が充実!おすすめ洗濯機3選
最近の洗濯機は、デリケートな衣類を洗うための機能が本当に進化しているんです。私も家電量販店で働いているので、その進化には日々驚かされます。
ここではお客様からの評判も良く、「家でのお洗濯が格上げされる!」と私が自信を持っておすすめするモデルを3つご紹介しますね。
パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129EL

まず最初にご紹介したいのが、パナソニックのこちらのモデルです。
一番の魅力は、なんといっても温水機能と連携した「おうちクリーニング」コースですね。
おしゃれ着の皮脂汚れや黄ばみって、冷たい水だとなかなか落ちにくいじゃないですか?
この洗濯機なら、約40℃や約30℃といった最適な温度で優しく洗えるので、諦めていた白物ブラウスの黄ばみなどもスッキリさせることができます。
洗浄力と衣類への優しさを両立させたい、という方に本当におすすめで、お客様からも「クリーニングに出す回数が減った」と嬉しいお声をよくいただきます。
日立 ドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム BD-STX130KL

次におすすめなのが、日立の「ビッグドラム」シリーズです。
このモデルの「おしゃれ着」コースは、たっぷりの水を循環させる「ナイアガラ循環シャワー」を使いながら、ドラムをほとんど回転させずに洗うのが特徴なんです。
衣類を大きく動かさないので、とにかく型崩れやシワに強いのが嬉しいポイント。レースや薄手のワンピースなど、繊細な衣類も安心して任せられます。
「アイロンがけが楽になった」という評判もよく耳にしますよ。大容量なので、週末にまとめて洗濯したいご家庭にもぴったりだと思います。
シャープ ドラム式洗濯乾燥機 ES-X12C

最後にご紹介するのは、シャープのこちらのモデルです。
「ホームクリーニングコース」でウールや絹などのデリケート素材が洗えるのはもちろんですが、シャープならではの強みは「穴なし槽」ですよね。
洗濯槽の外側に発生しがちな黒カビが槽内に入り込む心配がないので、デリケートな衣類をいつでも清潔に洗えるという安心感が違います。特に、赤ちゃんの肌着やアレルギーが気になる方からすごく支持されていますね。
見えない部分の清潔さにもこだわりたい、という方にはぜひチェックしてほしい一台です。
もちろん、ここに挙げた以外にも素晴らしい洗濯機はたくさんあります。
もし洗濯機の買い替えを検討されているなら、「どんな衣類を家で洗いたいか」をイメージしながら選ぶと、自分にぴったりの一台が見つかると思いますよ。
総括:洗濯機と手洗いを上手に使い分け
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。