毎日の家事をぐっと楽にしてくれる食洗機ですが、ある日突然、洗い残しが増えたり変な音がしたりして「あれ、もしかして壊れる前兆かな?」と不安になった経験はありませんか?
家電量販店で働いていると、食洗機の寿命や修理に関するご相談を本当によくいただきます。
ビルトインタイプなのか卓上タイプなのかによって寿命の目安は違いますし、壊れたらどうすればいいのか、修理はどこに頼めばいいのか、それとも買い替えを検討すべきなのか、判断に迷う方が多いんですよね。
修理費用の相場も気になるところですし、簡単なことなら自分で直せないかと考える方もいらっしゃるでしょう。でもどこまでが安全な範囲なのか、業者に任せるべきなのか、その見極めも大切です。
そしていざ買い替えとなったときに、どこで購入するのが一番良いのか、選択肢が多すぎて迷ってしまいますよね。
この記事では、食洗機の寿命の目安から壊れる前兆のサイン、修理を依頼する際の業者選びや費用相場、そして修理と買い替えの判断基準まで、プロの視点から分かりやすくお伝えしていきます。
あなたの食洗機を長く快適に使うために、ぜひ参考にしてくださいね!
食洗機の寿命と修理が必要になるサイン

- ビルトイン食洗機の寿命の目安
- 卓上食洗機の寿命の目安
- 食洗機が壊れる前兆の症状
- 故障かも?エラー表示が出たら
- 食洗機が壊れたらどうすればいい?
- 保証期間が残っている場合の対応
まずは、食洗機の寿命がどのくらいなのか、そして寿命が近づくとどんなサインが出るのかを見ていきましょう。
普段と違う様子に早めに気づくことが、いざという時に落ち着いて対応できるポイントになりますよ。
ビルトイン食洗機の寿命の目安
まず、キッチンに埋め込まれているビルトイン食洗機の寿命は、一般的に約10年と言われています。これは、冷蔵庫や洗濯機といった大型の家電と同じくらいの期間ですね。
ただし、これはあくまで「標準的な使い方」をした場合の目安なんです。ご家族の人数や食洗機を回す回数、日々のお手入れの状況によって、寿命は長くなったり短くなったりします。
もう一つ知っておいてほしいのが、メーカーが修理用の部品を保管している期間(補修用性能部品の保有期間)です。
ビルトイン食洗機の場合、多くのメーカーが製品の製造を終了してから約10年間は部品を保有しています。この期間を過ぎてしまうと、故障しても部品がなくて修理できない…なんてことも起こり得るので、10年が一つの大きな節目になる、と覚えておくと良いと思います。
10年を過ぎてくると、経年劣化でいろんな場所に不具合が出やすくなるのも事実です。突然の故障で慌てないためにも、10年近く使っている場合は、そろそろ買い替えも視野に入れ始めると安心かもしれませんね。
もちろん、大切に使えば10年以上問題なく動いてくれることもたくさんあります。日々のちょっとした心がけが、食洗機を長持ちさせる秘訣ですよ。
卓上食洗機の寿命の目安
次に、キッチンの上に置いて使う卓上食洗機の寿命ですが、こちらは約5年~7年が目安とされています。ビルトイン食洗機と比べると、少し短いんですね。
この寿命の違いには、ビルトイン食洗機と同じく、メーカーが修理用部品を保管している期間が関係しています。卓上食洗機の場合、部品の保有期間を製造終了後6年程度としているメーカーが多いんです。そのため、7年を過ぎて故障してしまうと、修理が難しくなる可能性が高まります。
卓上食洗機は、本体価格が比較的リーズナブルなモデルが多いですが、その分、寿命も少し短めに設定されていると考えると分かりやすいかもしれません。もちろん、これも使い方次第で変わってきます。
5年以上使っていて、最近どうも調子が悪いな…と感じたら、それは寿命が近づいているサインかもしれません。修理費用と新しい製品の価格を比べながら、ベストな選択を考えていきましょう。
食洗機が壊れる前兆の症状
食洗機も、完全に壊れてしまう前に「なんだかいつもと違うな?」というサインを出してくれることが多いんです。早めに気づいて対処するためにも、代表的な前兆を知っておきましょう。
故障かも?エラー表示が出たら

食洗機のパネルに、見慣れないランプの点滅やエラーコードが表示されたら、それは食洗機からのSOSサインです。ここは無視せずに、まずは落ち着いて対処しましょう。
エラー表示は、食洗機が「どこに」「どんな」異常が起きているのかを教えてくれる便利な機能なんです。例えば、「水漏れを検知しました」「排水がうまくできていません」といった具体的な内容を示しています。
エラー表示が出た時にまずやるべきことは、取扱説明書を確認することです。説明書には、エラーコードの一覧と、それぞれの対処法が必ず記載されています。「フィルターを掃除してください」といった簡単な対処で直ることもありますから、ぜひ一度確認してみてください。
簡単な対処法を試してもエラーが消えない場合や、同じエラーが何度も繰り返し表示される場合は、部品の故障など、根本的な原因がある可能性が高いです。
その場合は、無理に使い続けず、メーカーのサポートセンターや修理業者に連絡することをおすすめします。エラーコードを伝えると、修理の相談もスムーズに進みますよ。
食洗機が壊れたらどうすればいい?
毎日当たり前のように使っていた食洗機が急に壊れてしまうと本当に焦りますよね。でもそんな時こそ落ち着いて、正しい手順で対応することが大切です。
まず、水漏れや焦げ臭いにおいなど、明らかな異常がある場合は、安全のためにすぐに運転を停止し、電源プラグを抜いてください。特に水漏れは、床材を傷めたり、漏電の原因になったりする可能性もあるので、迅速な対応が必要です。
次に、先ほどもお伝えしたように、エラー表示が出ている場合は、取扱説明書でその内容を確認しましょう。残さいフィルターの詰まりなど、ご自身で簡単に対処できる原因であることも少なくありません。
フィルターのお掃除だけで直ることも結構あるんですよ!「壊れた!」と慌てる前に、一度フィルターをチェックしてみることをおすすめします。
簡単な対処で改善しない場合、いよいよ修理や交換を検討するステップに進みます。
ここで重要になるのが、「保証期間」の確認です。メーカー保証や、購入したお店の延長保証の期間内であれば、無償または安価で修理できる可能性があります。保証書を探して、期間が残っているかを確認してみてください。
保証期間が過ぎていた場合は、修理を依頼するか、新しいものに買い替えるかの判断が必要になります。この判断基準については後ほど詳しく解説しますね。
保証期間が残っている場合の対応
食洗機が故障したとき、まず最初に確認してほしいのが「保証書」です。もし保証期間が残っていれば、とてもラッキーです。
食洗機には、通常1年間のメーカー保証が付いています。さらに、家電量販店などで購入した際に、5年や10年の延長保証に加入している方も多いのではないでしょうか?
保証期間内に、取扱説明書通りの通常の使い方をしていて故障した「自然故障」の場合、修理費用が無償、もしくはかなり安価になることがほとんどです。これは本当に大きなメリットですよね。高額になりがちな修理費用を気にせず、安心してメーカーや販売店のプロに任せることができます。
保証期間が残っていることがわかったら、まずは保証書に記載されている連絡先、つまりメーカーのサポートセンターや購入した販売店に連絡しましょう。その際に、以下の情報を手元に準備しておくと、話がスムーズに進みます。
保証が使えるとわかったら、買い替えを検討するのは少し待ってください。まずは保証を利用してきちんと修理してもらうのが、最も経済的で賢い選択だと思います。
私もお店でお客様にご案内するときは、まず保証書の確認をお願いしています。
食洗機の修理と寿命が来た時の選択肢

- 修理はどこに頼むべきか
- 信頼できる修理業者の選び方
- 修理費用の相場
- 自分でできる?
- 買い替えはどこで?
- 修理と買い替えの判断基準
保証期間が過ぎてしまった場合、ここからは「修理」か「買い替え」か、ご自身で判断していくことになります。
ここからは、どこに修理を頼めばいいのか、費用はどのくらいかかるのか、そして買い替えという選択肢について、一緒に考えていきましょう。
修理はどこに頼むべきか
保証期間が切れてしまった食洗機の修理、どこに頼めばいいのか迷いますよね。
主な依頼先は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を知って、ご自身に合った場所を選びましょう。
どこに頼むか迷ったら、まずはメーカーの修理サービスに料金の概算を聞いてみて、それを基準に他の業者と比較検討するのがおすすめです。
慌てず、納得できる依頼先を見つけてくださいね。
信頼できる修理業者の選び方
メーカー以外の地域の修理業者に依頼する場合、どの業者が信頼できるのか見極めるのが少し大変ですよね。
後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。
見積もりが明確か
まず一番大切なのが、料金体系です。電話で問い合わせた際に、「出張費」「点検料」「技術料」「部品代」など、費用の内訳をきちんと説明してくれる業者を選びましょう。
「見てみないとわからない」の一点張りで、料金の目安すら教えてくれない業者は少し注意が必要かもしれません。必ず作業前に総額がいくらになるのか、書面での見積もりを出してもらうのが鉄則です。
実績や口コミを確認する
その業者のウェブサイトを見て、施工事例や修理実績が豊富に掲載されているかを確認しましょう。
実際に利用した人の口コミや評判をチェックするのも非常に参考になります。良い評価だけでなく、悪い評価にどう対応しているかなども見ておくと、その業者の姿勢がわかります。
対応が丁寧で、説明が分かりやすいか
問い合わせの電話をしたときの対応も、重要な判断材料です。こちらの状況を親身に聞いてくれて、専門用語ばかり使わずに、故障の原因や修理内容を分かりやすく説明してくれる業者は信頼できる可能性が高いです。
質問に対して誠実に答えてくれるかどうかも、しっかりチェックしたいポイントですね。
修理費用の相場
修理を考える上で、一番気になるのが「いったい、いくらかかるの?」という費用ですよね。
食洗機の修理費用は、故障の箇所や交換する部品によって大きく変わりますが、ある程度の相場を知っておくと、見積もりを見たときに適正な価格か判断しやすくなります。
一般的に、修理費用は「基本料金(出張費+診断料)」+「作業料」+「部品代」で構成されています。何も修理しなくても、来てもらうだけで数千円の基本料金がかかることが多いです。
以下に、よくある故障内容と、ビルトイン・卓上それぞれの修理費用の目安をまとめてみました。
故障内容 | ビルトイン食洗機 | 卓上食洗機 | 備考 |
---|---|---|---|
水漏れ(パッキン・ホース交換) | 15,000円~30,000円 | 10,000円~20,000円 | 原因箇所によって変動します |
排水・給水ができない | 20,000円~40,000円 | 15,000円~30,000円 | ポンプやバルブの交換が必要な場合 |
電源が入らない・動かない | 25,000円~50,000円 | 20,000円~35,000円 | 制御基板の交換は高額になりがちです |
乾燥機能の不具合 | 20,000円~35,000円 | 15,000円~25,000円 | ヒーターやファンの交換 |
ビルトイン食洗機の方が、構造が複雑な分、修理費用も高くなる傾向があります。特に制御基板などの心臓部が故障すると、買い替えを検討した方が良いケースも出てきます。
自分でできる?
「修理業者を呼ぶと高そうだし、簡単なことなら自分で直せないかな?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、ご自身で対処できることもあります。でも、どこまでが安全な範囲なのか、しっかり線引きすることがとても大切です。
自分でやってもOKなこと
まず、残さいフィルターやノズルの掃除は、取扱説明書にも載っている日常的なメンテナンスの範囲なので、ぜひ定期的におこなってください。これだけで「洗い残しが多い」といった不具合が改善することはよくあります。
また、給水ホースや排水ホースの接続部分が緩んで水漏れしている場合に、軽く締め直す程度であれば問題ないでしょう。ただし、力を入れすぎると破損の原因になるので注意してください。
専門家に任せるべきこと
一方で、食洗機の本体を分解したり、内部の電気配線に触れたりするのは絶対にやめてください。
感電や火災の危険があるだけでなく、水漏れを悪化させてしまう可能性もあります。給水管や排水管の交換など、水道設備に関わる作業も、専門的な知識と技術が必要です。
それに、もし保証期間内にご自身で分解してしまうと、メーカー保証が受けられなくなってしまうこともあります。少しでも「これは自分には難しいかも」と感じたら、無理せずプロに任せるのが、結果的に一番安全で確実な方法ですよ。
買い替えはどこで?

修理費用が高額だったり、もう寿命かなと感じたりしたとき、次の選択肢は「買い替え」になります。
新しい食洗機は、どこで購入するのが良いのでしょうか?
主な購入場所とそれぞれの特徴をご紹介します。
1. 家電量販店
私たちのような家電量販店の強みは、たくさんの実機を直接見て、触って比較できることです。専門の販売員に、機能の違いや設置に関する相談をしながら選べるので、初めての方でも安心感があると思います。設置工事や延長保証などのサービスも充実しているのが嬉しいポイントですね。
2. ホームセンター
ホームセンターでもビルトイン食洗機などを取り扱っています。リフォームコーナーなどで、キッチン全体の相談と合わせて食洗機を選ぶことができます。比較的リーズナブルなモデルを置いていることが多い印象です。
3. 工務店・リフォーム会社
キッチン全体のリフォームを考えているなら、工務店やリフォーム会社にまとめてお願いするのがスムーズです。キッチンのデザインや使い勝手に合わせて、最適なモデルを提案してくれます。
4. インターネット通販
Amazonや楽天市場などのネット通販は、価格が安いことが最大の魅力です。品揃えも豊富で、自宅でじっくり比較検討できます。ただし、注意したいのが設置工事です。商品は安く買えても、設置業者を自分で探さなければならない場合があります。工事費込みで販売しているショップを選ぶと、手間が省けて安心ですよ。
修理と買い替えの判断基準
さて、いよいよ最後の大きな決断です。「修理して使い続ける」か、「新しいものに買い替える」か。これは本当に悩ましい問題ですよね。
私がお店でお客様にご相談を受けたときに、判断のポイントとしてお伝えしていることがいくつかあります。
1. 使用年数で考える
まず、お使いの食洗機が何年目かを確認しましょう。
先述の通り、寿命の目安はビルトインで約10年、卓上で約5~7年です。この寿命に近い年数、あるいは超えて使っている場合は、買い替えを強くおすすめします。
なぜなら、一度修理しても経年劣化で次々と別の場所が故障する「故障の連鎖」が起きやすいからです。結局、修理代がかさんでしまうことも少なくありません。
2. 修理費用と新品の価格を比べる
次に、修理の見積もり額と、同等クラスの新しい食洗機の価格を比べてみましょう。
ひとつの目安として、「修理費用が、新品価格の半分を超える」ようであれば、買い替えを検討する価値は十分にあると思います。
最新のモデルは省エネ性能や洗浄力も向上しているので、長期的に見れば光熱費の節約にもつながりますよ。
3. 故障の頻度で考える
ここ1~2年で、何度も修理を繰り返している…という場合も、買い替えのサインかもしれません。
頻繁に不具合が起きるということは、全体的に部品が劣化している証拠です。その都度、修理費用や手間をかけるよりも、新しいものにした方が精神的にも楽になるのではないでしょうか。
最終的には、ご自身の納得感が一番大切です。これらのポイントを参考に、ご家庭にとって一番良い選択をしてくださいね。
総括:食洗機の寿命や修理について
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。