最近、スーパーなどで「古古古米(こここまい)」という言葉をよく見かけるようになりましたよね。
価格が手頃なのは嬉しいけれど、「古古古米って食べても大丈夫なの?」とか「やっぱり味はまずいのかな?」と、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、古古古米にはどんな特徴があるのでしょう?
どうして「まずい」なんて評判があるのか、その理由が気になりますよね。
それに独特の臭い時の炊き方はあるのか、栄養は新米と比べてどうなのか、という疑問も湧いてくると思います。もしどうしても味が合わなかった場合の、処分方法も知っておきたいところです。
私も家電量販店で炊飯器のご案内をしていると、お米の炊き方に関するお悩みをよくお聞きします。特に最近は、備蓄米をおいしく食べる方法や、性能の良い炊飯器で味が変わるのか、といったご相談も増えてきました。
この記事では、そんな古古古米に関する皆さんの疑問にまるっとお答えします。まずいと言われる理由から、実際の味の感想や評判、そして古米を驚くほどおいしく変身させる方法まで、詳しく解説していきますね!
古古古米はまずい?気になる味の真相を解説

- そもそも古古古米とは?
- 食べても大丈夫?
- まずい理由
- 実際の味は?感想や評判を紹介
- 栄養は新米より劣る?
まず最初に、最近よく耳にする「古古古米」が一体どんなお米なのか、そして「まずい」と言われる味の真相について、一緒に見ていきましょう。
食べても安全なのか、新米と比べて栄養面ではどうなのか、気になる基本情報から丁寧に解説していきますね。
そもそも古古古米とは?
「古古古米」という言葉、なんだかすごい響きですが、これはお米の古さを示す呼び方なんです。お米は収穫された年によって呼び方が変わるんですよ。
一般的に、その年に収穫されたお米を「新米」と呼びますよね。そして、収穫から1年経ったお米が「古米(こまい)」、2年経つと「古古米(ここまい)」、そして収穫から3年以上経過したお米のことを「古古古米(こここまい)」と呼ぶんです。
最近スーパーなどで見かけるようになったのは、お米の価格が高くなっている状況を受けて、政府が災害などの緊急時のために備蓄していたお米を市場に放出したことが背景にあります。
この備蓄米には、令和4年産(古古米)や令和3年産(古古古米)などが含まれているため、私たちの食卓にも身近な存在になってきた、というわけですね。
備蓄米は、品質が落ちないように温度や湿度がしっかり管理された専門の倉庫で、玄米の状態で保管されています。ですから、家庭で長期間放置されたお米とは、保管状態が全く違うという点は知っておくと良いかもしれません。
食べても大丈夫?
「3年以上前のお米って、そもそも食べても大丈夫なの?」と心配になる気持ち、とてもよくわかります。
結論から言うと、適切に保管されていた古古古米であれば、食べても全く問題ありません。
先ほどもお伝えしたように、市場に流通している備蓄米は、国が専門の倉庫で厳格な温度・湿度管理のもと、玄米の状態で保管していたものです。そのため、品質の劣化は最小限に抑えられています。
ただし、注意してほしいポイントがいくつかあります。
それは、カビや虫、そして異臭です。
もしお米を見て、黒や緑、黄色などの斑点があったり、塊になっていたりする場合はカビが生えている可能性があります。また、お米の中に小さな虫が湧いている場合も食べるのは避けたほうが安全です。
さらに、袋を開けたときにカビ臭い、酸っぱい、古い油のような強い異臭がする場合も注意が必要ですね。
これらのサインが見られる場合は、残念ですが食べるのは控えて、後ほどご紹介する適切な方法で処分することをおすすめします。
購入したお米に問題がなくても、家庭での保存状態が悪いと劣化が進んでしまうので、購入後は密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室などで保管するのが良いと思います。
これらの状態が見られた場合は、健康に影響を与える可能性もあるため、食べずに処分してくださいね。
まずい理由
適切に管理されていれば食べても問題ない古古古米ですが、それでも「まずい」という声が聞かれるのはなぜでしょうか。それには、新米と比べてどうしても避けられない、いくつかの理由があるんです。
一番の理由は、お米の「酸化」と「乾燥」です。
お米は時間が経つにつれて、表面に含まれる脂質が空気に触れて酸化していきます。これが、「古米臭(こまいしゅう)」と呼ばれる、古新聞やぬかのような独特のにおいの原因になるんですね。
また、長期間保管されることで、お米の内部の水分が徐々に蒸発して乾燥が進みます。
水分が少なくなると、炊き上がりがパサパサしたり、硬く感じられたりするんです。新米のもちもちとした粘りや甘みも、この水分量と大きく関係しているので、乾燥によって食感や風味が落ちてしまう、というわけです。
お米に含まれるデンプン質も時間とともに変化し、粘りが失われやすくなります。
「まずい」という感想は、こうした新米との違いから来ていることが多いんですね。
でも、逆に言えば、この特性を理解すれば、おいしく食べるための対策も見えてくる、ということになります。
実際の味は?感想や評判を紹介

「理屈はわかったけど、実際に食べた人はどう感じているの?」という点が一番気になりますよね。私も仕事柄、お客様から古古古米に関するお話を伺う機会がよくあります。
正直なところ、感想や評判は本当に人それぞれで、大きく二つに分かれる印象です。
一つは、「やっぱり新米とは違うね」というご意見です。
「炊飯器を開けたときの香りが全然違う」「少しパサつきが気になるかな」「甘みが少ない気がする」といった声は、やはり耳にします。特に、普段からお米の味にこだわっている方や、白米をそのまま味わうのが好きな方は、新米との違いを感じやすいのかもしれません。
一方で、意外と多いのが「思ったより全然おいしい!」というポジティブな感想なんです。
「値段を考えたら十分すぎる品質」「言われなければ気づかないかも」「カレーやチャーハンにしたら、むしろこっちの方が合う」といった評判もたくさん聞きますよ。
先日も、お店に来られたお客様が「話題の備蓄米を買ってみたんだけど、水を少し多めにして、炊く前にしっかり浸水させたら、家族みんな普通においしいって食べてくれたわよ」と嬉しそうに話してくださいました。
ちょっとした工夫で、味の印象は大きく変わるみたいですね。
結局のところ、古古古米の味は「新米と比べれば風味や食感は劣るけれど、工夫次第でおいしく食べられるレベル」というのが、多くの方に共通する感想なのかな、と思います。
最初から「まずい」と決めつけずに、まずは一度試してみる価値は十分にあるんじゃないでしょうか。
栄養は新米より劣る?
味や食感の違いはなんとなく分かりましたが、「古いお米って、栄養もなくなっちゃってるんじゃないの?」という心配もありますよね。
実は、栄養学的な観点から見ると、古古古米と新米の基本的な栄養成分(炭水化物、たんぱく質、脂質など)には、大きな差はないとされています。お米の主成分であるデンプンやたんぱく質は、時間が経ってもほとんど変化しないからなんです。
ただし、精米方法によっては違いが出てくることもあります。
お米の栄養は、胚芽(はいが)や糠(ぬか)の部分にビタミンやミネラルが多く含まれています。白米はこれらが取り除かれている状態ですよね。
もし玄米の状態で比較すれば、古米でも栄養価は高いまま保たれていることが多いです。
しかし、家庭で長期間保存した白米の場合、酸化が進むことでビタミン類が少し減少する可能性はある、という情報もあります。
とはいえ、それが健康に大きく影響するほどの差かというと、そこまで心配する必要はないレベルだと思います。
分づき米という選択肢も
もし栄養面が気になるようでしたら、玄米を少しだけ精米した「分づき米(ぶづきまい)」を選ぶのも一つの方法です。
7分づき、5分づきなど、精米の度合いが低いほど、玄米に近い栄養を残すことができます。白米の食べやすさと玄米の栄養の、良いとこ取りができるかもしれませんね。
結論として、古古古米だからといって栄養が極端に劣るわけではありません。味や食感を工夫しておいしく食べられれば、栄養面での心配はほとんどいらない、と考えて良いのではないでしょうか。
まずい古古古米の味を改善する裏技

- 臭いが気になる時の炊き方のコツ
- おいしく食べる方法
- チャーハンやカレーでアレンジ
- みりんやお酒でふっくら炊き上げる
- 備蓄米も美味しく炊ける炊飯器
- どうしても無理な時の処分方法
さて、ここからは実践編です。古古古米の特性がわかったところで、その弱点を克服し、いかにおいしく変身させるか、具体的な裏技をご紹介していきます。
ちょっとしたコツで驚くほど味が改善されることもありますので、ぜひ試してみてくださいね。
臭いが気になる時の炊き方のコツ
古古古米で一番気になるのが、やはり特有の「古米臭」ですよね。このにおいをいかに抑えるかが、おいしく食べるための最初の大きなポイントになります。
におい対策で最も重要なのは、お米の研ぎ方です。古米臭の原因は、お米の表面が酸化したぬかにあることが多いので、これをしっかり洗い流すことを意識しましょう。
この研ぎ方だけでも、炊き上がりのにおいはかなり軽減されるはずです。
さらに、炊飯時にちょっとしたものを加えるのも効果的です。
例えば、備長炭や竹炭を一本入れて炊くと、炭の無数の穴がにおいの成分を吸着してくれます。また、昆布を5cm角くらいに切って一枚入れて炊くのもおすすめです。昆布のうま味がお米に移り、においを和らげて風味を良くしてくれますよ。
炭は一度使ったら終わりではなく、洗って乾かせば繰り返し使えるので、経済的なのも嬉しいポイントですよね。ぜひ試してみてください。
おいしく食べる方法
におい対策ができたら、次は食感を改善していきましょう。
古古古米のパサつきを抑え、ふっくらもちもちに炊き上げるには、水分調整が鍵になります。
まず基本中の基本ですが、炊飯時に入れる水の量を少し多めにしてみてください。
目安としては、通常の目盛りよりも1割から2割増しくらいです。お米の状態によっても変わるので、まずは1合あたり大さじ1~2杯の水を足すところから始めて、お好みの硬さを見つけていくのが良いと思います。
そして、もう一つとても大切なのが、しっかり浸水させることです。
古米は乾燥しているので、お米の中心まで水分を浸透させるのに時間がかかります。夏場なら最低でも30分、冬場なら1時間~2時間くらいは水に浸しておくと、炊き上がりがふっくらと柔らかくなりますよ。
これらの方法を組み合わせることで、古古古米の「パサパサ」「硬い」といったイメージが大きく変わるはずです。ちょっとした手間で食感が劇的に改善されるので、ぜひ楽しんで試してみてくださいね。
チャーハンやカレーでアレンジ
古古古米の特性を逆に活かしてしまう、というのも賢い方法です。白米としてそのまま食べるのに抵抗がある場合は、思い切ってアレンジ料理に活用してみましょう。
古古古米は水分が少なくて粘り気が少ないという特徴がありますよね。これって、実はチャーハンやピラフ、パエリアといった料理には最適なんです。
新米で作ると、どうしてもベチャッとしがちなチャーハンも、古古古米を使えば、お店で出てくるようなパラパラの仕上がりになりますよ。
また、カレーライスや丼ものなど、味のしっかりした料理に使うのも非常におすすめです。カレーのスパイスや、丼のタレの風味が、古米特有のにおいをうまくカバーしてくれますし、お米の食感も気になりにくくなります。
むしろ、少し硬めに炊き上がる古米の方が、ルーや汁と絡んだときにちょうど良い食感になる、と感じる方も多いんですよ。
私も家で古米を食べるときは、よく炊き込みご飯にします。
きのこや鶏肉など、香りの良い具材と一緒に炊くと、出汁のうま味がお米にしっかり染み込んで、古米だということを忘れてしまうくらいおいしくいただけます。
古米は水分をよく吸うので、味が染み込みやすいのも嬉しいポイントですね。
他にも、水分をたっぷり加えて作るリゾットや雑炊、お粥なども良いですね。お米のパサつきが解消され、ふっくらと柔らかく食べられます。
このように、調理法を工夫すれば、古古古米はデメリットどころか、料理をおいしくしてくれる頼もしい存在に変わるんです。
みりんやお酒でふっくら炊き上げる

いつもの炊飯に、ご家庭にある調味料をほんの少し加えるだけで、古古古米の味をグレードアップさせる方法もあります。
特におすすめなのが、「みりん」と「料理酒」です。
お米を炊くときに、お米1合に対して、みりんか料理酒を小さじ1~2杯ほど加えて炊くだけで、驚くほど炊き上がりが変わります。どちらもアルコール分が含まれているので、お米の保水性を高め、ふっくらとツヤのある仕上がりにしてくれるんです。
それぞれの効果を少し詳しく説明しますね。
みりんを加える効果
みりんに含まれる糖分が、お米の表面をコーティングしてくれ、炊き上がりに美しいツヤが出ます。
また、みりん本来の優しい甘みが加わることで、古米に不足しがちな甘みやコクを補ってくれる効果もあります。お米の粒がしっかりして、崩れにくくなるのも嬉しいポイントです。
料理酒を加える効果
料理酒は、古米特有のにおいを和らげてくれる効果が期待できます。アルコールが蒸発するときに、一緒に嫌なにおいも飛ばしてくれるんですね。
また、みりんと同様に、お米をふっくらと炊き上げる手助けもしてくれます。
サラダ油やはちみつも効果的?
他にも、サラダ油や米油を数滴たらして炊くとツヤが出ますし、はちみつを少量加えると甘みと保水性がアップすると言われています。ただ、入れすぎると味が変わってしまうので、まずは少量から試してみてくださいね。
個人的には、味がシンプルに仕上がるみりんか料理酒が一番使いやすいかな、と思います。
調味料を加える方法は、手軽にできて効果も実感しやすいので、ぜひ今日の炊飯からでも試してみてはいかがでしょうか。いつもの古米が、ワンランク上のおいしさに変わるかもしれませんよ。
備蓄米も美味しく炊ける炊飯器
私も家電量販店で働いているので、このテーマは少しだけ専門的にお話しできるかもしれません。
実は、最近の炊飯器の進化は目覚ましく、お米の状態に合わせて最適な炊き方をしてくれるモデルが増えているんです。
もし、色々な工夫をしても「やっぱり古米はおいしく炊けないな…」と感じているなら、炊飯器の性能を見直してみるのも一つの手だと思います。
特におすすめしたいのが、パナソニックの「炊飯器 Bistro Vシリーズ(SR-V10BB)」ですね。このモデルは、古米や備蓄米のような炊飯が難しいお米も、驚くほどおいしく炊き上げてくれるんですよ。

進化したAIがお米の状態を見極める
「Bistro Vシリーズ」の最大の特徴は、「ビストロ匠技AI」という賢い機能が搭載されている点です。炊飯器が内蔵センサーでお米の量や水分状態をリアルタイムで検知し、なんと約9,600通りもの炊き方の中から、そのお米に最適な火加減や圧力を自動で調整してくれます。
乾燥が進んだ古古古米でも、その状態をAIが見極めて、まるで新米のようにふっくらと甘みを引き出して炊き上げてくれるんです。これなら、毎回面倒な水加減の調整に悩む必要もありませんよね。
独自の「おどり炊き」で芯までふっくら
さらに、パナソニック独自の「おどり炊き」という機能も強力な味方です。急激な圧力の変化でお米を釜の中でおどらせることで、一粒一粒の芯までムラなく熱を伝え、古米に不足しがちな粘りともちもち感を引き出してくれます。
実際にこの炊飯器で古米を炊いたお客様からは、「本当にこれが古米なの?って家族で驚きました」なんて嬉しい声もいただいています。
もちろん、最新の炊飯器は価格もそれなりにしますが、「毎日食べるごはんだからこそ、炊飯器に投資することで食生活の満足度がぐっと上がる」と考える方も多いんですよ。
もし炊飯器の買い替えを検討されているなら、「古米もおいしく炊けるか」という視点で、こういった最新モデルをチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
どうしても無理な時の処分方法
色々な工夫を試してみたけれど、「どうしてもこの味やにおいが苦手…」という場合もありますよね。
お米を捨てるのには罪悪感があるかもしれませんが、無理して食べる必要は全くありません。そんな時は、適切な方法で処分したり、別の形で活用したりすることを考えましょう。
まず、食用以外の活用法としては、家庭菜園の肥料にするという方法があります。
米ぬかが良い肥料になるように、お米も土の中の微生物にとっては良い栄養源になります。土に混ぜ込んでおくと、時間をかけて分解され、土壌を豊かにしてくれますよ。
ただし、一度に大量に撒くと虫やカビの原因になることもあるので、少しずつ混ぜ込むのがポイントです。
また、掃除に使うという昔ながらの知恵もあります。
米のとぎ汁が床のワックス代わりになるのは有名ですが、お米そのものを布袋に入れて、湿らせてからシンクなどを磨くと、クレンザーのような役割を果たしてくれます。
それでも処分する場合は、お住まいの自治体のルールに従って、「燃えるゴミ」として出すのが一般的です。
その際、袋が破れてお米が散らばらないように、袋を二重にするなどの配慮をすると親切ですね。夏場は特に、においや虫の発生を防ぐためにも、収集時間の直前に出すように心がけましょう。
「お米を捨てるとバチが当たる」?
日本では古くからお米を神聖なものとして大切にしてきた文化があるため、「お米を捨てるとバチが当たる」という言葉を耳にすることがありますよね。その気持ちはとても大切だと思います。
だからこそ、まずは無駄にしないように工夫をしてみる。それでもダメなら、感謝の気持ちを持って、肥料として自然に還したり、他のもののために役立てたりする。
そう考えれば、少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。
総括:古古古米の味はまずいのか
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。