毎日大活躍してくれる食洗機。もはや「ないと困る!」というご家庭も多いのではないでしょうか?
私も家電量販店で働いているので、食洗機の便利さはよくお客様から伺います。そんな頼れる食洗機が、ある日突然ピーピー音を立てて止まってしまったら…本当に焦りますよね。
「エラーコードが表示されているけど、これって何?」
「表示ランプの点滅が消えない…故障なのかな?」
「洗浄が途中で止まるのはどうして?」
「U11やH21っていう表示が出たけど、自分で直せるもの?」
など、パナソニックの食洗機に関するエラーの悩みは尽きません。
特に多いのが排水トラブルのサインだったり、簡単なリセット方法で直るケースもあったりするんです。でもいざエラーが出ると、どこから手をつけていいか分からなくなってしまいますよね。
この記事では、そんなパナソニック食洗機のエラーについて、原因の見分け方からご家庭でできる対処法まで、分かりやすく解説していきます。
パナソニック食洗機のエラー|まずは症状を確認

- エラー点滅は故障のサイン?
- エラーコード表示の意味を解説
- 止まらないピーピー音の原因は?
- 洗浄が途中で止まる時の状況
食洗機がいつもと違う動きをすると、すぐに「故障かも!」と心配になってしまいますよね。しかしエラー表示は、食洗機が「どこに問題があるか」を教えてくれているサインでもあるんです。
まずは慌てずに、どのような症状が出ているのかをじっくり確認してみましょう。原因が分かれば、意外と簡単に対処できることも多いんですよ。
エラー点滅は故障のサイン?
食洗機の操作パネルでランプがチカチカと点滅していると、ドキッとしますよね。これは多くの場合、何らかの異常を知らせるサインですが、必ずしも「故障」とは限りません。
例えば、ドアが完全に閉まっていない、給水ができていない、排水がうまくいっていないなど、ちょっとしたことが原因で点滅しているケースも多いんです。
また、パナソニックの食洗機には、長期間の使用をお知らせする「点検」ランプが点滅するモデルもあります。これは故障ではなく、「設計上の標準使用期間が近づいていますよ」というお知らせ機能ですね。
この場合は、通常通り使用できますが、メーカーに点検を依頼することが推奨されています。
私もお客様から「ランプが点滅して動かない!」とご相談を受けることがありますが、詳しくお話を聞くと、残さいフィルターの詰まりが原因だった、なんてこともよくあります。
まずは、点滅しているランプの種類や場所を確認して、取扱説明書と照らし合わせてみるのが解決への近道ですよ。
どのランプがどのように点滅しているかで、原因は大きく絞り込めます。
例えば、「強力」と「少量」のランプが同時に点滅している場合は水漏れの可能性が高い、というように、組み合わせで意味が決まっているんです。
まずは落ち着いて、どのランプが光っているかを確認してみてください。
エラーコード表示の意味を解説
ランプの点滅と合わせて、液晶画面に「U11」や「H21」といった英数字が表示されることがあります。これがエラーコードで、異常の内容をより具体的に示してくれています。
「U」から始まるコードは、利用者側で対処できる可能性のあるエラー(User error)を示唆していることが多いです。例えば、フィルターの掃除やホースの確認などで改善するケースですね。
一方で「H」から始まるコードは、部品の故障など、専門家による点検や修理が必要なエラー(Hardware error)の可能性が高いんです。
以下に、代表的なエラーコードとその内容をまとめてみました。
エラーコード | 主な原因 | 考えられる状態 |
---|---|---|
U10 / U11 | 給水・排水異常 | 給水されていない、または排水ができていない |
U12 | ドア開異常 | ドアが完全に閉まっていない |
H01~ | 各種センサー・部品異常 | 水位センサー、温度センサー、基盤などの故障の可能性 |
H21 | 水漏れ・泡センサー異常 | 本体からの水漏れや、洗剤の泡立ちすぎ |
これはあくまで一例です。
お使いの機種や製造年によってエラーコードの種類は異なりますので、必ずご自宅の食洗機の取扱説明書で正しい内容を確認してくださいね。
取扱説明書が見当たらない場合は、パナソニックの公式サイトで機種名(NP-〇〇など)を入力すれば、PDFで閲覧できますよ。
エラーコードは、いわば食洗機からのメッセージです。その意味を正しく理解することが、迅速なトラブル解決につながります。
止まらないピーピー音の原因は?
エラー表示と同時に鳴り響く「ピーピー」という警告音。これが続くと、結構気になりますし、焦ってしまいますよね。この音も、エラーの種類を知らせる重要なサインの一つなんです。
音が鳴る主な原因は、これまでお話ししてきたエラーと連動しています。
特に、運転中にドアを開けて5秒以上経過すると、閉め忘れを知らせるために警告音が鳴り、ランプが点滅します。これは故障ではなく、安全機能が働いている証拠ですね。
注意したいのは、台所用洗剤を間違って使ってしまったケースです。
食洗機用の洗剤と違って台所用洗剤は泡立ちがとても良いので、少量でも庫内が泡だらけになってしまいます。この泡が水漏れセンサーに触れてしまい、溢水異常として警告音が鳴り続けることがあるんです。
また、警告音のリズムや長さでエラーの内容を判別できる機種もあります。音が止まらない場合は、まず電源ボタンで運転を停止し、エラー表示を確認しましょう。
もし電源が切れない場合は、一時的なシステムの誤作動も考えられるので、最後の手段としてご家庭のブレーカーを一度落としてみるという方法もありますが、これは機器に負担をかける可能性があるので、頻繁に行うのはおすすめしません。
洗浄が途中で止まる時の状況
「朝起きたら、食洗機が途中で止まっていた…」なんて経験はありませんか?
洗浄サイクルが完了せずに停止してしまう場合、いくつかの原因が考えられます。最も多いのが、運転中に何らかのエラーを検知して、安全のために自動停止するパターンです。
例えば、こんな状況が考えられます。
途中で止まる症状が頻繁に起こる場合は、一度庫内を空にして、食洗機専用のクリーナーで「お手入れコース」や「強力コース」で運転してみるのもおすすめです。センサー周りの見えない汚れが取れて、症状が改善することがありますよ。
いずれにしても、途中で止まった場合は操作パネルに何らかのエラー表示(点滅やコード)が出ているはずです。まずはそのサインを見逃さないようにしましょう。
パナソニック食洗機のエラーが出た時の対処法

- まずはリセット方法を試してみよう
- U11エラーは排水口の詰まり
- H21エラーは泡や水漏れのサイン
- 節電・標準・予約が点滅したら
- フィルター掃除で直ることも
- 修理を依頼する前に確認すること
- エラーを防ぐための日々の使い方
さて、エラーの原因がある程度推測できたら、次はいよいよ対処法です。
専門の業者さんを呼ぶ前に、ご家庭で試せることは意外とたくさんあります。簡単な操作で直ることも多いので、ぜひチャレンジしてみてください。
ここでは、具体的なエラーの症状に合わせた対処法を詳しくご紹介していきます。
まずはリセット方法を試してみよう
エラー表示が出て動かなくなった時、まず一番最初に試していただきたいのが本体のリセットです。
人間も疲れたら休息が必要なように、食洗機も電子制御で動いているので、一時的なプログラムの混乱でエラーを起こすことがあるんです。
リセット方法はとても簡単です。
これだけで、何事もなかったかのように動き出すケースも少なくありません。
もし電源ボタンを押しても反応がない、フリーズしてしまった、という場合は、少し強制的な方法になりますが、食洗機の電源プラグをコンセントから抜いてみるのも有効です。
プラグを抜いて5分〜10分ほど放置することで、本体の電気回路が完全にリセットされます。その後、再びプラグを差し込んで電源を入れてみてください。
ただし、ビルトイン食洗機の場合はコンセントがシンク下や奥の見えない場所にあることが多く、抜き差しが大変な場合があります。無理に作業して他の配管を傷つけないよう、十分注意してくださいね。
ブレーカーを落とす方法もありますが、他の家電にも影響が出るので最終手段と考えましょう。
多くの機種には、特定の手順で操作することでエラー履歴をリセットする「強制リセット」の隠しコマンドのようなものが存在することもありますが、これはメーカーが推奨していない非公式な方法であることが多いです。
まずは、この「電源の入れ直し」と「コンセントの抜き差し」という基本的なリセット方法から試してみてください。
U11エラーは排水口の詰まり
パナソニック食洗機で最も頻発するエラーの一つが「U11」です。
これは「規定時間内に排水が完了しなかった」ことを意味しています。このエラーが出た時は、排水経路のどこかが詰まっている可能性が非常に高いです。
確認するべきポイントは3つあります。
長年使っていると、ホースの内部にヘドロのような汚れが溜まって詰まることもあります。もし可能であれば、一度ホースを外して中を水で洗い流してみると、驚くほど汚れが出てくることもありますよ。
U11エラーは、これらの物理的な詰まりを取り除くことで、ほとんどの場合が解決します。
修理を呼ぶ前に、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
H21エラーは泡や水漏れのサイン
「H」から始まるエラーコードは、専門的な修理が必要な可能性が高いとお伝えしましたが、「H21」に関しては、使い方を見直すことで改善する場合があります。
H21エラーが示す主な原因は2つです。
まず考えられるのが「泡の大量発生」です。
これは、手洗い用の台所用洗剤を誤って使用してしまった場合に起こります。
食洗機専用洗剤と比べて非常に泡立ちやすいため、庫内が泡だらけになり、その泡がセンサーに触れることで異常を検知するのです。

また、食器に付着した台所用洗剤を十分にすすがずに食洗機に入れてしまった場合も、同様の現象が起こることがあります。
このエラーが出た場合は、まず分岐水栓を閉め、電源プラグを抜いて30分ほど放置してみてください。泡が消えることで、エラーがリセットされることがあります。
もう一つの原因は「水漏れ」です。
これは本体内部の部品の劣化や破損により、水が漏れ出して底部の受け皿に溜まり、それをセンサーが検知している状態です。
この場合は、残念ながらご家庭での対処は難しく、専門家による点検・修理が必要になります。止水栓を閉めて、速やかに購入した販売店や修理窓口に連絡しましょう。
H21エラーが出たら、まずは「洗剤を間違えなかったかな?」と思い返してみて、心当たりがなければ水漏れを疑う、という流れで判断するのが良いと思います。
節電・標準・予約が点滅したら

エラーコードが表示されない機種で、「節電」「標準」「予約」といった複数のランプが同時に点滅することがあります。これは、特定の故障箇所を示唆するサインです。
特にこの「節電・標準・予約」の3つのランプが点滅する場合、多くのケースでヒーター関連の異常を示しています。食洗機は、水を温めたり、乾燥させたりするためにヒーターを使っていますが、その部分に不具合が生じている可能性が高いです。
具体的には、
などが考えられます。
このエラーは、乾燥の工程で発生することが多いようです。
「朝起きたら洗い終わっているはずなのに、食器が濡れたまま止まっていた」という場合は、このヒーター異常の可能性が考えられますね。
これらの部品は食洗機の内部、しかも電気系統に関わる部分にあるため、ご家庭で交換・修理するのは非常に危険で、専門的な知識と技術が必要です。分解してしまうと、メーカーの保証が受けられなくなる可能性もあります。
この点滅サインが出た場合は、残念ながらユーザー側でできることはほとんどありません。下手に触らず、速やかにプロに点検を依頼するのが最も安全で確実な方法と言えます。修理費用の目安を事前に確認しておくと安心ですね。
DIYで修理されている方もいらっしゃいますが、火災などのリスクも伴うため、基本的には専門家にお任せすることをおすすめします。
フィルター掃除で直ることも
これまで様々なエラーについて見てきましたが、ここで改めて強調したいのが「残さいフィルターの掃除」の重要性です。
先述のように、排水エラー(U11)の直接的な原因になることはもちろんですが、実は他のエラーを間接的に引き起こしている場合もあるんです。
例えば、フィルターが詰まって排水が滞ると、汚れた水が庫内に残りやすくなります。
その結果、
といった、様々な不具合につながる可能性があります。
たかがフィルター掃除、と侮ってはいけません。食洗機のコンディションを良好に保つための、最も基本的で最も効果的なメンテナンスなんです。
理想は、食洗機を使うたびに掃除すること。
面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば1分もかからない作業です。使い終わった後、まだ汚れが柔らかいうちにサッと洗い流す習慣をつけるのがおすすめです。
掃除の手順はとても簡単です。
と、これだけです。
もしエラーが出てしまったら、どんな症状であれ、まず最初に「フィルターはキレイかな?」と確認する癖をつけると、多くのトラブルを未然に防いだり、早期に解決したりすることができますよ。
修理を依頼する前に確認すること

いろいろ試してみたけれど、どうしてもエラーが解消しない…。そんな時は、いよいよ専門家への修理依頼を検討する段階です。
でも、電話をかける前に、いくつか確認しておきたいポイントがあります。これを整理しておくと、問い合わせがスムーズに進み、無駄な出費を防げるかもしれません。
特にエラーの状況を具体的に伝えることはとても重要です。
「いつから」「どんな操作をした時に」「どんな表示が出ているか」を整理しておくだけで、電話口での診断精度がぐっと上がりますよ。
どこに依頼する?
修理の依頼先は、主に以下の選択肢があります。
依頼先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
購入した販売店 | 購入履歴が残っており話が早い、独自の延長保証が使える場合も | 修理はメーカー委託になることが多い |
パナソニック修理窓口 | メーカー直営なので安心感が高い、部品の在庫が豊富 | 受付時間が限られる、修理費用が比較的高めな傾向も |
地域の修理業者 | 24時間対応など迅速な場合がある、費用が安いことも | 技術力にばらつきがある、業者選びが重要 |
一般的に、パナソニックの公式サイトでは、排水エラーの修理費用の目安が26,000円〜48,000円程度とされています(機種や状況による)。
使用年数が10年近く経っている場合は、修理費用と新品への交換費用を比較検討してみるのも一つの手ですね。最新のモデルは節水性や洗浄能力も向上しているので、長い目で見るとお得になる可能性もあります。
エラーを防ぐための日々の使い方
ここまでエラーの対処法について解説してきましたが、一番良いのは、もちろんエラーが起きないことです。日々のちょっとした心がけで、食洗機はもっと長持ちし、トラブルも格段に減らすことができます。
最後に、エラーを予防するための大切なポイントをいくつかご紹介しますね。
月に一度は「庫内クリーナー」でのお手入れを。
目に見えない配管内部の油汚れや水垢、カビなどをスッキリ洗浄してくれます。定期的なお手入れが、排水トラブルやニオイの予防にとても効果的ですよ。

毎日頑張ってくれる食洗機だからこそ、少しだけ気遣ってあげることで、その寿命は大きく変わってきます。大切な家電と長く付き合っていくために、ぜひ実践してみてください。
総括:パナソニック食洗機のエラー点滅時の確認事項
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。