冬にお部屋の空気をきれいにしようと空気清浄機をつけたら、なんだかスースーして寒いと感じたことはありませんか?
特に、加湿機能付きのモデルを使っていると「冷たい風が出てきて逆に部屋が冷える気がする…」なんてこともありますよね。せっかく快適な空間にしたくて使っているのに、寒さの原因になってしまったら本末転倒です。
実は、空気清浄機が寒く感じられるのにはちゃんとした理由があるんです。そしてその仕組みを理解すれば、ちょっとした工夫で冬でも快適に空気清浄機を使い続けることができますよ。
この記事では、空気清浄機から出る風の正体や寒く感じる原因から、具体的な対策、冬におすすめの置き場所、さらには最新の温風機能付きモデルまで、詳しく解説していきます。
空気清浄機が寒いと感じる原因と仕組みは?

「お部屋の空気をキレイにしたいだけなのに、どうして寒くなるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
まずは、空気清浄機がなぜ寒いと感じさせてしまうのか、その原因と基本的な仕組みについて一緒に見ていきましょう。
空気清浄機から出る風の正体
空気清浄機から出てくる風って、一体何なのでしょうか?
これは、ヒーターのように温められた風でも、エアコンのように冷やされた風でもないんです。基本的には「室内の空気を吸い込んで、フィルターできれいにして、そのまま送り返している」だけなんですね。
つまり、出てくる風の温度は、基本的にお部屋の室温と同じはずなんです。
ファンを使って空気を循環させているので、その風が直接肌にあたると、体感温度が下がって「寒い」と感じてしまう、というのが正体です。
夏場に扇風機の風にあたると涼しく感じるのと同じ原理ですね。特に冬場は少しの風でもひんやり感じやすいので、余計に寒さが気になるというわけなんです。
家電量販店でお客様とお話ししていても、「空気清浄機が部屋を冷やしている」と思われている方が意外と多いのですが、実際にはそういう仕組みではないんですね。
ですから、空気清浄機自体がお部屋を冷やしているわけではない、ということをまず知っておくと良いと思います。この点を理解するだけでも、寒さへの対策が考えやすくなります。
加湿空気清浄機の風が冷たい理由
「でも、うちの加湿機能付き空気清浄機からは、明らかに冷たい風が出ている気がするんだけど…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
それは気のせいではありません。実は、多くの加湿空気清浄機が採用している「気化式」という加湿方法に理由があります。
気化式の加湿器は、水を含んだフィルターにファンで風を当て、水分を蒸発させることでお部屋の湿度を上げます。このとき、水が蒸発する際に周りの熱を奪う「気化熱」という現象が起こるんですね。
お風呂上がりに体が濡れたままだと少し寒く感じますよね。
あれと同じです。
そのため、気化式の加湿機能を使っていると、空気清浄機から出てくる風は室温よりも少しだけ温度が低くなってしまうんです。
冬場に暖房で暖められた部屋でこの冷たい風にあたると、より一層「寒い!」と感じやすくなります。これが、特に加湿空気清浄機が寒いといわれる大きな理由なんですね。
ただ、気化式はヒーターを使わないので消費電力が少なく、吹き出し口が熱くならないので安全性が高いというメリットもあるんですよ。
冬は空気清浄機の風を寒く感じやすい
冬は、同じ風でも他の季節より寒く感じやすい、という点も大きく関係しています。
先ほどもお伝えしたように、空気清浄機の風は基本的にお部屋の空気そのものです。しかし冬は暖房を使っていても、天井付近と床付近では温度差が生まれやすいんです。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があるからですね。
空気清浄機は、床に近い場所から空気を吸い込むことが多いです。つまり、お部屋の中でも比較的冷たい空気を吸って、それを風として送り出している可能性があるんですね。
その風が、人の活動範囲である床に近い高さで体に当たると、ひんやりとした不快感につながりやすいんです。
また、冬は肌が乾燥しがちで、少しの空気の動きにも敏感になっています。夏であれば心地よいと感じる風も、冬では体の熱を奪う不快なものに感じてしまう。季節によって、同じものでも感じ方が変わってくるというのは、面白いポイントだと思います。
この感覚の違いを理解しておくことも、冬を快適に過ごすためのヒントになりますね。
空気清浄機で室温が下がるか
「じゃあ、空気清浄機を使うと、実際に室温は下がるの?」という疑問がわいてきますよね。
結論から言うと、空気清浄機自体が部屋全体の温度を大きく下げるほどのパワーはありません。
先述のように、加湿機能を使っている場合は気化熱によって吹き出し口の温度が少し下がりますが、部屋全体の温度を1度も2度も下げるような影響は考えにくいです。
ただし、体感温度には影響を与えます。
風が肌にあたることで、実際の室温よりも寒く感じさせてしまうんですね。
また、空気清浄機が部屋の空気を循環させることで、天井付近の暖かい空気と床付近の冷たい空気が混ざり合うことがあります。これにより、一時的に足元が寒く感じられたり、暖房の効きが悪くなったように感じたりすることはあるかもしれません。
「室温は変わらないはずなのに、なぜか寒い」と感じる場合は、この風による体感温度の低下と、空気の循環が原因である可能性が高いと考えられます。
ですので寒さ対策を考える上では、室温の数値よりも「いかに体に風を当てないか」が重要になってくるんです。
空気清浄機が寒い冬を乗り切る上手な使い方

空気清浄機が寒いと感じる理由がわかったところで、次は具体的な対策について見ていきましょう。
冬でも快適に空気清浄機を使いこなすための、ちょっとしたコツや工夫があるんです。置き場所を変えたり、使い方を見直したりするだけで、かなり体感が変わってくることもありますよ。
寒いと感じた時の対策
空気清浄機の風が寒いと感じたら、すぐに試せる対策がいくつかあります。
まずは、風量を「弱」や「静音」モードに設定することです。
風量が弱まれば、肌にあたる風の勢いも弱くなるので、寒さを感じにくくなります。お部屋の空気がきれいになれば自動で静かな運転に切り替わる「自動モード」に設定しておくのも良い方法ですね。
次に、風向きを調整できる機種であれば、人がいない方向や壁側に向けるのが効果的です。
風が直接体に当たらないようにするだけで、体感温度の低下をかなり防げます。ルーバーの向きを手動で変えられるモデルも多いので、ぜひ一度確認してみてください。
また、冬の間だけ加湿機能をオフにするというのも一つの手です。
どうしても気化熱による冷たい風が気になる場合は、加湿は別の加湿器に任せて、空気清浄機能だけに絞って使うことで、風の冷たさを軽減できます。もちろん、乾燥対策は重要なので、その場合はスチーム式など、部屋を冷やしにくいタイプの加湿器と併用するのがおすすめですね。
これらの対策を組み合わせることで、冬の寒さをかなり和らげることができると思います。
冬に空気清浄機を置くべき効果的な場所
近くは避ける
冬場に空気清浄機を置くなら、どこが一番効果的で、かつ寒さを感じにくいのでしょうか?
まず基本として、エアコンなどの暖房器具の近くは避けるのがベターです。
エアコンのセンサーが空気清浄機の風を誤検知して、暖房の効率が落ちてしまう可能性があるからです。エアコンを使う場合は、対角線上に置くなど、風が直接ぶつからない位置に設置するのが良いと思います。
そして、寒さ対策という観点では「部屋の隅」や「壁際」がおすすめです。
空気清浄機から出た風が一度壁に当たってから部屋全体に広がるようにすると、風が直接体に当たるのを防ぎ、寒さを感じにくくなります。
また、窓際に置くのも一つの方法です。
窓から入ってくる冷気を吸い込んでくれるため、お部屋の温度低下を少し和らげる効果も期待できるかもしれません。
逆に人が長時間過ごすソファやベッドのすぐ近くは、風が直接当たりやすいので避けた方が無難ですね。
お部屋全体の空気を効率よく循環させつつ、人に直接風が当たらない場所。これを意識して置き場所を探してみると、冬のベストポジションが見つかるはずです。
温風機能付き空気清浄機もおすすめ
「いろいろ対策するのは面倒!根本的に寒さを解決したい!」という方には、温風機能付きの空気清浄機が断然おすすめです。
これなら、空気をきれいにしながら同時に暖かい風で足元などを暖めることができるので、冬の寒い時期には本当に重宝します。
代表的なのは、ダイソンの「Dyson Purifier Hot+Cool」シリーズですね。
例えば、「Dyson Purifier Hot + Cool Gen1 HP10」は従来モデルよりもさらに進化したフィルターを搭載し、PM0.1レベルの微粒子はもちろん、有害なガスやホルムアルデヒドまで捕らえてくれます。
そして、パワフルな温風で冬はファンヒーターとして、夏は扇風機として一年中活躍してくれるのが最大の魅力です。
お値段は少し張りますが、一台で何役もこなしてくれることを考えると、選択肢に入れる価値は十分あると思います。家電量販店でも、冬場になると「これ一台で済むなら」と購入されるお客様は多いですね。
自分のライフスタイルやお部屋の広さに合わせて、こういった多機能モデルを検討してみるのも良いかもしれません。
加湿器と空気清浄機は別々に置くべき?
加湿空気清浄機一台で済ませるか、それとも加湿器と空気清浄機を別々に使うか、これは結構悩ましい問題ですよね。どちらにもメリットとデメリットがあるので、何を優先するかで答えは変わってくると思います。
一体型のメリット・デメリット
一体型のメリットは、何と言っても省スペースで済むことと、管理が一台分で楽なことです。コンセントも一つで済みますし、置き場所に困っている方には嬉しいポイントですね。
ただ、先述のとおり、気化式のモデルだと冬場は風が寒く感じられることがあります。
セパレート型のメリット・デメリット
一方、別々に置くメリットは、それぞれの性能を最大限に引き出せることです。空気清浄機は空気清浄に、加湿器は加湿に特化したモデルを選べます。
例えば、加湿器をスチーム式やハイブリッド式にすれば、お部屋を寒くすることなくパワフルに加湿できます。また、それぞれを最適な場所に置けるのも利点ですね。
デメリットは、やはり2台分の設置スペースとコンセントが必要になること、そしてお手入れの手間が2倍になることです。
寒さが特に気になる方や、加湿性能にもこだわりたい方は、別々に置くことを検討してみても良いかもしれません。
弱モード運転でも効果は期待できる?
「寒いから風量を弱めたいけど、それじゃあ空気をきれいにする効果が落ちるんじゃないの?」と心配になりますよね。
確かに、風量を「強」で運転した方が、お部屋の空気を素早く循環させて、一気にきれいにすることができます。花粉が大量に飛んでいる時期や、お掃除の直後などは、一時的に強運転するのが効果的です。
しかし、常に強運転し続ける必要はありません。一度お部屋の空気がきれいになってしまえば、あとはその状態を維持するのが空気清浄機の役目です。そのためには「弱」や「静音」モードの運転でも十分効果は期待できるんです。
最近の空気清浄機は性能がとても良いので、弱モードでも目に見えない微粒子をしっかりキャッチしてくれます。
一番のおすすめは、やはり「自動モード」での運転ですね。ホコリやニオイなどのセンサーがお部屋の空気の状態を常にチェックして、汚れている時だけパワフルに、きれいな時は静かに運転してくれます。
これなら、効果と快適性、さらには電気代の節約もできるので、一番賢い使い方だと思います。寒さを感じるときは、まず自動モードに設定して様子を見てみるのが良いのではないでしょうか。
窓開け換気と併用する時のポイント
冬でも、お部屋の空気を入れ替えるための換気は大切です。空気清浄機を使っていても、二酸化炭素や建材などから発生する化学物質(VOC)は除去できないため、定期的な換気は必要不可欠なんですね。
窓を開けて換気をする際は、空気清浄機をどうすれば良いか迷うかもしれません。基本的には、換気中も空気清浄機はつけたままにしておくのがおすすめです。なぜなら、窓を開けると外から花粉やPM2.5、ホコリなどが一緒に入ってきてしまうからです。
空気清浄機を運転させておくことで、入ってきた汚れを素早くキャッチして、お部屋が汚れるのを防いでくれます。
より効率的に行うなら、換気している窓から一番遠い場所に空気清浄機を置き、窓の方向に向けて運転すると良いでしょう。そうすることで、お部屋に入ってきた外の空気が、空気清浄機を通りながら部屋全体に行き渡るような空気の流れが作れます。
換気の時間は5分から10分程度で十分です。寒いからといって換気を怠るのではなく、空気清浄機と上手に連携させて、効率よくお部屋の空気をきれいに保ちましょう。
総括:寒い季節の空気清浄機との付き合い方
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。