夏の暑い日、久しぶりにエアコンをつけたらなんだか嫌な臭いが…。
そんな経験はありませんか?
慌ててエアコンクリーニングの業者を探してみるものの、たくさんありすぎてどこに頼めばいいのか迷ってしまいますよね。
「エアコンクリーニングで業者選びに失敗して後悔した」なんて話を聞くと、悪質な業者だったらどうしようと不安になる気持ち、とてもよく分かります。
そもそも、エアコンクリーニングは本当に必要なのでしょうか?
クリーニングをしないほうが良いケースもあるのでしょうか?
この記事では、家電量販店で働く私が、エアコンクリーニングの業者選びで失敗しないための知識を、分かりやすく解説していきます。
エアコンクリーニングで業者選びに失敗する原因

まずは、実際にどのような失敗例があるのか、具体的なトラブルや後悔した点について一緒に見ていきましょう。原因を知ることで、事前に対策を立てることができますよ。
エアコンクリーニングでよくある失敗例
エアコンクリーニングを頼んで「こんなはずじゃなかった」と感じるケースは、残念ながら少なくないんです。
店頭でお客様からお話を伺っていても、特に多いのが「汚れが完全に落ちていなかった」というものです。作業後に確認したら、吹き出し口の奥に黒いカビが残っていた、なんてことがあるんですね。これは、分解洗浄が不十分なまま作業を終えてしまったことが原因として考えられます。
また、クリーニング後にエアコンが故障してしまったという深刻な例もあります。
例えば、エアコンから変な音がするようになったり、冷房や暖房の効きが悪くなったりするケースです。これは、洗浄作業中に電子部品に水がかかってしまったり、部品を元通りに組み立てられなかったりする、業者の技術力不足が大きな原因だと思います。
その他にも、作業中に壁や床、カーテンなどを汚されてしまったというトラブルも耳にします。
本来であれば、作業前にはしっかりと養生(保護シートで覆うこと)をするのが基本です。この養生が雑だと、洗剤や汚水が飛び散ってしまい、お部屋を汚す原因になってしまうんです。安さを売りにしている業者の中には、こうした基本的な作業を省いて時間を短縮しようとするところもあるので、注意が必要ですね。
エアコンクリーニング業者との主なトラブル
基本料金は安く見せかけ、当日現場で「特殊な機種」「特別な汚れ」などと理由を付けて次々と追加オプションを勧め、高額な料金を請求するケース。
依頼前に必ず「追加料金が発生する可能性と、その条件」を明確に確認することが重要です。
洗浄作業中にエアコンの電子部品を故障させたり、養生が不十分で壁や床、家具を汚したり傷つけたりするケース。
万が一に備え、業者が「損害賠償責任保険」に加入しているか、事前に必ず確認しましょう。
業者とのトラブルで特に深刻なのは、やはり金銭面と物損に関するものではないでしょうか。
金銭トラブルで最も多いのは、高額な追加料金の請求です。
ウェブサイトに表示されていたのは安い基本料金で、当日現場に来てから「お使いの機種は特殊なので追加料金が必要です」「この汚れを落とすには特別な洗剤が要ります」などと、次々にオプションを勧められ、最終的に見積もりの倍以上の金額を請求された、というケースは後を絶ちません。
これを防ぐためには、依頼する前に必ず「追加料金が発生する可能性はあるか」「あるとすればどのような場合か」を明確に確認しておくことが大切です。誠実な業者であれば、事前に料金体系を丁寧に説明してくれますよ。
次に物損トラブルですが、先ほどもお伝えしたとおり、エアコン本体の破損やお部屋の汚損が挙げられます。
万が一のトラブルに備えて、業者が「損害賠償責任保険」に加入しているかどうかは、必ず確認してください。この保険に加入していれば、万が一の事故の際にも補償を受けることができます。公式サイトに保険加入の記載があるか、見積もり時に保険証券のコピーを見せてもらえるかなどを確認すると、より安心できると思います。
もし保険に未加入の業者に依頼してトラブルが起きると、当事者同士での解決が非常に困難になる可能性があります。
こんなはずじゃ…エアコンクリーニングで後悔
「エアコンクリーニングをして、かえって後悔した」というお話も、残念ながら耳にすることがあります。
その原因の多くは、業者選びの基準が「料金の安さ」だけになってしまっていることにあるように感じます。もちろん、費用を抑えたい気持ちはよく分かります。しかし、相場よりも極端に安い料金を提示している業者には、それなりの理由があると考えたほうが良いかもしれません。
例えば、「安さに惹かれて頼んだら、作業時間が30分ほどで終わり、本当にきれいになったのか不安が残った」というお客様がいらっしゃいました。
通常、エアコンクリーニングは分解から洗浄、組み立てまで、1台あたり1時間半から2時間程度かかるのが一般的です。あまりに作業時間が短い場合は、必要な工程を省略している可能性も考えられますね。
また、「クリーニング直後は良かったけれど、すぐに嫌な臭いが再発してしまった」というケースもあります。
これは、汚れの根本原因であるカビを完全に取り除けていないことが原因です。目に見える部分だけを簡単に掃除しただけでは、内部に残ったカビがすぐに繁殖してしまいます。こうした事態を避けるためにも、料金だけでなく、作業内容や実績、口コミなどを総合的に判断して業者を選ぶことが、後悔しないための鍵となります。
注意!悪質な業者の手口とは?
「このままでは大変なことに」「健康被害が」などと過度に危険性を強調し、冷静な判断をさせずに契約を急がせます。
「今だけ半額」「本日限定」といった謳い文句で、他社と比較検討する時間を与えずにその場で契約させようとします。
見積もりと称して家に入り、わざとエアコンを故障させ、高額な修理契約を結ばせようとする最も悪質なケースです。
悪質な業者は、私たちの専門知識がないことや、エアコンの汚れに対する不安な気持ちにつけ込んできます。その手口は巧妙で、気づかないうちにお金を使わせようとするので、本当に注意が必要なんです。
典型的なのは、「今すぐやらないと大変なことになりますよ」と過度に不安を煽る手口です。「このカビを放置すると、健康被害が出ますよ」とか「このままでは火事になる危険性があります」といった言葉で契約を急かせるんですね。もちろん、カビやホコリは良くないものですが、ことさらに危険性を強調して冷静な判断をさせなくするのは、悪質な業者の常套手段と言えます。
「今だけ半額キャンペーン」や「本日限定の特別価格」といった謳い文句にも注意が必要です。お得に聞こえますが、これは他社と比較検討する時間を与えずに、その場で契約させるためのテクニックであることが多いです。本当に良いサービスを提供している業者であれば、消費者がじっくり比較検討することを嫌がったりはしません。
そして最も悪質なのが、見積もりと称して家に入り込み、わざとエアコンを故障させて修理契約を結ばせようとする手口です。これはもう詐欺に近い行為ですね。信頼できる業者かどうかを見極めるためにも、突然訪問してくる業者や、電話でしつこく勧誘してくる業者は、まず疑ってかかる姿勢が大切だと思います。
エアコンクリーニングはしないほうが良いの?
「業者選びが難しいなら、いっそエアコンクリーニングはしないほうが良いの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
結論から言うと、基本的には1~2年に一度の専門業者によるクリーニングは、エアコンを快適に長く使うためにとても有効です。フィルター掃除だけでは取り除けない、内部のホコリやカビを徹底的に除去できるからですね。これにより、嫌な臭いが解消されたり、冷暖房の効率が上がって電気代の節約につながったりするメリットがあります。
ただし、状況によってはクリーニングをしないほうが良い、あるいは慎重になるべきケースも存在します。
その代表例が、製造から10年以上経過している古いエアコンです。家電の部品は、メーカーが保有する期間が製造終了後およそ10年と決まっています。そのため、万が一クリーニング作業中に部品が破損しても、交換部品がなくて修理できない可能性があるんです。業者によっては、10年以上前の機種は保証の対象外としているところも多いので、依頼する前に必ず確認が必要です。
また、ご自身でフィルターや吹き出し口の掃除をこまめに行っている場合、内部がそれほど汚れていないこともあります。一度、懐中電灯などで吹き出し口の奥を覗いてみて、カビやホコリが見えなければ、まだクリーニングの必要はないかもしれません。
無理にクリーニングを頼む必要はないので、ご自宅のエアコンの状態を一度チェックしてみることをおすすめします。
エアコンクリーニング業者で失敗しない選び方

ここまで失敗例や注意点について見てきましたが、ここからは視点を変えて、どうすれば信頼できる優良な業者を見つけられるのか、具体的な選び方のポイントを解説していきますね。
これを読めば、きっとあなたにピッタリの業者が見つかるはずです。
業者選びで特に注意すること
公式サイトなどで料金に含まれる作業範囲や、追加料金が発生するケースが具体的に明記されているかを確認しましょう。
万が一のエアコンの故障や家財の破損に備えて、業者が保険に加入しているかは必ずチェックすべき重要な項目です。
公式サイトに写真付きの具体的な作業事例が多数掲載されているかは、技術力と経験を判断する良い材料になります。
信頼できる業者を選ぶためには、いくつか押さえておきたいチェックポイントがあります。私がもしプライベートで頼むなら、ここは必ず確認するという点をいくつかご紹介しますね。
まず第一に、料金体系が明確であることです。
公式サイトやチラシに「エアコンクリーニング一式 〇〇円」と書かれているだけでなく、その料金にどこまでの作業が含まれているのか、追加料金が発生するケースはあるのかといった詳細がきちんと記載されているかを確認しましょう。「お掃除機能付き」や「天井埋め込み型」など、機種によって料金が変わるのが一般的ですので、ご自宅のエアコンのタイプに合った料金を確認することが大切です。
次に、先ほどもお伝えしたとおり、「損害賠償責任保険」に加入しているかどうかは絶対に外せないポイントです。
万が一の物損事故や故障に備えるためにも、保険加入の有無は必ず事前に確認してください。優良な業者であれば、公式サイトに保険加入を明記していたり、問い合わせれば快く教えてくれたりするはずです。
そして、施工実績が豊富かどうかも重要な判断基準になります。
公式サイトに、写真付きで具体的な作業事例がたくさん掲載されている業者は、それだけ経験が豊富で、技術力に自信がある証拠とも言えます。お客様の声や口コミも参考になりますが、良いことばかり書かれている場合は少し注意して、様々な意見を比較検討するのが良いと思います。
おすすめのエアコンクリーニング業者の特徴
作業前にエアコンの状況や気になる点を確認し、作業内容を分かりやすく説明してくれる業者は信頼できます。
安全性の高い洗剤の使用など、使用する道具について情報開示している業者はサービスの質が高いと考えられます。
クリーニング後に不具合があった場合に、無料で再作業などをしてくれる保証制度があると非常に安心です。
では、具体的にどのような特徴がある業者が「おすすめ」と言えるのでしょうか。私が考える優良な業者の共通点をいくつか挙げてみますね。
一つ目は、作業前のヒアリングや説明がとても丁寧なことです。
作業を始める前に、エアコンの年式や動作状況、気になる点などをきちんと確認してくれます。そして、これから行う作業内容や、どの範囲まで分解して洗浄するのかを分かりやすく説明してくれる業者は、とても信頼できると思います。
二つ目に、使用する洗剤や機材について、きちんと情報開示している点です。
環境や人体への影響が少ない、安全性の高い洗剤を使用していることをアピールしている業者は、サービスの質に対する意識が高いと考えられます。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、気になるポイントですよね。
三つ目は、アフターフォローや保証制度がしっかりしていることです。
クリーニング後に万が一不具合が発生した場合に、無料で再作業や点検をしてくれる保証が付いていると、とても安心です。保証期間や内容についても事前に確認しておくと良いでしょう。
これらの特徴は、料金の安さだけでは測れない「安心感」につながります。業者選びで迷ったときは、価格だけでなく、こうしたサービスの質にも目を向けてみてください。
エアコンクリーニング業者の値段と相場
最も一般的な家庭用エアコンのタイプです。料金も比較的リーズナブルな設定になっています。
内部構造が複雑で分解に専門知識と手間がかかるため、通常タイプより料金が高くなります。
業務用などで見られるタイプ。分解や高所での作業が必要なため、最も高額な料金設定です。
カビの発生を抑える抗菌コートや、節電効果が期待できる室外機の洗浄などが主な内容です。
エアコンクリーニングを頼むにあたって、やはり一番気になるのは料金ですよね。業者によって価格には幅がありますが、大まかな相場を知っておくことで、高すぎる業者や、逆に安すぎて不安になる業者を見分ける一つの基準になります。
一般的な壁掛けタイプのエアコンであれば、1台あたり8,000円から15,000円程度が相場と言えるでしょう。フィルターを自動でお掃除してくれる機能が付いた「お掃除機能付きエアコン」は、構造が複雑で分解に手間がかかるため、料金も高くなります。こちらの相場は、1台あたり15,000円から25,000円程度です。
また、多くの業者では、カビの発生を抑える「抗菌コート」や、室外機のクリーニングなどをオプションとして用意しています。これらのオプション料金は、それぞれ3,000円から5,000円程度が相場です。
ここで注意したいのが、相場よりも極端に安い価格を提示している業者です。
例えば「1台3,000円」などの価格は、一見魅力的に感じますが、基本的な洗浄が不十分であったり、後から高額な追加料金を請求されたりするケースも考えられます。
安さには必ず理由があるということを念頭に置いて、料金だけでなくサービス内容もしっかり比較検討することが大切ですね。
おすすめのエアコンクリーニングの時期
エアコンを使わないオフシーズンは、業者の予約が取りやすく、料金もお得なキャンペーンを実施している場合があります。計画的な依頼に最適です。
冷房を使い始める繁忙期は依頼が殺到します。予約が数週間先まで埋まっていたり、料金が割高になったりする可能性が高いです。
エアコンクリーニングって、いつ頼むのが一番良いと思いますか?
実は、依頼する時期によって予約の取りやすさや料金が大きく変わってくるんです。
一番のおすすめは、エアコンを本格的に使い始める前の春(4月~5月)と、使い終わった後の秋(9月~10月)です。
この時期は、いわゆる「オフシーズン」にあたり、業者さんのスケジュールにも比較的余裕があります。そのため、希望の日時で予約が取りやすいという大きなメリットがあるんです。さらに、業者によっては「早割キャンペーン」などを実施していることもあり、繁忙期よりもお得にクリーニングを頼める可能性があります。
逆に、最も避けたほうが良いのは、夏の繁忙期である6月から8月にかけてです。
この時期は、冷房を使おうとしてエアコンの不調や臭いに気づく人が急増するため、クリーニングの依頼が殺到します。そうなると、予約が数週間先まで埋まってしまったり、通常よりも料金が高く設定されていたりすることが多いんですね。
「暑くて今すぐキレイにしてほしいのに!」と思っても、すぐに対応してもらえない可能性が高いんです。
冬の暖房を使い始める前の秋にクリーニングをしておけば、ホコリやカビがない状態で、気持ちよく冬を迎えることができます。計画的にオフシーズンを狙って依頼するのが、賢い選択と言えるでしょう。
業者に頼むエアコンクリーニングの頻度
使用頻度が標準的な寝室や子供部屋などのエアコンは、1〜2年に1回のクリーニングが基本的な目安です。
リビングなど使用時間が長い、ペットがいる、喫煙者がいるご家庭では汚れが溜まりやすく、1年に1回がおすすめです。
吹き出し口を覗いて黒いカビが見えたり、酸っぱい臭いがしたりしたら、使用期間に関わらずクリーニングの時期です。
「エアコンクリーニングって、どのくらいの頻度でやればいいの?」というご質問も、店頭でよくお受けします。
これについては、エアコンの使用状況やお部屋の環境によって大きく変わってくるので、一概に「何年に1回」と断言するのは難しいのですが、一般的には「1~2年に1回」が目安とされています。
例えば、リビングなど毎日長時間エアコンを使用する部屋や、ペットを飼っているご家庭、タバコを吸う方がいるお部屋のエアコンは、汚れがたまりやすい傾向にあります。このような場合は、1年に1回のクリーニングをおすすめします。一方で、寝室や子供部屋など、使用時間が比較的短いエアコンであれば、2~3年に1回程度でも問題ないかもしれません。
頻度を判断する一番分かりやすいサインは、エアコンの吹き出し口の状態です。
懐中電灯などで中を照らしてみて、黒い点々としたカビが見えたり、酸っぱいような嫌な臭いがしたりする場合は、使用頻度に関わらずクリーニングのタイミングです。そのまま使い続けると、カビの胞子を部屋中にまき散らしてしまうことにもなりかねません。
ご自身でのフィルター掃除は2週間に1回程度行い、専門業者による内部の分解洗浄は1~2年に1回、というサイクルを基本に考えると良いのではないでしょうか。
大手と個人の業者比較ポイント
- 研修制度が整っており品質が安定
- 保証やアフターフォローが手厚い
- ウェブサイトでの予約が簡単
- 料金が比較的高め
- 作業担当者を選べない
- マニュアル通りの対応で融通が利きにくい
- 料金が比較的安い傾向
- 代表者が直接作業することが多く技術力が高い
- 日程など柔軟な対応が期待できる
- 業者によって技術や対応の差が大きい
- 損害賠償保険に未加入の場合がある
- ウェブサイトがないなど情報が少ない
エアコンクリーニング業者には、全国展開しているような「大手」と、地域に密着して営業している「個人」の業者があります。
どちらが良い、悪いということはなく、それぞれにメリットとデメリットがあるんです。何を重視するかによって、どちらが自分に合っているかが変わってきます。
大手業者の最大の魅力は、やはり「安心感」だと思います。
研修制度がしっかりしているので、どの担当者が来ても一定水準以上のサービスが期待できますし、万が一のトラブルの際の保証も手厚いことが多いです。
一方、個人業者の魅力は、料金の安さと対応の柔軟性です。
経験豊富な代表者が自ら作業してくれることも多く、高い技術力が期待できる場合があります。また、大手では対応できないような難しい機種や、急な日程変更にも柔軟に対応してくれることがあるかもしれません。
ただし、個人業者は良くも悪くも「当たり外れ」が大きいのが実情です。
素晴らしい技術と人柄の業者さんもたくさんいますが、中には残念ながらそうでない業者さんもいます。個人業者に依頼する場合は、特に口コミや実績を念入りに調べて、信頼できるかどうかを慎重に見極める必要がありますね。
総括:エアコンクリーニングで失敗しない業者の選び方
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。