「エアコンのフィルター掃除をしても、効果が全然違うなんてことあるの?」
「掃除って面倒だけど、本当に電気代や効きが変わるのかな…」
今あなたは、こんな風に感じてエアコンのフィルター掃除について調べているのではないでしょうか。
実は、フィルター掃除をするかしないかで、エアコンの性能は驚くほど変わるんです。正しいやり方で掃除すれば、電気代の節約につながり、お部屋も快適な温度に保ちやすくなります。
この記事では、家電量販店で働く私が、エアコンのフィルター掃除で効果が全然違う理由から、具体的な掃除方法、適切な頻度まで、皆さんの疑問にまるっとお答えしていきますね。
エアコンのフィルター掃除で効果が全然違う理由

ここでは、掃除をすることで得られる具体的なメリットや、逆に掃除をしないとどうなってしまうのか、その理由を一つひとつ詳しく見ていきましょう。
これを読めば、きっと今すぐフィルター掃除がしたくなるはずです。
エアコンフィルター掃除は意味ないって本当?
「フィルター掃除なんて意味ないよ」なんて声を聞いたことがあるかもしれませんが、それは大きな誤解なんです。私がお仕事でお客様とお話ししていても、この点はよく話題にのぼりますね。
エアコンは室内の空気を吸い込んで、その空気を冷やしたり温めたりして、またお部屋に戻すという仕組みで動いています。
その空気の通り道にあるのがフィルターです。フィルターは空気中のホコリやチリなどをキャッチしてエアコン内部に汚れが入るのを防ぐ、とても大切な役割を担っています。
もしフィルターがホコリで目詰まりしてしまうと、エアコンは空気をスムーズに吸い込むことができなくなります。そうなると設定温度にするためにより多くのパワーが必要になり、結果的に無駄な電力を消費してしまうんです。
また、内部の清潔さを保つためにもフィルター掃除は欠かせません。フィルターを通り抜けた細かいホコリが内部に蓄積すると、カビや嫌なニオイの原因になることもあります。ですから、エアコンを快適にそして経済的に使い続けるために、フィルター掃除は非常に効果的だと言えるんですね。
エアコンフィルター掃除で電気代は安くなる?
これは皆さんが一番気になるところじゃないでしょうか。
答えはもちろん「イエス」です。
環境省のデータによると、2週間に1度フィルターを掃除した場合、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減につながるとされています。
数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、これはあなどれません。例えば夏の間に毎日エアコンを使うご家庭なら、シーズンを通して考えると数千円単位の節約になる可能性も十分にあります。電気代が気になる今、これはとても嬉しいポイントですよね。
なぜ安くなるのかというと、先ほどもお伝えしたとおり、フィルターの目詰まりが解消されることでエアコンが効率良く空気を循環させられるようになるからです。少ない力で設定温度までお部屋を快適にできるため、余計な電力を使わずに済む、というわけです。
お客様からも、「フィルターを掃除したら、なんだか電気代が少し安くなった気がする」というお声をいただくことは少なくありません。小さな手間に見えて、実はお財布にも優しいのがフィルター掃除の大きな魅力なんです。
フィルター掃除でエアコンの効きが良くなる訳
「最近、エアコンの効きが悪いな…」と感じたら、まずチェックしてほしいのがフィルターです。フィルター掃除をすると、エアコンの効きが劇的に改善されることがよくあります。
その理由は空気の循環量にあります。フィルターがホコリで詰まっていると、エアコンが吸い込める空気の量が減ってしまいます。当然吹き出す冷たい風や温かい風の量も少なくなるため、「設定温度を下げてもなかなか涼しくならない」「暖房が効かない」といった状況に陥ってしまうのです。
フィルターをきれいに掃除すると、この空気の流れがスムーズになります。エアコンは本来の性能を取り戻し、パワフルに冷暖房を行うことができるようになります。
実際にフィルター掃除をしたお客様からは、「掃除しただけで、まるで新品みたいに風が出るようになった」「今までより低い設定温度でも十分快適になった」といった喜びの声をよく聞きます。エアコンの効きに不満があるなら、修理や買い替えを考える前に、まずはフィルター掃除を試してみることを強くおすすめします。
フィルターを10年間掃除しないとどうなる?
考えるだけでも少し怖いですが、もし10年間フィルターを掃除しなかったらエアコンはどうなってしまうのでしょうか。これはかなり深刻な事態を引き起こす可能性があります。
まずフィルターはホコリで完全に目詰まりし、石のように硬くなってしまうかもしれません。そうなると空気はほとんど流れなくなり、冷暖房機能は著しく低下します。エアコンは常にフルパワーで運転しようとするため、電気代は高騰しモーターにも大きな負担がかかり続けます。
さらに問題なのは内部の状態です。フィルターでキャッチしきれなかったホコリや、フィルター自身から発生したカビの胞子がエアコン内部に侵入し、熱交換器やファンにびっしりと付着します。湿気とホコリが組み合わさることで内部はカビの温床となり、運転するたびに嫌なニオイとカビの胞子をお部屋にまき散らすことになりかねません。
最悪の場合、ホコリが原因で内部のセンサーが誤作動を起こしたり、排水用のドレンホースが詰まって水漏れを引き起こしたりすることもあります。最終的には、エアコン本体の故障につながり、高額な修理費用や買い替えが必要になる可能性が非常に高いです。
ここまでくると、ご家庭での掃除では対応できず専門業者による分解洗浄が必要になりますね。
驚きの節電効果!環境省も推奨する清掃
先ほど電気代が安くなるお話をしましたが、この節電効果は国も認めているところなんです。
環境省が推進する「COOL CHOICE(クールチョイス)」という地球温暖化対策のための国民運動の中でも、エアコンのフィルター清掃は具体的なアクションとして推奨されています。
具体的には、「フィルターが目詰まりしているエアコンでは冷房効果が弱まり、無駄な電気を消費してしまう」「2週間に一度の清掃で、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になる」と明記されています。これは家庭の省エネ対策として誰でも手軽に始められて、かつ効果が高い方法であることの証明と言えるでしょう。
たったこれだけのことですが、日本中の家庭が実践すれば国全体として大きなエネルギー削減につながります。つまり、エアコンのフィルター掃除は家計を助けるだけでなく、環境保護にも貢献できる素晴らしいアクションなんです。
「自分の家のことだけじゃないんだ」と考えると、少し掃除のモチベーションも上がりませんか。お財布にも地球にも優しいフィルター掃除、ぜひ習慣にしていきたいものですね。
掃除したのに効かないのは他の原因かも
「フィルターはピカピカに掃除したのに、なぜかエアコンの効きが悪いまま…」というケースも、残念ながらあります。その場合、フィルター以外の部分に問題が隠れている可能性が考えられます。
考えられる原因はいくつかあります。
もしご自身で確認できる室外機の周りの整理やリモコン設定の見直しをしても改善しない場合は、無理せず専門の業者に相談することをおすすめします。
特に冷媒ガスに関するトラブルは専門的な知識と技術が必要になるため、ご自身で対処するのは危険です。
全然違う効果を出すエアコンフィルター掃除のやり方

さて、フィルター掃除の重要性がわかったところで、次は具体的な掃除の方法を見ていきましょう。
「やり方がよくわからない」「なんだか難しそう」と感じている方もご安心ください。基本的な手順さえ覚えれば誰でも簡単にできます。
ここでは基本から応用まで、効果が全然違う掃除のコツを丁寧にご紹介しますね。
基本的なエアコンフィルターの掃除のやり方
それでは、一番基本的なフィルターの掃除手順を説明します。作業を始める前に、安全のために必ずエアコンの電源プラグを抜いておいてくださいね。
掃除機だけでOK?簡単な掃除方法を紹介
「水洗いして乾かすのは時間がかかって面倒…」という方もいらっしゃいますよね。もちろん、掃除機だけで済ませる簡単な方法もあります。
基本的な掃除の頻度としては2週間に1度が理想ですが、毎回水洗いするのは大変かもしれません。そこで、普段の簡単なお手入れとして「掃除機がけだけ」を取り入れるのは、とても良い方法だと思います。
やり方は、先ほどの基本手順の「1.フィルターを外す」と「2.掃除機でホコリを吸い取る」までを行うだけです。フィルターの表側から、丁寧にホコリを吸い取ってあげましょう。これだけでも、何もしないのと比べれば、空気の通りは格段に良くなります。
ただし、掃除機だけでは、フィルターの目に詰まった細かなホコリや、油分を含んだベタベタした汚れまでは取り除くことができません。ですから、普段は掃除機だけで済ませる場合でも、月に1回程度は、時間のある時に水洗いまで行うのがおすすめです。
「掃除機がけ」と「水洗い」を上手に組み合わせることで、無理なくフィルターを清潔に保つことができますよ。
頑固な汚れに効く洗剤を使った掃除方法
キッチンの近くに設置しているエアコンなど、油汚れがひどくて水洗いだけではベタつきが取れない場合があります。そんな時は、中性洗剤の力を借りましょう。
注意点として、アルカリ性や酸性の洗剤はフィルターを傷めてしまう可能性があるので、必ず「中性洗剤」を使ってください。 食器用洗剤の多くは中性なので、ご家庭にあるもので代用できます。
洗剤を使うのは、あくまで「水洗いでは落ちない頑固な汚れがある時」のスペシャルケアと考えてくださいね。
エアコンフィルター掃除に最適な頻度とは
フィルター掃除の最適な頻度は、エアコンの使用状況やお部屋の環境によって変わってきます。
一般的に推奨されているのは「2週間に1回」です。これは環境省も推奨している頻度で、節電効果を維持しエアコンを清潔に保つための理想的なペースと言えます。
ただしこれはあくまで目安です。例えばペットを飼っているご家庭や、人の出入りが多いリビング、キッチンの近くなど、ホコリや油煙が多い環境ではもう少し頻繁に、1週間に1回程度チェックした方が良いかもしれません。
逆に寝室などあまり使わない部屋のエアコンであれば、月に1回程度でも大丈夫な場合があります。
一番良いのは、ご自身で一度フィルターの状態を確認してみて汚れ具合を把握することです。2週間後にチェックしてみて、「まだ全然汚れていないな」と感じれば月1回に、「もうホコリがびっしり!」ということであれば頻度を上げるなど、ご家庭の状況に合わせて調整するのが賢い方法ですね。
フィルター自動掃除機能は本当に必要か?
最近のエアコンには、フィルターを自動でお掃除してくれる機能が付いたモデルがたくさんありますよね。パナソニックの「ナノイーX」搭載モデルや、ダイキンの「うるさらX」シリーズなどが有名です。これ、家電量販店でも「本当に必要?」とよく聞かれるポイントなんです。
この機能は、フィルターに付着したホコリをブラシでかき取り、ダストボックスに溜めたり屋外に排出したりしてくれるというもの。定期的にお手入れの手間が省けるので、とても便利な機能であることは間違いありません。
しかし注意点もあります。
まず自動掃除機能が掃除してくれるのは、あくまで「フィルター表面のホコリ」だけです。油汚れやタバコのヤニといったベタベタした汚れは取り除くことができません。そのためキッチンの近くなどで使う場合は、結局自分で水洗いする必要が出てきます。
また、ホコリを溜めておくダストボックスは定期的に自分でゴミを捨てなければなりません。これを忘れると、せっかく集めたホコリが溢れてしまいます。一般的には1年に1回程度のお手入れが推奨されていますね。
ですから「自動掃除機能があれば、メンテナンスが一切不要になる」というわけではないんです。この機能を過信せず、定期的にフィルターの状態をチェックし、必要であれば手動での掃除やダストボックスのお手入れをすることが大切です。
面倒な時は業者に頼むのも賢い選択
「掃除がどうしても苦手」「高い場所での作業が不安」「忙しくて時間がない」という場合は、プロの業者に頼むのも一つの賢い選択肢です。
エアコンクリーニングの専門業者は、専用の道具と洗剤を使ってフィルターはもちろん、ご家庭では難しいエアコン内部の熱交換器やファンまで徹底的に分解洗浄してくれます。
料金は業者やサービス内容によって異なりますが、一般的な壁掛けタイプのエアコンで1台あたり1万円から1万5千円程度が相場です。お掃除機能付きのモデルは構造が複雑なため、プラスで5千円から1万円ほど高くなることが多いですね。
費用はかかりますが、プロに任せるメリットは大きいです。
特に何年も掃除をしていないエアコンや内部からカビのニオイがするような場合は、一度プロにリセットしてもらうのがおすすめです。その後、自分で定期的にフィルター掃除を続けることで、きれいな状態を長く保つことができますよ。
総括:エアコンのフィルター掃除で効果は全然違う
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。