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賃貸の古いエアコンを交換してほしい人必見の交渉術完全ガイド!

賃貸 エアコン 古い 交換してほしい1 エアコンの豆知識

賃貸物件で古いエアコンの冷房効果が悪くて困っている方や、異音や異臭に悩まされている方は多いのではないでしょうか?
特に夏場の暑い時期になると、エアコンが古いことで快適な生活を送れずに悩んでしまいますよね。

賃貸のエアコンが古い場合、交換してほしいと思うのは当然のことです。しかし、実際に大家さんや管理会社に相談するとなると、どのように話を進めればよいのか分からずに迷ってしまう方も多いでしょう。

エアコンの交換は高額な費用がかかるため、大家さんに断られてしまうケースも少なくありません。そんなとき、どのような方法で交渉すれば成功率を高められるのでしょうか。

また、賃貸物件では契約内容によってエアコンの取り扱いが大きく異なります。付帯設備なのか残置物なのかによって、交換義務の有無も変わってくるのです。

この記事では、賃貸の古いエアコンを交換してほしい場合の具体的な対処法から、交渉を成功させるためのタイミングや準備方法まで、実践的な情報を詳しくお伝えします。

この記事のポイント
  • 賃貸物件でエアコン交換の義務が発生する条件
  • 交換費用の負担者を決める判断基準と無料交換の可能性
  • 大家さんとの交渉を成功させるためのタイミングと戦略
  • 契約書の確認ポイントと交換交渉時に必要な準備

賃貸のエアコンが古い!交換してほしい時の対処法

クリーン家電ガイド:イメージ

賃貸物件でエアコンが古くて困っている方のために、まずは基本的な対処法から確認していきましょう。
エアコンの交換時期の目安や費用負担について、正しい知識を身につけることで適切な判断ができるようになります。

賃貸物件の古いエアコンは何年で交換してもらえる?

賃貸物件でのエアコン交換時期について、多くの方が気になるポイントですよね。一般的にエアコンの法定耐用年数は6年とされており、この年数を超えた機器については大家さんに交換を相談できる可能性があります。

ただし、6年を過ぎたからといって自動的に交換してもらえるわけではありません。まず確認が必要なのは、エアコンが賃貸借契約書に「付帯設備」として記載されているかどうかです。

契約書や重要事項説明書にエアコンの記載があれば、これは大家さんの所有物となり、修繕義務も大家さんが負うことになります。一方で、前の入居者が残していった「残置物」の場合は状況が変わります。残置物については、大家さんに交換義務がないケースが多いのです。

実際の交換判断では、使用年数だけでなく機器の状態も重要な要素となります。冷暖房の効きが悪い、異音がする、カビの臭いがするといった具体的な不具合があれば、6年以内でも交換に応じてもらえる場合があります。

また、10年以上前の古いエアコンについては、メーカーの修理部品保有期間を超えている可能性があります。多くのメーカーは製造終了から10年間は部品を保有していますが、それを過ぎると修理が困難になり、交換が必要となる場合が多いのです。

無料で交換してもらえる?

エアコンの交換費用について、誰が負担するかは設備の性質や交換理由によって決まります。付帯設備として契約書に明記されているエアコンの場合、経年劣化や故障による交換は原則として大家さんの負担となります。

これは民法第606条で定められた「賃貸人の修繕義務」に基づくものです。つまり、正当な理由がある交換については無料で対応してもらえることが期待できます。

しかし、入居者の都合による交換は話が違ってきます。「省エネ性能の高い機種に変えたい」「デザインが気に入らない」といった理由での交換は、入居者の自己負担となるケースがほとんどです。

交換費用の相場としては、一般的なルームエアコンで工事費込み10万円から20万円程度を見込んでおく必要があります。機種のグレードや設置条件によって金額は変動しますが、決して安い買い物ではありません。

注意したいのは、大家さんの許可なく勝手に交換してしまった場合の扱いです。本来であれば大家さん負担となるべき費用も、無断で行った場合は自己負担になってしまう可能性があります。

残置物のエアコンについては、基本的に入居者の自己負担での交換となります。この場合も、交換前には必ず大家さんや管理会社に許可を取ることが欠かせません。

交換してくれない場合

交換してくれない場合の対処法
交換してくれない場合の対処法
ステップ 対処法 具体的な内容・ポイント
STEP 1 理由の確認 断られた理由を明確にする。残置物扱い・使用に問題なし・費用面の懸念など、理由によって対応策が変わるため冷静に状況を整理することが重要。
STEP 2 記録の作成 交渉の経緯をメールや書面で記録として残す。エアコンの不具合は写真・動画で証拠を保存。後々のトラブル防止や専門機関への相談時に必要。
STEP 3 第三者への相談 消費者センター・法テラスなどの公的機関に相談。賃貸契約の内容や設備の修繕義務について第三者の視点からアドバイスを受けられる。
STEP 4 代替案の提示 入居者負担での交換を提案。退去時の取り扱い(買取・撤去)を事前に明確化することでトラブルを防止。新しいエアコンは大家さんにもメリット。
STEP 5 最終手段 退去の意向を伝える方法もあるが、関係悪化のリスクを伴うため慎重に判断。長期入居者の場合は一定の効果が期待できる場合もある。
STEP 1
理由の確認
断られた理由を明確にする。残置物扱い・使用に問題なし・費用面の懸念など、理由によって対応策が変わるため冷静に状況を整理することが重要。
STEP 2
記録の作成
交渉の経緯をメールや書面で記録として残す。エアコンの不具合は写真・動画で証拠を保存。後々のトラブル防止や専門機関への相談時に必要。
STEP 3
第三者への相談
消費者センター・法テラスなどの公的機関に相談。賃貸契約の内容や設備の修繕義務について第三者の視点からアドバイスを受けられる。
STEP 4
代替案の提示
入居者負担での交換を提案。退去時の取り扱い(買取・撤去)を事前に明確化することでトラブルを防止。新しいエアコンは大家さんにもメリット。
STEP 5
最終手段
退去の意向を伝える方法もあるが、関係悪化のリスクを伴うため慎重に判断。長期入居者の場合は一定の効果が期待できる場合もある。

大家さんにエアコン交換を断られてしまった場合、いくつかの対処法があります。まずは冷静に状況を整理し、適切なアプローチを検討することが大切です。

最初に確認すべきは、交換を断られた理由を明確にすることです。エアコンが残置物扱いなのか、まだ使用に問題がないと判断されたのか、費用面での懸念があるのかを把握しましょう。

交渉が難航している場合は、第三者機関への相談も選択肢の一つです。消費者センター法テラスといった公的機関では、賃貸契約に関する相談を無料で受け付けています。特に法的根拠があるにも関わらず対応してもらえない場合は、専門家のアドバイスが役立つでしょう。

交渉の経緯を記録として残しておくことも大切です。口頭でのやり取りだけでなく、メールや書面でのやり取りを心がけることで、後々のトラブル防止に繋がります。エアコンの不具合については、写真や動画での記録も効果的です。

どうしても大家さんが対応してくれない場合は、入居者負担での交換を提案する方法もあります。ただし、この場合は退去時の扱いについて事前に明確な取り決めを行っておく必要があります。

最終手段として退去を検討する旨を伝える方法もありますが、これは関係悪化のリスクを伴うため、慎重な判断が求められます。

エアコン交換の交渉タイミングと成功率

エアコン交換の交渉タイミングと成功率
エアコン交換の交渉タイミングと成功率
交渉タイミング 成功率 特徴・ポイント
内見時 ★★★★★
85%
空室を埋めることが最優先のため、条件交渉に最も応じてもらいやすい時期。入居を条件に交換を依頼すると成功率が高い。
閑散期
(5月GW後〜8月お盆前)
★★★★☆
70%
賃貸業界の閑散期で部屋探しをする人が少ないため、大家さんも入居条件について柔軟に対応してくれる可能性が高い。
入居後
(故障・不具合あり)
★★★☆☆
45%
具体的な不具合や製造年10年以上の古いエアコンなら交渉の余地あり。生活への影響を具体的に説明することが重要。
入居後
(単なる希望)
★★☆☆☆
15%
省エネ性能向上やデザイン変更など入居者都合の場合は成功率が低い。長期入居者の場合は多少考慮される可能性あり。
内見時
★★★★★ 85%
空室を埋めることが最優先のため、条件交渉に最も応じてもらいやすい時期。入居を条件に交換を依頼すると成功率が高い。
閑散期
(5月GW後〜8月お盆前)
★★★★☆ 70%
賃貸業界の閑散期で部屋探しをする人が少ないため、大家さんも入居条件について柔軟に対応してくれる可能性が高い。
入居後(故障・不具合あり)
★★★☆☆ 45%
具体的な不具合や製造年10年以上の古いエアコンなら交渉の余地あり。生活への影響を具体的に説明することが重要。
入居後(単なる希望)
★★☆☆☆ 15%
省エネ性能向上やデザイン変更など入居者都合の場合は成功率が低い。長期入居者の場合は多少考慮される可能性あり。

エアコン交換の交渉において、タイミングは成功率を大きく左右する要因です。最も効果的なのは内見時での交渉となります。この時期であれば、大家さんも空室を埋めることを最優先に考えるため、条件交渉に応じてもらいやすくなります。

特に賃貸業界の閑散期である5月のゴールデンウィーク後から8月のお盆前までは、交渉が通りやすい時期として知られています。この期間は部屋探しをする方が最も少ないため、大家さんも入居条件について柔軟に対応してくれる可能性が高いのです。

入居後の交渉については、残念ながら成功率は大幅に下がってしまいます。既に家賃収入が発生している状況では、大家さんにとって設備投資のメリットが少ないためです。

それでも入居後に交渉する場合は、エアコンの製造年や具体的な不具合を明確に伝えることが重要です。製造年が10年以上前の古い機器については、故障リスクの高さや修理部品の入手困難さを理由に、交渉の余地が生まれる場合があります。

交渉時には、エアコンの不具合が日常生活に与える影響を具体的に説明することも効果的です。睡眠の質の低下や健康への影響など、生活に支障をきたしていることを丁寧に伝えましょう。

ただし、築年数が古い物件では設備投資に消極的な大家さんも多いため、物件選びの段階でエアコンの状態をしっかりチェックしておくことも大切ですね。

大家さんのエアコン交換義務

大家さんのエアコン交換義務について、法的根拠と実際の適用範囲を理解しておくことが重要です。民法第606条では「賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定められており、これがエアコン交換義務の法的根拠となります。

ただし、この修繕義務が適用されるのは、エアコンが賃貸借契約の目的物に含まれている場合に限られます。具体的には、賃貸借契約書や重要事項説明書に設備として明記されているエアコンが対象です。

2020年4月の民法改正により、設備故障時の対応についてより明確なルールが設けられました。設備が使用できなくなった場合、入居者に過失がなければ賃料の減額義務が大家さんに発生することになったのです。

この改正により、大家さんにとっても迅速な対応が求められるようになりました。設備の不具合を放置することで家賃収入が減ってしまうリスクがあるため、以前よりも積極的に対応してもらえる可能性が高くなっています。

一方で、残置物のエアコンについては交換義務がありません。前の入居者が残していったエアコンは大家さんの所有物ではないため、故障や不具合があっても修繕義務は発生しないのです。

また、入居者の故意や過失による故障の場合も、大家さんに交換義務はありません。適切な使用方法を守り、定期的なメンテナンスを行うことで、この点は回避できます。

賃貸で古いエアコンを交換してほしい場合の交渉術

クリーン家電ガイド:イメージ

基本的な知識を踏まえたうえで、実際の交渉術について詳しく見ていきましょう。
成功率を高めるための具体的な方法や注意点を知ることで、スムーズな交渉を進められるようになります。

自分で交換してもいい?

自分で交換してもいい?
自分で交換してもいい?
状況・条件 可否 注意点・ポイント
大家さんの許可なし × NG 賃貸物件のエアコンは大家さんの財産。無断で交換は契約違反となる可能性が高い。必ず事前に許可を得ることが必要。
大家さんの許可あり
(自己負担)
△ 条件付きOK 退去時の取り扱いを事前に明確化することが必須。買取・撤去・残置のいずれかを決定。工事には建物への穴あけが伴う場合も。
付帯設備
(故障時)
○ 相談推奨 付帯設備の故障は大家さんの修繕義務。自己負担で交換する前に、まず大家さんに相談することで費用負担してもらえる可能性。
残置物
(故障時)
△ 許可必要 残置物は大家さんに修繕義務なし。自己負担での交換は可能だが、必ず許可を取得。工事内容によっては建物への影響も考慮が必要。
勝手に撤去・処分 × 絶対NG 古いエアコンでも大家さんの財産の可能性。無断撤去は損害賠償のリスクあり。処分方法も含めて必ず事前相談が必要。
大家さんの許可なし
× NG
賃貸物件のエアコンは大家さんの財産。無断で交換は契約違反となる可能性が高い。必ず事前に許可を得ることが必要。
大家さんの許可あり(自己負担)
△ 条件付きOK
退去時の取り扱いを事前に明確化することが必須。買取・撤去・残置のいずれかを決定。工事には建物への穴あけが伴う場合も。
付帯設備(故障時)
○ 相談推奨
付帯設備の故障は大家さんの修繕義務。自己負担で交換する前に、まず大家さんに相談することで費用負担してもらえる可能性。
残置物(故障時)
△ 許可必要
残置物は大家さんに修繕義務なし。自己負担での交換は可能だが、必ず許可を取得。工事内容によっては建物への影響も考慮が必要。
勝手に撤去・処分
× 絶対NG
古いエアコンでも大家さんの財産の可能性。無断撤去は損害賠償のリスクあり。処分方法も含めて必ず事前相談が必要。

賃貸物件でエアコンを自分で交換したいと考える方もいらっしゃると思いますが、これには十分な注意が必要です。賃貸物件のエアコンは大家さんの財産であるため、無断で交換することは契約違反となる可能性があります。

まず理解しておきたいのは、たとえ古くて使いにくいエアコンであっても、勝手に取り外したり交換したりしてはいけないということです。必ず事前に大家さんや管理会社の許可を得る必要があります。

自己負担で交換する場合の手順としては、まず管理会社や大家さんに相談し、交換の許可を得ることから始まります。この際、退去時の取り扱いについても明確にしておくことが欠かせません。

工事についても注意点があります。エアコンの設置には室外機の設置場所や配管工事が必要で、建物に穴を開ける場合もあります。このような工事は建物の構造に影響を与える可能性があるため、必ず大家さんの承諾を得てから行わなければなりません。

一般的には、新しいエアコンを設置する場合、退去時に元の状態に戻すか、買い取ってもらうかの選択肢があります。ただし、大家さんが必ず買い取ってくれるとは限らないため、この点も事前に確認しておきましょう。

私が家電量販店で接客していて感じるのですが、賃貸でのエアコン交換は想像以上に複雑な手続きが必要になる場合があります。トラブルを避けるためにも、必ず正規の手順を踏むことをおすすめします。

クリーニングで対応される場合

エアコンの交換を相談した際、クリーニングでの対応を提案されることがよくあります。確かにクリーニングで解決できる問題も多いため、まずはこの選択肢を検討してみるのも良いでしょう。

エアコンクリーニングで改善できる問題としては、冷暖房の効率低下、カビや異臭、フィルターの目詰まりなどがあります。特に長期間使用されているエアコンの場合、内部の汚れが原因で本来の性能を発揮できていない可能性があります。

クリーニングの費用相場は、一般的なルームエアコンで1万円から2万円程度です。交換費用と比較すると大幅に安く済むため、大家さんとしても検討しやすい選択肢となります。

ただし、クリーニングでは解決できない問題もあります。機械的な故障や部品の劣化、冷媒ガスの漏れなどは、クリーニングでは改善されません。また、あまりに古い機器の場合は、クリーニング後もすぐに汚れが蓄積してしまう可能性があります。

クリーニングを提案された場合は、まずは引き受けてみましょう。効果があればそれで問題解決となりますし、効果がなければ交換の必要性をより強く主張できる根拠にもなります。

クリーニング後の状態を写真や動画で記録しておくことも大切です。改善されなかった場合の次の交渉材料として活用できますからね。

入居前に契約書で確認すべき項目

入居前に契約書で確認すべき項目
入居前に契約書で確認すべき項目
優先度 確認項目 詳細・確認ポイント
★★★
最重要
付帯設備の記載 重要事項説明書の「建物の設備の整備の状況」欄を確認。エアコンが記載されていれば大家さんの修繕義務あり。記載なしの場合は残置物扱いの可能性。
★★★
最重要
エアコンの型式・製造年 契約書記載の型式と実際の設備が一致するかチェック。製造年6年超えなら交換交渉の根拠に。不一致の場合は入居前に確認を要求可能。
★★★
最重要
設備故障時の連絡先 「賃借人の入居期間中の設備などの維持管理等に関する連絡先となる者について」欄で連絡先を確認。トラブル時の迅速な対応に必要。
★★☆
重要
残置物の扱い エアコンが「残置物」「設備外」と記載されている場合、故障時の対応は入居者負担。この区別でトラブル回避可能。
★★☆
重要
買取義務の免責条項 「借主が設置した物品について、貸主は買取りする義務を負わない」の条項確認。自己負担設置時の買取期待は困難。
★★☆
重要
修繕・交換の費用分担 経年劣化、故意・過失、天災などの場合分けで費用負担者を明確化。曖昧な場合は事前に確認して文書化。
★★★ 最重要
付帯設備の記載
重要事項説明書の「建物の設備の整備の状況」欄を確認。エアコンが記載されていれば大家さんの修繕義務あり。記載なしの場合は残置物扱いの可能性。
★★★ 最重要
エアコンの型式・製造年
契約書記載の型式と実際の設備が一致するかチェック。製造年6年超えなら交換交渉の根拠に。不一致の場合は入居前に確認を要求可能。
★★★ 最重要
設備故障時の連絡先
「賃借人の入居期間中の設備などの維持管理等に関する連絡先となる者について」欄で連絡先を確認。トラブル時の迅速な対応に必要。
★★☆ 重要
残置物の扱い
エアコンが「残置物」「設備外」と記載されている場合、故障時の対応は入居者負担。この区別でトラブル回避可能。
★★☆ 重要
買取義務の免責条項
「借主が設置した物品について、貸主は買取りする義務を負わない」の条項確認。自己負担設置時の買取期待は困難。
★★☆ 重要
修繕・交換の費用分担
経年劣化、故意・過失、天災などの場合分けで費用負担者を明確化。曖昧な場合は事前に確認して文書化。

エアコンに関するトラブルを避けるためには、入居前の契約書確認が何より大切です。この段階でしっかりと内容を把握しておけば、後々の交渉もスムーズに進めることができます。

まず確認すべきは、エアコンが「付帯設備」として記載されているかどうかです。重要事項説明書の「建物の設備の整備の状況」という項目を必ずチェックしましょう。ここに記載されている設備については、大家さんに修繕義務があります。

一方で、エアコンの記載がない場合や「残置物」「設備外」と記載されている場合は、故障時の対応が入居者負担となる可能性があります。この違いは入居後の生活に大きく影響するため、契約前に必ず確認しておきましょう。

また、エアコンの型式や製造年の記載があるかもチェックポイントです。実際の設備と契約書の内容が一致しない場合は、入居前に確認を求めることができます。

設備の故障時の連絡先についても確認しておきましょう。国土交通省のフォーマットでは「賃借人の入居期間中の設備などの維持管理等に関する連絡先となる者について」という欄があります。この連絡先を把握しておけば、トラブル時の対応がスムーズになります。

特約事項についても注意深く読むことが大切です。「借主が貸主の承諾を得て造作又は設置した物品について、貸主は費用を償還又は買取りする義務を負わない」といった条項がある場合は、自己負担で設置したエアコンの買取を期待できない可能性があります。

エアコンが故障したら家賃減額?

2020年の民法改正により、エアコンなどの設備が故障した場合の家賃減額について明確なルールが設けられました。これは入居者にとって有利な変更で、適切な知識を持っておくことが大切です。

民法第611条では「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料はその使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて当然に減額される」と定められています。

この法改正を受けて、日本賃貸住宅管理協会が「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」を作成しました。エアコンが作動しない場合については、4日目以降から月額5,000円の家賃減額が目安とされています。

ただし、減額が適用されるには条件があります。まず、エアコンが付帯設備として契約書に明記されている必要があります。また、故障の原因が入居者の責任でないことも要件となります。

減額の免責期間として3日間が設けられているのは、大家さんが修理対応を行うための合理的期間を考慮したものです。つまり、エアコンが故障してすぐに家賃減額が発生するわけではありません。

実際の対応では、現金での返金以外にも代替手段が認められています。例えば、ポータブルクーラーや冷風機の提供、クール用品の支給などで対応するケースもあります。

この制度により、大家さんにとっても迅速な修理対応のメリットが生まれました。設備を放置することで家賃収入が減ってしまうため、以前よりも積極的に対応してもらえる可能性が高くなっています。

交換交渉に失敗しないための準備と文例

交換交渉に失敗しないための準備と文例
交換交渉に失敗しないための準備と文例
段階 準備項目 具体的な内容・文例
事前準備 客観的情報の整理 製造年・型番・具体的不具合を記録。写真・動画・音声で証拠保存。契約書の付帯設備欄と修繕条項を確認して根拠を明確化。
連絡時 丁寧な挨拶と現状説明 感情論を避け客観的事実で説明。生活への影響を具体的に伝える。
文例:「いつもお世話になっております。○○号室の○○です。エアコンの件でご相談があり、ご連絡いたしました。」
問題提起 具体的な不具合の報告 製造年・症状・影響を順序立てて説明。
文例:「製造から○年が経過しており、冷房の効きが悪く、運転時に異音がするようになっております。」
依頼 点検・交換の要請 強制ではなく相談の形で依頼。
文例:「日中の暑さが厳しい中、十分な冷房効果が得られず、生活に支障をきたしております。つきましては、点検および必要に応じて交換をお願いできないでしょうか。」
記録保存 証拠としての文書化 メール・書面で記録保存。口頭のみは避ける。日時・内容・相手の回答を記録。法的相談時や第三者機関への相談で必要。
事前準備
客観的情報の整理
製造年・型番・具体的不具合を記録。写真・動画・音声で証拠保存。契約書の付帯設備欄と修繕条項を確認して根拠を明確化。
連絡時
丁寧な挨拶と現状説明
感情論を避け客観的事実で説明。生活への影響を具体的に伝える。
文例:「いつもお世話になっております。○○号室の○○です。エアコンの件でご相談があり、ご連絡いたしました。」
問題提起
具体的な不具合の報告
製造年・症状・影響を順序立てて説明。
文例:「製造から○年が経過しており、冷房の効きが悪く、運転時に異音がするようになっております。」
依頼
点検・交換の要請
強制ではなく相談の形で依頼。
文例:「日中の暑さが厳しい中、十分な冷房効果が得られず、生活に支障をきたしております。つきましては、点検および必要に応じて交換をお願いできないでしょうか。」
記録保存
証拠としての文書化
メール・書面で記録保存。口頭のみは避ける。日時・内容・相手の回答を記録。法的相談時や第三者機関への相談で必要。

エアコン交換の交渉を成功させるためには、事前の準備と適切な伝え方が重要です。感情的になったり曖昧な表現を使ったりせず、具体的な根拠を示しながら冷静に交渉することが大切です。

まず準備すべきは、エアコンの現状に関する客観的な情報です。製造年、型番、具体的な不具合の内容を整理しておきましょう。写真や動画で記録を残しておくことも効果的です。異音がする場合は音声記録、異臭がする場合はその時間帯や頻度も記録しておきます。

契約書類の確認も欠かせません。エアコンが付帯設備として記載されているか、修繕に関する条項はどうなっているかを事前に把握しておくことで、交渉時の根拠として活用できます。

交渉時の文例として、以下のような流れで伝えることをおすすめします。

「いつもお世話になっております。入居させていただいております○○号室の○○と申します。エアコンの件でご相談があり、ご連絡いたしました。現在設置されているエアコンですが、製造から○年が経過しており、冷房の効きが悪く、運転時に異音がするようになっております。日中の暑さが厳しい中、十分な冷房効果が得られず、生活に支障をきたしている状況です。つきましては、エアコンの点検および必要に応じて交換をお願いできないでしょうか」

このように、具体的な問題と生活への影響を丁寧に説明することが重要です。感情論ではなく、客観的な事実に基づいて説明することで、相手にも理解してもらいやすくなります。

また、交渉は電話だけでなく、メールや書面でも記録を残しておくことが大切です。後々のトラブル防止にもつながりますし、法的な相談が必要になった場合の証拠としても活用できます。

総括:賃貸の古いエアコンを交換してほしい

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • エアコンの法定耐用年数は6年だが、これを超えても必ず交換してもらえるわけではない
  • 付帯設備として契約書に記載されているエアコンは大家さんの修繕義務対象
  • 残置物のエアコンについては大家さんに交換義務がない場合が多い
  • 正当な理由がある交換は原則として大家さん負担
  • 入居者都合での交換は自己負担となるケースがほとんど
  • 交換を断られた場合は消費者センターや法テラスへの相談も可能
  • 内見時の交渉が最も成功率が高い
  • 賃貸業界の閑散期は交渉しやすい時期
  • 2020年民法改正により設備故障時の家賃減額が義務化
  • エアコン故障の場合は4日目以降月額5,000円の減額が目安
  • 自分でエアコンを交換する場合は必ず事前許可が必要
  • クリーニングで解決できる問題も多いため検討する価値がある
  • 契約書の付帯設備欄の確認が最も重要
  • 交渉時は具体的な根拠を示して冷静に説明する
  • 交渉の経緯は書面やメールで記録を残しておく