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洗濯機の水量は多い方がいい?縦型とドラム式の適量と節水術

洗濯機のスタートボタンを押したあと、表示された水量を見て「えっ、こんなに少なくて大丈夫?」と手が止まったことはありませんか?

洗濯機の水量は多い方がいいのか、それとも節水のために少なめでいいのか、毎日のことだからこそ気になりますよね。

たっぷりの水で洗えばきれいになりそうな気がする一方で、水道代も気になる…。

節水を意識して水量を減らしてみたら、汚れ落ちがいまいちだったり、生乾きのようなニオイが残ったりした経験がある方も多いはずです。

実は、洗濯機の水量は「多ければ多いほどいい」わけでも「少ないほど得」なわけでもありません。縦型とドラム式でも適量は違いますし、自動で決まる水量が衣類によってはズレてしまうこともあるんです。

この記事では、縦型・ドラム式それぞれの適正水量の目安から、水量が少ないときに起こること、手動で増やすべき場面や間違えたときのリカバリー方法、すすぎや手洗いコースの水量、水道代を抑えるコツまで、順番にお話ししていきますね。

読み終わるころには、表示された水量を見て「今日はこのままでOK」「今日は1段階上げよう」と自信を持って判断できるようになるはずです^^

この記事のポイント
  • 縦型とドラム式の適正水量の目安
  • 水量不足のサインと自動設定のクセ
  • 水量を増やす判断基準と対処法
  • すすぎと水道代を両立する節水術

洗濯機の水量は多い方がいい?適量が一番よく洗える理由

まずは「水は多いほどきれいになるの?」という一番の疑問から整理していきましょう。

ここがスッキリすると、縦型とドラム式で水量が違う理由や、自動設定の数字の見方まで、ぐっとわかりやすくなりますよ。

水量が多すぎても汚れ落ちが良くなるとは限らない

水をたっぷり使えば、それだけ汚れも流れていきそうな気がしますよね。なんとなく「多めにしておけば安心」と感じている方は、きっと少なくないと思います。

でも実際は、洗濯機の水量は多い方がいいわけではなく、洗濯物全体がしっかり浸かり、衣類同士が適度にこすれ合う「適量」のときに、汚れが一番よく落ちるんです。

水が多すぎると、洗濯物が槽の中でふわふわ泳ぎすぎてしまい、衣類同士がこすれ合う力が弱くなります。更に、同じ洗剤量のまま水だけ増やすと洗剤液が薄まり、皮脂汚れを落とす力も下がってしまうんです。

反対に少なすぎると、今度は水流がうまく回らず、汚れを抱えた水が衣類に戻りやすくなります。つまり水量は「多すぎず、少なすぎず」のバランスが大事、というわけです。

目安にしたいのは、洗濯物が洗濯槽の7〜8割ほどに収まり、全体が水にしっかり浸かっている状態。この量なら、水流と摩擦と洗剤の力がちょうどよく噛み合います。

とはいえ、最近の洗濯機は自動で水量を決めてくれるので、普段はおまかせで大丈夫なことがほとんどです。

ただ、衣類の素材や汚れ具合によっては自動設定が最適とは限らないので、手動で調整した方がいい場面も後半でしっかりお伝えしますね。

縦型洗濯機の適正水量は洗濯物1kgあたり約10Lが目安

縦型洗濯機の場合、洗濯物1kgに対して約10Lが適正水量の一般的な目安です。

縦型は、洗濯槽の底にあるパルセーター(回転する羽根)で水流をつくり、衣類同士をこすり合わせる「もみ洗い」「こすり洗い」で汚れを落とす仕組みです。

洗濯物が槽の中で動き回れるだけの水が必要になるので、ドラム式より水を多めに使います。

縦型洗濯機の洗濯槽の底にある白いパルセーターを真上から撮影した様子
我が家の縦型洗濯機の底をのぞいたところ。この凸凹した白い羽根が回って、洗濯槽の中に水流をつくっています

計算してみると、3kgの洗濯物なら約30L、5kgなら約50Lが目安になります。
水流の力で洗う縦型にとって、衣類が動き回れる水の量は洗浄力そのもの、と言っていいくらい大切な条件なんです。

ただし、これはあくまで一般的な目安です。
縦型の自動センサーは主に綿の衣類を基準に量を判断しているので、アクリルやポリエステルなど軽い化学繊維が多い日は、実際の量より少なめの水量が選ばれることがあります。

普段の洗濯物がどれくらいの重さなのか知りたいときは、洗濯カゴごと体重計に乗って、自分の体重を引いてみるのが手軽です。

一度測っておくと「うちの1回分はだいたい4kgくらい」と感覚がつかめるので、水量表示を見たときの判断材料になります。

ドラム式洗濯機は1kgあたり約7〜9Lと少ない水でも洗える

ドラム式洗濯機の適正水量は、洗濯物1kgに対して約7〜9Lが目安とされています。縦型よりぐっと少ない水で洗えるのは、洗い方そのものが違うからです。

ドラム式は、斜めや横向きに設置されたドラムが回転し、洗濯物を持ち上げては落とす「たたき洗い」と、小刻みに動かす「もみ洗い」を組み合わせて汚れを落とします。

衣類を水に泳がせるのではなく、少ない水で洗剤液を濃いめに保ったまま繊維に浸透させるイメージなので、特に皮脂汚れに強いのが特長です。

容量12kgクラスのドラム式で、標準使用水量が約83Lという機種もあり、1kgあたりに直すと約7Lの計算になります。

同じくらいの容量で比べると、縦型よりおおむね4割ほど少ない水で済むと言われていて、水道代の節約や環境への負担を減らせるのがうれしいところです。

ただ、正直に言うと弱点もあります。

少ない水で衣類同士が密着しやすいぶん、色移りや黒ずみが起きやすい傾向があるので、色落ちしやすい衣類は分けて洗うなどのひと工夫をしておきたいところです。

縦型とドラム式の水量の違いを表で比べると

ここまでの内容を、縦型とドラム式で並べてみました。
自分の洗濯機がどちらのタイプかを思い浮かべながら見てみてくださいね。

比べるポイント 縦型洗濯機 ドラム式洗濯機
主な洗い方 パルセーターの水流でもみ洗い・こすり洗い ドラムの回転でたたき洗い・もみ洗い
1kgあたりの水量の目安 約10L 約7〜9L
水量が足りないと 水流が弱まり、汚れ落ちが悪くなりやすい 少ない水でも洗える設計だが、すすぎ不足には注意
得意な汚れ 泥汚れなど、こすって落としたい汚れ 皮脂汚れなど、洗剤で浮かせたい汚れ
水量の手動調整 段階的に選べる機種が多い 水量を直接選べない機種も多く、すすぎ設定で補う
気をつけたいこと 軽い化学繊維が多いと水量が少なめに出やすい 色移り・黒ずみ、すすぎ不足

どちらが上ということではなく、「縦型は水の力で、ドラム式は洗剤の濃さとたたく力で洗う」と覚えておくと、水量の数字に振り回されにくくなります。

洗濯機の水量が少ないとどうなる?不足のサインと自動設定のクセ

「多すぎてもダメ」とわかったところで、今度は逆に「少ないとどうなるの?」が気になりますよね。

実は、ニオイや黄ばみの悩みの裏に水量不足が隠れていることもあるんです。
自動で水量が決まる仕組みとあわせて見ていきましょう。

水量不足で起こりやすい4つのトラブル

水量が足りない状態で洗い続けると、見た目ではわかりにくいトラブルが少しずつ積み重なっていきます。

代表的なものは次の4つです。

1つ目は、汚れ落ちの悪化です。
縦型の場合、水が少ないと水流が弱くなり、衣類同士の摩擦も足りなくなります。その結果、汗や皮脂といった汚れが落ちきらず、繊維に残ってしまうんです。

2つ目は、汚れの再付着。
特にすすぎの水が足りないと、せっかく衣類から離れた汚れが再び繊維に戻ってしまいます。これが部屋干し特有のイヤなニオイや、黄ばみ・黒ずみの原因になります。

3つ目は、洗剤残りです。
水量に対して洗剤が多すぎる状態になると、すすぎきれなかった洗剤が衣類に残りやすくなり、雑菌が増える温床になってしまいます。

4つ目は、衣類の傷み。
水のクッションが足りないと洗濯物同士が強くこすれ合い、生地が傷んだり毛玉ができやすくなったりします。

洗濯物のニオイが取れない、という相談は家電売り場でも本当によく耳にします。原因は様々ですが、詰め込みすぎや水量設定が関わっているケースは珍しくありません。

こんな変化が続いたら水量を見直すサイン

洗い上がりに生乾きのようなニオイが残る、白い衣類がくすんできた、衣類に白いカスがつく。こうした変化が続くときは、洗濯物の量と水量のバランスが崩れているのかもしれません。

どれも一度で目に見えるほど悪化するわけではないので、「最近なんとなく仕上がりがイマイチ」くらいの段階で気づけると、立て直しもラクになります。

自動で決まる水量が少なめになる仕組み

最近の洗濯機は、スタートボタンを押すと自動で水量を決めてくれます。この仕組みを知っておくと、「なんでこんなに少ないの?」というモヤモヤの正体が見えてきます。

縦型の場合、運転を始めるとまずパルセーターが少し回転し、そのときにかかる負荷から洗濯物の量(布量)を判断します。そこから必要な水量を計算し、給水中は水位センサーが実際の水の高さを見張っている、という流れです。

この判定は主に綿の衣類を基準にしているため、苦手なパターンがあります。

例えば、濡れたタオルが混じっていると「重い=量が多い」と判断されて水量が必要以上に増えることがありますし、フリースのようにかさばるのに軽い衣類は、実際に必要な量より少なく設定されがちです。

また、水量の段階の刻み方は機種ごとに違います。
標準コースの自動水量がおおよそ22L〜68Lの範囲で段階的に決まる機種もあれば、ある量を超えると水量が一定になる機種もあります。

10kgクラスの縦型でも、6kgを超えたあたりから同じ水量になる設計のものがあるので、「満杯なのに水量が変わらない」と感じても故障とは限らないんです。

気になるときは、取扱説明書の水量の一覧表で、自分の機種の刻み方を確かめてみてください。

水量がおかしいと感じたときの確認方法

「同じくらいの量を入れているのに、急に水量が少なくなった」
こんなときは、洗濯物の素材のせいなのか、洗濯機側の不具合なのかを切り分けていくのが近道です。

故障で多いのは、水位センサーや、センサーにつながるエアチューブ(細いホース)の不具合です。これらがうまく働かないと水の高さを正しく検知できず、水量が極端に少なくなったり、反対に多くなりすぎたりします。

確認の手順としては、まず取扱説明書で自分の機種の水量の目安をチェックします。
次に、綿のタオルなど素材をそろえた同じ重さの洗濯物で2〜3回試し、毎回ほぼ同じ水量になるかを見てみてください。

素材をそろえても水量がバラバラなら、センサー側の不調が疑われます。
急ぎの日は手動で水量を合わせてしのげますが、根本的に直すならメーカーのサポートに相談するのがおすすめです。

購入から日が浅ければ、保証期間内で修理できる可能性もあります。

洗濯機の水量を手動で調整すべき場面と困ったときの対処法

自動設定のクセがわかったら、次は「じゃあ、いつ自分で調整すればいいの?」というところですね。

ここでは、水量を増やしたい洗濯物と減らしていい洗濯物の見分け方から、設定を間違えたとき、設定できないときの対処法、手洗いコースの水量まで、まとめて見ていきます。

水量を増やした方がいい洗濯物と減らしていい洗濯物の見分け方

手動調整で迷ったときは、「洗濯物が水に沈みきっているか」「汚れが重いか」の2点で考えるとシンプルです。よくある場面を表にまとめました。

こんな洗濯物の日 水量の考え方 理由
フリースやニットなど、かさばる軽い衣類が多い 自動より1段階多め 重さの割に体積が大きく、自動だと水が足りずに浮きやすい
化学繊維のスポーツウェアが中心 自動より1段階多め 綿を基準にした判定では、少なめに出やすい
泥汚れや食べこぼしなど、汚れが重い 多めにして、洗剤も水量に合わせる 水流でしっかり動かし、落ちた汚れを水の中に抱えておくため
タオル1〜2枚などの極少量 手動で最低水量を選ぶ 自動では一番低い水位が選ばれない機種がある
濡れた衣類が混ざっている 自動の表示より少なめも検討 濡れた重さで、量を多く見積もられやすい
普段着を標準的な量で洗う 自動のままでOK センサーの判定が一番得意な条件

縦型なら、給水が止まったあとにふたを開けて、洗濯物のてっぺんが水面から大きく飛び出していないかを見るのが一番確実な見分け方です。

一部がぷかぷか浮いて乾いたままになっているなら、水量が足りていないサインなので、1段階だけ上げてみてください。

反対に、洗濯物がほとんど動かないほどぎゅうぎゅうなら、水量を増やすよりも洗濯物を減らして2回に分けた方がきれいに仕上がります。

水量には上限があるので、詰め込みすぎを水でカバーすることはできないんです。

葵のワンポイントアドバイス

水量を上げるなら「1段階ずつ」がおすすめです。一気に最大まで上げると洗剤液が薄まって、かえって洗浄力が下がることも。上げたときは、洗剤も新しい水量の目安に合わせてあげてくださいね。

水量を間違えたときのリカバリー方法

スタートしてから「あ、水が足りない」と気づいても大丈夫。
多くの洗濯機は、運転中でも水量を変更できます。

パナソニックの縦型洗濯機では、水量はコースを選んでから洗いが終わるまでの間なら変更でき、スタート前に手動で決めた水量なら洗剤の表示量や自動投入の量もその水量に合わせてくれると案内されています。

一方で、給水が始まってから水量を変えた場合は、洗剤の表示や自動投入の量は変わらないそうです。

【出典】パナソニック『【タテ型洗濯機】水量(水位)の変更をするには』

つまり、途中で水量を増やしたときは、洗剤を少し足すなど自分で量を調整する必要がある、ということ。

ここを見落とすと、水は増えたのに洗剤液が薄い…という状態になってしまいます。

縦型洗濯機の上部にある液体洗剤と柔軟剤の自動投入タンクの外ぶたを開けた状態
うちの洗濯機の自動投入タンク。左が洗剤、右が柔軟剤で、補充口の横の窓から残量が見えるようになっています

自動投入を使っている方ほど、途中で水量を変えたあとの洗剤の量は見落としがちです。「スタート前に水量を決める」を習慣にしておくと、計量のズレが起きにくくなります。

水量が多すぎた場合は、一度運転を止めて排水し、正しい水量で設定し直すのが確実です。排水すると洗剤液も一緒に流れてしまうので、洗い直すときは新しい水量に合わせて洗剤を入れ直してくださいね。

運転中の水量変更に対応していない機種は、一度運転を止めてから設定し直します。
最近のモデルは運転中の調整に対応しているものが多いものの、古い機種ではできない場合もあるので、取扱説明書で確認しておくと安心です。

洗いがもう終わってしまった場合は、すすぎの段階で水量を見直しましょう。
すすぎは仕上がりを大きく左右する工程なので、ここでしっかり水を確保できれば、ニオイや洗剤残りのリスクを減らせます。

水量設定ができないときに見直したい5つのポイント

水量ボタンを押しても変わらない、そもそも選べない…というときは、故障を疑う前にいくつか確認しておきたいことがあります。

1つ目は、選んでいるコースです。
おしゃれ着コースや手洗いコースなど、デリケートな衣類向けのコースは、衣類を守る条件をキープするために水量が固定されていることがあります。機種やコースによっては、選べる水量の範囲そのものが決まっているケースもあります。

2つ目は、設定が記憶されない仕様かどうか。
機種によっては手動で変えた水量が次回に引き継がれず、毎回設定し直す必要があります。「前回増やしたはずなのに」と感じたら、この仕様かもしれません。

3つ目は、操作パネルの反応です。
タッチパネル式では、ボタンの反応が鈍くなることがあります。一度電源を切って、少し待ってから入れ直すと元に戻ることも。

4つ目は、節水や省エネ系の設定。
機種によっては、こうしたモードが有効になっていると、水量を選べる範囲が狭くなることがあります。

5つ目は、洗濯物の量です。
タオル1〜2枚などの極少量だと、自動設定では一番低い水位が選ばれない機種があるので、手動で最低水量を選んであげましょう。

それでも思うように水量を確保できないときは、標準コース以外を試すのも手です。大物洗いや毛布コースのように、もともと多めの水を使うコースを選べば、たっぷりの水で洗えることがあります。

手洗いコースの水量が多めで固定されている理由

手洗いコースは、ニットやブラウスなどのデリケートな衣類を、手でやさしく押し洗いするような感覚で洗うためのコースです。水量にも独特の考え方があります。

洗濯槽の動きを最小限に抑えて、つけ置きや押し洗いに近い洗い方をするため、標準コースより多めの水を使い、衣類全体が水にしっかり浸かる状態をつくります。

水をクッション代わりにして、衣類への負担を減らしているイメージです。

水流もとても穏やかで、脱水のときも衣類が絡まないように配慮されています。洗濯表示で洗えるとされているカシミヤやシルクなら、この「たっぷりの水と弱い水流」の組み合わせで、やさしく洗えるというわけです。

そのため、手洗いコースでは水量が自動で決まり、手動で変えられない機種が多くなっています。メーカーによって「ドライコース」「おうちクリーニング」「ソフトコース」など呼び名は違いますが、基本的な仕組みは同じです。

洗剤は、中性のおしゃれ着用洗剤を選び、量も通常より控えめにするのが基本です。おしゃれ着用洗剤は、手動の洗剤ケースに計って入れる使い方が一般的です。

洗濯槽の上部にある手動洗剤ケースを手前に引き出し、左右の区画が見える状態
我が家の洗濯機の手動洗剤ケース。左の広い区画が洗剤・漂白剤用、右が柔軟剤用に分かれています

定番のおしゃれ着用洗剤なら、花王の「エマール」が使いやすいと思います。

使用量は水量で決まり、水量30L(洗濯物量1.5kg)に対して40mLが目安とされているので、手洗いコースで表示された水量を見てから計量すると入れすぎを防げます。

気をつけたいのは自動投入との組み合わせ。

花王の案内では、通常の衣料用洗剤を入れる自動投入タンクにはエマールを入れられないとされています。おしゃれ着洗剤専用のタンクがない機種なら、写真のような手動の洗剤ケースに入れて使いましょう。

手洗いコースは洗浄力がマイルドな分、洗濯時間が長めになる傾向があります。それでも、お気に入りの服を長持ちさせたいなら、コースと洗剤と水量をセットで選ぶのが一番の近道です。

すすぎの水量と水道代のバランスをとる節水のコツ

水量の基本がわかったら、最後に気になるのはやっぱりお財布のこと。

すすぎの水量の考え方と、洗浄力を落とさずに水道代を抑えるコツ、そして水のムダを減らせる洗濯機選びまで見ていきましょう。

すすぎの水量はためすすぎと注水すすぎで変わる

すすぎは、洗い以上に仕上がりを左右する工程です。
ここで水が足りないと、洗剤残りやニオイの原因になってしまいます。

すすぎには「ためすすぎ」と「注水すすぎ」の2種類があります。

ためすすぎは洗濯槽に水をためてからすすぐ方法で、多くの洗濯機で標準の設定です。注水すすぎは、水をためたあとも給水しながら排水もして、常に新しい水ですすぐ方法です。

ためすすぎは使う水を抑えられるのがメリット。
一方の注水すすぎは水の使用量が増えるものの、洗剤成分をより確実に落とせるので、洗剤残りが気になる方や肌がデリケートな方の衣類に向いています。

ドラム式は構造上すすぎの水量が少なくなりがちなので、洗剤残りが気になるときはすすぎを注水に切り替えるのも1つの方法です。

注水すすぎの水道代やためすすぎ2回との比べ方は、注水すすぎのメリット・デメリットを詳しく解説した記事も参考になると思います。

すすぎの回数も大事なポイントです。

一般的な洗剤ならすすぎ2回が基本ですが、すすぎ1回に対応した洗剤を使えば、その分の水を節約できます。

ただし、洗剤を入れすぎたときや汚れがひどいときは、回数を増やした方が安心です。

部屋干しの予定がある日は、特にすすぎを丁寧に。
すすぎの水不足による汚れの再付着はニオイにつながりやすいので、すすぎの水をしっかり確保することが一番の予防策になります。

すすぎ1回で済ませたい方に心強いのが、花王の「アタックZERO」です。

洗剤成分が繊維に残りにくい設計で、使用量の目安を守れば、ためすすぎ1回で十分すすげると案内されています。注水すすぎ1回でも使えますが、節水の面ではためすすぎ1回がおすすめとのことです。

ワンハンドタイプならプッシュで計量できるので、水量表示を見て「この水量なら何プッシュ」と合わせやすいのも便利なところ。

汗や皮脂汚れが多い日は多めに合わせるのが目安とされているので、そこだけ覚えておくと失敗しにくいです。

水道代を抑えながら洗浄力を落とさないコツ

水道代を節約しようとして水量だけを削ると、ここまでお話ししたように汚れ落ちが犠牲になりがち。

削るなら「水量」ではなく「回数」と「ムダ」から、が合言葉です。

一番効果が大きいのは、まとめ洗いです。
少量を毎日回すのではなく、洗濯槽の7〜8割くらいまでためてから洗うと、1回あたりの水を効率よく使えます。

ただし、梅雨時期や湿度の高い季節に何日もためこむと雑菌が増えやすいので、2〜3日に1回くらいのペースが現実的です。

洗剤選びも節約につながります。
すすぎ1回対応の洗剤ですすぎを1回減らせば、すすぎ2回の場合と比べて、洗濯1回あたり約25%の節水が期待できると言われています。

お風呂の残り湯を洗いに使うのも、昔ながらの効果的な方法です。
東京都水道局によると、一般家庭の残り湯は約180Lあり、その半分を洗濯や掃除などに回すと約90Lの節水になるそうです。

【出典】東京都水道局『水の上手な使い方』

ただし、残り湯には皮脂や雑菌が含まれているので、使うのは「洗い」だけにして、すすぎは必ずきれいな水道水にしましょう。

入浴剤を入れた残り湯は、成分によっては衣類に影響することがあるので、洗濯には使わないのが無難です。

ほかにも、汚れが軽い日は「おいそぎ」コースを選ぶと、時間と一緒に水の使用量も抑えられます。

タオルやシーツも使い方によっては毎日洗わなくてもいいので、洗濯の頻度そのものを見直してみるのもおすすめです。

水量と洗剤量の計算が面倒…という方には、花王の「アタックZERO パーフェクトスティック」という選択肢もあります。

花王によると、水量30〜65L(衣類量2〜6kg)の範囲なら使用量が変わらず、水量が多いときでも高い洗浄力を保てるように設計されているそうです。

【出典】花王『「アタックゼロ パーフェクトスティック」はどうして水量30~65L(衣類量2~6kg)で使用量が変わらないの?』

水量を1段階上げたときに「洗剤も足さなきゃ」と悩まなくていいのは、忙しい日には本当に助かるポイントです。

反対に、タオル1枚だけのような少量洗いや、65Lを超える大容量の洗濯が多いご家庭では量の調整がしにくいので、液体洗剤と使い分けるのがよさそうです。

水のムダを減らしたいなら洗濯機選びも見直そう

今の洗濯機を長く使っていて、「水量の判定がどうもズレる」「すすぎが足りない気がする」と感じているなら、買い替えを考えるタイミングかもしれません。

最近のモデルは、限られた水でしっかり洗うための工夫がどんどん進んでいます。

メーカーごとの洗い方の違いや得意分野は、洗濯機メーカーそれぞれの特徴と強みを比べた記事で紹介しているので、選ぶ前にのぞいてみてくださいね。

ここでは、水量の悩みと相性のいい現行モデルを縦型とドラム式から1台ずつご紹介します。

縦型で選ぶなら、日立の「ビートウォッシュ BW-X100P」は有力候補です。

2026年5月下旬に発売されたモデルで、洗濯容量は10kg。標準コース1回あたりの使用水量は約103Lとされていて、縦型らしく水の力を生かして洗うタイプです。

特長は、高濃度の洗剤液を衣類に素早く浸透させて汚れを浮かせる「[衣類長もち]高濃度洗浄」と、回転羽根で水をかき上げて循環させることで使用水量を抑える「循環水流式」。

水をただ増やすのではなく、限られた水を何度も衣類にくぐらせて洗う考え方なので、「水は多い方がいいの?」と迷う方にこそ知ってほしい洗い方です。

洗剤の自動投入にも対応していて、水量に合わせた計量をおまかせできるのもうれしいところ。標準コースは洗濯10kgで29分、「おいそぎ」コースなら5kgを約23分で洗えるとされていて、忙しい朝にも回しやすいスピード感です。

ちなみに我が家で使っているのも、この1つ前の世代にあたるビートウォッシュなんです。

一方で、乾燥まで洗濯機にまかせたい方には向きません。
乾燥を重視するなら、ヒートポンプ乾燥を備えたドラム式の方が満足しやすいと思います。

本体サイズは幅608×奥行650×高さ1000mmとされているので、防水パンの大きさや、ふたを開けたときの上部スペースに余裕があるか、購入前に測っておくと安心です。

ドラム式なら、パナソニックの「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX127FL」に注目しています。

2026年10月上旬に発売予定のLXシリーズ最新モデルで、洗濯12kg/乾燥6kgの大容量タイプです。

パナソニックのドラム式は、洗剤を泡立ててから洗う「スゴ落ち泡洗浄」で、縦型より少ない水量でも汚れを浮かせて落とせるのが持ち味。たくさんの水を使わずにしっかり洗いたい、という悩みに正面から応えてくれるタイプです。

洗剤や柔軟剤などを自動で入れてくれる「トリプル自動投入」は、この新モデルで自動投入経路のお手入れまで自動化されました。

更に、乾燥時のホコリや髪の毛を旋回する風で集める「乾燥長もちユニット」を搭載していて、使い続けるうちに乾きが悪くなる、というドラム式ならではの悩みにも配慮されています。

気をつけたいのは、価格と設置スペースです。
ドラム式は縦型より本体価格が高めで、扉の開き方向や搬入経路の確認も欠かせません。少ない水で洗う分、色移りしやすい衣類の分け洗いは縦型以上に意識しておきたいところ。

発売前後は価格や在庫が動きやすいので、最新の情報は公式サイトや販売店で確認してくださいね。

縦型とドラム式で迷ったときの選び方

水道代をできるだけ抑えたい方、乾燥までまとめて済ませたい方はドラム式が向いています。泥汚れが多いご家庭や、本体価格を抑えたい方、設置スペースに余裕がない方は縦型を選ぶと満足しやすいです。

どちらを選んでも、「適量の水で洗う」という基本は変わりません。
新しい洗濯機に替えたら、最初の数回は給水後の浸かり具合を見て、自動設定のクセをつかんでおくと安心です。

洗濯機の水量は多い方がいいのかに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 水量を1段階上げると水道代はどれくらい増えますか?

A. 増える水の量は機種や段階によって違いますが、仮に1回の給水で10L増えた場合、東京都水道局が節水効果の試算に使っている単価(1Lあたり約0.24円、下水道料金を含む)で計算すると約2.4円です。

洗いとすすぎのたびに水が増えることを考えても、洗濯1回あたり数円から10円前後を目安に考えておくとよいでしょう。

水道料金はお住まいの地域によって異なるため、正確な単価は自治体の料金表でご確認ください。

Q2. 柔軟剤を使うときも水量は多めにした方がいいですか?

A. 柔軟剤は水量に合った量を入れることが大切で、水量を増やすほど効果が上がるわけではありません。水量を手動で増やした場合は、柔軟剤も新しい水量の目安に合わせて調整しましょう。

なお、注水すすぎは柔軟剤が薄まりやすいため、香りや柔らかさを重視する日は、最後のすすぎをためすすぎにするのがおすすめです。

Q3. ドラム式洗濯機でも水量を手動で増やせますか?

A. ドラム式は洗濯物の量に合わせて水量を自動で決める機種が多く、縦型のように水位を段階的に選べないことも少なくありません。

すすぎが足りないと感じるときは、すすぎ回数を増やしたり、注水すすぎに切り替えたりする方法で水を補えます。

機種によって設定できる項目が違いますので、取扱説明書で確認してみてください。

Q4. 洗濯中に泡が立ちすぎるのは水量が少ないせいですか?

A. 水量に対して洗剤が多すぎると、泡が立ちすぎることがあります。洗剤は洗濯機に表示された水量や洗剤量の目安に合わせて計量し、途中で水量を変えた場合は洗剤の量も見直しましょう。

泡が残ったまま運転が終わったときは、すすぎを1回追加すると洗剤残りを防げます。

洗濯機の水量で迷ったときに覚えておきたい結論

洗濯機の水量は、多ければ多いほどいいわけではありません。洗濯物全体がしっかり水に浸かり、衣類同士が適度にこすれ合う「適量」こそが、汚れを一番よく落としてくれます。

目安は、縦型なら洗濯物1kgあたり約10L、ドラム式なら約7〜9L。水量が足りないと、汚れ残りや再付着、洗剤残り、衣類の傷みにつながり、多すぎると洗剤液が薄まって洗浄力が下がります。

迷ったときの判断を、最後に表で振り返っておきましょう。

こんなとき おすすめの判断
普段着を標準的な量で洗う 自動設定のままでOK
かさばる軽い衣類や化学繊維が多い 水量を1段階上げて、洗剤も合わせる
途中で水量を変えた 洗剤や自動投入の量を自分で見直す
水量が選べない・おかしい コースと設定を確認し、改善しなければメーカーに相談
水道代を抑えたい 水量は削らず、まとめ洗い・すすぎ1回・残り湯で節約

水量の数字だけを見て悩むより、「ちゃんと浸かっているか」と「洗剤とのバランスが合っているか」の2つを見るのが、きれいと節約を両立する一番の近道です。

まずは次のお洗濯で、給水が終わったあとに一度ふたを開けて、洗濯物の浸かり具合をのぞいてみてください。その一目が、あなたの家の洗濯物にぴったりの水量を見つける第一歩になりますよ!

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