飲食店の厨房や施設などで大活躍の業務用食洗機。
とても便利ですが、「下洗いはどの程度すればいいんだろう?」と、ふと疑問に思うことはありませんか?
毎日の作業だからこそ、「時間」を有効に使いたいし、洗い残しなく衛生的に保ちたいですよね。
この記事では、そんな気になる「業務用食洗機の下洗いはどの程度か」という疑問にしっかりお答えします!
基本的な下洗いの目安から、より効率よく洗浄するためのコツをはじめ、何度で洗うのが最適なのか、効果的な食器の並べ方など、基本操作も分かりやすく解説。
さらに、うっかりやってしまいがちな洗ってはいけないものの投入ミスや、気になる洗剤の危険性・選び方の注意点、放置すると面倒な水垢対策、そして家庭で使う食洗機との違いまで、幅広くカバーします。
この記事を読めば、下洗いの迷いがスッキリ解消!
業務用食洗機をもっと上手に、安心して使いこなすためのヒントが見つかりますよ。
業務用食洗機の下洗いはどの程度?基本とコツ

まずは、業務用食洗機を使う上での基本となる「下洗いの程度」について見ていきましょう。
どれくらい洗えばいいのか、具体的な手順や効率を上げるためのポイントを分かりやすくご紹介しますね。
下洗いの判断基準と注意点
業務用食洗機の下洗いは、「大きな食べ残し」や「こびり付いた汚れ」を取り除くことが主な目的です。手洗いでも落としにくいようなガンコな汚れは、食洗機も苦手と心得ておきましょう。
具体的には、ご飯粒やソース、ケチャップのような固形の汚れや粘度の高い汚れは、あらかじめヘラや流水で落としておくのがおすすめです。特に、焦げ付きや乾燥してこびり付いた汚れは、そのまま入れると洗い残しの原因になりやすいので注意が必要となります。
ただし、最近の食洗機は性能が向上しており、軽い油汚れ程度なら下洗いなしでもきれいに落ちる場合もあります。機種の性能や汚れの種類によって、どの程度下洗いが必要か判断してみてくださいね。
下洗いの具体的な手順
下洗いの基本的な手順は、まず食器に残った固形の食べ残しをヘラやキッチンペーパーなどで取り除くことから始めます。
次に、流水やお湯を使って、食器についたソースや細かい汚れを軽く洗い流しましょう。この時、お湯を使うと油汚れが落ちやすくなります。
ポイントは、中性洗剤を使わないことです。業務用食洗機は専用の強力なアルカリ性洗剤を使用するため、下洗いで中性洗剤を使う必要はありません。むしろ、中性洗剤が食洗機内に入ると過剰に泡立ってしまい、洗浄ノズルが泡を噛んで水圧が低下し、洗浄力が落ちる原因になることがあります。
また、モーターに余計な負荷がかかり、故障につながる可能性もあるため注意しましょう。
お湯を張ったシンクにしばらく食器を漬け置きするのも効果的です。汚れがふやけて、軽くすすぐだけで落としやすくなりますよ。
洗浄にかかる時間の目安
業務用食洗機の大きなメリットの一つが、その洗浄スピードです。機種やコースによって多少の違いはありますが、一般的な業務用食洗機の場合、洗いからすすぎまでの1サイクルの時間は、なんと約1分程度と非常に短いです。
これは、高温・高圧の水流と専用洗剤によって短時間で効率的に洗浄できる仕組みになっているためです。手洗いだと数分かかる作業が、業務用食洗機なら数十秒から1分程度で完了します。
このスピードにより、食器の回転率が格段に上がり、忙しい時間帯でも食器不足に陥るリスクを減らすことができるのです。洗い物にかかる時間を大幅に短縮し、他の作業に集中できるのは大きな利点といえますね。
何度で洗うのが最適?

業務用食洗機は、一般的に約80℃という高温のお湯で洗浄・すすぎを行います。この高温洗浄には、主に二つの大きなメリットがあります。
一つ目は、高い洗浄力です。高温のお湯は油汚れを効果的に溶かし、しつこい汚れも落としやすくします。
二つ目は、優れた殺菌効果です。多くの食中毒菌は高温に弱く、例えばO157は75℃で1分間加熱すると死滅すると言われています。約80℃ですすぎを行う業務用食洗機は、食器を衛生的に保つ上で非常に効果的なのです。
手洗いでは難しい高温での洗浄・すすぎは、食洗機ならではの大きな利点といえるでしょう。機種によっては温度設定が可能な場合もありますが、基本的には推奨されている温度で使用するのが最も効果的です。
洗浄効率が変わる!食器の正しい並べ方
食洗機の洗浄効果を最大限に引き出すには、食器の並べ方がとても重要になります。ポイントは、高圧の水流が食器のすみずみまで当たるようにすることです。
まず、食器同士が重ならないように、適切な間隔を空けてラックにセットしましょう。汚れがひどい面を、水流が直接当たる内側や下側に向けるのが基本です。
お椀や深皿などは、伏せて水が溜まらないように並べます。コップ類も同様に伏せて入れ、水流が内部まで届くように配置してください。お皿は立てて並べますが、詰め込みすぎると水流が遮られてしまうため、余裕を持たせることが大切です。
カトラリー類は、専用のバスケットがある場合はそこに立てて入れます。
ない場合は、他の食器と重ならないように注意して配置しましょう。正しい並べ方を意識するだけで、洗い上がりが格段にきれいになりますよ。
下洗いの手間を省き効率化するコツ
毎日の下洗いは、少しでも手間を省きたいものですよね。効率化のためには、いくつかのコツがあります。
まず、食べ終わった食器はすぐに水につけておくか、少なくとも大きな固形物はすぐに取り除く習慣をつけましょう。汚れが乾燥してこびりつく前に対処するのがポイントです。
ヘラやスクレーパーを活用するのもおすすめです。お皿に残ったソースや油汚れを、あらかじめヘラでかき集めておくだけでも、その後の水洗いがぐっと楽になります。
先ほどもお伝えしたように、お湯を使った漬け置きも効果的です。汚れがふやけて落ちやすくなるため、ゴシゴシこする必要がなくなります。
下洗いは完璧を目指す必要はありません。「食洗機が苦手な汚れを取り除く」という意識で、効率よく作業を進める工夫を見つけてみてください。
業務用食洗機の下洗いはどの程度?注意点まとめ

基本的な使い方を理解したところで、次に気になるのは注意点ですよね。
ここでは、洗ってはいけないものや洗剤の選び方、日々のメンテナンスなど、安全かつ清潔に使い続けるための大切な情報をお伝えします。
洗ってはいけないもの
業務用食洗機はパワフルですが、どんな食器でも洗えるわけではありません。高温・高圧の水流や強力なアルカリ性洗剤によって、変形・変色・破損してしまう可能性があるため、注意が必要です。
一般的に洗ってはいけないとされるのは、以下のようなものです。
熱に弱いプラスチック
熱で変形する恐れあり。
耐熱温度表示を確認しましょう。
アルミ製品
アルカリ性洗剤で黒ずむ可能性が。
変色に注意。
漆器・木製品
塗りが剥げたり、ひび割れる恐れ。
風合いを損なうかも。
クリスタルガラス等
傷や白濁(曇り)の原因に。
繊細なガラスは手洗いで。
金彩・銀彩・上絵付け
美しい模様が剥がれる可能性大。
装飾のある食器は避けて。
鉄製のフライパン・鍋
錆びやすくなるためNG。
油膜も落ちてしまいます。
テフロン加工など
表面のコーティングが剥がれる原因に。
加工品は手洗いが基本。
大切な食器を傷めないためにも、食洗機に入れる前に、その素材が食洗機に対応しているか確認する習慣をつけましょう。
危険?洗剤の選び方と注意点
業務用食洗機には、必ず専用の洗剤を使用する必要があります。家庭用食洗機洗剤や、手洗い用の中性洗剤は絶対に使用しないでください。
業務用食洗機用洗剤は、主にアルカリ性の成分でできており、油汚れやタンパク質汚れを強力に分解します。しかし、その洗浄力の高さゆえに、取り扱いには注意が必要です。
アルカリ性の洗剤は皮膚に触れると刺激が強く、肌荒れの原因になることがあります。目に入ると大変危険ですので、かぶれやすい方は、洗剤の補充や交換の際にはゴム手袋や保護メガネを着用するようにしましょう。
また、先ほどもお伝えしたように、手洗い用の中性洗剤を食洗機に使用すると、異常な泡立ちが発生し、洗浄力の低下や故障の原因となります。必ず「業務用食器洗浄機用」と表示された洗剤を選び、正しい方法で使用してください。
頑固な水垢への対処法

毎日使っていると、食洗機の庫内に白い水垢が付着してくることがあります。これは水道水に含まれるミネラル分が固まったもので、放置しておくと洗浄力の低下やノズルの詰まり、さらには衛生面での問題にもつながる可能性があります。
水垢を防ぐためには、まず日々の簡単な清掃が大切です。洗浄終了後に庫内に残った食材カスなどを取り除き、定期的にフィルターを掃除しましょう。
それでも水垢が気になる場合は、食洗機庫内用の専用クリーナーを使用するのが効果的です。また、クエン酸を使った洗浄も水垢には有効ですが、食洗機の機種によってはクエン酸の使用が推奨されていない場合もあります。必ず取扱説明書を確認してから試すようにしてください。
定期的なメンテナンスで、食洗機を清潔に保ち、長く快適に使い続けましょう。
家庭用食洗機との下洗いの違い
業務用食洗機と家庭用食洗機では、下洗いの基本的な考え方は同じです。「大きな固形物やこびり付いた汚れを取り除く」という点は共通しています。
ただし、一般的に業務用食洗機の方が、家庭用に比べて洗浄温度が高く、水圧も強い傾向にあります。そのため、家庭用食洗機では下洗いが必要なレベルの汚れでも、業務用ならきれいに落ちるケースもあります。
洗浄時間も大きく異なり、家庭用が1時間以上かかる場合があるのに対し、業務用は数分で完了します。
とはいえ、業務用だからといって全く下洗いが必要ないわけではありません。先述したように、焦げ付きや乾燥した汚れ、粘度の高いソースなどは、やはり事前に取り除いておく方が確実な洗い上がりにつながります。お使いの機種の性能や汚れ具合を見ながら、適切な下洗いの程度を見極めることが大切です。
総括:業務用食洗機の下洗いはどの程度?
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。