スーパーのレジで合計金額を見て、「お米って、こんなに高かったっけ…」と小さくため息が出た経験はありませんか?
そのあと売り場に戻って値札をのぞいてみると、玄米と白米の値段はどっちが安いのか、かえって分からなくなってしまうんですよね。
5kgの袋だけを見比べると玄米のほうが高いのに、ネットには「玄米で買ったほうが得」と書かれている。どちらを信じればいいのか、迷って当然だと思います。
先に方向性だけお伝えすると、この勝負は買う量と、精米する手段であっさりひっくり返ります。
つまり、答えはお米そのものではなく、あなたの暮らし方のほうにあるということ。
この記事では、1kgあたりの単価比較から、精米で約1割減ってしまう目減りを含めた実質価格の出し方、安く買える場所、保存のコツ、精米の方法までをひと続きに整理していきます。
読み終わるころには、次の買い物でどちらの袋に手を伸ばせばいいのか、迷わず決められるはずです。
- 玄米と白米の1kg単価の比較
- 精米後の目減りを含めた実質価格
- 玄米を安く買う方法と量の目安
- コイン精米と精米機の使い分け
玄米と白米の値段はどっちが安いのかを1kg単価で比較
値札に書かれた金額だけを見比べても、この勝負の決着はつきません。袋の容量がバラバラだからです。
まずは1kgあたりに直して、同じ土俵に乗せるところから始めましょう。
1kgあたりの値段は玄米が2割前後安い
同じ産地・同じ銘柄で数量をそろえて比べると、1kgあたりの値段は玄米のほうが2割前後安く、買う量が増えるほど差は広がります。
これが、いまのお米市場のいちばんシンプルな答えです。
2026年8月中旬の時点で、スーパーで実際に売れた精米の全国平均は5kgあたり3,200円前後。1kgに直すと、だいたい640円という計算になります。
一方の玄米は、通販の30kg袋なら1万3,000円台から1万8,000円台あたりが中心の価格帯。1kgあたりにすると、おおよそ430〜600円におさまります。
卸の段階に目を移しても、傾向は同じです。
農林水産省が毎月まとめている相対取引価格は、2026年7月で玄米60kgあたり3万2千円台(全銘柄平均)。
1kgに換算すると540円ほどで、ここには運賃や包装代、消費税相当額まで含まれています。
【出典】農林水産省『米の相対取引価格・数量、集荷・契約・販売状況、民間在庫の推移等』
つまり、お米は「玄米のまま、大きな単位で」動いているうちは安く、精米されて小さな袋に詰められるほど高くなっていく。ごく当たり前の流れなんです。
| 買い方 | 数量の目安 | 価格の目安 | 1kgあたり |
|---|---|---|---|
| スーパーの白米 | 5kg | 約3,200円 | 約640円 |
| 通販の玄米(一般的な銘柄) | 30kg | 約13,000〜18,000円 | 約430〜600円 |
| スーパーの小袋玄米 | 2〜5kg | 店によって幅が大きい | 白米と同じか高め |
数字はあくまで2026年8月時点の目安で、産地や銘柄、セールのタイミングでも上下します。買う直前に、お近くのお店と通販の価格を見比べてみてくださいね。
スーパーの小袋では玄米のほうが高く見える理由
「うちの近所のスーパーだと、玄米のほうが明らかに高いけど?」と感じたあなたの目は、まったく間違っていません。
小袋の玄米が割高になるのには、ちゃんと理由があるからです。
ひとつは、需要の少なさ。
玄米を選ぶ人は白米に比べてぐっと少ないので、大量に仕入れて安く回す、という売り方がしにくいんです。
2kgや5kgの小袋にすると、袋代や小分けの手間が1kgあたりのコストに重くのしかかります。少ロットのものほど割高になるのは、お米に限った話ではありませんよね。
さらに、店頭に並ぶ玄米は健康志向の方向けに作られた、こだわり系の商品が多いという事情もあります。
有機栽培や無農薬で育てられたもの、石や未熟な粒をていねいに取り除いたものは、当然その分だけ値段に反映されます。
山形県産のつや姫のような人気銘柄も、玄米・白米を問わず高めの設定です。
豊かな風味と濃厚な甘みが評価されている分、指名買いされる銘柄は値崩れしにくいというわけです。
玄米が高くなりやすい3つの事情
需要が少なく大量流通に乗りにくいこと、小袋にするほど手間とコストがかかること、そして栽培方法や銘柄にこだわった商品が多いこと。この3つが重なると、店頭では白米より高く見えます。
だからこそ、玄米で安さを取りにいくなら、売り場の小袋ではなく大きな単位で買うルートを探すのが近道になります。そのあたりは後ろの章で詳しくお話ししますね。
精米で約1割減る目減りを入れて計算し直す
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
玄米は買った重さのまま食卓に出るわけではありません。精米すると、ぬかと胚芽の分だけおよそ1割減ります。
玄米30kgを白米に精米すると、手元に残るのはだいたい27kg前後。
3kgほどが、ぬかとして落ちていく計算です。
この目減りを無視して「30kgで1万5,000円だから1kg500円」と考えてしまうと、白米との比較がずれてしまいます。正しくは、精米代も足したうえで、精米後の重さで割り直す必要があります。
実際に、玄米30kgを1万5,000円で買ってコイン精米機にかけた場合で計算してみましょう。
| 項目 | 金額・数量 |
|---|---|
| 玄米の購入価格 | 15,000円(30kg) |
| コイン精米機の料金 | 約300円 |
| 精米後に残る白米 | 約27kg |
| 実質の1kg単価 | 約567円 |
| 白米を買った場合 | 約640円 |
差は1kgあたり70円ほど。
地味な数字に見えますが、月に10kg炊くご家庭なら毎月700円前後、1年では8,000円を超えてきます。
4人家族でお米の消費が多いお宅なら、この差はもっと大きくなります。
逆に、ひと月に5kgも使わない暮らしなら、差額は数百円。手間を考えると割に合わない、という結論も十分ありえます。
葵のワンポイントアドバイス
売り場でお客様とお話ししていると、精米で1割減ることをご存じない方が本当に多いんです。玄米の価格を見るときは、袋の重さではなく「炊ける重さ」で割り直す。この一手間で、判断がぐっと正確になります。
ちなみに、落ちた米ぬかは捨てるだけのものではありません。
ぬか漬けや掃除、家庭菜園の肥料に回している方も多く、そこまで含めれば実質の目減りはもう少し小さく見積もれます。
玄米と白米のどっちが得かは3つの分かれ道で決まる
ここまでの計算をふまえると、答えは3つに分かれます。
あなたの暮らしがどこに当てはまるか、当ててみてくださいね。
一つ目は、ひと月に使うお米が5kg以下の暮らし。
この場合は、素直に白米を買うほうが安上がりです。玄米を少量で買うと単価が跳ね上がりますし、精米の手間まで背負う意味がありません。
二つ目は、ひと月に10kg以上を使い、車で行ける範囲にコイン精米機があるケース。
ここは玄米の圧勝です。30kgのまとめ買いと数百円の精米代で、年に1万円近い差がつくこともあります。
三つ目は、毎日ごはんを炊いていて、味の鮮度にもこだわりたいご家庭。
玄米で買って、家庭用精米機で食べる分だけ精米するスタイルが向いています。初期投資はかかりますが、そのぶん精米したての香りが毎日ついてきます。
| ひと月の消費量 | 向いている買い方 | 理由 |
|---|---|---|
| 5kg以下 | 白米をそのまま購入 | 少量だと玄米の単価が高く手間も見合わない |
| 10kg前後 | 玄米+コイン精米機 | 初期費用ゼロで差額だけを取りにいける |
| 15kg以上/毎日炊く | 玄米+家庭用精米機 | 差額が大きく本体代を回収しやすい |
「うちは真ん中かな?」と思ったら、まずはコイン精米機から試してみるのがおすすめです。合わなければやめられる、というのは案外大きなメリットかと思います。
玄米が安く買える場所とまとめ買いで失敗しない量
玄米で得をするには、大きな単位で買えるルートを知っているかどうかがすべてです。
とはいえ、安さにつられて買いすぎると、今度は別の失敗が待っています。買い方と量の話を、セットで見ていきましょう。
玄米を安く買える場所は通販と農家直送とふるさと納税
玄米を安く手に入れる王道は、中間の工程をひとつでも減らすことです。ルートによって、同じお米でも1割から3割ほど価格が変わってきます。
それぞれに向き不向きがあるので、暮らしに合いそうなものから試してみてください。
- ネット通販でまとめ買い
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングは30kg単位の取り扱いが豊富で、送料込みの最安値を比べやすいのが強みです。セール時期に合わせればポイント還元も乗ってきます。 - 農家直送や産直サイト
中間業者を通さないぶん、相場より1割から3割ほど安く買えることがあります。低温倉庫で管理されているかどうかを、購入前に確認しておくと安心です。 - 農協の直販所や農産物直売所
地元のお米が、精米されていない状態で並んでいることがあります。スーパーでは見かけない30kgの大袋に出会えるのも直売所ならではです。 - ふるさと納税
実質2,000円の負担で、産地や品種を選んで受け取れます。返礼品には玄米を指定できるものも多く、量の多さと選べる楽しさが魅力です。
ちなみに、価格だけを追いかけると「未検査米」と書かれた商品にたどり着くことがあります。
これは等級検査を受けていないだけで、品質が悪いという意味ではありません。粒の大きさが不ぞろいだったり、青い未熟粒が混ざったりする代わりに、単価がぐっと下がります。
精米してしまえば見た目の差はほとんど気にならないので、価格優先ならこうした選択肢も現実的です。
まとめ買いは1〜2ヶ月で食べきれる量までにする
ここで、いちばんもったいない失敗の話をさせてください。
安いからと60kg買って、夏を越えて虫がわいてしまった。売り場で相談を受ける中で、意外とよく耳にするパターンです。
玄米は白米より日持ちしますが、保管できる場所の広さと涼しさが、買っていい量の上限を決めます。お米は生鮮食品に近い扱いをするのが正解なんです。
目安としては、1〜2ヶ月で食べきれる量まで。冷蔵庫の野菜室に入る分量を先に決めてから、購入量を逆算するとうまくいきます。
30kgを丸ごと冷蔵保存できるご家庭はまずないので、専用の保冷庫がない場合は10kg前後を上限に考えるのが現実的かと思います。
まとめ買いで損をしやすいパターン
保管場所を決めずに大容量を買う、購入後も米袋のまま常温に置く、気温が20℃を超える季節に半年分をストックする。この3つは、せっかくの価格差を風味の低下や虫の発生で帳消しにしてしまいます。
安く買えたかどうかは、レジを通った時点ではまだ決まりません。最後の一粒をおいしく食べきれて、はじめて「安く買えた」と言えるのだと思います。
保存で差がつく玄米と白米の日持ちの違い
保存の面では、玄米のほうがはっきり有利です。
白米は精米によって中身がむき出しになるため、空気に触れて酸化が進みやすくなります。対する玄米は、ぬか層という天然の包装紙をまとったままなので、劣化のスピードがゆるやかなんです。
目安としては、白米が精米後1〜2ヶ月、玄米は3ヶ月から半年ほど。季節による差も大きく、春夏の白米は2週間から1ヶ月で食べきりたいところです。
| 状態 | 春夏 | 秋冬 | 守ってくれているもの |
|---|---|---|---|
| 白米 | 2週間〜1ヶ月 | 1〜2ヶ月 | なし(精米で削られている) |
| 玄米 | 約3ヶ月 | 半年程度 | ぬか層と胚芽 |
ただし、玄米も決して劣化しないわけではありません。ぬかに含まれる油分は時間とともに酸化しますし、温度が高いほどその進みは早くなります。
お米に賞味期限の表示がないのも、保存環境しだいでおいしさの持ちが大きく変わってしまうからです。野菜や果物と同じ農産物として扱われている、と考えると腑に落ちますよね。
玄米も白米も冷蔵庫の野菜室が基本
保存場所の結論はシンプルで、気温が20℃を超える季節は冷蔵庫の野菜室です。10℃前後で安定している野菜室は、お米にとってちょうどいい環境なんです。
低温だと酸化がゆるやかになり、コクゾウムシなどの害虫も15℃以下ではほとんど活動できなくなります。
気をつけたいのが容器です。米袋には空気を抜くための小さな穴が開いていることが多く、そこから湿気も虫も入ってきてしまいます。
密閉できるプラスチック容器やガラス瓶、チャック付きの厚手の保存袋に移し替えてください。2Lのペットボトルも、口が広くて計量カップに注ぎやすく、野菜室のすき間に立てて置けるので便利です。
もうひとつ、コイン精米機から持ち帰ったお米をそのまま容器に入れないこと。
温かいまま密閉すると結露してカビの原因になるので、精米したてのお米を冷ましてから保存する手順をまとめた記事も合わせて読んでおくと失敗しにくくなります。
常温で置く場合は、15℃以下の涼しい日陰を選んでください。直射日光とコンロまわりの熱は、お米にとって最大の敵になります。
玄米を白米にする方法とかかるコストの比べ方
玄米で買うと決めたら、次に考えるのは「どこで精米するか」です。
選択肢はコイン精米機と家庭用精米機の2つ。どちらが得かは、精米する頻度でほぼ決まります。
コイン精米機は初期費用ゼロで仕上がりも上々
結論からいうと、精米が月に1〜2回で済むならコイン精米機が経済的です。
本体を買う必要がなく、料金は10kgで100円から200円ほど。30kgでも300円前後で、業務用の機械を使えるぶん仕上がりの品質も申し分ありません。
白米・無洗米・七分づき・五分づきといった精米度も選べますし、24時間動いている場所が多いのも助かります。
一方で、弱点もはっきりしています。重い玄米を車に積んで往復する必要があることです。30kgの袋は、女性ひとりで持ち上げるにはかなりの重さになります。
近くに設置場所がなければ、ガソリン代と時間が上乗せされます。夜間はひと気のない場所も多く、防犯面が気になるという声もよく聞きます。混み合う週末は、待ち時間が発生することもあります。
持ち込む量が少ないと割高になる仕組みの機械もあるので、コイン精米機に持ち込める最低量と料金の考え方を整理した記事で、事前に確認しておくと無駄がありません。
家庭用精米機は手間ゼロだが初期投資が必要
家庭用精米機のいちばんの価値は、精米が「移動をともなう用事」から「炊飯前のひと工程」に変わることです。
食べる分だけをその都度精米できるので、お米はいつでも精米したて。
三分づき、五分づき、七分づきと、その日の献立や気分に合わせて仕上がりを変えられるのも家庭用ならではです。
酸化した白米の表面を削り直す再精米機能を持つ機種なら、風味が落ちてしまったお米をよみがえらせることもできます。
備蓄していた古いお米の使い道に困っている方には、これが決め手になることも多いです。

正直にお伝えすると、弱点もあります。
まずは1万円台からという初期投資。
そして、使うたびに大量の米ぬかが出ることです。
ぬかボックスをそのまま放置すると虫がつく原因になるので、精米のたびに片づける習慣が要ります。パーツを外して洗える機種を選んでおくと、この手間がぐっと軽くなります。

動作音も見落とせません。圧力式や圧力循環式は比較的静かですが、かくはん式は音が大きめになる傾向があります。
集合住宅にお住まいなら、早朝や夜遅い時間帯に使わない前提で選ぶのが無難です。
家庭用精米機の元が取れるまでの目安
「本体代を払ってまで得なの?」という疑問に、数字でお答えしますね。
白米を買う場合との差額が1kgあたり70円ほど。ひと月に10kg使うご家庭なら、浮くのは月700円前後という計算でした。
ここに1万5,000円の精米機を当てはめると、回収の目安はおよそ1年半から2年。消費量が15kgを超えるご家庭なら、1年ほどで元が取れる計算になります。
電気代はほとんど気にしなくて大丈夫です。消費電力250Wクラスの機種で5合を数分動かす程度なら、1回あたり1円に届きません。
元が取れるかの簡単な計算式
本体価格 ÷(ひと月に使うお米のkg数 × 70円)= 回収までの月数。10kgなら約21ヶ月、20kgなら約11ヶ月が目安です。差額は相場で変わるので、購入前にご自身の数字で計算し直してみてください。
ただし、これはあくまで金額だけの話です。精米したてのごはんの香りや、分づき米を自由に選べる楽しさは、この計算には入っていません。
葵のワンポイントアドバイス
売り場でよく聞かれるのが「週に何回使えば買う価値がありますか?」という質問です。目安は週2回以上。それ未満ならコイン精米機のほうが気楽ですし、それ以上なら往復の手間を考えても家庭用に軍配が上がります。
2026年に選ぶなら押さえておきたい家庭用精米機2台
ここからは、いま買うなら候補に入れたい現行モデルを2台ご紹介します。容量の考え方がまったく違うので、ご家族の人数から逆算して選んでみてください。
1台目は、レコルトの「コンパクト精米機」(RRP-1)です。
2025年10月に登場した、幅約14cmの2合サイズという小柄な1台になります。
最大の魅力は、置き場所を選ばないこと。重さは約1.3kgで、キッチンに出しっぱなしにしても圧迫感がありません。精米機を買っても結局しまい込んで使わなくなる、という失敗をしにくいサイズ感です。
モードは三分づき、五分づき、七分づき、胚芽、白米、上白米、再精米の7種類。ダイヤルを回すだけの操作なので、精米が初めての方でも迷いません。玄米2合を白米に仕上げるのにかかる時間は約3分40秒で、炊く前のひと手間として無理なく組み込めます。
バスケットやぬか受けトレイ、羽根は取り外して水洗いできるため、お手入れのハードルも低めです。
向いているのは、ひとり暮らしやふたり暮らしで、炊く分だけをこまめに精米したい方。逆に、5合をまとめて精米したい大家族には容量が足りません。
無洗米と籾米は使えない点も、買う前に押さえておいてください。
2台目は、アイリスオーヤマの精米機「KRCI-C5-B」。
2025年6月に発売された5合対応モデルで、家族分をまとめて精米したいご家庭向けの1台です。
特徴は、主要な41銘柄に合わせて精米の仕方を変えられること。コシヒカリとゆめぴりかでは粒の硬さも水分量も違うので、銘柄を指定できるのは仕上がりに効いてきます。
精米カゴの内側に突起を設けた構造で、お米同士がしっかりこすれ合い、白度の高い仕上がりになるよう設計されています。
コースは白米、純白米、無洗米、三分・五分・七分づきの全6種類。さらに、古米の酸化した層を削る白米磨きモードを備えているので、備蓄していたお米の古米臭が気になるときにも活躍します。1合から5合まで連続で精米でき、5合の白米なら5分半ほどが目安です。
ぬかボックスに取っ手が付いていて取り外しやすいのも、毎日使う道具としてはありがたいところ。
向いているのは、3〜4人以上のご家庭で、まとめ買いした玄米を週に何度も精米する方です。かくはん式なので、静けさを最優先したい方には向きません。
本体は約3.6kgあり、収納場所も先に決めておきたいところです。
この2台以外にも選択肢はたくさんあるので、精米の種類ごとの違いと精米機の選び方をひと通り整理した記事で、方式や容量の考え方を確認してから決めると失敗しにくくなります。
価格や仕様は変わることがあるので、購入前に最新情報を公式サイトで確認してみてくださいね。
値段だけで決めない|栄養と食べやすさから見た選び方
ここまでは、ひたすらお金の話をしてきました。
でも、毎日食べるものですから、口に合うかどうかも同じくらい大事ですよね。玄米を選ぶもうひとつの理由も見ておきましょう。
玄米は食物繊維が白米の約6倍
栄養の面では、玄米と白米にかなりの差があります。
もっとも分かりやすいのが食物繊維で、玄米は白米のおよそ6倍。ビタミンB1は約5〜8倍、白米にはほとんど含まれないビタミンEにいたっては約12倍もの開きがあります。
ミネラルも同じ傾向です。マグネシウムは玄米ごはん100gあたり49mgで、白米ごはんの約7倍。カリウムやマンガンも2倍以上含まれています。
これらはすべて、精米で削られるぬか層と胚芽に詰まっている成分です。白米にするということは、栄養の一部を削り落とすことでもあるというわけなんです。
とはいえ、玄米が完璧というわけでもありません。ビタミンAやビタミンD、ビタミンK、ビタミンCはほとんど含まれないので、おかずで補う前提で考えてください。
カロリー自体は白米とほとんど変わらないので、玄米に替えたからといって食べる量を気にしなくていいわけでもありません。1食のごはんは、男性で200g、女性で150gくらいが一般的な目安とされています。
玄米が続かないなら分づき米や混ぜ炊きから
玄米を買ったものの、あの独特のプチプチした食感が家族に不評で続かなかった…。これも、玄米デビューでとても多い失敗です。
そんなときの助け舟が、白米と混ぜて炊く方法になります。
最初は白米7に対して玄米3くらいから始めて、慣れてきたら5対5、最終的に3対7へ。段階的に上げていくと、家族も抵抗なくついてきてくれます。
炊くときのコツは、水加減を玄米寄りにすること。玄米の水加減はお米の量の約1.77倍、白米は約1.42倍が基本なので、混ぜる場合は多めに寄せて、浸水時間も長めに取ってください。炊飯器に玄米モードや分づき米モードがあれば、そちらに合わせるのがいちばん確実です。
そもそも精米の度合いを調整するという手もあります。三分づきは玄米に近く、五分づきは玄米と白米のちょうど中間。七分づきまで削れば、食味はほとんど白米と変わりません。
もちもちした食感が好みなら、低アミロース米の玄米を選ぶのもひとつ。ぬか層に覆われていても、甘みと粘りの強さはしっかり伝わってきます。玄米を小豆と塩で炊いて数日寝かせる酵素玄米(寝かせ玄米)も、食べやすさが上がる方法として定着していますね。
玄米ならではの注意点と向かない人
良いところばかりお伝えするのはフェアではないので、正直に弱点も書いておきます。
玄米は炊くのに手間がかかります。浸水に数時間必要な場合もあり、思い立ってすぐ炊けるお米ではありません。
玄米モードのない炊飯器だと、水加減も加熱時間も手動で調整することになります。夜のうちに浸水させておく段取りが必要になるので、帰宅してから慌てて炊く生活には正直向いていません。
油分が多いぶん、保存にも気をつかいます。常温の台所に置きっぱなしにすると、白米より早く風味が落ちてしまうこともあるんです。
玄米が向かないのはこんな人
ひと月のお米の消費が5kg以下の方、コイン精米機が近くになく精米機を置く場所もない方、炊飯前の浸水時間を確保しにくい方。この条件が重なるなら、無理をせず白米を選んだほうが満足度は高くなります。
逆にいえば、この3つがクリアできるご家庭にとって、玄米は価格・保存・鮮度の三拍子がそろった選択肢になります。
玄米と白米の値段に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 玄米の袋に「未検査米」と書かれていました。安いのは品質が悪いからですか?
A. 未検査米とは、農産物検査を受けていないお米のことで、品質が劣ると決まっているわけではありません。
検査を受けていないため産地や品種、産年を表示できず、そのぶん価格が抑えられている場合が多いです。
粒の大きさが不ぞろいだったり未熟な粒が混ざったりすることはありますが、精米してしまえば見た目の差はほとんど気にならなくなります。
Q2. コイン精米機に白米を持ち込んで、もう一度精米してもらえますか?
A. 機種によっては、白米の表面を軽く削る「白米みがき」や「クリーン精米」といったコースが用意されています。
ただし、すべての機械に備わっている機能ではありませんので、操作パネルの表示を確認してから投入してください。
削りすぎると米粒が割れてしまうため、古米の風味が気になるとき以外は無理に使わないほうが安心です。
Q3. 玄米は炊くときに電気代が余計にかかりますか?
A. 玄米モードは白米より炊飯時間が長くなるため、1回あたりの消費電力量はやや増えます。
とはいえ、炊飯器の1回の電気代はもともと数円程度ですので、増える分はごくわずかです。
玄米にすることで浮くお米代のほうが大きくなるケースが多いと考えて差し支えありません。
Q4. 精米したあとに出る米ぬかは、捨てるしかないのでしょうか?
A. ぬか漬けの床にしたり、家庭菜園の肥料として土に混ぜたりと、活用方法はいろいろあります。
フライパンで軽く炒って、ふりかけやお菓子作りに使う方もいらっしゃいます。
ただし油分が多く傷みやすいので、使わない分は密閉して冷蔵庫で保管し、早めに使い切るようにしてください。
玄米と白米のどちらが安いかはあなたの暮らし方で決まる
ここまで見てきたように、玄米と白米の値段の差は、金額表だけでは決着がつきません。
1kgあたりの単価では玄米が2割前後安いものの、精米で約1割減る目減りと精米にかかる手間を差し引いたところに、本当の答えがあります。
ひと月に10kg以上使うご家庭なら年に8,000円ほどの差になり、5kgに満たない暮らしなら、その差は手間に見合わないほど小さくなります。
迷ったときは、次の3点を順番に確かめてみてください。
買う前に確かめたい3つのこと
ひと月に何kg炊いているか。
冷蔵庫の野菜室に何kg分の場所を空けられるか。
そして、コイン精米機まで無理なく通えるか。
この3つがそろって「はい」なら玄米、ひとつでも厳しいなら白米が正解です。
玄米を選ぶなら、まずは10kgの小さめのまとめ買いから。
近くのコイン精米機で1回精米してみて、手間と味に納得できたら、家庭用精米機や30kgのまとめ買いへ進む。
この順番なら、失敗してもダメージはほとんどありません。
次のお買い物では、値札の金額を袋の重さで割ってみるところから始めてみてくださいね。それだけで、いままで見えなかった差がはっきり浮かび上がってくるはずです。







