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加湿器が寒い原因と対策を解説!暖かさの保ち方と置き場所のコツ

加湿器の豆知識

せっかく風邪予防やお肌のために加湿器を出したのに、なんだか部屋がスースーして寒いと感じたことはありませんか?

私も家電量販店で働いていると、お客様から「加湿器をつけると部屋が冷える気がするんだけど、これって故障?」なんて相談をよく受けるんです。

実はこれ、故障ではなくて物理的な仕組みが原因であることがほとんどなんです。潤いは欲しいけれど、ガタガタ震えるほど寒くなるのは困っちゃいますよね。

この記事では、そんな冬の加湿器にまつわるお悩みを、家電のプロとしての知識を交えながら分かりやすく紐解いていきます。

加湿器のタイプごとの特徴や、ちょっとした工夫で体感温度を上げるコツ、さらには買い替えを検討している方にぴったりの暖かいモデルまでたっぷりお伝えしますね。

最後まで読んでいただければ、もう冬の加湿器で寒い思いをすることはありませんよ!

この記事のポイント
  • 加湿器で寒くなる物理的な理由
  • 冷たい風と暖かい蒸気の違い
  • 室温を下げないための設置のコツ
  • 冬の夜に最適な加湿器の運用方法
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冬の加湿器が寒いと感じる原因と仕組み

加湿器を動かし始めた途端に足元が冷えたり、設定温度を上げても肌寒く感じたりするのには、明確な理由があります。
まずはその正体を確認していきましょう。

加湿するとなぜ寒くなる?

加湿器を使うと部屋が寒くなる一番の理由は、「気化熱」という現象にあります。
水が液体から気体(水蒸気)に変わる時、周りの空気から熱を奪っていく性質があるんです。

これを潜熱(せんねつ)と呼んだりもしますが、ヒーターを使わずに水を蒸発させるタイプだと、お部屋の暖かい空気の熱をエネルギーとして使ってしまうため、結果として室温がわずかに下がってしまうわけですね。

特に「気化式」や「超音波式」の加湿器、あるいは加湿機能付きの空気清浄機を使っている場合、この現象が顕著に出やすいんです。

吹き出し口から出てくる風は、お部屋の温度よりも数度低いことが多く、それが直接体に当たると余計に寒さを感じてしまいます。

加湿機能付きの空気清浄機で風の冷たさに悩む場合は、空気清浄機の風が寒い時の置き場所と対策も参考になります。

「加湿器の風が冷たくて耐えられない」という声も店頭でよく耳にしますが、これは仕組み上どうしても避けられない部分でもあるんですよね。

さらに、湿度が上がると窓際で結露が起きやすくなり、その冷えた空気が床に降りてくる「コールドドラフト現象」も寒さを助長する一因になります。

冷たいか暖かいかの違い

加湿器には大きく分けて、冷たいミストや風を出すタイプと、暖かい蒸気を出すタイプがあります。この違いを理解することが、冬の快適さを左右する大きなポイントになるんです。

一般的に「気化式」や「超音波式」は、水を加熱せずに放出するため、吹き出し口の温度は室温以下になります。一方で「スチーム式」や「ハイブリッド式(加熱気化式)」は、ヒーターの力を使うため、暖かい蒸気や温風による加湿が可能です。

この冷たいか暖かいかの違いは、体感温度だけでなく、お部屋の湿度を上げるスピードにも影響します。

暖かい蒸気は空気中に溶け込みやすいため、素早く湿度を上げることができますが、冷たいミストは床に落ちやすく、周囲を湿らせてしまうこともあります。

私が接客したお客様の中には、「超音波式を使っていたら周辺の家具が冷たくなって、部屋全体がヒンヤリしてきた」と仰る方もいました。冬場に使うなら、やはり放出されるものの温度に注目して選ぶのが正解かなと思います。

室温が低い時の体感

冬場の日本の住宅は、特に木造住宅だと断熱性能に限界がある場合も多く、もともとの室温が低いことが珍しくありません。そんな状況で加湿器をガンガン回してしまうと、さらに体感温度を下げてしまうリスクがあります。

室温が20度を下回っているような環境では、空気中の飽和水蒸気量が少ないため、加湿器から出た水分がうまく蒸発できず、ミストのまま空気中に漂ってしまいます。

室温が低い時の注意点

室温が低い状態で無理に加湿しようとすると、水分が空気になじまずに壁や床を冷やしてしまい、結果的に「底冷え」を強く感じることになります。まずは暖房でお部屋をしっかり暖めてから加湿器を動かすのが、寒さを防ぐ鉄則ですよ。

また、湿度が上がれば体感温度が上がるという説もありますが、それはあくまで「暖かい部屋」での話です。

冷え切った部屋で湿度が上がると、衣類の表面が湿気を帯びてしまい、その湿気が蒸発する時にまた体温を奪っていくため、むしろ寒さが厳しく感じられることもあるので注意が必要ですね。

加湿器は室温を上げる?

「加湿器を使えば室温も上がるんですよね?」と聞かれることがありますが、答えは「機種による」です。

スチーム式の加湿器であれば、100度近くまで加熱したお湯を蒸気として出すため、実質的に小さな電気ヒーターを置いているような状態になり、わずかですが室温を上げる効果があります。

実際、スチーム式を愛用している方からは「加湿器をつけると部屋がほんのり暖まる」という評判をよく聞きますね。

一方で、それ以外の方式(気化式やハイブリッドの省エネモードなど)は、先ほど説明した通り気化熱によって室温を数度下げてしまう働きがあります。

室温を上げることを期待して加湿器を導入するなら、三菱重工冷熱の「roomist(ルーミスト)」SHEXDシリーズのようなスチームファン蒸発式がおすすめですよ。

例えば「SHE60XD」などは、しっかりとした加湿能力(600mL/h)を持ちつつ、暖かい蒸気をファンで拡散してくれるので、冬場のリビングに最適です。

冬の夜は加湿器をつけっぱなしにするべき?

冬の夜、寝ている間に喉がカラカラになるのは辛いですよね。
厚生労働省の「インフルエンザQ&A」では、空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、乾燥しやすい室内では加湿器などで適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的だと案内されています。
(出典:厚生労働省『インフルエンザQ&A』)

でも「朝起きたら部屋が冷え切っていて、窓は結露でベタベタ…」というのも避けたいところ。

結論から言うと、就寝中も加湿器はつけるべきですが、運用には工夫が必要です。
寝室で加湿器をつけっぱなしにすると、夜中に暖房が切れた後、室温が下がっていく中で湿度だけが高い状態になり、結露と寒さの原因になります。

夜間の賢い加湿器運用術

・暖房のタイマーと合わせて加湿器もタイマー設定にする。
・「おやすみモード」など、控えめな加湿設定を活用する。
・加湿器を枕元に近づけすぎない(冷気で目が覚めるのを防ぐため)。

もし寝室で使うなら、音が静かなハイブリッド式が向いています。
例えばダイニチの「LXタイプ(HD-LX1025など)」は、静音性能が非常に高く、寝室でも気になりません。

ただ、省エネモードだと冷たい風が出るので、寝る直前までは標準モードでしっかり加湿し、寝る時は湿度を維持する程度の微弱運転に切り替えるのが、寒さを感じないコツかなと思います。

加湿器が寒い問題を解消する対策と選び方

ここからは、具体的にどうすれば「加湿器=寒い」という方程式を壊せるのか、その対策と失敗しない選び方について解説していきます。

寒くならない加湿器の選び方

加湿器選びで「寒さ」を最優先で回避したいなら、選択肢は「スチーム式」一択と言っても過言ではありません。お湯を沸かして出す仕組みなので、物理的に冷たい風が出ることがないからです。

ポットのようなシンプルな構造で手入れが楽なものから、ファンを使って効率よく蒸気を広げるタイプまで色々あります。

最近の人気は、象印の「EE-TBシリーズ(EE-TB60など)」ですね。
見た目はほぼ電気ポットですが、フィルターがないのでお手入れが驚くほど簡単なんです。蒸気も約65度まで冷ましてから出してくれる設計なので、安全性と暖かさのバランスが絶妙ですよ。

他にも、三菱重工冷熱の「SHE35XD」などは、コンパクトながらパワフルなスチームファン式で、一人暮らしや個室でも寒さを気にせず使えます。

スチーム式はカルキ(白い水垢)が付きやすいので、加湿器のカルキ掃除の手順もあわせて押さえておくと安心です。

お値段や電気代も気になるところですが、「寒さに震えながら加湿するストレス」を考えれば、スチーム式への投資は価値があると思います。

暖かい蒸気がもたらす効果

暖かい蒸気がもたらすメリットは、単に「寒くない」だけではありません。温かい水分は空気中に溶け込む力が強いため、お部屋の隅々まで素早く潤いが行き渡ります。

また、スチーム式のように水を煮沸させるタイプは、雑菌が放出されにくいという衛生面での大きなメリットもあるんです。これは小さなお子様がいるご家庭や、衛生面にこだわりたい方には嬉しいポイントですよね。

さらに、視覚的にも「湯気」が見えることで、心理的な暖かさを感じる効果もあります。冬の寒い日に、加湿器から白い湯気がふわ〜っと出ているのを見ると、なんだかホッとしますよね。

店頭でも「やっぱり暖かい蒸気が出る方が、冬っぽくて安心する」というお声をよくいただきます。

ただし、スチーム式は消費電力が数百ワット(機種によっては700W〜800W程度)と高めになるので、電気代との相談は必要ですが、暖房の設定温度を少し下げられることを考えれば、トータルでの満足度は高いはずです。

加湿器が寒い時の対策

今持っている加湿器が気化式や超音波式で、どうしても買い替えが難しい…という場合でも、諦めないでください。ちょっとした工夫で寒さを和らげることは可能です。

まず一番大切なのは、加湿器の風を直接肌に当てないこと
当たり前のようですが、デスクのすぐ横に置いて冷たい風を浴びている方、意外と多いんです。サーキュレーターを使って空気を混ぜるのも効果的ですよ。

おすすめのサーキュレーターは、アイリスオーヤマの「PCF-SDC15T-EC-W」です。

これ、上下左右に首を振ってくれるので、天井付近に溜まった暖房の温風と、床に溜まった加湿器の冷気をしっかりかき混ぜてくれます。DCモーターで音も静かですし、冬の寒さ対策には欠かせないアイテムです。

また、窓際に置くと結露を促進して部屋を冷やす原因になるので、できるだけお部屋の中央寄り、あるいは暖房の風が当たる場所に設置してみてください。

寒い時の最適な置き場所

加湿器の置き場所一つで、体感温度は劇的に変わります。最悪なのは「窓際」と「床の上」です。窓際は外気で冷やされているので、そこで加湿すると結露が激しくなり、窓からの冷気が強まってしまいます。

また、冷たい空気は下に溜まる性質があるため、床に置くと足元だけが冷え冷えになってしまうんです。窓からの冷気(コールドドラフト)を抑える工夫は、窓の断熱で底冷えを減らす考え方でも詳しく解説しています。

おすすめの設置ポイント

  • 床から70cm〜1m程度の高さ(テーブルの上など)に置く
  • エアコンの温風が当たる場所の下付近に設置する
  • 窓から離れた部屋の中央側に置く

エアコンの風が当たる場所に置けば、加湿器から出たミストや蒸気がエアコンの暖かい風に乗って素早く蒸発し、お部屋全体に広がります。これなら気化熱による温度低下も最小限に抑えられますし、何より効率的に潤います。

もし置き場所が制限されるなら、せめて厚手の断熱カーテンを使ったり、ニトムズの窓ガラス断熱シートを貼ったりして、窓からの冷気を遮断することをおすすめします。

寝室の加湿器が寒いとき

寝室での寒さ対策、これも重要ですよね。

夜中に加湿器の冷気で目が覚めてしまうという方は、設置場所を「足元側」に変更してみてください。顔周りに置いてしまうと、どうしても冷えた空気を吸い込むことになり、体感温度が下がってしまいます。

また、スチーム式を使えば暖かいですが、コトコトという沸騰音が気になるという声もあります。

そんな時は、象印の「EE-TBシリーズ」のように、お湯を沸かす音を抑える「湯沸かし音セーブモード」があるものを選ぶか、山善の「EKS-V3-C」のようなシンプルなポット型で、沸騰したら出力を抑えられるタイプを選ぶと良いでしょう。

もし気化式を使っているなら、就寝の1〜2時間前から「強」で一気に加湿しておき、寝る時は「静音」や「エコモード」にして、ファンが回る速度を落とすだけでも寒さはかなり軽減されますよ。

まとめ:加湿器が寒い原因と対策

いかがでしたでしょうか。
冬の加湿器が寒いと感じるのには、気化熱という物理的な仕組みや、設置場所などの要因が重なっていたんですね。

最後に、加湿器で寒い思いをしないためのポイントをまとめておきます。

スチーム式などの加熱するタイプは、性能を維持するために「クエン酸洗浄」が不可欠です。
放っておくと石灰のような汚れが溜まって加湿力が落ち、余計に電気代がかかってしまうことも。定期的にケアして、暖かい潤いを楽しんでくださいね。

この記事が、あなたの冬の生活を少しでも暖かく、快適にするお手伝いになれば嬉しいです。