寒い冬、こたつの魔力には誰も勝てませんよね。
私もついついウトウトしてしまったり、慌てて出かけた後に「あれ?こたつ消したっけ…?」と冷や汗をかいたりした経験、一度や二度ではありません。
あの瞬間の心臓がキュッとなる感覚、本当に嫌なものです。
でも、その「うっかり」が招くリスク、実は私たちが想像している以上に深刻なんです。
単に電気代がもったいないという話だけならまだしも、最悪の場合は火事につながったり、家族同然のペットへのリスクにつながることも。
そこで今回は、家電量販店で働く私の視点から、こたつのつけっぱなしが引き起こすリスクを具体的な数字で検証し、最新の家電テクノロジーを使ってその不安を「ゼロ」にするための解決策を徹底的に解説します。
精神論で「気をつけよう」と頑張るのではなく、便利な道具に頼って、もっと楽に、もっと安全に冬を乗り切りましょう!
- 火事と電気代のリアルな数字
- 猫ちゃんを守る安全な方法
- 外出時の不安を消す便利グッズ
- ヒーター交換で根本解決
こたつのつけっぱなしによるリスクと電気代

ここではまず、誰もが気になる「お金」と「安全」の話を掘り下げていきます。
丸一日つけっぱなしにしたらいくら損をするのか、火事の危険性はどれくらいあるのか、そして大切な家族であるペットにどんな影響があるのか。
具体的なデータをもとに、そのリスクの正体をはっきりさせていきましょう。
1日つけっぱなしにした時の電気代
「しまった、朝から晩までつけっぱなしだった!」という絶望感、誰にでもありますよね。
では、そのミスで実際にお財布にはどれくらいのダメージがあるのでしょうか。
一般的なこたつ(500W〜600Wクラス)を例に計算してみましょう。
例えば、メトロ電気工業の「MCU-501E」のようなカーボンヒーターモデルの場合、サーモスタットが効いているため常に全力運転しているわけではありません。
昨今の電気料金高騰(目安として31円/kWh)を加味して計算すると、「強」運転で1時間あたり約6円、「弱」なら約2.2円程度です。
こたつの消費電力や1日・1ヶ月あたりの電気代を、古い機種と最新機種で比較したい方は、古いこたつの電気代とつけっぱなし運転の目安を詳しく解説した記事も参考になります。
もし丸1日(24時間)つけっぱなしにしてしまったとすると、「強」モードで約144円、「弱」モードなら約53円という計算になります。
「あれ、意外と安い?」と思われたかもしれませんね。
確かに1回だけなら缶ジュース1本分程度で済みます。エアコンだと数百円〜千円近くいくこともあるので、それに比べれば軽傷と言えるかも。
ですが、これが「週末の旅行中にずっと」となると48時間で約300円、もし冬のシーズン中(90日間)、ペットのために良かれと思って毎日24時間つけっぱなしにすると、なんと約1万3,000円近くにも膨れ上がります。
チリも積もればなんとやら。
1回のダメージは少なくても、習慣化してしまうと家計へのインパクトは無視できないレベルになりますね。
こたつを出している期間そのものを見直したい場合は、こたつをいつ出すのが正解かを詳しく解説した記事もチェックしておくと、シーズン全体の電気代をイメージしやすくなります。
つけっぱなしとこまめに消すのはどちらが得か
よく「エアコンはつけっぱなしの方が安い」なんて話を聞きますが、こたつの場合はどうなんでしょうか?
結論から言うと、こたつに関しては「こまめに消す」方が圧倒的に経済的です。
エアコンは部屋全体の空気を冷やしたり温めたりするため、起動時に大きなパワーを使います。一度適温になったら、それを維持する電力は少なくて済むので、頻繁なオンオフが逆効果になることがあるんですね。
でも、こたつは仕組みが違います。
布団で囲われた狭い空間を温めるだけのシンプルな構造なので、立ち上がりのエネルギーロスがそこまで大きくありません。
トイレに行く時やちょっとした家事の間など、数分〜10分程度の離席なら消さなくても良いですが、買い物や出勤など30分以上席を外すなら、迷わずスイッチを切るのが正解です。
特にメトロなどのヒーターには手元コントローラーに「ecoボタン」がついている機種もあり、これを活用すれば消費電力をさらに15%ほどカットできます。
節電のコツ
こたつは「こまめに消す」が基本ルール。さらに「ecoモード」などを併用して、賢く使うのが一番の節約術です。
火事が発生する確率とその危険性
「こたつの火事なんて、めったに起きないでしょ?」と思っていませんか?
確かにこたつが原因の火災は年間数十件程度と、タバコやコンロに比べれば少ないです。
でも、だからといって「安全」と言い切れないのが怖いところなんです。
総務省消防庁の統計でも、電気ストーブや電気こたつによる火災は平成26年から平成30年までの5年間で合計数百件発生しており(出典:総務省消防庁データを引用した福島県「電気ストーブや電気こたつの火災に注意しましょう!」)、決してゼロにはならないことが分かります。
なぜなら、こたつの火事は「寝ている間」や「留守中」に起きやすいから。
発見が遅れて、気づいた時には手遅れ…というケースが後を絶ちません。
原因の多くは、ヒーターユニットに布団や洗濯物が接触して発火する「可燃物の接触」です。
特に、座椅子を押し込んで布団がヒーターの中に巻き込まれたり、中で洗濯物を乾かそうとしたりするのは絶対にNGですよ。
もう一つの原因が、ヒーターについた「ホコリ」です。
長年使っているこたつのヒーター、覗いたことありますか?綿ボコリやペットの毛がびっしり…なんて状態だと、それが炭化して発火する恐れがあります。
また、電源コードがこたつの脚に踏まれて断線し、そこからショートして発火するケースも。確率自体は低くても、起きた時のダメージが壊滅的なのがこたつ火災の特徴です。
古いヒーターは要注意
異臭がしたり、コードが熱くなっていたりしたら即使用中止を。古いヒーターを使い続けるのは、時限爆弾を抱えているようなものです。
猫に及ぼすリスクと安全な代替案

「猫はこたつで丸くなる」なんて童謡もありますが、実は人間用のこたつを猫ちゃんに使うのは、命に関わるほど危険だってご存知でしたか?
お店でお客様とお話ししていても、ここを誤解されている方が本当に多いんです。
猫は人間のように汗をかいて体温調節ができません。こたつの中は「弱」でも30℃〜40℃以上になり、密閉されているので湿度も高くなりがち。
そんな場所に長時間いたら、あっという間に熱中症や脱水症状を起こしてしまいます。猫が口を開けてハアハアしていたり、歯茎の色が悪くなっていたりしたら緊急事態です。
「寒そうだから」という優しさでつけっぱなしにして外出するのは、実は虐待に近い行為になりかねません。酸欠や一酸化炭素中毒(豆炭などの場合)のリスクもあります。
どうしても猫ちゃんに暖まってほしいなら、ドギーマンの「遠赤外線 ねこの夢こたつ」や、マルカンの「遠赤外線にゃんこの和みこたつ」といった、ペット専用のこたつを使ってあげてください。
これらは設定温度が低く、コードに噛みつき防止カバーがついているなど、安全対策が徹底されています。
もし人間用のこたつを使うなら、必ず布団の一部を持ち上げて空気の通り道を作り、猫がいつでも脱出できるようにしておくことが最低条件です。
こたつのつけっぱなしを防ぐ対策

リスクが分かったところで、次は「じゃあどうすればいいの?」という具体的な対策についてお話しします。
うっかりミスを自分の注意力だけで防ぐのは正直難しいですよね。だからこそ、最新の家電や便利なグッズの力を借りて、システムで解決してしまうのが一番です。
ここでは、私がおすすめする方法を詳しくご紹介します。
外出先での消し忘れ不安を解消する方法
駅に向かっている途中や、電車に乗った瞬間に襲ってくる「あれ、こたつ消したっけ?」という不安。一度気になり出すと、仕事も手につかなくなりますよね。
家に引き返すわけにもいかないし、確認する術もない…このストレスは相当なものです。
この「見えない不安」を解消するには、外出先から家の状況を確認できる仕組みを作るのが一番です。最近はスマートホーム化が進んでいますが、こたつに関しては注意が必要です。
多くのメーカー(SwitchBotなど)は、暖房器具へのスマートプラグの使用を安全上の理由から推奨していません。遠隔操作で誤って電源が入ってしまい、無人の部屋で加熱されるリスクがあるからです。
ただし、SwitchBotの「プラグミニ」などを「消費電力のモニタリング(監視)専用」として自己責任で使う方法はあります。アプリを見て、電力が消費されていなければ「消えている」と確認できて安心できますよね。
もし消し忘れていたら、その場ですぐに電源をオフにする。
ただし、外出先からの「オン」は絶対に行わない運用ルールを徹底することが前提です。
外出中に気づいた場合の対処法
もし外出先で「確実につけっぱなしにしてきた!」と気づいてしまった場合、どうすればいいのでしょうか。これは状況による判断が迫られます。
まず、家を出てからまだ時間が経っていなくて、近くにいるなら、多少面倒でも一度戻って確認するのが精神衛生上ベストです。
でも、もう遠出してしまった場合や仕事中の場合は悩みますよね。
先ほどの電気代の計算でお伝えした通り、1回程度のつけっぱなしなら電気代は数百円レベル。
もし部屋の中に燃えやすいものをこたつの近くに置いていない自信があるなら、「高い勉強代だと思って諦める」というのも一つの選択肢です。タクシーで往復数千円かけて戻るよりは安上がりですから。
ですが、もし「布団を押し込んでしまったかも」「洗濯物を入れているかも」「猫が中にいるかも」という場合は話が別です。
これはお金の問題ではなく、命や財産に関わる緊急事態。親族や信頼できる近所の人に頼んで見に行ってもらうか、どうしても無理なら予定をキャンセルしてでも戻るべきでしょう。
後悔先に立たず、です。
消し忘れ防止のための対策グッズ
「スマホで管理とか難しいことは苦手…」という方には、もっとアナログで確実な方法がおすすめです。それがパナソニックの「ダイヤルタイマー(WH3101WP)」のような物理タイマーです。
使い方は超シンプル。
こたつのコンセントと壁のコンセントの間にこれを挟んで、時間をセットするだけ。
「3時間」にセットすれば、3時間後に物理的に電気が遮断されます。
これならこたつで寝落ちしてしまっても、急な用事で慌てて出かけても、時間が来れば勝手に切れてくれるので安心感が段違いです。
ネットワークに繋がないのでハッキングや誤作動の心配もありませんし、一度セットしてしまえば操作も不要。おじいちゃんおばあちゃんの家にもおすすめできる、最強の「うっかり防止グッズ」だと思います。
物理タイマーのメリット
設定した時間で強制的に電源が落ちるので、「消し忘れ」という概念自体がなくなります。アナログゆえの信頼性が魅力です。
センサー付きヒーターへの交換による解決策
さらに根本的な解決策として私が一番推したいのが、「こたつのヒーターユニットごと交換してしまう」という方法です。
「え、こたつってヒーターだけ変えられるの?」と驚かれるお客様も多いんですが、実は規格が決まっているので、ドライバー1本で簡単に交換できるんですよ。
特におすすめなのが、山善の「YHF-HDN601HS」です。
これ、本当に優秀なんです。
本体に「人感センサー」がついているので、人の動きを感知して、いなくなると自動で運転を停止(スタンバイ)してくれます。
さらに「5時間自動切タイマー」も標準装備されているので、センサーに関係なく一定時間でオフになる二重の安全設計。
これに変えてしまえば、もう「消そう」と意識する必要すらありません。人がいなければ勝手に消えるんですから。
古いこたつを使っている方は、ヒーターだけ最新の安全なものにアップデートするだけで、火事のリスクも電気代の無駄も一気に解消できます。コストパフォーマンス最強の投資ですよ。
火災予防に効果的な掃除とメンテナンス

最後に見落としがちなのがメンテナンスです。
先ほどもお話しした通り、ヒーターに溜まったホコリは火事の原因になります。年末の大掃除の時くらいしか見ない…なんて方も多いですが、シーズン中はこまめなチェックが必要です。
ただ、こたつのヒーターの網目って、複雑な形状をしていて本当に掃除しにくいんですよね。通常の床用ノズルでは奥まで届かないし、そもそもこたつ布団の中に大きな掃除機を持ち込むのは大変です。
そこで、この用途で最適なのがシャークの「EVOPOWER EX(WV406JGG)」 です。
なぜこの機種なのか。
最大の理由は、付属品の充実ぶりにあります。
このモデルには「マルチノズル」と「隙間用ノズル」が標準で付属しているんです。
特にマルチノズルは先端にブラシがついていて、網目にこびりつきかけたホコリや、熱で固まりかけた汚れを物理的に「ブラシで掻き出しながら」強力に吸い取ることができます。これがないと、表面のホコリを撫でるだけで終わってしまいがちなんですよね。
また、スリムなハンディタイプなので、こたつの中に潜り込んでの作業も全く苦になりません。デザインもおしゃれで、リビングに出しっぱなしにしておけるのもポイント。
「あ、ホコリ溜まってるかも」と思った瞬間にサッと手に取れる。この「掃除のハードルを下げること」こそが、火災予防への近道ですよ。
まとめ:こたつのつけっぱなしを解決
ここまで、こたつのつけっぱなしに関するリスクと対策をお話ししてきました。
うっかりミスは誰にでもあります。だからこそ、自分の記憶力に頼るのではなく、便利なアイテムを活用して「失敗しない環境」を作ることが大切です。
| 悩み・リスク | おすすめの解決策 | 推奨アイテム例 |
|---|---|---|
| 外出時の消し忘れ不安 | スマートプラグで監視 (※操作はOFFのみ) |
SwitchBot プラグミニ |
| 寝落ち・うっかり防止 | 物理タイマーで強制オフ | パナソニック ダイヤルタイマー |
| 根本的に解決したい | 人感センサーヒーターへ交換 | 山善 YHF-HDN601HS |
| 安全な掃除とメンテ | ブラシ付きノズルで清掃 | Shark EVOPOWER EX (WV406JGG) |
| 猫ちゃんの安全 | ペット専用こたつの導入 | ドギーマン 夢こたつ |
「こたつ つけっぱなし」でヒヤッとするのは、もう今シーズンで終わりにしませんか?
ヒーターを交換したり、タイマーを挟んだりするだけで、その不安は驚くほど簡単になくなります。
ぜひ、ご自身のライフスタイルに合った対策を取り入れて、家族みんなで安全にぬくぬくライフを楽しんでくださいね!


