年末の大掃除や、ふと冷蔵庫を開けた時の汚れ、気になりますよね。
「SNSでよく見るウタマロクリーナーで一気にキレイにしたい!」と思いつつも、「食品を入れる場所に洗剤を使って大丈夫かな?」「ニオイが移ったり、故障したりしないかな?」と不安になって検索されたのではないでしょうか?
実はその直感、とっても大切なんです。
家電量販店で働いていると、間違ったお手入れで「冷蔵庫の部品が割れてしまった」というお客様のご相談を受けることが意外と多いんですよ。
ウタマロクリーナーは確かに優秀な洗剤ですが、冷蔵庫という特殊な家電に使うには、いくつか絶対に守ってほしいルールがあります。
この記事では、家電店員の私がメーカーの公式見解や現場での経験をもとに、ウタマロクリーナーを使った冷蔵庫掃除の「失敗しない」正しい方法をお伝えします。
リスクを回避しながら、効率よくピカピカにするコツを持ち帰ってくださいね!
- 冷蔵庫内での直接スプレーは故障の原因
- ウタマロ使用後は必ず念入りな水拭きを
- プラスチック部品のひび割れリスクに注意
- 場所によって他の洗剤と使い分けるのが正解
ウタマロクリーナーで冷蔵庫掃除をする方法

「ウタマロクリーナー1本で家中ピカピカ」なんて聞くと魅力的ですが、冷蔵庫は精密機械であり食品庫です。
ここでは、家電を長持ちさせつつ汚れを落とす、プロ視点の正しいアプローチをお伝えします。
冷蔵庫の中は何で拭けばいい?
まず大前提として、冷蔵庫の中って何で拭くのが正解だと思いますか?
実はお客様からもよく聞かれる質問なんですが、メーカーの取扱説明書を見ると、基本的には「ぬるま湯で固く絞った布で拭く」ことが推奨されています。これ、意外と知られていないんですよね。
実際に、日立の公式サイトでも、冷蔵庫内の汚れが落ちにくい場合は台所用中性洗剤をぬるま湯で薄めたものを布に含ませて拭き、そのあと乾いた布で水分をしっかり取るお手入れ方法が案内されています。
(出典:日立グローバルライフソリューションズ「冷蔵庫のお手入れをしたいです。」)
でも、ドレッシングの液だれや、お肉の汁、カピカピになったソースの跡なんかは、水拭きだけだとスッキリ落ちないこともありますよね。そういう「油分を含んだ頑固な汚れ」に対しては、台所用中性洗剤を薄めて使うことが認められているケースが多いんです。
ここで登場するのが「ウタマロクリーナー」。
この洗剤、実は液性が「中性」なんです。だから、アルカリ性や酸性の洗剤に比べると、冷蔵庫の素材を傷めにくいというメリットがあります。
「じゃあ安心して使えるね!」と思ったあなた、ちょっと待ってください。
「二度拭き不要」の落とし穴
ウタマロクリーナーのパッケージには「二度拭き不要」と書いてありますが、これはあくまで「リビングの壁や床」などの話。食品を扱う冷蔵庫の中で洗剤成分を残したままにするのは、衛生面でも素材への影響面でも絶対にNGです。
つまり、ウタマロクリーナーは「使えるけれど、使い方が重要」なアイテムなんです。もし汚れが軽いなら、無理に洗剤を使わず、「レック 激落ちクロス」のようなマイクロファイバークロスでの水拭きが一番安全で手軽ですよ。
冷蔵庫の中で使う手順
では、実際にウタマロクリーナーを使って掃除する場合の、絶対に失敗しない手順をステップバイステップで解説しますね。面倒くさがりの私でも実践している、効率的かつ安全な方法です。
まず一番大切なのは、電源プラグを抜くこと。
これ、やらない方が多いんですが、掃除中にドアを開けっ放しにするとセンサーが反応してアラームが鳴りっぱなしになったり、無駄な電気を使ったりします。なにより、水気を使うので安全のために必須です。
次に、食材をすべて出します。
クーラーボックスなどに避難させてくださいね。「ちょっと横にずらして…」なんてやっていると、洗剤が食材にかかってしまうリスクがありますから。
ここからが本番です。
- クロスに洗剤をつける: 絶対に庫内に直接スプレーしないでください!飛び散った洗剤が冷気の吹き出し口に入ると、故障の原因になります。必ずクロスやキッチンペーパーにシュッとしてから拭きます。
- 汚れた部分を拭く: こびりついた汚れには、洗剤を含ませたキッチンペーパーを貼り付けて5分ほど置く「パック法」が効果てきめんです。
- 念入りに水拭き: ここが最重要ポイント!きれいな水で絞ったクロスで、洗剤のヌルヌルが完全になくなるまで、最低2回は拭き上げてください。
- 仕上げの乾拭き: 水分が残るとカビの原因になります。最後に乾いた布でしっかり水分を拭き取ります。
庫内の棚板などは、取り外せるなら外してシンクで丸洗いしちゃった方が、洗剤残りもなくて安心ですし、結果的に早いですよ。
「三菱」の冷蔵庫のように全段ガラス棚のモデルなら、傷もつきにくくて洗いやすいので、これから冷蔵庫を買う予定の方は棚の素材もチェックポイントですね。
冷蔵庫の上も掃除可能

普段見えないけれど、実は一番汚れているのが「冷蔵庫の上」。
ここは静電気でホコリが集まる上に、キッチンからの油煙が舞い上がって、「油混じりのベタベタホコリ」が堆積している魔窟です…。
この「油を含んだホコリ」こそ、界面活性剤が入っているウタマロクリーナーの得意分野!
ここでは遠慮なくウタマロの洗浄力を発揮してもらいましょう。
手順としては、まず掃除機やハンディモップで表面のふわふわしたホコリを取り除きます。いきなり拭くとホコリが伸びて悲惨なことになりますからね(経験者は語る…)
そのあと、ウタマロクリーナーを含ませた雑巾で拭き取れば、ベタつきもスッキリ落ちますよ。
次回の掃除をラクにする裏技
掃除が終わってキレイになった冷蔵庫の上に、「ラップ」を敷き詰めておくと、次はラップを交換するだけで掃除が完了します。これ、主婦のお客様から教えていただいたテクニックなんですが、本当に便利なのでぜひ試してみてください!
ただし、冷蔵庫の上には放熱スペースが必要です。物を置いたり、通気口を塞いだりしないように気をつけてくださいね。
あわせて、ホコリが溜まりやすい冷蔵庫の下も定期的に掃除しておくと、電気代や火災リスクの対策になります。
冷蔵庫を安全に動かしながら下を掃除する手順や便利アイテムについては冷蔵庫の下を掃除して快適に!安全な動かし方と便利アイテム紹介も参考にしてみてください。
ウタマロクリーナーを使う時の注意点
ウタマロクリーナーは万能選手ですが、冷蔵庫掃除においては「諸刃の剣」にもなり得ます。特に気をつけていただきたいのが、先ほども少し触れた「成分の残留」です。
冷蔵庫の中は低温で密閉されています。もし洗剤の成分が拭ききれずに残ってしまうと、いつまでも乾かずにそこに留まり続けます。これが何を引き起こすかというと、「プラスチックの破損」と「ニオイ移り」です。
ウタマロ特有の「グリーンハーブの香り」、お掃除中は爽やかでいい匂いなんですが、これが冷蔵庫の中に充満して、バターやチーズ、作り置きのおかずに移ってしまったら…想像しただけで悲しいですよね。だからこそ、「親の敵!」というくらい念入りに水拭きをしてほしいんです。
また、お掃除中は必ず換気をしてくださいね。
知っておくべき使えない場所と故障リスク
「中性だからどこでも大丈夫」というのは大きな誤解です。冷蔵庫には、絶対に洗剤を使ってはいけない「聖域」が存在します。
ここを知らずに掃除してしまうと、最悪の場合、修理やお買い替え…なんてことになりかねません。
ウタマロクリーナーNGゾーン
- 自動製氷機の給水タンク・フィルター: ここは直接口に入る水や氷を扱う場所です。洗剤成分を完全に洗い流すのが構造上難しいので、基本は水洗いのみにしてください。
- 冷気の吹き出し口・通気口: 穴の奥にはファンや電子部品があります。洗剤が入り込むとショートや故障の原因になります。
- 操作パネル(タッチパネル): 最近の冷蔵庫はドアに液晶パネルがついていますよね。洗剤の水分が隙間から入ると誤作動の原因に。ここは固く絞った布でサッと拭く程度にしましょう。
特に「日立」や「パナソニック」などの高機能モデルは、センサーやカメラが庫内に搭載されていることもあります。そういった精密部品周りは、洗剤を使わず、柔らかい布で優しく拭くのが鉄則です。
排水溝掃除にも使えるか
「冷蔵庫から水が漏れてきた」「庫内に水が溜まっている」という時に、排水口(ドレン排水口)の掃除を考える方がいらっしゃるかもしれません。その際、「詰まりを解消するためにウタマロクリーナーを流し込んでもいい?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言うと、絶対にやめてください!
冷蔵庫の排水経路は非常に細く、複雑な構造をしています。洗剤の泡が詰まりの原因になったり、内部の部品を傷めたりする可能性があります。また、洗剤を流しても、その先の蒸発皿に成分が溜まってしまい、そこから悪臭が発生することもあります。
排水口そのものの掃除方法や、重曹・クエン酸などの使い分けをしっかり理解したい場合は、キッチンやお風呂の排水口を例に詳しく解説している排水溝掃除に重曹とクエン酸は意味ない?効果的な使い分け方を解説も参考になるはずです。
もし排水トラブルが起きた場合は、付属の掃除棒で入り口付近をケアするか、無理せずメーカーの修理窓口に相談するのが一番です。餅は餅屋、修理はプロにお任せしましょう。
冷蔵庫掃除でウタマロクリーナー以外の洗剤

ここまでウタマロクリーナーの使い方をお話ししてきましたが、実は「ウタマロクリーナーを使わない方がいい場合」もあります。
汚れの種類や場所に合わせて、最適な洗剤を選ぶのが、賢い主婦への近道です。
ウタマロクリーナーのデメリットと成分残留
あらためて、冷蔵庫掃除におけるウタマロクリーナーのデメリットを整理しておきましょう。
一番怖いのは「環境応力亀裂(ESC)」と呼ばれる現象です。
ちょっと専門的な言葉になっちゃいましたが、簡単に言うと、プラスチックに洗剤(界面活性剤)が付着した状態で力が加わると、ピキッと割れてしまう現象のことです。
冷蔵庫の棚やドアポケットって、重い牛乳や調味料が入っていて常に力がかかっていますよね?
そこに洗剤が残っていると…ある日突然「バキッ!」と割れることがあるんです。
特に、年数が経っている冷蔵庫はプラスチックも経年劣化しているので注意が必要です。「シャープ」の公式サイトなどでも、中性洗剤を使った後の水拭きと乾拭きが強く推奨されているのは、この割れを防ぐためなんですよ。
さらに、浴室など別の場所でウタマロクリーナーを使う際の注意点やハイターとの安全な使い分けについて詳しく知りたい方は、ウタマロを使った風呂掃除術!ハイターとの安全な使い分けも解説もチェックしておくと安心です。
「やめた」という声
店頭でお客様とお話ししていると、「最初はウタマロを使っていたけど、冷蔵庫には使うのをやめた」という声をチラホラ聞きます。
その理由で一番多いのが、やっぱり「ニオイ」と「手間」なんです。
| やめた理由 | お客様の声(イメージ) |
|---|---|
| ニオイが気になる | 「掃除したあと、しばらく庫内がハーブ臭くて、ケーキに匂いが移りそうで嫌だった。」 |
| 泡切れが悪い | 「何回水拭きしてもヌルヌルする感じがして、逆に時間がかかった。」 |
「サッと拭いて終わりにしたいのに、何回も雑巾を絞りに行くのが面倒!」という本音、すごく分かります。そういった方には、この後紹介する別のアイテムをおすすめしています。
セスキ炭酸ソーダと洗浄力を比較
ナチュラルクリーニングの代表格「セスキ炭酸ソーダ」。油汚れに強いイメージがありますよね。確かに洗浄力は高いのですが、冷蔵庫掃除に関しては少し注意が必要です。
セスキは「弱アルカリ性」です。
油汚れを分解する力はウタマロ(中性)より強い場合もありますが、アルカリ性はアルミパーツを腐食させる性質があります。
冷蔵庫内部の冷却装置などにはアルミが使われていることが多いので、もし液剤が付着すると黒ずんだりするリスクがあるんです。
また、乾くと白い粉が残るのも難点。
結局、ウタマロと同じくらい念入りな水拭きが必要になります。
手肌への刺激も強いので、ゴム手袋も必須ですね。
個人的には、冷蔵庫内ならウタマロ(中性)の方が、まだ素材へのリスクは低いかなと思います。
仕上げにはアルコール除菌が推奨

私が個人的に一番おすすめしているのが、「アルコール(エタノール)」の活用です。
特に、お掃除の「仕上げ」には最強のアイテムです。
アルコールの最大のメリットは、「揮発するので二度拭きがいらない」ことと「除菌ができる」こと。ウタマロで汚れを落として水拭きした後に、全体をアルコールでサッと拭き上げれば、残った菌もリセットできて、水分も飛びやすくなるのでカビ予防にもなります。
おすすめは、食品にかかっても大丈夫な「ドーバー パストリーゼ77」です。これ一本あれば、キッチンのあらゆる場所の除菌に使えて便利ですよ。
ただし、高濃度のアルコールも一部のプラスチックを白く変色させたり、割れの原因になったりすることがあります。プラスチックのフチや接合部は避けて、広い面を中心に使うのがコツです。
アルカリ電解水とウタマロの使い分け
最近人気急上昇中なのが「アルカリ電解水」です。「レック 水の激落ちくん」などが有名ですね。
これのすごいところは、成分が「水」なので、洗剤成分が残留しない(乾けば水に戻る的な感覚で使える)こと。つまり、二度拭きがラクなんです!
賢い使い分けテクニック
- 軽い汚れ・日常の掃除: アルカリ電解水(二度拭き不要でラク!)
- 固まったソース・ひどい油汚れ: ウタマロクリーナー(界面活性剤で汚れを浮かす!)
このように使い分けるのが、一番効率的で冷蔵庫にも優しい方法だと思います。
「ウタマロ一択!」と思い込まずに、汚れレベルに合わせて道具を変えてみてくださいね。
結局どの冷蔵庫掃除洗剤がおすすめ?
いろいろお話ししましたが、「結局、私にはどれがいいの?」ってなりますよね。
まとめるとこんな感じです。
- ガッツリ大掃除で、汚れをリセットしたい人: ウタマロクリーナー + 念入りな水拭き
- 普段の小掃除で、手軽に済ませたい人: アルカリ電解水 または アルコール除菌スプレー
- 一番安全で、メーカーも推奨する方法がいい人: ぬるま湯での水拭き + 乾拭き
ちなみに、最近の「三菱」や「日立」などの上位機種は、棚がガラス製だったり、汚れが落ちやすいコーティングがされていたりと、そもそも汚れにくい工夫がされています。
もし、今の冷蔵庫が古くて掃除が大変なら、思い切って「掃除がラクな冷蔵庫」への買い替えを検討するのも、究極の解決策かもしれませんね。
まとめ:冷蔵庫掃除にウタマロクリーナーを活用
冷蔵庫掃除にウタマロクリーナーを使うことは、決して間違いではありません。油汚れや手垢を落とす力はピカイチです。
ただ、そのパワーゆえに「使い方」に少しだけ気を使う必要がある、ということですね。
| ステップ | ポイント |
|---|---|
| 1. 準備 | 電源を抜く・食材を出す・直接スプレーしない |
| 2. 掃除 | クロスにウタマロをつけて汚れを拭く(パック法も活用) |
| 3. すすぎ | 洗剤成分が消えるまで水拭き(最重要) |
| 4. 仕上げ | 乾拭きで水分除去 + アルコールで除菌仕上げ |
この手順さえ守れば、故障のリスクを最小限に抑えつつ、ウタマロクリーナーの洗浄力を最大限に活かせます。年末の大掃除や、気になった時のリセット掃除に、ぜひ試してみてくださいね。
ピカピカの冷蔵庫なら、いつもの食材もちょっと美味しく感じるかもしれませんよ!


