毎日使うお湯のこと、真剣に考えたことってありますか?
急にシャワーが冷たくなったり、リモコンに変なエラーが出たりして初めて「えっ、給湯器ってどれを選べばいいの?」と焦る方がほとんどなんです。
実は私も家電量販店で働いていると、お客様から「ガス給湯器はどこのメーカーが良いの?」と聞かれることがすごく多いんですよね。でも、給湯器って冷蔵庫や洗濯機みたいに店頭に実物が並んでいるわけじゃないので、カタログだけ見ても何が違うのかサッパリ分からない…なんてことになりがちです。
ネットで調べても「〇〇は壊れやすい」なんて怖い口コミが出てきて不安になったりしませんか?
でもそれ、実はただの噂だったり、使い方の問題だったりすることも多いんです。メーカーごとに「除菌が得意」「美容にいい」「デザインがおしゃれ」といった、意外と知られていない個性があるんですよ。
そこで今回は、ふだんは裏方として家電を見つめている私が、業界の裏話やお客様からのリアルな評判も交えつつ、あなたにピッタリの一台を見つけるお手伝いをさせてください。高い買い物で失敗しないために、一緒に予習しておきましょう!
- シェア率の高さと故障の噂に関する誤解を解く
- 主要4メーカーそれぞれの強みと独自機能を解説
- 人気の高機能シャワーヘッドと給湯器の相性問題
- 目的やライフスタイルに合わせた最適な選び方
ガス給湯器はどこのメーカーが良いかを見極める

給湯器を選ぶとき、まず気になるのが「どこが一番人気なの?」という点ですよね。
ここでは、国内の主要メーカーの勢力図や、ネット上でまことしやかに囁かれる「壊れやすい説」の真偽について、販売店の現場感覚も交えてズバリ解説していきます。
数字や噂に惑わされず、正しい目利き力を養っていきましょう。
国内の主要な給湯器メーカー一覧
日本のガス給湯器市場は、非常に高度な技術を持った少数のメーカーによって支えられています。私たちが普段何気なく使っているお湯ですが、その裏側では各メーカーがしのぎを削って開発競争をしているんです。
まず押さえておきたいのが、業界を牽引する「リンナイ」と「ノーリツ」の2大巨頭です。
この2社だけで市場の大部分を占めているといっても過言ではありません。
リンナイは愛知県に本社を置く熱機器のプロフェッショナルで、給湯器だけでなく「乾太くん」などのガス衣類乾燥機でも有名ですよね。一方のノーリツは兵庫県神戸市が拠点で、「お風呂は人を幸せにする」という素敵なスローガンを掲げているメーカーです。
そして、この2強に次ぐのが「パロマ」と「パーパス」です。
パロマも愛知県の企業で、安全機能やデザイン性に独自のこだわりを持っています。パーパスは静岡県のメーカーで、実は今では当たり前になった高効率給湯器「エコジョーズ」を日本で初めて実用化した技術派なんですよ。
店頭でお客様とお話ししていても、名前が挙がるのはほぼこの4社ですね。
海外製の給湯器もありますが、日本の住宅事情やメンテナンスの迅速さを考えると、やはり国内メーカーから選ぶのが一番安心かなと思います。それぞれのメーカーに歴史と得意分野があるので、まずはこの4つの名前を覚えておいてくださいね。
給湯器メーカーのシェア構造
「みんなが使っているものなら安心」という心理、ありますよね。実際、給湯器の世界でもシェアの大きさは信頼の証と言えるかもしれません。
現在の国内市場は、先ほどご紹介したリンナイとノーリツが激しいトップ争いを繰り広げていて、まさに「2強」の状態なんです。
私の肌感覚ですが、新築のマンションや戸建てに最初から付いている給湯器も、この2社のどちらかであることが圧倒的に多いですね。
これにパロマとパーパスが続く形ですが、シェアが高いことには大きなメリットがあります。それは「部品の供給体制が安定していること」と「修理できる業者が多いこと」です。
シェアが高いことのメリット
万が一故障した際、シェアの高いメーカーなら交換部品の在庫が豊富で、修理対応も早い傾向にあります。マイナーなメーカーだと「部品取り寄せに1週間かかります」なんて言われて、冬場にお風呂に入れない…なんて悪夢も起きかねません。
ただ、シェア3位・4位のパロマやパーパスが劣っているわけでは決してありません。
むしろ、大手2社に対抗するために、ニッチな需要に応えるユニークな機能や、コストパフォーマンスに優れた製品を投入しているので、知る人ぞ知る「賢い選択」になることも多いんですよ。
各社の企業規模や売上高から見る安定性
給湯器は一度設置したら10年は使い続けるものですから、メーカー自体の安定性も気になるところですよね。もしメーカーがなくなってしまったら、修理もできなくなってしまいますから。
売上高や企業規模で見ても、やはりリンナイとノーリツは桁違いの規模を誇っています。リンナイはグローバルに展開していて、世界中でその技術が評価されています。ノーリツも国内での基盤が盤石で、システムバスや厨房機器など住宅設備全般を手掛けているので、企業としての体力は十分すぎるほどです。
パロマはアメリカでも高いシェアを持っていますし、パーパスも産業用ボイラーなどで確固たる地位を築いています。
つまり、今回ご紹介している主要4社に関しては、「明日会社がなくなるかもしれない」といった心配は無用だと思っていただいて大丈夫です。
長期使用における安心感
これら4社は、製品の補修用性能部品を製造打ち切り後も長期間保有するルールをしっかりと守っています。企業規模が大きいということは、それだけ長期的なアフターサービス体制が整っているという安心材料になりますね。
ネットで噂される壊れやすいメーカーの真実
ネットで給湯器の情報を検索していると、「〇〇 壊れやすい」なんて不穏な言葉が出てきてドキッとしたことはありませんか?
お客様からも「〇〇社は壊れやすいって聞いたんですけど…」と相談されることがよくあります。
でも、これには大きな誤解があるんです。
正直に言ってしまうと、「シェアが高いメーカーほど、故障の報告数は多くなる」というだけの話なんですよね。
例えば、100万台売れているメーカーと1万台しか売れていないメーカーでは、故障率が同じ1%だとしても、故障件数は1万件と100件という大きな差になります。
ネット上の口コミは「絶対数」で語られることが多いので、どうしてもシェアトップクラスのリンナイやノーリツの故障報告が目立ってしまうんです。私が長年この業界を見てきた経験から言っても、特定の主要メーカーだけが極端に壊れやすいという事実はまずありません。
むしろ、故障の原因の多くはメーカーの品質ではなく、設置環境や使い方の問題だったりします。
例えば、海沿いの地域なのに塩害対策をしていない標準品を選んでしまったり、入浴剤を使いすぎて配管を傷めたり…。
メーカーのせいにする前に、まずは「自分の環境に合った製品選び」ができているかを確認することが大切ですね。
気になるメーカーごとの故障率と寿命の実態

では、実際のところ寿命や故障率はどうなんでしょうか。
一般的に、ガス給湯器の設計標準使用期間は「10年」とされています。これはどのメーカーを選んでも基本的に変わりません。
(出典:リンナイ『ガス給湯器・ガスふろ給湯器の設計上の標準使用期間 10年』)
「うちは20年持ったよ!」なんて自慢話を聞くこともありますが、それはたまたま運が良かっただけのレアケースだと思ってください。10年を過ぎると、電子部品の経年劣化やパッキンの硬化などが進み、いつ故障してもおかしくない状態になります。
故障リスクを高める要因
- 塩害地域への設置: 海から近い場所では、専用の「耐塩害仕様」を選ばないと数年でサビて穴が開きます。
- 過度な連続使用: 大家族で朝晩ひっきりなしにお湯を使う場合、一般家庭よりも消耗は早くなります。
- 排気口の閉塞: 荷物で排気口を塞いでしまうと、不完全燃焼やオーバーヒートの原因になります。
メーカーごとの差よりも、こういった外部要因の方が寿命には大きく影響します。
また、最近の給湯器は高機能化しているので、昔のシンプルな給湯器に比べるとセンサー類が多く、エラーコードが出る頻度は高く感じるかもしれません。でもそれは、安全装置が正しく働いている証拠でもあるんですよ。
もし故障率を気にするのであれば、メーカー選びに悩むよりも、定期的なメンテナンス(排気口の掃除など)を心がける方が、結果的に寿命を延ばすことにつながります。
掃除には、専用のブラシを使うのがおすすめです。
おすすめのお手入れグッズ
排気カバーの隙間掃除には、アイセンの「排水口・目地ブラシ(BKA05)」などが使いやすくて便利ですよ。
ただし、高圧洗浄機で排気口の中に水を吹き込むのは絶対にNGです!一発で壊れますから気をつけてくださいね。
高圧洗浄機を使う場所や圧力設定の注意点については、高圧洗浄機でコンクリートを洗浄するときの安全な使い方も参考になります。
ノーリツとリンナイとパロマはどれがいいか
さて、ここからが本題です。
「結局、3大メーカーのどれを選べばいいの?」という疑問に、それぞれの特徴を比較しながらお答えしますね。
| メーカー | キャッチコピー的特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| ノーリツ | 除菌と清潔のスペシャリスト | キレイ好き、家族が多くて最後のお湯の濁りが気になる方 |
| リンナイ | 品質と泡の技術力 | お風呂で美容ケアをしたい、モノ作りの品質にこだわる方 |
| パロマ | デザインと安全・長期保証 | 外観にこだわりたい、長く安心して使いたい方 |
ノーリツは「きれい」に徹底的にこだわっています。
プレミアム機種に搭載されている「UV除菌ユニット」は、お風呂のお湯を循環させながら紫外線で菌を抑制してくれるんです。これ、残り湯を洗濯に使いたい奥様方から絶大な支持を得ています。
また、追いだき配管の汚れが気になる場合は、酸素系洗浄剤を使った一つ穴風呂釜の掃除方法を詳しく解説した風呂釜洗浄剤の比較記事も目を通しておくと安心です。
リンナイの強みは「マイクロバブル」です。
白濁した微細な泡のお湯で入浴することで、温熱効果や洗浄効果が高まると言われています。まるで高級スパのような体験が自宅でできるので、美容に関心の高い方にはたまらない機能ですよね。
パロマは、個人的にデザインが一番好きです。
「ブライツ」シリーズのメタリックな外観は、家の外壁におしゃれに馴染みます。また、メーカー保証を5年や7年に延長できるサービスも充実していて、コストパフォーマンスと安心感を両立させたい方に選ばれています。
健康機能に強い給湯器メーカーのパーパス
「パーパス」というメーカー、もしかしたら初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は個人的にすごく推しているメーカーなんです。
パーパスのユニークな点は、給湯器を単なる設備ではなく「ヘルスケア機器」として捉えているところです。
なんと、浴室リモコンにセンサーが付いていて、体脂肪率が測れたり、入浴での消費カロリーを表示してくれたりする機種があるんですよ!すごくないですか?
半身浴モードなども充実していて、「お風呂で健康になりたい」「ダイエットのモチベーションを上げたい」という方には、他の大手3社にはない魅力が詰まっています。
また、塩害対策の部材ラインナップもしっかりしているので、沿岸部にお住まいの方にも自信を持っておすすめできるメーカーです。
目的別でガス給湯器はどこのメーカーが良いかを選ぶ

メーカーごとの特徴が分かってきたところで、次はもう少し具体的なシチュエーションや目的に合わせて選んでみましょう。
最近流行りのシャワーヘッドとの相性や、お得な買い替え方法など、知っておくと損をしない情報をお届けします。
高機能シャワーヘッドと給湯器の相性問題
最近、「ReFa(リファ)」や「Mirable(ミラブル)」といったウルトラファインバブルのシャワーヘッドが大人気ですよね。
私も欲しくてたまらないんですが、実はこれ、給湯器との相性があるってご存知でしたか?
こういった高機能シャワーヘッド、特にミストモードなどは節水効果がものすごく高いんです。水量が少ないというのはエコで良いことなんですが、給湯器側からすると「あれ?水が流れてない?」と勘違いしてしまうことがあるんです。
ガス給湯器は一定以上の水量が流れないと点火しない仕組みになっているため、シャワーを浴びている最中に急に水になってしまう「冷水サンドイッチ現象」や、そもそもお湯にならないというトラブルが起きることがあります。
冷たくなる時の対処法
もし高機能シャワーヘッドでお湯が安定しない場合は、給湯器の設定温度を50℃〜60℃くらいまで上げてみてください。そして、お風呂の蛇口側で水を混ぜて適温にするんです。こうすると、給湯器を通るお湯の勢いを確保しつつ適温でシャワーを浴びることができますよ。
給湯器を選ぶ際は、こういった低水量でも安定して着火する性能(Q機能など)が高いモデルを選ぶか、もしくはシャワーヘッド側で水流モードを切り替えられる「ReFa FINE BUBBLE ONE」のようなモデルを選ぶのが安心かもしれません。
あわせて、シャワーヘッド自体の汚れや目詰まりが気になる方は、シャワーヘッドをオキシクリーンで掃除する前に知っておくべきこともチェックしておくと安心です。
目的別のおすすめガス機器メーカーランキング
いろいろお話ししましたが、「じゃあ私にはどれ?」という方のために、目的別の勝手におすすめランキングを作ってみました!
私の独断と偏見も入っていますが、参考にしてみてください。
【清潔さ・衛生面重視なら】→ 1位:ノーリツ
やっぱり「UV除菌」と「配管クリーン」機能が強力です。お風呂の配管汚れが気になる方や、小さなお子様がいるご家庭にはベストバイです。
【美容・リラックス重視なら】→ 1位:リンナイ
「マイクロバブルバスユニット」の心地よさは一度味わうと戻れません。お家時間を充実させたい方、お風呂を癒やしの空間にしたい方に。
【デザイン・コスパ重視なら】→ 1位:パロマ
外壁の雰囲気を壊したくないこだわりのマイホームには、パロマの「ブライツ」が映えます。長期保証登録で安心が続くのもお財布に優しいポイント。
【健康管理・ガジェット好きなら】→ 1位:パーパス
お風呂で体脂肪が測れるなんて、話のネタにもなりますよね。健康意識の高い方や、ちょっと変わった機能が好きな方におすすめです。
給湯器の値段と定価に関する注意点

給湯器のカタログを見ていると「定価40万円」なんて書かれていて、「えっ!こんなに高いの!?」と驚かれることがあります。でも、安心してください。給湯器の世界には「定価」と「実勢価格」にものすごい乖離があります。
私たちのような量販店でもそうですが、特にネット通販などでは、定価の6割引き、7割引きで販売されていることが珍しくありません。例えば、定価46万円のノーリツのハイスペックモデルが、工事費込みで15万円前後で出ていることもあります。
ですので、カタログの定価を見て諦める必要はありません。比較検討するときは、必ず「本体価格+工事費+リモコン代+処分費」などがすべて含まれた「総額」で見積もりを取るようにしてくださいね。
安すぎる業者は工事費が別だったり、保証が付いていなかったりすることもあるので要注意です。
買い替えなら「交換できるくん」をすすめる理由
もし今、給湯器の買い替えを検討されているなら、ネットで見積もりが完結するサービスを利用するのも一つの手です。CMでも見かける「交換できるくん」なんかは有名ですよね。
私が個人的にここが良いなと思うのは、「見積もりの透明性」です。
写真を送るだけで正確な見積もりが出てきて、追加料金が発生しないというシステムは、ユーザー目線でとても親切だと思います。
私たちのような店舗型の店員からすると、ネット専業のスピード感と価格競争力には正直苦戦している部分もあるんです(苦笑)
また、施工事例がサイトに大量に載っているので、「自分の家の設置状況でも大丈夫かな?」という不安を解消しやすいのもポイントですね。
もちろん、地元のガス屋さんやホームセンターにお願いするのも安心感があって良いですが、「安く、早く、明朗会計で」と考えるなら、こういった「交換できるくん」のようなネットサービスを選択肢に入れるのは賢い方法だと思うんです。
結論としてガス給湯器どこのメーカーが良いか
ここまで各メーカーの特徴を見てきましたが、最後に結論をまとめたいと思います。
結局のところ「誰にとっても100点満点のメーカー」というのは存在しません。大切なのは、あなたのライフスタイルに合っているかどうかです。
| きれいな残り湯で洗濯したい | → ノーリツ(除菌機能) |
| 自宅でエステ気分を味わいたい | → リンナイ(マイクロバブル) |
| 家の外観とお財布事情を優先 | → パロマ(デザイン・保証) |
| 健康管理を習慣にしたい | → パーパス(ヘルスケア機能) |
給湯器は一度交換すると10年は付き合うパートナーです。「ガス給湯器どこのメーカーが良い?」と迷ったときは、ぜひこの表を参考にして、家族みんなが笑顔になれる一台を選んでくださいね。
あなたの給湯器選びが、後悔のない素晴らしいものになることを願っています!


