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炊飯器で炊けてないご飯の炊き直しテクニックを家電店員が解説!

炊飯器の豆知識

炊飯器のフタを開けた瞬間、芯が残った硬いご飯を見つけてしまったこと、ありませんか?
炊けてないご飯を前に「どうしよう」と途方に暮れてしまう気持ち、本当によく分かります。

でも、そのご飯を捨ててしまうのはまだ早いんです。
実は炊飯器での炊き直しや電子レンジを使った簡単な方法で、失敗したご飯を美味しく復活させることができるんですよ。

逆に水が多すぎてべちゃべちゃになったご飯も、リメイク術を使えば絶品料理に大変身します。

この記事では、ご飯の炊き直し方を状況別に詳しく解説し、さらに炊けてない原因や予防策、センサーのお手入れ方法まで、家電量販店での経験を活かしてお伝えします。

明日からの失敗を防ぐために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事のポイント
  • 炊飯器で炊けてないご飯の炊き直し方
  • 電子レンジや炊飯器を使った具体的な手順
  • ご飯がうまく炊けない主な原因
  • 炊飯器の掃除方法と再発防止のコツ
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炊飯器で炊けてない?ご飯の炊き直し方

クリーン家電ガイド:イメージ

ここでは、芯が残ってしまった硬いご飯や、逆に水が多すぎてべちゃべちゃになってしまったご飯を、美味しく復活させる「炊き直し」のテクニックをご紹介します。

まずは落ち着いて、ご飯の状態を一緒にチェックしていきましょう。

ご飯に芯があるかチェック

まずは、炊き上がった(はずの)ご飯がどんな状態か、しっかり確認してみましょう。
家電量販店でお客様から「炊けてない!」とご相談いただく時も、まず「どんな状態ですか?」とお伺いするようにしています。

見た目だけでも、ある程度判断ができますよね。
ツヤがなくて、お米の粒が立っていない感じがしたら要注意です。

しゃもじを入れてみて、いつもより抵抗が強かったり、ボソボソした感触だったりする場合も、芯が残っている可能性が高いです。

一番確実なのは、やっぱり食べてみること。
(やけどには注意してくださいね!)

一部分だけが硬いのか、それとも全体的に芯が残っているのか。
この「硬さの度合い」によって、この後の対処法が少し変わってくるんです。

専門的なお話になってしまいますが、お米は水と熱で「ベータデンプン」という消化しにくい状態から、「アルファデンプン」という消化しやすくて美味しい状態に変化します。この変化がうまく進まなかったのが、「芯が残る」=「生煮え」の状態なんですね。

炊き上がりのチェックポイント

  • ご飯全体の色ムラやツヤはどうか
  • お米の粒が立っているか
  • しゃもじを入れた時の抵抗感はどうか
  • 食べてみて、芯の硬さを確認する(全体か、一部か)
  • 焦げ臭いニオイがしないか

もし「釜のフチに近い一部分だけが硬い」という程度なら、しゃもじでご飯全体をさっくりと混ぜ(天地返し)、もう一度フタを閉めて5分~10分ほど蒸らしてみましょう。

これだけで熱が均一に回って、食べられる状態になることもあります。

でも、全体的に硬い、明らかに生煮え…という場合は、次のステップ「炊き直し」に進みましょう。
焦げ臭いニオイがする場合は、残念ながら炊き直しは難しいかもしれませんが、ニオイがなければ十分リカバリー可能ですよ。

レンジを使った簡単な炊き直し

クリーン家電ガイド:イメージ

「炊き直したいけど、量はそんなに多くない」
「今すぐ食べたい!」
という時に一番手軽で早いのが、電子レンジを使う方法です。

私も急いでいる朝なんかは、この方法でリカバリーしちゃいます。

電子レンジは、マイクロ波で食品の中にある「水分子」を細かく振動させて、その摩擦熱で内側から温める仕組み(誘電加熱)です。これを利用して、足りなかった熱と水分をお米の芯まで届けるんですね。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. 炊けてないご飯を、お茶碗1杯分くらい、平らなお皿に盛ります。(平らにするのがムラなく温めるコツです)
  2. お水(または料理酒)を大さじ1杯ほど、ご飯全体にふりかけます。料理酒を使うと、ふっくら感と風味がアップする気がします。
  3. ふんわりとラップをかけます。ここはピッタリかけないのがポイント! 蒸気の逃げ道を作ってあげるイメージです。
  4. 電子レンジ(600W)で、まずは2分~3分ほど加熱します。
  5. 一度取り出して、ラップを外し、しゃもじやお箸で軽くほぐします。ここで全体の水分と熱を均一にならすんです。
  6. もう一度ふんわりとラップをして、さらに1分~2分加熱します。

この「2段階加熱」が、加熱ムラを防いで芯までふっくらさせるコツですね。
ご飯の量や芯の残り具合によって、加熱時間は調整してみてください。

レンジ炊き直しの注意点

この方法は、一度に大量のご飯を炊き直すのにはあまり向いていません。量が多いと、どうしても加熱ムラが出てしまって、結局「外側はカチカチ、内側は生煮え」なんてことにもなりがちです。

2合以上ある場合は、次の「炊飯器で炊き直す方法」がおすすめです。

また、加熱しすぎると、今度は水分が飛びすぎてカチカチの硬いご飯になってしまうので、必ず様子を見ながら少しずつ加熱してくださいね。

ちなみに、お店でお客様とお話ししていても、最近の高機能なスチームオーブンレンジは、こういう温め直しが本当に上手だなと感じます。

パナソニックの「ビストロ」や東芝の「石窯ドーム」なんかに付いているスチーム機能を使うと、加水の手間なく、自動でふっくら仕上げてくれるので、リカバリーの成功率もぐっと上がりますよ。

炊飯器のままで炊き直しする方法

「2合以上、まとまった量のご飯が炊けてなかった…」という時は、電子レンジで小分けにするより、炊飯器の釜に戻して一気に炊き直す方が効率的です。

炊飯器は、釜全体を加熱して「対流」を起こし、熱と水分をお米全体に行き渡らせる仕組み(対流加熱)なので、量が多い場合の均一な加熱が得意なんです。不足していた水分を足して、もう一度「炊飯」に近い状態を作ってあげるイメージですね。

手順はこうです。

  1. まず、内釜の中でご飯全体を軽くほぐします。固まっていると熱が通りにくいので、空気を入れるようにさっくりと。
  2. 次にお水を追加します。これが一番のポイントです。
    • かなり芯が残る場合:ご飯1合あたり、50cc(大さじ3強)くらい
    • ちょっと硬いかな?程度の場合:ご飯1合あたり、30cc(大さじ2)くらい
  3. 追加した水が底に溜まらないよう、ご飯全体に馴染ませるように、もう一度さっくりと混ぜます。
  4. 炊飯器に「再加熱」ボタンがあれば、迷わずそれを押してください。これが一番確実です。
  5. 「再加熱」ボタンがない場合は、「早炊き」または「通常炊飯」ボタンを押します。(詳しくは次の項目で説明しますね)

お水の量は「気持ち多め」でも

追加するお水の量は、あくまで目安です。お米の品種や状態にもよるので、不安な場合は目安より少し多めに入れても大丈夫。足りないよりは、少し柔らかめに仕上がる方がリカバリーとしては成功しやすいと思います。

「通常炊飯」ボタンを使った場合、炊飯器のセンサーが「水分がなくなった(温度が急上昇した)」と判断するまで加熱が続きます。でも、すでに一度炊いたご飯なので、水分が飛ぶのが早いんです。

自動停止するまで待っていると、底の方が焦げてしまうリスクがあります。
炊飯スタートから8分~10分くらい経って、釜の中から「パチパチ」という音が聞こえ始めたら、それは「水分が飛んできたよ」という合図。そのタイミングで、手動で「取消」ボタンを押して止めるのがおすすめです。

再加熱ボタンがない場合の対処法

「うちの炊飯器、再加熱ボタンなんて付いてない!」という方、結構いらっしゃると思います。
そういう場合はどうすればいいか、もう少し詳しくお話しします。

先ほども少し触れましたが、「早炊き」モードがあるなら、それを使うのが一番おすすめです。

なぜかと言うと、「早炊き」モードは、お米に水を吸わせる「浸水」の工程を短くして、すぐに高温加熱と蒸らしに入るようにプログラムされているからです。

すでに一度炊飯して(失敗はしたものの)水分を含んでいるご飯を、もう一度高温で加熱して芯まで熱を通す、という今回の目的にぴったりなんですね。

もし「早炊き」モードもない場合は、「通常炊飯」モードを使うことになりますが、これには少し注意が必要です。

通常炊飯モード使用時の注意点

1. 加熱しすぎに注意
先ほどもお伝えした通り、底が焦げやすいです。キッチンタイマーで10分程度をセットして、一度様子を見るのが一番確実だと思います。フタを開けてみて、湯気と香りで判断し、まだ硬そうなら追加で数分加熱する、という感じですね。

2. 「保温」モードは絶対NG!
「炊飯は怖いから、保温で様子を見よう」というのは、絶対にやめてください。「保温」は、炊き上がったご飯を菌が繁殖しにくい70℃前後の温度でキープする機能です。生煮えのお米を美味しい状態(アルファ化)にするための高温(98℃以上)にはなりません。

むしろ、菌が一番増えやすい20~50℃の危険な温度帯をゆっくり通過することになるので、衛生的にも非常に危険なんです。

「通常炊飯」モードでの手動停止は、ちょっと面倒だし、焦げ付くのも怖い…という場合は、やっぱり少し手間でも、お茶碗1杯ずつ「電子レンジ」でリカバリーするのが一番確実で安心かもしれませんね。

べちゃべちゃご飯のリメイク術

今までは「芯が残る(硬い)」場合のお話でしたが、逆のパターン「水を多く入れすぎて、ご飯がべちゃべちゃ…」という失敗もありますよね。
こちらは残念ながら、炊き直して「普通の白いご飯」に戻すのはかなり難しいんです。

でも、落ち込まないでください!
ここは発想を転換して、その「べちゃべちゃ」を「もちもち」や「とろとろ」の食感として活かす「リメイク料理」にしちゃいましょう!

お茶漬け・雑炊・おじや

一番手っ取り早いのがこれですね。
べちゃっとしたご飯(糊状になったデンプン)を、熱いお出汁やお茶で一度洗い流すようなイメージです。サラサラとかき込めるので、咀嚼した時のあの不快な粘り気を感じにくくなります。

ガレット(お焼き)・チヂミ

べちゃべちゃの「粘り気」を、「つなぎ」として利用するアイデアです。
片栗粉や小麦粉、とろけるチーズ、卵、それから刻んだネギや桜えびなんかを混ぜて、フライパンで両面をこんがり焼きます。

水分を飛ばしながら焼くことで、表面はカリッと香ばしく、中はモチモチの美味しいおやつやおつまみに変身しますよ。

リゾット風

オリーブオイルでニンニクや玉ねぎ、キノコなどを炒め、そこにべちゃべちゃご飯を投入します。

コンソメスープやブイヨンを少しずつ加えながら、木べらで混ぜつつ煮詰めていきます。水分を飛ばしながら、お米の芯に火を通すイメージですね。

最後に粉チーズと黒コショウで味を調えれば、本格的なリゾット風に仕上がります。

リメイクのコツ

べちゃべちゃご飯は、その水分を「飛ばす(焼く)」か、「活かす(煮る)」か、「洗い流す(お茶漬け)」のどれかです。捨てる前に、ぜひ一度試してみてくださいね。

炊飯器が炊けてない原因と炊き直し予防

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さて、ご飯のリカバリーがうまくいったら、次は「そもそも、なんで炊けてなかったんだろう?」という原因を探ってみませんか?

同じ失敗を繰り返さないためにも、炊飯器の使い方や状態を一度チェックしてみることが大切です。ここでは、炊飯に失敗する主な原因と、その予防策について詳しくご紹介しますね。

炊飯器で炊けないよくある原因

お店で「炊飯器の調子が悪い」とご相談を受ける時、原因を伺っていくと、だいたいいくつかのパターンに分かれるんです。

大きく分けると、「使い方(人為的ミス)」か「炊飯器本体の問題(不具合・故障)」ですね。

ついうっかり…「人為的ミス」

1. 水加減の間違い
これがダントツで一番多い原因だと思います。計量カップでちゃんとお米を計ったつもりでも、お水の目盛りを読み間違えていたり…。

特に注意なのが「無洗米」です。無洗米は、普通のお米(精白米)についている肌ヌカをあらかじめ取り除いている分、同じ計量カップ1杯でも、お米の実質的な量(かさ)が少し多くなるんです。

なので無洗米専用の計量カップを使うか、お水をほんの少し(大さじ1杯程度)多めに入れる必要があります。これをやらないと、水不足で硬いご飯になりやすいんですね。

2. お米の量の間違い
「3合の目盛りまで水を入れたけど、お米はうっかり3.5合入れてた!」なんていうミスも、意外とありますよね。

3. 内釜のセットミス
内釜を炊飯器本体にセットする時、カチッとはまらずに少し浮いた状態になっていると、釜の底にある温度センサーと密着できません。これでは正確な温度が測れず、生煮えの原因になります。

もしかして…「炊飯器本体の問題」

1. センサーの汚れ
これが機械的な原因としては非常に多いです。(詳しくは後ほど「センサー汚れと掃除方法」で解説しますね!)

2. 内蓋やパッキンの劣化
内蓋のゴムパッキンは消耗品です。使っているうちに劣化してくると、そこから蒸気が漏れて、釜の中の圧力がうまくかからなくなります。結果、沸点が上がらず、うまく炊けなくなってしまうんです。

3. 寿命(経年劣化)
炊飯器の平均寿命は、使い方にもよりますが、だいたい3年~6年くらいと言われています。特に内釜のフッ素コーティングが剥がれてきたり、炊飯中に変な音(「ジー」とか「ブーン」とか)がしたりする場合は、寿命のサインかもしれません。

修理? それとも買い替え?

お店でも「修理と買い替え、どっちがいい?」とよく聞かれます。一つの目安として、使用年数が6年を超えている場合や、修理費用が新しい炊飯器を買う値段の半分(50%)を超える場合は、買い替えをおすすめすることが多いですね。部品の保有期間(メーカーが修理部品を持っている期間)も、製造終了から6~8年程度が一般的なんです。

まずは、ご自身の使い方(水加減、無洗米)をもう一度確認してみて、それでもダメなら炊飯器本体の汚れや劣化を疑ってみましょう。

炊き込みご飯が硬くなる理由

「白米はうまく炊けるのに、炊き込みご飯の時だけいつも芯が残る!」…これ、炊飯器あるあるの代表格ですよね! 私も昔はよくやりました。

その原因、実は「調味料を入れる順番」にあるんです。

理科のお話になってしまいますが、「浸透圧(しんとうあつ)」という力が関係しています。お米は、周りよりもお米の中の濃度が高い時に、水を吸い込む性質があります。

ですが、お米を研いで釜に入れた後、お水より先に「お醤油」や「お塩」などの調味料を入れてしまうと、お米の周りの塩分濃度が一気に高くなりますよね。そうすると、浸透圧のせいで、お米が「水を吸う力」を失ってしまうんです。

結果、お米の芯まで水分が届かないまま加熱が始まってしまい、具材には味が染みているのに、ご飯だけ生煮え(芯残り)…という悲しい炊き上がりになってしまうわけです。

炊き込みご飯 失敗しないための鉄則

  1. まず、研いだお米を内釜に入れます。
  2. 次に、白米を炊く時と同じ目盛りまで「お水」を先に入れます。
  3. その「後」で、お醤油・みりん・お酒・お塩などの調味料を加えます。(この時、調味料の分量だけ、先ほど入れたお水を減らすと、より完璧な水加減になります)
  4. お米と調味料を軽く混ぜてから、キノコやお肉、野菜などの具材を「上乗せ」します。
  5. (最重要!)具材を入れたら、絶対にかき混ぜないでください! 具材が底に沈むと、温度センサーがうまく働かなかったり、加熱ムラになったりする原因になります。
  6. そのまま炊飯ボタンをスタート!

この「お水が先、調味料が後、具材は混ぜない」という順番を守るだけで、炊き込みご飯の失敗は劇的に減るはずですよ。ぜひ試してみてくださいね。

炊けてないご飯は食べれる?

「芯が残ってるけど、ちょっと硬いだけだし…食べちゃっても平気かな?」と不安になりますよね。この問題、2つの側面から考える必要があるんです。

消化不良のリスク

まず、最初にお話しした「ベータデンプン」(生煮えの状態)は、人間(の消化酵素)にとって非常に消化しにくいものです。毒性があるわけではないのですが、無理して食べるとお腹が痛くなったり、下痢をしたりする原因になります。

特に、消化器官がまだ発達していない小さなお子さんや、消化能力が落ちてきているお年寄りの方には、絶対に食べさせないでください。必ず、先ほどご紹介した方法で「炊き直し」をして、しっかり消化しやすい「アルファデンプン」の状態にしてから食べることが大切です。

食中毒のリスク(セレウス菌)

そして、こちらの方が実はもっと注意が必要な問題なんです。それは「セレウス菌」という食中毒菌のリスクです。

セレウス菌は、土やほこりの中に普通にいる細菌で、お米や小麦粉などにも付着していることがあります。この菌の厄介なところは、熱に非常に強い「芽胞(がほう)」というバリアのようなものを作ること。

この芽胞は、なんと100℃の加熱(つまり通常の炊飯)でも死滅せずに生き残ることがあるんです。

炊飯後、生き残った芽胞が「20℃~50℃」という菌が増えやすい温度帯に置かれると、発芽して一気に増殖し、毒素を出します。この毒素が食中毒(嘔吐や下痢)を引き起こします。チャーハンやピラフでの食中毒事例が多いのは、調理後に常温で放置されやすいためですね。

さらに怖いのは、この毒素(嘔吐型)は、一度できてしまうと再加熱しても分解されない(失活しない)ことです。

食中毒を防ぐための最重要ルール

「炊けてない」と気づいたご飯も、「炊き上がったご飯」も、絶対に常温で長時間放置しないでください!

炊けてないことに気づいたら、すぐに「炊き直し」の作業に入るか、もしすぐに対処しないなら、小分けにして「冷凍」保存しましょう。

炊飯器の「保温」機能も、菌が増殖できない70℃以上をしっかりキープできるなら安全ですが、中途半端な温度で保温するのは一番危険です。

出典:厚生労働省「セレウス菌食中毒」

食中毒のリスクを考えると、熱いご飯を素早く冷やして菌の増殖温度帯を通過させることが重要です。

三菱電機の「切れちゃう瞬冷凍」やパナソニックの「はやうま冷凍」みたいに、熱いままのご飯を冷凍できる機能がついた冷蔵庫は、デンプンの劣化を防いで美味しく保存できるだけでなく、食中毒予防の観点からも、とても便利で安心だなと思います。

センサー汚れと掃除方法

クリーン家電ガイド:イメージ

「水加減も合ってる、炊き込みご飯でもない、なのに炊けない!」…そんな時、真っ先に疑ってほしいのが「センサーの汚れ」です。

これは、炊飯器の故障かも?とご相談に来られるお客様に、私たちが最初にお願いするチェックポイントでもあります。

最重要チェックポイント:「センターセンサー(釜底センサー)」

内釜を取り出した時、本体の底のど真ん中にある、バネで上下する丸い金属部品。これが「センターセンサー」です。このセンサーが内釜の底にピッタリ密着することで、釜の温度を正確に測っている、炊飯器の“心臓部”なんです。

ここに、吹きこぼれたお米のデンプン質や、米粒がカピカピに焦げ付いていませんか?

もし汚れていると、その汚れが「断熱材」のような役割をしてしまい、内釜の正確な温度がセンサーに伝わらなくなります。その結果、炊飯器は「あれ、もう水がなくなって温度が急上昇したぞ!(本当はまだ水があるのに)」と勘違いして、炊飯プロセスを途中でやめてしまうんです。

これが、「原因不明の生煮え」の最大の原因であることが本当に多いんですよ。

センサーのお掃除方法

  1. 必ず電源プラグを抜き、本体が完全に冷めていることを確認してください。
  2. 水で濡らして「固く、固く!」絞った布巾や、綿棒を使って、センサーの表面を優しく拭き取ります。
  3. センサーのフチの溝に、米粒などが挟まっていることも多いので、爪楊枝などで優しく取り除きます。

センサー掃除の絶対禁止事項

センサー内部に水が入ると、基板がショートして完全に故障してしまいます。布巾を「固く絞る」のは絶対条件です。

また、こびりつきが酷くても、金たわしや研磨剤入りのスポンジ、ナイロンたわしなどで擦るのは絶対にダメです! センサー表面の金属被膜に傷がつくと、サビや感度低下の原因になり、修理が必要になってしまいます。

見落としがち!「吸気口・排気口」のお掃除

もう一つ、炊飯器の「呼吸」を司る大事な場所があります。それは、本体の底や背面にある、網目状の「吸気口・排気口」です。

特にIH炊飯器は、内部で強力な熱を発生させるので、ファンを回して空冷しています。この吸気口にホコリがびっしり詰まっていると、うまく冷却ができず、内部の温度が上がりすぎて安全装置が作動。炊飯が途中でストップしてしまいます。

これも「生煮え」の原因になるんです。

月に1回でいいので、掃除機をかけるついでに、掃除機の隙間ノズルで吸気口のホコリを吸い取ってあげてください。ハンディクリーナーをキッチンに一台常備しておくと、こういう家電の「ついで掃除」にサッと使えて、とても便利だと思いますよ。

もちろん、毎回洗う「内蓋」や「蒸気キャップ」がデンプンで詰まっているのも炊きムラの原因になるので、これらも忘れずに清潔に保ってくださいね。

少量を炊くときの注意点

「普段は家族で3合炊くけど、今日は自分用に0.5合だけ」「1合だけ炊きたい」…そんな時、ありますよね。でも、実はこの「少量炊き」、炊飯器にとっては結構むずかしい技術なんです。

なぜかと言うと…

  • 水分が蒸発しやすい:お米の量に対して、内釜の表面積(空間)が広すぎるため、水分が必要以上に蒸発してしまい、硬い仕上がりになりやすいです。
  • 温度ムラが出やすい:お米の量が少ないと、釜の中でうまく「対流」が起きず、熱が均一に伝わりにくいんです。
  • センサーが検知しにくい:全体の水量が少ないため、沸騰や水切れのタイミングを正確に測るのがシビアになります。

5.5合炊きのような一般的な炊飯器は、やっぱり3合前後を炊くのが一番美味しくなるように設計されているんですね。

では、どうすれば少量でも上手に炊けるのでしょうか?

少量炊きのコツ

  1. 「少量炊き」モードがあれば必ず使う!
    お持ちの炊飯器に「少量炊き」や「お急ぎ少量」みたいなモードがあったら、ぜひそれを使ってください。これは、加熱や蒸らしの時間を細かく制御して、水分が飛びすぎないように調整してくれる専用のモードなんです。
  2. 水加減は「目盛りピッタリ」か「ほんの少し多め」
    水分の蒸発を見越して、目盛りジャストか、大さじ1杯程度のお水を足すと、ふっくら仕上がりやすいです。
  3. お米を中央に集める
    研いだお米を、内釜の底の中央に集めるように、こんもりと平らにならしてあげると、熱が伝わりやすくなります。
  4. 炊き上がったらすぐほぐす
    炊き上がったら、すぐに全体をほぐして、余分な水分を飛ばしてあげましょう。

少量炊きが得意な炊飯器を選ぶのも手

もし、ご家族のライフスタイルが変わって、「日常的に1合以下しか炊かない」ということが増えたのであれば、思い切って3合炊き以下の「小型炊飯器」に買い替えるのも、とても賢い選択だと思います。

最近は、5.5合炊きでも少量炊きに力を入れているモデルも多いですよ。例えば、象印の高級モデル「炎舞炊き」シリーズから出ている4合炊きのコンパクトなタイプ(NW-UT型など)は、少量でもかまどの炎を再現して美味しく炊けると、お店でも評判が良いです。

あとは、パナソニックの「自動計量」機能(SR-NA102など)のように、お米と水を入れるだけで0.5合からでも最適な水加減を自動でやってくれる機種も、水加減のミスがなくなるので、少量炊きの失敗を防ぐにはすごくおすすめですね。

炊飯器が炊けてない時の炊き直し術

最後に、これまでのおさらいです。
「炊飯器 炊けてない 炊き直し」でパニックになりそうになったら、この手順を思い出してくださいね。

ステップ1:慌てない(捨てるのはまだ早い!)

フタを開けて「あ!」っと思っても、まずは深呼吸。ご飯の状態(芯があるか、べちゃべちゃか、ニオイはどうか)を冷静にチェックしましょう。

ステップ2:リカバリー(炊き直し)

  • 【芯がある・少量】電子レンジが手軽で確実。
    お皿に盛り、水(大さじ1)をかけ、ふんわりラップで数分加熱(2段階加熱が◎)
  • 【芯がある・大量(2合以上)】炊飯器に戻す。
    水を追加(1合あたり30~50cc目安)し、「再加熱」または「早炊き」モードで。通常炊飯なら10分程度で手動停止!
  • 【べちゃべちゃ】リメイクに発想転換。
    お焼き、チヂミ、雑炊、リゾット風にして美味しく救済しましょう。

ステップ3:原因究明(なぜ炊けてない?)

落ち着いたら、「なぜ?」を考えましょう。

  • 水加減、間違えなかった?(無洗米じゃなかった?)
  • 炊き込みご飯の時、調味料を先に入れなかった?
  • 釜底の「センターセンサー」、汚れてない?
  • 本体底の「吸気口」、ホコリが詰まってない?

一番の予防策は「お掃除」です!

炊飯器も毎日頑張ってくれている家電です。一番の故障予防は、やっぱり定期的なメンテナンスなんですね。特に「釜底センサー」と「吸気口」のお掃除は、炊き上がりの味に直結する、本当に大事なポイントですよ。

ステップ4:買い替えも検討

お掃除をしても炊き上がりが改善しない、内釜のコーティングも剥げてきた、もう6年以上使っている…という場合は、炊飯器の寿命かもしれません。

最近の炊飯器は、本当によくできています。お店に立っていても、各メーカーの「失敗させない工夫」には感心しきりです。

例えば、象印の一部モデルのように、お手入れ部品が「内蓋」と「内釜」のたった2点だけ、なんていうメンテナンスがすごく楽なモデルも増えています。これなら、お手入れ不足による故障リスクも減らせますよね。

また、アイリスオーヤマの「量り炊き」モデルやパナソニックの「自動計量」モデルのように、一番失敗しやすい「水加減」を機械がサポートしてくれる機能も人気です。

もし買い替えを検討されるなら、ご自身のライフスタイル(炊く量、お手入れの頻度)に合わせて、こういう「失敗防止機能」や「メンテナンス性」もチェックしながら選んでみてくださいね!

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