部屋が散らかっているのを見るたび、自分を責めてしまう。そんな経験はありませんか？
実は、掃除が苦手なことには心理的な理由が隠れていることが多いんです。
完璧主義でかえって動けなくなってしまう人、ストレスで片付ける気力が湧かない人、モノの定位置が決まらず散らかりやすい人など、掃除ができない背景には様々なタイプがあります。
でも大丈夫。
疲れている時でもやる気を出す方法や、ロボット掃除機などの便利な家電を活用した片付けのコツを知れば、誰でも少しずつ変われるんです。
ゴミ屋敷化を防ぐ小さな一歩から、プロの家事代行サービスの活用法まで、この記事では掃除が苦手な人が無理なく快適な空間を手に入れるための実践的な方法をお伝えします。
自分を責めるのではなく、自分に合った方法を一緒に見つけていきましょう！
掃除ができない人の心理的な特徴
「掃除ができない」のには、その人の性格や心理状態が関係していることが結構多いんです。
まずは、ご自身の心の状態をちょっとだけ振り返ってみませんか？
ここでは、掃除が苦手な方に見られる心理的な特徴について、一緒に見ていきたいと思います。
部屋が散らかる人の共通点と特徴
「なぜか部屋が散らかってしまう」という方には、いくつかの共通点や特徴があるように思います。店頭でお客様のお話を伺っていても、「あ、このタイプの方かな？」と感じることがあるんです。
いくつか代表的な例を挙げてみますね。
モノを捨てられない「もったいない」タイプ
「まだ使えるから」「いつか使うかもしれないから」と、モノをなかなか手放せないタイプですね。
お気持ちはすごく分かるんです！
でもその「いつか」って、なかなか来ないものなんですよね…。
収納スペースには限りがありますから、入ってくる量と出ていく量のバランスが崩れると、モノはあっという間に溢れてしまいます。
やるなら完璧に！「完璧主義」タイプ
「掃除をするなら、隅から隅までピカピカにしなきゃ気が済まない！」という完璧主義な方も、実は散らかりやすい傾向があるんです。
なぜかというと、完璧を目指すあまり、始めるまでのハードルがものすごく高くなってしまうから。「今日は時間がないから完璧にはできないし、やるだけ無駄」と、結局「0か100か」で考えてしまい、手つかずの状態が続いてしまう…なんてこと、ありませんか？
見えないところはOK？「隠す収納」タイプ
一見、部屋は片付いているように見えても、クローゼットや引き出しの中はモノでパンパン…というタイプです。お客様の中にも、「新しい収納ケースを買ったのに、結局中がごちゃごちゃで…」とご相談に来られる方がいらっしゃいます。
「見えなければいい」という考え方だと、モノの総量を把握できなくなり、気づいた時には収納から溢れてしまうんですね。
モノの「住所」が決まっていないタイプ
これが一番多いかもしれません。「あれ、ハサミどこに置いたっけ？」「リモコンが見当たらない！」と、いつも探し物をしている方。
これは、モノの「定位置（住所）」が決まっていないのが原因です。
使った後に戻す場所が決まっていなければ、その辺に「仮置き」してしまい、それが積み重なって散らかっていく…というわけですね。
心当たりがある方は、まずは「ハサミはここ！」と一つのモノから住所を決めてあげる練習をしてみるのがいいかもしれませんね。
片付けられない心理とストレスの関係
「仕事で大きなミスをして落ち込んでいる時、部屋がものすごく散らかっていた」
…そんな経験はありませんか？
実は、心の状態と部屋の状態は密接にリンクしていることが多いんです。
心が元気で余裕がある時は、「よし、週末はあそこを掃除しようかな」なんて前向きに考えられますよね。でもストレスで心が疲れてしまうと、掃除や片付けといった「生活を整える」ためのエネルギーが残っていなくなってしまうんです。
掃除って、結構頭も体も使いますから、疲れている時には「後回し」にされやすい行動なんですね。
散らかった部屋が、さらにストレスを生む悪循環
問題なのは、ここからなんです。
「疲れてるから片付けられない」→「部屋が散らかっていく」→「散らかった部屋を見て、さらに気分が落ち込む」→「『こんなこともできない自分はダメだ』と自己嫌悪に陥る」…という、負のスパイラルに陥ってしまうことなんです。
こうなると、ますます掃除を始める気力が湧かなくなってしまいますよね。
もし今、あなたがストレスでいっぱいで片付けができない状態なら、まずはご自身の心を休ませてあげることを最優先にしてください。
部屋が散らかっているのは、あなたが「怠け者」だからではなく、心が「今は休みたい」というサインを出しているだけかもしれません。
まずは美味しいものを食べたり、ゆっくりお風呂に入ったり、ご自身をいたわってあげることから始めてみませんか？
疲れてる時に掃除のやる気を出す方法
そうは言っても、最低限の生活スペースは確保したい…ですよね。
ストレスや疲れで「やる気ゼロ」の時でも、なんとか掃除の第一歩を踏み出すための、小さな小さなコツをいくつかご紹介しますね。
「5分だけ」と決めてタイマーをかける
「1時間掃除するぞ！」と思うと、途端に体が重くなりませんか？
（私はなります！）
そんな時は、「たった5分だけ」と決めて、スマートフォンのタイマーをセットしてみてください。5分経ったら途中でもキッパリやめていいんです。この「やめていい」というのが大事なポイント。
おすすめは、CMの間だけとか、好きな曲を1曲かける間だけ、とかですね。
意外と「あ、もうちょっとやれそう」って気分が乗ってくることもあるんですよ。
「場所」ではなく「行動」で区切る
「リビングを全部片付ける」ではなく、「床に落ちているモノを拾うだけ」「テーブルの上にあるゴミを捨てるだけ」といった感じで、行動単位で目標を小さくするのも効果的です。
特に「床が見える」ようになると、部屋の印象がガラッと変わって、達成感を感じやすいのでおすすめですね。
「ついで掃除」を習慣にする
「掃除の時間」をわざわざ取るのではなく、何かの「ついで」に掃除を組み込んでしまう方法です。
- 歯磨きをしながら、洗面台の鏡をティッシュで拭く
- お風呂に入ったついでに、壁や床をサッと流す
- トイレを使った後に、便座クリーナーで拭く
これなら、わざわざ「掃除するぞ！」と意気込まなくても、汚れが溜まるのを防げますよね。
私も、電気ケトルでお湯を沸かしている間に、コンロ周りを拭いたりしていますよ。
疲れている時は、「汚れを落とす」ことよりも「これ以上汚さない」ことを目標にするくらいが、ちょうどいいかもしれませんね。
掃除できない自分を責めないで
ここまで色々な心理や方法についてお話ししてきましたが、私が一番お伝えしたいのは、「掃除ができないからといって、あなたの価値は1ミリも変わらない」ということです。
私たちは、掃除をするために生きているわけじゃないですよね。
仕事や家事、育児、勉強…毎日やらなきゃいけないことに追われて、掃除まで手が回らない日があるのは、当たり前のことなんです。
それなのに、「主婦なのに片付けられない」「いい年して部屋が汚い」なんて、自分を責めてしまう…。その気持ち、痛いほど分かります。
でも自分を責めれば責めるほど、自己肯定感が下がって、ますます動けなくなる悪循環に陥ってしまいます。
掃除ができない日は、「あー、今日は疲れてるんだな、私。お疲れ様」って、ご自身の頑張りを認めてあげてほしいんです。
部屋が少し散らかっていても、命まで取られるわけじゃありません（笑）
まずは「できなくてもいいんだ」とご自身を許してあげることから、すべてが始まるんじゃないかな、と思います。
掃除ができない人におくる片付けのコツ
心の準備ができたら、いよいよ次は「行動編」ですね！
とはいえ、いきなり大掃除を始める必要はまったくありません。掃除ができない、苦手だと感じている人が、どうやって「楽に」片付けを進めていけばいいのか。
ここからは、具体的なコツと、私たち家電のプロがおすすめする「文明の利器」について、たっぷりご紹介しますね！
ゴミ屋敷化を防ぐ小さな一歩
「部屋が散らかっている」レベルを超えて、いわゆる「ゴミ屋敷」の状態に近づいてしまうと、自力でのリカバリーは本当に大変になります。
そうなる前に、まず踏み出してほしい「小さな一歩」があります。
まずは「明らかなゴミ」を捨てる
片付けと聞くと、「収納」や「整理」をイメージするかもしれませんが、順番が違います。
最初は「捨てる」一択です。
でも、「これはいる？いらない？」と考えると、手が止まってしまいますよね。
なので最初は「判断がいらないゴミ」から捨てましょう。
- 飲みかけのペットボトル、空き缶
- コンビニでもらったレシートや割り箸
- 期限切れのチラシやダイレクトメール
- 食べ終わったお菓子の袋
これらを捨てるのに、迷う必要はありませんよね？
まずは家の中にある「ゴミ袋」を一つ持って、部屋をぐるっと見渡しながら、これらの「明らかなゴミ」を集めて回る。たったこれだけでも、部屋の空気は確実によくなります。
「1日1捨て」を始めてみる
ゴミを捨てられたら、次は「不要なモノ」です。
でも、焦らないでください。
「1日に1個だけ、何かを捨てる」というルールを決めてみませんか？
例えば、「インクの出なくなったボールペン1本」「片方しかない靴下」「1年以上着ていないTシャツ」。
なんでもいいんです。
1日1個なら、できそうな気がしませんか？
これを続けると、1ヶ月で30個、1年で365個のモノが家からなくなります。この「小さな成功体験」の積み重ねが、「私にもできた！」という自信につながっていくんです。
掃除できない人が助けてほしい時の対処法
「もう、自分一人の手には負えない…」
そう感じたら、遠慮なく人の助けを借りてください。
掃除ができないのは恥ずかしいことではありません。
一人で抱え込むことのほうが、ずっと大変です。
家族や友人に「SOS」を出す
もし、身近に頼れる家族や友人がいるなら、「ちょっと片付けを手伝ってほしい」と素直に伝えてみましょう。
その時のコツは、「全部片付けて！」と丸投げするのではなく、「ゴミ捨てだけ手伝ってほしい」「重い家具を動かすのだけお願い」と、具体的な作業をピンポイントでお願いすることです。
相手も「それくらいなら」と、手伝いやすくなると思いますよ。
プロの力を借りる（家事代行・片付けサービス）
「家族にはかえって見られたくない」「根本的に解決したい」という場合は、プロに頼るのが一番の近道です。
最近は、日常的な掃除をお手伝いしてくれる「家事代行サービス」や、片付けの仕組みから一緒に考えてくれる「整理収納サービス」、ゴミ屋敷専門の「特殊清掃」まで、いろいろなサービスがあるんです。
費用に関する注意点
もちろん、プロに頼むと費用がかかります。料金は、サービス内容や部屋の状態、地域によって本当にマチマチです。
例えば、家事代行なら1時間3,000円～5,000円程度、ゴミ屋敷の清掃となると数十万円単位になることもあります。
必ず複数の会社から見積もりを取って、サービス内容と料金をしっかり比較検討することが大切です。いきなり契約せず、「見積もりは無料ですか？」と確認してから依頼しましょうね。
「お金を払ってまで…」とためらう方もいらっしゃいますが、プロの手で一度リセットしてもらうことで、その後の生活が劇的に変わることもあります。自分への「投資」として考えてみるのも一つの手だと思います。
「ゴミ屋敷」というほどのレベルでないのなら、通常の家事代行サービスで十分事足ります。
ゴミを捨てるのに、なるべくお金をかけたくないというのであれば、コスパ抜群の「くらしのマーケット」あたりがいいのではないでしょうか。
掃除が楽になる収納と片付けのコツ
プロの手を借りるにせよ、自分でやるにせよ、一度リセットできたら、次は「リバウンドしない仕組み」を作ることが何より重要です。
掃除が苦手な人ほど、複雑な収納ルールは合いません。目指すのは、「ズボラさんでも元に戻せる」シンプルな収納です！
すべてのモノに「住所」を決める
やっぱり、これが一番大事ですね。
「部屋が散らかる人の特徴」でもお話ししましたが、モノの「定位置」を決めましょう。
ポイントは、「使う場所の近く」に住所を作ってあげること。
例えば、爪切りはリビングのテーブルの引き出し、テレビのリモコンはソファ脇の定位置に。
郵便物は玄関で開封して、不要なDMはその場でゴミ箱へ。
こんな風に、生活動線に合わせた収納を考えると、自然とモノが片付くようになります。
「ワンアクション」で取り出せるようにする
掃除が苦手な方は、面倒なことが大嫌い！
（私もです！）
「扉を開けて→箱を取り出して→フタを開けて→やっと取り出せる」…なんて収納だと、もう元に戻す気になれませんよね。
できるだけ「投げ込むだけ」「置くだけ」といった、ワンアクションで出し入れできる収納を目指しましょう。
フタのないカゴを使ったり、よく使う服はクローゼットにしまわずにハンガーラックに「掛けるだけ」にしたり。少しの工夫で、片付けのハードルはぐっと下がりますよ。
収納用品を先に買わない
「片付けよう！」と意気込んで、おしゃれな収納ケースを買いに走る…これは典型的な失敗パターンです！
私もたまに店頭で、「このスペースに合う収納は？」と聞かれることがありますが、まず「そこに入れるモノは決まっていますか？」とお伺いするようにしています。
まずは「捨てる」作業を終わらせて、手元に残すモノの量が決まってから、初めてそれに合う収納用品を買いに行ってくださいね。
掃除できない人向けの家電活用術
さあ、お待たせしました！
家電量販店員の私としては、ここを一番お話ししたかったんです（笑）
「掃除ができない」
「面倒くさい」
…そんな人ほど、絶対に家電の力を借りるべきです！
今の家電は、昔と違って本当に賢くなっています。
「掃除は家電に任せる」と割り切ってしまうのも、賢い選択だと思いますよ。
ほったらかしで床掃除完了！「ロボット掃除機」
「掃除ができない人」の最強の味方といえば、やっぱりロボット掃除機ですね。
ボタン一つ押すか、スマホでスケジュール設定しておけば、あなたが仕事に行っている間や寝ている間に、勝手に床をキレイにしてくれるんです。
店頭でお客様に「ロボット掃除機を導入したら、床にモノを置かなくなった」というお話をよく聞きます。
ロボット掃除機がスムーズに走れるように、自然と床を片付ける習慣がつく…これって、最高の「一石二鳥」だと思いませんか？
おすすめモデル
最近は水拭きまで全自動でやってくれて、汚れたモップも自分で洗って乾燥までしてくれる、Roborock（ロボロック）のS8 Pro Ultraや、Eufy（アンカー）のX10 Pro Omniのような全自動モデルがすごい人気です。
「掃除ができない」と悩む人ほど、こういう「ほったらかし」にできる最上位モデルの満足度が高い傾向にあるな、と店頭にいても感じますね。
気づいた時にサッと！「コードレススティック掃除機」
「ロボット掃除機はまだ早いかな」
「食べこぼしとか、ピンポイントで掃除したい」
という方には、コードレスのスティック掃除機が絶対におすすめです。
わざわざ押入れから重いキャニスター掃除機を出して、コードをコンセントに挿して…なんて作業、面倒でしかありませんよね。
コードレススティックなら、リビングの隅に立てかけておいて、ゴミが気になった瞬間にサッと手に取ってスイッチオン。この「手軽さ」が、掃除のハードルを劇的に下げてくれるんです。
Dyson（ダイソン）やShark（シャーク）のモデルは吸引力も申し分ないですし、最近はパナソニックの「からまないブラシ」みたいに、お手入れが楽なモデルも増えていて、嬉しいポイントですよね。
こぼした絶望を希望に変える！「リンサークリーナー」
これは、私が今個人的に一番おすすめしたい家電かもしれません（笑）
アイリスオーヤマの製品で一気に有名になった、「リンサークリーナー」です。
カーペットやソファに、ジュースやコーヒーをこぼしちゃった時…もう絶望的な気分になりますよね。掃除が苦手な人なら、なおさら「もういいや…」って放置してしまいがち。
でもリンサークリーナーがあれば、水を噴射して、汚れごと強力に吸い取ってくれるんです！
お客様からも「子供の食べこぼしストレスが半分以下になった」なんて、嬉しい評判をよく聞きますよ。
掃除ができない人って、「汚してしまった時のリカバリー」が一番のストレスだったりしますから、こういう「お守り家電」を一台持っておくと、心の余裕が全然違ってくると思います。
まとめ：掃除ができない人でも変われる
ここまで、掃除ができない心理的な理由から、具体的な片付けのコツ、そして便利な家電まで、たくさんお話ししてきました。
一番大切なのは、「掃除ができない自分」を責めすぎないこと。
そして、いきなり完璧を目指さないことです。
まずは「ゴミを1個捨てる」からでいいんです。その小さな一歩を踏み出せたらご自身をたくさん褒めてあげてください。
そして、疲れている時や面倒な時は、便利な家電やプロのサービスにどんどん頼っていいんです。あなたの生活が少しでも楽になって、ご機嫌に過ごせる時間が増えることのほうが、ピカピカの部屋でいることよりも、ずっと価値があることだと私は思います。
掃除ができない人だって、ほんの少しのコツと工夫で絶対に変われます。
この記事が、その「小さな一歩」を踏み出すきっかけになれたらとても嬉しいです。
