ベランダの掃除、つい後回しにしていませんか?
砂ぼこりや落ち葉が溜まって気になるけど、水が使えないマンション住まいだったり、重いデッキブラシでこするのは大変だったり…。
でも実は、100均グッズを上手に使えば、そんなベランダ掃除のお悩みも、かなりラクに解決できるんです。
ダイソーには、隙間用ほうきや重曹スプレー、排水口ネットなど、ベランダ掃除に役立つアイテムがたくさん揃っています。
砂ぼこりが舞い上がらない新聞紙の活用法や、頑固なコケを落とすデッキブラシの選び方、さらには鳥のフンを安全に処理する方法まで、お悩み別の掃除術を知っていれば、もう怖くありません。
ただし、100均グッズだけでは限界もあります。
この記事では、100均グッズでできるベランダ掃除の具体的なテクニックから、どうしても落ちない汚れに対する家電を使った解決策までお伝えしていきます。
家電量販店で働く私の視点から、皆さんのベランダをスッキリ快適にするための方法を詳しくご紹介していきますね!
100均でベランダ掃除!ダイソー商品と悩み別掃除術

まずは、今回のメインテーマ「ベランダ掃除を100均グッズで!」という部分を深掘りしていきますね。
ダイソーなどの100円ショップは、本当に掃除グッズの宝庫です。手軽に始められるのが最大の魅力ですが、汚れの種類や場所によって「どのグッズを選ぶか」がとても重要になってきます。
ここでは、皆さんが抱えがちなベランダのお悩み別に、具体的なダイソーの商品名も挙げながら、賢い掃除術をご紹介していきます。
マンションの水なし掃除と砂ぼこり
ベランダ掃除で一番よく聞くお悩みが、特にマンションやアパートにお住まいの方の「お水が使えない」という問題です。規約で大量の水を流すのが禁止されていたり、お隣さんへの水はねが気になったりしますよね。
そうすると、基本は「掃き掃除」になるわけですが、これがまた大変…。
乾いた砂ぼこりや土汚れって、ほうきで掃くとフワ~ッと舞い上がってしまって、結局あまりキレイにならなかったり、お部屋の中に入ってきたりしませんか?
そこでおすすめしたいのが、昔ながらの知恵ですが「濡らした新聞紙」を活用する方法です。
新聞紙を細かくちぎって水で湿らせ(ビショビショじゃなくてOKです)、それをベランダに撒いてから掃くんですね。こうすると、新聞紙が砂ぼこりや髪の毛をしっかりキャッチしてくれて、ホコリが舞い上がるのを防げます。
この時使うほうきとちりとりですが、ダイソーに優秀なものがあるんです。
ダイソーのおすすめアイテム
- (自立する)ちりとりほうきセット(税込550円): スリムで立てて収納できるので、ベランダに置いても邪魔になりにくいのが嬉しいポイントです。ベランダ全体の砂ぼこりや落ち葉を集めるのに活躍します。
- 再生PPを使用したちりとりほうきセット(税込330円): これは本当に優秀です!サッシの溝や排水溝のフタの隙間など、普通のほうきじゃ届かない細かい場所のゴミをかき出すのに最適なんです。
まずは新聞紙でホコリを吸着させて、全体を「ほうき・ちりとりセット」で掃きます。そのあと、サッシの溝などに残った細かい砂ぼこりを「隙間用ちりとりほうきセット」で仕上げる、という流れですね。
手すりや物干し竿の砂ぼこりは、固く絞った雑巾で拭くのが基本ですが、ダイソーの「落ち落ちV 重曹+アルカリ電解水クリーナー(税込110円)」を雑巾にスプレーしてから拭くと、排気ガスなどの油性の汚れもスッキリ落ちやすいですよ。
ただ、この「水なし掃除」、砂ぼこりが多い日は結構こまめにやらないといけなくて、正直かなりの手間ではあります。私もこの方法を試したことがありますが、「掃き掃除って、こんなに大変だったかな…」と感じたのを覚えています。
この「掃く手間」と「舞い上がる砂ぼこり」を一気に解決してくれるのが、実は家電の「ブロワー」なんです。これについては、後半で詳しくお話ししますね。
ほうきと排水口の工夫
ベランダ掃除の基本アイテム「ほうき」ですが、100均でもいろいろな種類があって迷ってしまいますよね。先ほどご紹介した「(自立する)ほうき・ちりとりセット」のような収納性を重視したものもあれば、毛先が硬いタイプ、柔らかいタイプなど様々です。
選ぶポイントとしては、ご自宅のベランダの床材に合わせるのが一番です。
例えば、ツルツルした床材なら毛先が柔らかいものでも十分ですが、コンクリート打ちっぱなしのようなザラザラした床だと、少し毛先が硬めでコシのあるタイプのほうが、溝に入った砂ぼこりをかき出しやすいと思います。
そして、ほうきで集めたゴミの最終地点、「排水口」のお掃除、皆さん忘れずにやっていますか?
ここ、本当に大事なポイントなんです。
排水口が落ち葉や泥、飛んできたゴミなどで詰まってしまうと、大雨が降った時にベランダがプール状態になって、最悪の場合はお部屋に水が浸入する…なんてことにもなりかねません。
排水口の詰まりは絶対に放置しないで!
排水口の詰まりは、ベランダ掃除の中でも特に重要なチェックポイントです。詰まりが原因で水が溢れると、ご自宅だけでなく、階下のお宅にも迷惑をかけてしまう可能性があります。定期的なチェックと掃除を心がけましょう。
排水口のお掃除で活躍するのも、やはり100均グッズです。
ダイソーのおすすめアイテム
- 再生PPを使用したちりとりほうきセット(税込330円): ここでも登場です。排水口のフタ(目皿)の格子の隙間や、その周りの溝にたまった泥やゴミをかき出すのに本当に便利です。
- 強力コゲとりスクレーパー(税込110円): 本来はコンロのコゲ取り用なんですが、これが裏ワザ的に使えるんです。排水口周りにこびり付いた固い泥汚れや、次に紹介する「コケ」の初期段階のものを削ぎ落とすのに役立ちます。ただし床材を傷つけないように力加減には注意してくださいね。
お掃除の手順としては、まず排水口のフタを開けて、中に溜まった大きなゴミ(落ち葉など)を手袋をして取り除きます。その後、「隙間用~」で細かい泥をかき出し、こびり付いた汚れがあれば「スクレーパー」で軽く削ります。
予防策として、ダイソーにも売っている「水切りネット」(お風呂用やキッチン用でOK)を排水口のフタの裏側(あるいは中)にセットしておくのも、かなり有効ですよ。ゴミがネットに溜まるので、次からのお掃除が格段にラクになります。
頑固なコケとデッキブラシ
日陰になっていて湿気が多いベランダだと、いつの間にか床が緑色に…。「頑固なコケ」に悩まされている方も多いんじゃないでしょうか。見た目も良くないですし、滑りやすくなるので危ないですよね。
コケ掃除の鉄則は、「雨の日」か「雨の翌日」に行うことです。コケが水分を含んでふやけているので、乾燥している時よりも断然落としやすくなるんです。
そして、コケ退治の主役といえば、やっぱり「デッキブラシ」ですよね。100均でも手に入ります。
ダイソーのおすすめアイテム
- ワイパー付デッキブラシ(税込220円): これ、とても便利だと思います。デッキブラシでゴシゴシこすった後、持ち手側についているワイパー(スクレーパー)で汚れた水をサッと集められるんです。ヘッドが小さめなので、小回りが利くのもマンションのベランダには嬉しいポイントですね。
- 重曹(粉末タイプ)(税込110円): コケ掃除のサポート役として使えます。
お掃除の方法ですが、まずコケがひどい部分にダイソーの「重曹(粉末タイプ)」を振りかけて、少し放置します(5分~10分程度)。重曹はアルカリ性なので、コケを緩ませる働きがあるんですね。その後「ワイパー付デッキブラシ」で力を入れてこすります。
もし、コンクリートの表面やタイルの目地に根を張ってしまったような、特にしつこいコケがある場合は、先ほど紹介した「強力コゲとりスクレーパー」で、床材を傷つけないように注意しながら削ぎ落とすのも一つの手です。
デッキブラシの注意点
100均のデッキブラシは手軽ですが、柄が短めだったり、強度がそこまで高くない場合もあります。広範囲を本気で掃除しようとすると、腰を痛めたり、すぐにブラシがダメになってしまったりすることも…。まずは狭い範囲で試してみるのがおすすめです。
ただ、このデッキブラシでこする方法、とにかく体力勝負です。ベランダ全面をやるとなると、本当に重労働…。しかも一生懸命こすっても、コケは「根」が残っているとすぐに再発してしまうんです。
この「重労働」と「再発」という2大お悩みを解決してくれるのが、家電の「高圧洗浄機」や「スチームクリーナー」なんですね。
高圧洗浄機なら腕力ゼロで一気に黒ずみごと吹き飛ばせますし、スチームクリーナーなら高温でコケを根から死滅させることが期待できるので、再発防止にもつながります。人力で頑張る前に、こういう選択肢があることも知っておくと良いかもしれません。
鳥のフン対策と安全な除去

ベランダのお悩みでコケと同じくらい、いえ、それ以上に深刻なのが「鳥のフン」問題じゃないでしょうか。
景観が悪いのはもちろんですが、一番の問題は「衛生面でのリスク」です。
鳥のフンには、カビや細菌、ウイルスなどが含まれている可能性があり、乾燥すると空気中に飛散して、それを吸い込むことで感染症を引き起こすリスクがあると言われています。
絶対にやってはいけないNG行動!
乾燥した鳥のフンを、ほうきやブラシで絶対に掃かないでください! 菌やウイルスが空気中に舞い上がり、それを吸い込んでしまう危険性が非常に高いです。掃除の際は、必ず正しい手順を踏んでください。
安全に除去・消毒するために、100均で揃えておきたいアイテムはこちらです。
ダイソーのおすすめアイテム
- 抗菌天然ゴム手袋(税込110円): 必須です。掃除が終わったらそのまま捨てられる使い捨てタイプが衛生的でおすすめです。
- 不織布マスク(税込110円): 100均でも手に入ります。菌を吸い込まないために必ず装着してください。
- アルコール除菌スプレー(税込110円): フンを湿らせたり、一次消毒に使ったりします。
- スプレーボトル(税込110円): 水や、後述する消毒液を入れるのに使います。
安全な除去と消毒の手順
- 【装備】: まず、マスクと「天然ゴム手袋」を必ず装着します。
- 【湿らせる】: 乾燥したフンに、ダイソーの「アルコール除菌スプレー」か、水を入れたスプレーボトルでたっぷり噴霧し、菌が飛散しないように十分に湿らせます。
- 【除去】: キッチンペーパーや要らない布などで、フンを外側から掴むようにして拭き取ります。こすり広げないのがポイントです。
- 【廃棄】: フンを拭き取ったペーパー類と、使用した手袋は、ビニール袋に入れて口をしっかり縛って密封し、可燃ごみとして捨てます。
- 【消毒】: フンがあった場所に、再度「アルコール除菌スプレー」をたっぷり噴霧し、数分放置してからキレイなペーパーなどで拭き取ります。
これで一次対応は完了ですが、アルコール消毒だけではノロウイルスなど一部の菌やウイルスには効果が薄い場合もあるんです。
より強力な消毒(ハイター活用法)
感染症対策としてより確実な消毒を行うには、「次亜塩素酸ナトリウム」(家庭用の塩素系漂白剤、ハイターなど)が推奨されます。
<0.05%濃度の消毒液の作り方(目安)>
- 500mlのペットボトルに水を入れます。
- そこへ「キッチンハイター」などの塩素系漂白剤を、ペットボトルのキャップ半分弱(約2.5ml)入れます。
この消毒液をペーパーに浸して対象箇所を拭き、その後10分ほど放置してから、必ず水拭きで仕上げてください。塩素系漂白剤は強力なため、材質によっては変色やサビの原因になることがあります。特に金属部分への使用は十分注意し、目立たない場所で試してからご使用ください。また、作業中は換気を忘れず、手袋も必須です。
※上記はあくまで一般的な目安です。製品の使用上の注意をよく読み、ご自身の責任においてご使用ください。
…と、ここまでが100均でできる対策ですが、正直「ちょっと面倒だな」「薬剤は不安だな」と感じませんか?
特にハイターは強力すぎて、ベランダの床材を痛めてしまわないか心配ですよね。
この「薬剤を使いたくないけど、徹底的に殺菌したい」というジレンマを解決してくれるのが、「スチームクリーナー」なんです。
薬剤を一切使わず、100℃近い高温スチームで徹底的に殺菌・消毒が期待できるので、お客様にも「鳥のフン対策で買ったけど、本当に安心感が違う」と喜ばれています。
安全と安心を手に入れたい方には、一番おすすめしたい家電ですね。
重曹やクエン酸の活用法
ベランダ掃除でも、ナチュラルクリーニングの定番「重曹」と「クエン酸」は活躍してくれます。100均でも手軽に手に入るのが嬉しいですよね。この二つの特性を理解して使い分けるのが、上手に掃除するコツです。
まず、「重曹」はアルカリ性です。そのため、酸性の汚れに強いんですね。
ダイソーのおすすめアイテム(重曹)
- 重曹(粉末タイプ)(税込110円): いわゆる「重曹パウダー」です。
- 落ち落ちV 重曹+アルカリ電解水クリーナー(税込110円): すぐに使えるスプレータイプ。
ベランダでいうと、排気ガスに含まれる油性の汚れや、皮脂汚れ(裸足で歩いた跡など)、それから先ほども出た「コケ」や「カビ」も(軽い初期段階のものなら)酸性の性質を持つ汚れなので、重曹が有効なんです。
<重曹の使い方>
- 粉末のまま: コケや黒ずみが気になる場所に直接振りかけて、デッキブラシでこする。
- 重曹ペースト: 重曹と水を2:1くらいで混ぜてペースト状にし、しつこい汚れにパックのように塗り付けてしばらく放置してからこする。
- スプレータイプ: 手すりや物干し竿、壁などのサッと拭きたい汚れに「重曹クリーナー」を吹きかけて拭き取る。
一方、「クエン酸」は酸性です。こちらはアルカリ性の汚れに強さを発揮します。
ダイソーのおすすめアイテム(クエン酸)
- 落ち落ちV クエン酸クリーナー(税込110円): スプレータイプが便利です。
ベランダでアルカリ性の汚れというと、代表的なのは「水垢」ですね。ベランダに水道の蛇口があるご家庭だと、蛇口周りが白くくすんでいたり、窓ガラスに白いウロコ状の汚れが付いていたりしませんか?それが水垢(水道水に含まれるカルシウムなどが固まったもの)です。
そういった場所には、「クエン酸クリーナー」をスプレーして、キッチンペーパーなどでパックしてしばらく放置し、汚れが緩んだら拭き取る、という方法が効果的です。
使い分けのポイント
- 【重曹(アルカリ性)】: 排気ガスのスス汚れ、コケ、カビ、手すりの皮脂汚れに。
- 【クエン酸(酸性)】: 蛇口や窓ガラスの水垢、くすみに。
100均でのベランダ掃除の限界と家電へのステップアップ

ここまで、100均グッズを使ったベランダ掃除の方法をご紹介してきました。手軽に始められて、悩み別に対応できるグッズが揃っているのは、本当に100均のすごいところですよね。
ですが家電量販店で働く私から見ると、同時に「100均だけでは難しいこと」もたくさん見えてくるんです。
ここからは100均掃除の限界と、その「ちょっと先」にある便利な家電の世界についてご紹介させてください。
100均グッズの限界
100均グッズでベランダ掃除を始めようとするのは、とっても良いことだと思います。コストをかけずに「まず動いてみる」きっかけになりますからね。
でも、実際に掃除を始めると、多くの方がいくつかの「壁」にぶつかるんです。
それは、大きく分けて3つの「限界」かなと思います。
1. 時間と手間の限界(体力の限界)
これが一番大きいかもしれません。先ほどの「コケとデッキブラシ」の話でも出ましたが、100均のグッズは基本的に「人力」です。デッキブラシでベランダ全面をこする、新聞紙をちぎって水なし掃除をする…。どれもかなりの時間と労力、そして体力を使います。
最初は「100均で安く済ませよう」と意気込んでいたお客様が、後日「あのデッキブラシ、重労働すぎて無理でした…」と、高圧洗浄機を見に来られるケースは本当によくあるんです。
2. 仕上がりの限界(汚れ落ちの限界)
100均のブラシや洗剤で落とせるのは、残念ながら「表面の汚れ」や「軽い汚れ」までがほとんどです。長年蓄積されたコンクリートの黒ずみ、タイルの目地に深く根を張ったカビ、コケの根っこ…。これらは人力でいくらこすっても、完全に取りきることは難しいのが現実です。
結果として「頑張った割にキレイにならなかった」「掃除したのに、すぐにコケが再発した」という、ちょっと残念な結果につながりやすいんですね。
3. 安全性・確実性の限界(薬剤の不安)
「鳥のフン」の掃除がまさにこれです。100均のアルコールスプレーでは殺菌力に不安が残り、かといって強力な塩素系漂白剤(ハイター)を使うのは、ベランダの材質を傷めるリスクや、薬剤の取り扱い自体に不安を感じますよね。
「汚れは落としたい。でも薬剤は使いたくない。でも除菌はしっかりしたい」。
このジレンマは、100均グッズだけではなかなか解決が難しいんです。
家電を検討するタイミング
以下のようなことを感じたら、それは家電へのステップアップを考える良いタイミングかもしれません。
- 「ベランダ掃除=重労働で面倒」と感じている
- こすってもこすっても、床の黒ずみが取れない
- コケやカビが、掃除してもすぐに生えてくる
- 薬剤を使わずに、鳥のフン跡などをスッキリ除菌したい
100均グッズは「日常の簡単な掃除」や「お試し」には最適です。
でも、もし皆さんが「時間や労力をかけずに」「根本からキレイに」「安全に」掃除をしたいと望むなら、その時こそ家電の出番なんだと思います。
掃き掃除の手間をなくすブロワー
「水なし掃除」の章で、新聞紙を使った砂ぼこり対策をご紹介しましたが、「正直、もっとラクしたい!」というのが本音じゃないでしょうか。
掃き掃除って、ホコリが舞うし、時間もかかるし、結構ストレスですよね。
そんな「掃き掃除のストレス」を、一瞬で解決してくれるのが「充電式ブロワー」です。これは、私がベランダ掃除で一番「買ってよかった」と実感している家電かもしれません。
ブロワーは、要は「強力な風を吹き出す機械」です。これをベランダで使うと、水を使わずに、砂ぼこり・落ち葉・髪の毛・小さなゴミまで、全部一気に「ブォーッ!」と一方向に吹き飛ばして集められるんです。
ほうきで15分かかっていた掃き掃除が、ブロワーなら3分もかからず終わる、なんてことも珍しくありません。
店頭でお客様にご紹介すると、「え、そんな便利なものがあるの?」と驚かれることが多い、隠れた人気家電なんですよ。
プロ・DIY向け:マキタ 充電式ブロワ UB185D
もし、ご家庭でマキタの18Vバッテリーを使った電動ドライバーなど、他のDIYツールを既にお持ちなら、断然これがおすすめです。
本体のみ(型番: UB185DZ)を購入すれば、バッテリーを使い回せるのですごく経済的です。
パワーが本当に強力で、ベランダの砂埃はもちろん、植木鉢の周りの乾いた泥汚れなんかも一気に吹き飛ばしてくれます。「パワーが正義!」という方にはぴったりですね。
ブロワーの「集じん機能」についての注意点
マキタのUB185Dなど、一部のブロワーには「集じん(吸引)機能」がついているモデルがあります。「吸うこともできるなら便利!」と思いがちですが、お客様の評判を聞いていると、ベランダの細かい砂埃を吸わせると、フィルターがすぐに詰まってしまって、掃除機としてはあまり実用的ではない、という声が多いです。あくまで「吹き飛ばし」メインで考えることをおすすめします。
エントリー・家庭用:アイリスオーヤマ 充電式ブロワ JB181
「初めてブロワーを買う」「マキタのバッテリーは持っていない」という方には、アイリスオーヤマのこちらが人気です。バッテリーや充電器がセットになったモデルでも比較的手頃な価格で、ご家庭のベランダ掃除には十分なパワーがあります。
このモデルの面白い点で、お客様から「雨が降った翌日、ベランダに溜まった雨水を吹き飛ばして乾かすのに重宝してる」というお声を聞いたことがあります。
これは、ほうきでは絶対にできない、ブロワーならではのユニークな使い方ですよね。
100均のほうきで毎日格闘する時間と労力を考えたら、ブロワーを導入する価値は十分すぎるほどあると私は思いますよ。
コケやカビを根絶するスチーム
「デッキブラシで頑張ってコケを落としたのに、数ヶ月したらまた生えてきた…」という、あのガッカリ感。すごくよくわかります。
100均のブラシや洗剤では、どうしてもコケやカビの「根」までは除去しきれないんですよね。
さらに「鳥のフン」問題。
薬剤(ハイター)は使いたくないけど、アルコールだけじゃ不安…。
この「再発防止」と「薬剤不要の徹底除菌」という、100均では解決が難しい2つの課題を、一気に解決してくれるのが「スチームクリーナー」なんです。
スチームクリーナーは、水をタンクに入れて、約100℃の高温スチームを噴射する家電です。この高温スチームが、コケやカビを表面だけでなく「根こそぎ」死滅させてくれる効果が期待できます。だから再発防止につながるんですね。
もちろん、鳥のフン跡のような場所も、薬剤を一切使わずに高温で徹底的に除菌・消毒できるので、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使えます。
店頭でも「ベランダのコケと、キッチンの油汚れ、どっちもやりたくて」と購入される方が多いですよ。
スポット・短時間向け:ケルヒャー SC 1 MINI
ドイツの有名メーカー、ケルヒャーのハンディタイプです。とにかく軽量・コンパクトで、サッと取り出して使える手軽さが魅力ですね。
「ベランダ全体というより、鳥のフンが落ちた場所だけを集中消毒したい」とか「窓のサッシや排水口の溝だけやりたい」といった、スポット的な使い方に向いています。
ただ、お客様からよく聞く注意点として、「連続噴射時間が5~6分と、かなり短い」という点があります。予熱時間は3分と早いんですが、すぐに水がなくなってしまうんですね。
ベランダ全体の掃除には全く向いていないので、そこは割り切って「短時間のスポット専用機」として選ぶのが正解だと思います。
バランス・長時間向け:アイリスオーヤマ STM-304N
こちらもハンディタイプですが、ケルヒャーの「SC 1 MINI」と比べて、連続噴射時間が「約12分」と2倍以上あるのが大きな強みです。
これだけあれば、ベランダの気になる箇所や、排水口周り、サッシの溝などを一通り掃除するのに十分実用的ですよね。
お客様からも「予熱が早くてすぐ使える」「隙間や角にスチームが届いて、汚れが浮き出てくるのが楽しい」と、なかなか好評です。
スチームクリーナーの苦手なこと
スチームクリーナーは「高温で汚れを浮かせて除菌する」機械です。万能ではなく、苦手な汚れもあります。お客様のレビューでも「ゴムパッキンに深く入り込んだカビ」や「水道水のウロコ状の水垢」は、残念ながら落ちなかった、というお声は多いです。過度な期待はせず、得意・不得意を理解して使うことが大切ですね。
100均のデッキブラシでは届かない「コケの根」や「カビ菌」に、高温スチームでアプローチする。これはベランダを衛生的に保つ上で、とても賢い選択だと思いますよ。
黒ずみを一掃する高圧洗浄機

さて、いよいよベランダ掃除家電の「王様」の登場です。
100均のデッキブラシでは絶対に太刀打ちできない、長年蓄積された床の黒ずみ、広範囲に広がったコケ、泥汚れ…。これらを「リセット」したいなら、もう「高圧洗浄機」しかありません。
あの、テレビの通販番組でよく見る「黒かった床が、機械を当てたところだけ真っ白に!」という映像、あれがご家庭のベランダで実現できるわけです。
圧倒的な水圧で、汚れを「こする」のではなく「吹き飛ばす」感覚は、一度体験するとクセになりますよ。
ただ、マンションにお住まいの方が高圧洗浄機を選ぶ際には、絶対にクリアしなければならない2つの大きな壁があります。
それは「騒音」と「給水(蛇口がない)」です。
でも、安心してください。
今の家電は、そのお悩みをちゃんと解決できるモデルが出ているんです。
【静音・高性能】:ケルヒャー K 3 サイレント プラス ベランダ
「高圧洗浄機は欲しいけど、とにかく音がうるさいのが心配…」という方に、私たちが一番におすすめするのが、このモデルです。
名前に「サイレント」と「ベランダ」の両方が入っている、まさにマンション向けのエースですね。
なぜ静かなのかというと、「水冷式モーター」という、ちょっと良いモーターを使っているからなんです。従来の空冷式(ファンで冷やす)に比べて、モーターの振動音やノイズが格段に抑えられていて、メーカー発表では体感音が50%カットされるとか。
お客様からも「想像してたよりずっと静かだった」と、音の面での評価は本当に高いです。
さらに「ベランダ」モデルには、「デッキクリーナー PS 20」というアタッチメントが標準で付いてきます。これは、水が周りに飛び散るのを防ぎながら床掃除ができるカバーのようなもので、お隣さんへの水はねを最小限に抑えられる、すごく優秀な装備なんです。
注意点としては、本体が結構大きくて重いことと、電源周波数(50Hz/60Hz)で製品が分かれているので、お住まいの地域に合わせて選ぶ必要があることですね。
(下記は西日本用60Hz)
【タンク式・場所を選ばない】:アイリスオーヤマ タンク式高圧洗浄機 SBT-751
「ベランダに水道の蛇口がないから、高圧洗浄機なんて無理」と諦めていた方に、ぜひ知ってほしいのがこの「タンク式」です。
本体に水を溜めるタンクが付いているので、ベランダに蛇口がなくても、電源さえあればどこでも使えるのが最大の強みです。
お客様からも「諦めていたベランダ掃除ができて感動した」「蛇口からホースを引く手間がなくて、むしろ便利」と、特定の環境の方から絶大な支持を得ています。もちろん水道の蛇口に接続して使うこともできるので汎用性も高いんですよ。
100均のデッキブラシで1時間かけて床をこする労力を、高圧洗浄機ならわずか10分、しかも腕力ゼロで圧倒的にキレイにしてくれる。この「時間」と「キレイ」を買うと考えれば、決して高い買い物ではないと私は思います。
目的別おすすめ家電の比較
「ブロワーもスチームも高圧洗浄機も、全部良さそう…でも、うちにはどれが一番合ってるの?」と悩んでしまいますよね。
家電は「なんとなく」で選ぶと失敗しやすいので、ご自身の「一番解決したい悩み」に合わせて選ぶのが鉄則です。
まず、100均グッズで十分なケースと、家電が必要なケースを整理してみましょう。
100均で十分なケース vs 家電が必要なケース
<100均で十分なケース>
- ベランダがそこまで汚れておらず、月に数回、砂埃をサッと掃く程度。
- 手すりや物干し竿を拭くのがメイン。
- ごく稀に落ちた鳥のフンを、その都度スポット処理できればOK。
<家電が必要なケース>
- (ブロワー): 砂埃や落ち葉がひどく、毎回の「掃き掃除」の手間と時間を根本的になくしたい。(→時短・水なし)
- (スチーム): コケやカビが再発するのを防ぎたい。鳥のフン跡などを薬剤なしで徹底消毒したい。(→安心・安全・根絶)
- (高圧洗浄機): 何年も放置した床の黒ずみや広範囲のコケを、一度完璧にリセットしたい。デッキブラシでの重労働はもう嫌だ。(→省力・パワー・リセット)
どうでしょう?ご自身の状況と照らし合わせて、「あ、私はこれかも」というのが見えてきたんじゃないでしょうか。
さらに、3つの家電の特徴をまとめた比較表を作ってみました。ぜひ参考にしてください。
| カテゴリ | 機種名(例) | 最大の強み(訴求ポイント) | 解決する「制約」 | 解決する「悩み」 | レビュー上の注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブロワー | アイリス JB181 など | 水を使わず、風で一瞬でゴミ集め | 水なし(マンション) | 日常の砂埃、落ち葉、掃き掃除の手間 | 吸引機能は期待薄なモデルも |
| スチーム | アイリス STM-304N など | 100℃高温スチームで除菌・根絶 | 薬剤不使用 | コケ・カビの再発、鳥のフン跡の消毒 | ゴムパッキンのカビは落ちにくい |
| 高圧洗浄機 | ケルヒャー K3 Silent など | 圧倒的な水圧で黒ずみをリセット | 騒音(静音モデル) 蛇口なし(タンク式) |
床全体の黒ずみ、広範囲のコケ、重労働 | サイズが大きく重い。周波数確認。 |
※上記はあくまで代表例であり、機能や価格はモデルによって異なります。
もし私だったら、まずは「ブロワー」を導入して日常の掃き掃除を圧倒的にラクにして、年に1~2回、汚れが気になってきたタイミングで「高圧洗浄機」でリセット掃除をする、という使い方が一番ストレスがないかなと思います。
鳥のフンが頻繁で衛生面が気になるなら、「スチーム」を優先するのも、もちろんアリですね。
ご自身のベランダの「一番イヤなこと」を解決してくれる家電を選んでみてくださいね。
まとめ:ベランダ掃除100均から始めるコツ
ここまで、100均グッズを使ったベランダ掃除の方法から、その限界、そして一歩進んだ便利家電まで、たくさんお話ししてきました。
ベランダ掃除って、すごく面倒で後回しにしがちな場所ですよね。
でもキレイになると、洗濯物を干すのが気持ちよくなったり、ちょっとしたくつろぎスペースになったり、暮らしが豊かになる場所でもあると思うんです。
私が思う「ベランダ掃除100均から始めるコツ」は、まず100均で「やってみる」こと。
そして、「自分のベランダの一番の悩みは何か」を特定することです。
- 「水なしで砂埃を掃くのが、とにかく面倒!」なのか
- 「鳥のフンが不衛生で、本当にストレス!」なのか
- 「デッキブラシでこすっても落ちない黒ずみが、許せない!」なのか
悩みがはっきりすれば、選ぶべき道具も自然と決まってきます。
そして、100均のデッキブラシで一度「うわっ、これ手作業じゃ無理だ!」という「大変さ」を実感してから家電を選ぶと、購入後の満足度が全然違うんです。
「あの重労働から解放された!」という感動がすごいんですね。
最初から家電を買うよりも、失敗が少ない選び方だと私は思います。
まずはダイソーで、ご自身の悩みに合いそうな「ちりとりほうきセット」や「重曹スプレー」を一つ買ってみるところから始めてみませんか?
そして、もし100均の「手間」や「仕上がり」に限界を感じたら、その時はぜひ、家電の力を頼ってみてください。家電は「ラク」と「キレイ」、そして「安心」を手に入れるための賢い投資だと思いますよ。
皆さんのベランダが、スッキリ快適な空間になるのを応援しています!



