シャワーヘッドの掃除、最後にしたのはいつですか?
毎日使っているのに、意外と忘れがちなんですよね。
オキシクリーンを使えば簡単にキレイになると聞いたけれど、本当に大丈夫なのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
実は、オキシクリーンでのつけおき洗いは皮脂汚れや湯垢に効果的なんですが、シャワーヘッドの素材や種類によっては使えないケースもあるんです。
特に人気のリファシャワーヘッドには要注意。
また、つけおき時間を間違えるとメッキが剥がれたり、内部のゴムパッキンが劣化してしまう可能性も。
さらに日本版とアメリカ版のオキシクリーンでは成分が違うため、精密なシャワーヘッドには界面活性剤不使用の日本版がおすすめなんです。水垢にはクエン酸、黒カビにはカビキラーと、汚れの種類に合わせた使い分けも大切ですよね。
この記事では、家電量販店で働く私が日々お客様から寄せられる疑問をもとに、オキシクリーンを使ったシャワーヘッド掃除の正しい手順から注意点、各メーカーごとの対応まで、失敗しないための情報を詳しくご紹介します。
オキシクリーンでシャワーヘッドを掃除する基本

「オキシ漬け」って、キッチングッズや衣類だけだと思っていませんか?
実は、シャワーヘッドの掃除にもオキシクリーンはとっても有効なんです。皮脂汚れや石鹸カス、黒ずみなどを酸素の力で浮かせて落としてくれるんですね。
ただし、正しい手順や製品を選ばないと、大切なシャワーヘッドを傷めてしまう可能性も…。
ここでは、オキシクリーンでシャワーヘッドを掃除する時の「キホン」をしっかり見ていきましょう。
オキシ漬けの正しいやり方と手順
オキシクリーンを使った「オキシ漬け」は、基本的にはつけおき洗いなので、とっても簡単です。
ポイントは「お湯の温度」と「オキシクリーンの量」ですね。
1. お湯の準備(40℃〜60℃)
オキシクリーンが一番効果を発揮するのは、40℃〜60℃のお湯を使った時なんです。この温度で酸素の泡が一番元気に出るんですね。
給湯器の温度を一時的に上げるのが手軽ですが、「給湯器の設定を変えるのはちょっと…」という方もいらっしゃいますよね。こういう時におすすめしているのが、温度設定機能付きの電気ケトルです。
例えば、ティファールの「アプレシア コントロール」や象印の「CK-AX10」のような製品なら、60℃など必要な温度をピンポイントで沸かせるので、掃除のたびに給湯器を操作しなくて済みます。ウォーターサーバーのお湯を使うのも便利だと思いますよ。
2. オキシクリーンの溶液を作る
洗面器やバケツに、シャワーヘッドがすっぽり浸かるくらいのお湯(40℃〜60℃)を準備します。
オキシクリーンの量は、基本的な分量だと「お湯4Lに対して付属スプーン1杯」が目安です。でも、シャワーヘッドだけなら、お湯2Lにスプーン半分くらいで十分調整できると思います。
オキシクリーンは弱アルカリ性なので、手荒れ防止のためにゴム手袋は必ず着用してくださいね。
3. つけおきする
作った溶液の中に、シャワーヘッドを静かに入れます。
ホースごと浸けても大丈夫ですよ。
4. 仕上げとすすぎ
つけおきが終わったら、シャワーヘッドを取り出します。
シャワーの穴(散水板)や隙間に残った汚れを、古歯ブラシや専用の細いブラシで優しくこすり洗いします。
最後に、洗浄成分が内部に残らないように、水かぬるま湯でよーくすすぎます。
ここが甘いと、肌トラブルや製品の故障につながる可能性もあるので、念入りにお願いしますね。
オキシ漬けに必要な道具
- オキシクリーン(日本版がおすすめ! 理由は後ほど)
- 洗面器またはバケツ
- ゴム手袋(必須です)
- 古歯ブラシや隙間ブラシ
つけおき時間はどれくらいが最適か
つけおき時間、悩みますよね。
基本的には、まず「20分から1時間」を目安にしてみてください。
皮脂汚れや軽い黒ずみなら、これくらいで十分キレイになることが多いです。もし汚れがひどい場合でも、最長で3時間くらいまでにしておくのが安全だと思います。
長時間の放置はリスクあり
オキシクリーンはアルカリ性なので、あまりにも長時間(例えば半日以上)つけっぱなしにすると、シャワーヘッドの素材によっては変色したり、メッキ加工が剥がれてしまう危険性があります。
また、内部のゴムパッキン(Oリング)が劣化する原因にもなりますので、まずは短時間から試して、汚れ落ちの様子を見ながら調整するのが一番のおすすめです。
日本版とアメリカ版の違いと選び方
「オキシクリーン」と一口に言っても、実は種類があるのをご存知でしたか? 大きく分けて「日本オリジナル版」と、コストコなどでよく見かける「アメリカ版(EX)」があります。
この2つ、洗浄性能に関わる大きな違いがあって、シャワーヘッドの掃除には注意が必要なんです。
一番の違いは「界面活性剤」が入っているかどうか。
- 日本オリジナル版: 界面活性剤不使用、無香料、泡立ち少なめ。
- アメリカ版(EX): 界面活性剤配合、香り付き、泡立ちが多い。
界面活性剤は汚れ落ちを助けてくれるのですが、その分「泡立ち」も多くなります。
最近人気のファインバブルが出るような精密なシャワーヘッドの内部に、界面活性剤入りの泡が入り込んで、すすぎ残しがあった場合…。
故障やトラブルの原因になる可能性がゼロではないと、私は思います。
お客様からも「精密な家電に洗剤を使うのはちょっと怖い」というお話を伺うことがあります。
ですのでシャワーヘッドの掃除、特に精密なモデルには、内部残存のリスクが低い「界面活性剤不使用」の日本オリジナル版(無香料)を選ぶのが、一番安全で安心だと私は思います。
| 比較項目 | オキシクリーン(日本版) | オキシクリーンEX(アメリカ版) |
|---|---|---|
| 界面活性剤 | 不使用 | 配合 |
| 香料 | なし(無香料) | あり(香り付き) |
| 泡立ち | 少ない | 多い |
| 液性 | 弱アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
| 推奨用途 | ベビー用品、精密部品、シャワーヘッド | 頑固な油汚れ、衣類、スニーカー |
リファ(ReFa)に使えない理由
ここ、この記事で一番大事なポイントかもしれません。
美容家電で大人気のReFa(リファ)ブランド。
シャワーヘッドもすごい人気ですよね。
【厳禁】ReFaにはオキシクリーンもクエン酸もNG!
ReFaのシャワーヘッドは、メーカーであるMTGが公式に「中性洗剤以外のご使用はお控えください」と明記しています。
(出典: 株式会社MTG 公式サイト Q&A)
オキシクリーンは「弱アルカリ性」、後でご紹介する水垢落としのクエン酸は「酸性」です。どちらも中性洗剤ではありません。
つまり、ReFaのシャワーヘッドにオキシクリーンやクエン酸を使うことは、メーカーが推奨していない(実質禁止)ということなんです。デリケートな製品なので、故障や変色を避けるためにも、絶対に守ってくださいね。
ReFaの公式お手入れ方法
ReFaのシャワーヘッドは、柔らかいスポンジや布で優しく拭くのが基本です。汚れが気になる場合は、市販のお風呂用「中性洗剤」を水で薄めて使い、最後は洗剤が残らないようによくすすいでください。
TOTOやLIXILへの使用は?
「ReFaがダメなのは分かったけど、うちのTOTO(トートー)やLIXIL(リクシル)はどうなの?」と思いますよね。
TOTOやLIXIL、SANEI(サンエイ)といった大手メーカーが、オキシクリーン使用について「絶対にダメ」と強く明言している公式情報は、今のところ見当たりませんでした。
ですが、注意が必要なのは「メッキ加工」が施されているモデルです。
ピカピカしたシルバーのシャワーヘッドは、メッキ加工されていることが多いですよね。
このメッキが、アルカリ性(オキシクリーン)や酸性(クエン酸)の洗剤に長時間触れると、剥がれたり変色したりするリスクがあります。
オキシ漬けする前の確認ポイント
- 取扱説明書を必ず確認する:お手入れ方法に「中性洗剤のみ」と書かれていないかチェック!
- メッキ加工されていないか:ピカピカのメッキモデルは、つけおき時間を最短(20分程度)にするか、中性洗剤での掃除が無難です。
- ファインバブル機能があるか:精密な機能があるモデルは、内部に洗剤が残らないよう、すすぎを徹底してください。
最終的に、ご使用はご自身の判断になりますが、高価なシャワーヘッドの場合は特に、取扱説明書に従うのが一番安心だと思います。
オキシクリーン以外でのシャワーヘッド掃除法

オキシクリーン(弱アルカリ性)は、皮脂汚れや湯垢(酸性の汚れ)には強いんですが、実は万能ではありません。
シャワーヘッドの汚れは、水垢、皮脂、カビなど、色々なものが混ざっています。それぞれの汚れの性質に合わせて洗剤を使い分けるのが、賢いお掃除のコツですよ。
水垢汚れにはクエン酸が効果的
シャワーヘッドの穴やフチに付く、白くてウロコ状のガリガリした汚れ。
あれは水道水に含まれるミネラル(カルシウム)が固まった「水垢」です。
水垢はアルカリ性の汚れなので、オキシクリーン(弱アルカリ性)では落ちにくいんです。こういう時は、反対の性質を持つ酸性の「クエン酸」(またはお酢)の出番ですね。
クエン酸つけおきの手順
ぬるま湯(40℃くらい)1Lに対し、クエン酸を大さじ1杯程度溶かします。そこにシャワーヘッドをつけおきします。
時間は10分〜1時間程度が目安です。
クエン酸もつけすぎに注意
クエン酸も酸性ですので、メッキ加工製品や一部の素材は、長時間つけおきすると変色や劣化の恐れがあります。ReFaにはもちろん使えません。まずは10分程度から試してみてくださいね。
汚れがひどい時は「クエン酸パック」
つけおきでも落ちない頑固な水垢には、キッチンペーパーを使ったパックがおすすめです。
- 水100mlにクエン酸粉末小さじ1を混ぜた溶液を作ります。
- キッチンペーパーに溶液を浸し、シャワーヘッドに巻き付けます。
- 上からラップで覆って乾燥を防ぎ、1時間ほど放置します。
- 時間が経ったら歯ブラシでこすり洗いし、水でよく流します。
スプレータイプの製品、例えばLECの『クエン酸の激落ちくん 泡スプレー』なども手軽で便利ですよ。
皮脂汚れには重曹やセスキ炭酸
人の皮脂や石鹸カスが混じった「湯垢」は、酸性の汚れです。これはオキシクリーン(弱アルカリ性)が得意な汚れですが、もちろん「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」といった他のアルカリ性洗剤も有効です。
ぬるま湯(40℃程度)に、重曹なら大さじ3、セスキ炭酸ソーダなら大さじ1程度を溶かして、1〜3時間つけおきします。オキシクリーンがご家庭にない場合は、こちらを試してみてくださいね。
黒カビにはカビキラーを使う
シャワーヘッドの穴や隙間に、点々と黒い汚れが…。
それは「黒カビ」です。
カビ菌には、やはり「塩素系漂白剤」(カビキラーやハイターなど)が一番効果的です。
洗面器に水を張り、カビキラーを数回プッシュして混ぜた溶液に、シャワーヘッドを10分〜30分つけおきします。
終わったら、よーくすすいでください。
【最重要】混ぜるな危険!
絶対に、絶対に、酸性洗剤(クエン酸やお酢)と混ぜないでください! 有毒な塩素ガスが発生して、命に関わる危険があります。
また、オキシクリーン(酸素系)と塩素系を混ぜるのも、効果が打ち消されたり、危険な場合があるのでNGです。異なる洗剤を使う時は、必ず水で完全に洗い流してから、時間を置いて作業してください。換気も忘れずにお願いします。
シャワーヘッドが外せない場合
「掃除したいのに、シャワーヘッドが固くて外せない!」
お客様からも、このご相談は意外と多いんです。
一体型で分解できないタイプもありますよね。
そんな時は、無理に外さなくても大丈夫ですよ。
対処法1:バケツや洗面器でつけおき
ホースごとシャワーヘッドが浸かるように、バケツや洗面器にお湯と洗剤(オキシクリーンやクエン酸など)を張って、そのまま浸けちゃいましょう。
対処法2:ビニール袋で「パックつけおき」
これが一番手軽かもしれません。
厚手のビニール袋に、ぬるま湯と洗剤を入れます。
その中にシャワーヘッドを入れ、ホースの根元あたりを輪ゴムや紐で縛って、溶液が漏れないように固定します。そのまま1時間ほど放置すればOKです。
掃除後に黒いカスが出たら?
掃除した後にシャワーから水を出したら、黒や茶色のカスがビャッと出てきた…!
ちょっとびっくりしますよね。
考えられる原因はいくつかあります。
原因1:カビ・汚れ
シャワーヘッド内部や、シャワーホースの内部に溜まっていた黒カビや湯垢が、洗剤の力で剥がれて出てきた可能性です。
原因2:ゴムパッキンの劣化
シャワーヘッドとホースの接続部分にある「Oリング」と呼ばれるゴムパッキンが、長年の使用や洗剤の影響で劣化し、ちぎれて出てきた可能性です。
対処法は?
カビや汚れが原因なら、何度か水を流し続ければ出なくなることが多いです。
ホース内部が怪しい場合は、ホース自体の交換も検討が必要かもしれません。
ゴムパッキンの劣化が疑われる場合は、一度ヘッドを分解してパッキンを確認し、ホームセンターなどで適合するサイズの新しい部品と交換する必要があります。
まとめ:オキシクリーンでシャワーヘッド掃除
シャワーヘッドの掃除、奥が深いですよね。
オキシクリーンはとても便利ですが、万能ではありません。「汚れの種類」と「シャワーヘッドの素材」に合わせた使い分けが本当に大切です。
ここで、汚れ別の洗浄剤を一度おさらいしておきましょう。
| 汚れの種類 | 汚れの性質 | 有効な洗剤 | 液性 |
|---|---|---|---|
| 水垢・ウロコ | アルカリ性 | クエン酸、お酢 | 酸性 |
| 皮脂・湯垢 | 酸性 | オキシクリーン、重曹、セスキ炭酸 | 弱アルカリ性 |
| 黒カビ | カビ菌 | 塩素系漂白剤(カビキラーなど) | アルカリ性 |
そして、メーカーや素材ごとの相性も重要でしたね。
| メーカー/製品タイプ | 推奨洗剤(公式) | オキシクリーン | クエン酸 | 塩素系カビキラー |
|---|---|---|---|---|
| ReFa (MTG) 製 | ◎ 中性洗剤のみ | × 絶対NG | × 絶対NG | × 絶対NG |
| メッキ加工製品 | ◎ 中性洗剤 | △ 注意 (短時間推奨) | △ 注意 (短時間推奨) | × 非推奨 (変色リスク高) |
| 樹脂製品 (白など) | ◎ 中性洗剤 | 〇 推奨 (1時間程度) | 〇 推奨 (1時間程度) | △ 注意 (10分程度) |
迷ったら「中性洗剤」とブラシが最強!
結論として、一番安全なのは、ReFaも認めている「お風呂用の中性洗剤」を付けたブラシでこまめに洗うことです。高価なシャワーヘッドを傷めて後悔する前に、まずは安全な方法から試してくださいね。
家電のプロからのお掃除提案
シャワーヘッドの掃除、結構大変…と感じた方もいるかもしれません。
私たち家電関係者としては、そんな「大変」を解決する家電もぜひ知ってほしいなと思います。
1. スチームクリーナー(浴室全体のカビ予防)
そもそもシャワーヘッドがカビるのは、浴室全体の湿度やカビ胞子が原因です。ケルヒャーの「SC 3 EasyFix」のようなスチームクリーナーなら、約100℃の高温スチームで浴室の壁や目地、床のカビを根本から除菌できます。
シャワーヘッドをオキシ漬けしている「待ち時間」に、スチーマーで浴室全体を一気に掃除する、なんて効率的なルーティンもおすすめですよ。
2. 電動バスポリッシャー(こすり洗いを自動化)
つけおき後の「こすり洗い」、地味に疲れますよね。EPEIOS JAPANのバスポリッシャーのような電動ポリッシャーがあれば、あの作業を家電が代わってくれます。シャワーヘッドだけでなく、ホースや水栓金具、壁まで一気に磨き上げられて、とっても楽になります。
3. 超音波洗浄機(分解部品の徹底洗浄)
もしシャワーヘッドが分解できるタイプなら、シチズンの「SWT710」のような超音波洗浄機もアリです。散水板やフィルター、ゴムパッキンなど、ブラシが届かない微細な隙間の汚れを、超音波の力で浮かせて落とします。
水と中性洗剤数滴で使えるので、ReFaの部品洗浄にも(自己責任の範囲ですが)使えるかもしれませんね。(※劣化したメッキは剥がれる可能性があるので注意です!)
少々極論ですが、掃除の手間を考えるのが面倒になったら、いっそReFaの「ファインバブル U」やアラミックの「節水シャワープロ・プレミアム」のような、洗浄力が高く汚れにくい最新モデルに買い替えるのも、一つの手だと思います(笑)
以上、お疲れ様でした!
それではご自身のシャワーヘッドの素材をしっかり確認して、安全で快適なバスタイムを楽しんでくださいね!


